今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ヤマハ インプレスX RMX ドライバー です。
シャフトは 三菱レイヨン ディアマナ B 60 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.6、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は314gです。
ヤマハのニュードライバーです。
ひと目見て、すごくカッコいいと思いました。
この重厚な感じのブラックがとてもシブいです。
『男のドライバー』という感じがします。
白いヘッドもいいですが、やはり黒という色は、その第一印象だけで、こちらをやる気にさせてくれますし、自然とパワーがみなぎります。
コーヒーに例えると、コーヒーの上に生クリームが浮かんでいるウィンナーコーヒーやミルクがたくさん入っているカフェオレなどもいいですが、やはりコーヒー本来の香りや苦みを味わうことのできるブラックに魅力を感じるのと通じる部分があるのかな?と思いながら見つめていました。
混ぜ合わせることで新たな魅力が引き出されることもありますし、逆に単体だけのほうが、その良さをより魅力的に感じられることも多いです。
ただ、このドライバーは『RMX(リミックス)』ということなのだそうで、何やら混ぜ合わせることができるような気もしました。
形状は本格派で整っていますが、ディープというよりは、少しシャローな感じがします。
円盤のような『超・シャロー』ではありませんが、私は『厚み感』よりは、やや『シャロー感』を感じました。
ただ、この黒い色が全体をギュッと引き締めてくれています。
今は色々なメーカーが白いヘッドに『参入』していますが、ヤマハはこれからも、こういったオーソドックスなブラックで勝負するのでしょうか?
ホワイトヘッドも好きですが、もし全く同じ形状や性能で、打感や音などフィーリングに関する部分も同じだとしたら、私は黒いヘッドを選びます。
テーラーメイドのRBZ FWが黒いヘッドだったら、どんな感じになるのか、とても興味があります。
ヒール側のところに、『Remix TUNING SYSTEM』と記されていました。
やはり『調整機能』が搭載されたドライバーなのだと思いました。
おそらく、ヤマハでは初なのではないでしょうか?
ダンロップ(スリクソン)やブリヂストン(ツアーステージ)なども次々と調整機能が搭載されたドライバーを発表していますし、この流れはずっと続くのでしょうか?
ロフトやライ角はもちろん、シャフト交換がプレイヤー自身で簡単に行うことができるようになるのは、とても画期的なことだと思いますし、メーカー側の素晴らしい発想力や開発力のおかげだと思います。
ただ、こういったシステムは、まだスイングが固まっていないビギナーの方よりは、ある程度キャリアを積んでスイングを作り上げてこられた中級者以上の方のほうがメリットが大きいように思います。
自分のスイングの傾向などを把握しておいたほうが、使うメリットは大きいと思います。
でないと、余計に迷いが生じてしまうこともあるかもしれません。
ヒール側
トゥ側
ヒール側とトゥ側には、それぞれひとつずつウェイトのようなものが組み込まれていました。
すごくよく目立ちます。
近くでよく見てみると、どちらも『13』と記されていたので、おそらく13gということでいいのだと思います。
これまでも、こういったウェイトはたくさん見られましたが、この位置に組み込まれているということは、結構『浅重心』になっているのではないかな?と思いました。
これまでは球があがりやすい深重心がスポットを浴びてきましたが、これからはスピンを抑えやすくなる浅重心がスポットを浴びるようになるのでしょうか?
聞くところによると、ヒール側のウェイトを取り外してシャフトを交換するようになっているのだそうですが、今日は取り替える工具もなかったですし、他のシャフトも無かったので、今度機会があればシャフト交換にもチャレンジしてみたいと思います。
こうして見ても、やはりセミシャローバック形状だと思います。
シャローバックに慣れておられる方には、厚めに見えるかもしれませんが、私は結構薄さを感じます。
ただ、これまでもこういった形状のドライバーにはたくさん出会ってきているので、特に珍しいとは思いませんでした。
このクラウン部分の微妙な曲線が美しいと思いました。
ヤマハのマークも、しっかりと配置されています。
とてもよく目立っていますし、ヤマハのファンの方にはたまらないのではないでしょうか?
ただ、ヤマハのインプレスはすごく人気がありますし、ゴルファーにもすっかり認知されているので、ゴルフブランドだけのマークを新たに作ってみてもいいのではないかな?と思いました。
勿論、このマークもいいのですが、楽器などのイメージも被ってくるので、斬新でカッコいい『インプレス独自』のトレードマークがあってもいいような気もしました。
トレードマークのデザインひとつで、そのクラブの印象もすごく変わってくるように思います。
このオリジナルグリップも、すごくいいです。
私が大好きなツアーベルベット系なので、とても握りやすいです。
手にすごくフィットしますし、適度な柔らかさがボールの方向性や距離感(特にアイアンやウェッジ)などを伝えやすくしてくれています。
唯一の欠点とすれば耐久性ですが、それを加味しても、このグリップには大きな魅力を感じます。
バックラインが無いのも握りやすさをアップさせてくれています。
バックラインがあったほうが安心して握れる・・・。という方もいらっしゃると思いますし、特にドライバーでは、これまでバックラインが有った物のほうが多かったような気もします。
私はずっとバックライン無しを選んで使ってきたので、このグリップにはすごく好感がもてます。
ただ、使っていけば消耗することは避けられないので、このインプレスのオリジナルのグリップを購入できるようになっていれば、すごくありがたいです。
顔もクセがなく整っています。
さすが、ヤマハのクラブらしい『美』にこだわったところが感じられます。
いくら高機能でも、顔が良くないと使ってみたいは思わないですが、この顔ならば充分に魅力を感じます。
やはり、少しシャローに感じました。
『立体系』のヘッドを苦手に感じられる方には、このドライバーの顔はすごく好感がもてるのではないでしょうか?
球もよくあがりそうです。
素振りをしてみても、外観のイメージほど硬さや重さをあまり感じませんでした。
装着されているディアマナシャフトもフレックスがSではありますが、少し軟らかく感じました。
このシャフトのフィーリングやヘッド形状からも、あまりタフ過ぎないようにして、幅広い層に対応しているように感じられました。
このディアマナのニューシャフトは初めてだったのですが、変なクセがないので、自然な感じで振っていくことができました。
どこかに気を付けて振っていかなくてはいけない・・・。という余計な気を遣うことはありませんでした。
ボールを前にして構えてみても、良い印象をもちました。
これまでたくさん出会ってきた、程よいあがりやすさを感じさせてくれるドライバーです。
直進性も高そうです。
ヘッドも大きく見えたからなのかもしれませんが、少し短く感じられました。
長さは45.25インチということでしたが、それよりも短く感じられました。
実際は短くなくても、短く見えるように工夫をして、『短尺のような振り抜きやすさ』をあらかじめ演出しているドライバーなのかな?と思いました。
ヘッドの黒と、シャフトのブルーの組み合わせがとても美しく感じられました。
黒という色は、重厚感を感じさせてくれますし、どの色にも染まらないという強さをもっていると思います。
対して青という色は、気分を落ち着かせてくれたり、集中力を高めてくれる色だと思います。
改めて、この色のコンビネーションの良さを感じました。
ヘッド自体もバルジが微妙に効いていて、扱いやすそうです。
フェースも被っていなくて、程よい『逃がし顔』です。
『オープンフェース』だとは思いませんでしたが、左方向へのマイナスイメージは私の頭には浮かんできませんでした。
気持ちよく振り抜いていけそうでした。
私はつかまえ顔よりも逃がし顔のほうが、どちらかといえば易しく感じます。
フェースをいい感じでロールさせていけそうに感じられるところがいいです。
今はバルジが直線に近い物が多いように思うのですが、できれば少し曲線が感じられたほうが、操作しやすそうに感じますし、曲線をイメージしやすいので、自分の持ち球で勝負できそうに感じられます。
こういったところは、『パーシモンの名残り』なのかもしれません。
しかし、チタン全盛の今とあっては、昔のようなバルジはあまり必要ではないのかもしれません。
ただ、このドライバーはシャロー感も感じられたので、バルジの微妙なカーブの美しさは感じましたが、曲線よりも直線をイメージしやすかったです。
いずれにせよ、ミスショットのイメージは湧いてきませんでした。
いいショットのイメージばかりが浮かんできました。
試打を開始しました。
『打感』は、弾き感が感じられ、とても好感がもてました。
このフィーリングは打つ前から、ある程度予想していました。
弾き感が感じられながらも、すごくいいところでヒットできたときには、心地よい柔らかさも感じることができました。
『音』は、はっきりとしていますが、大きすぎないので、全く不満はありません。
インパクトが緩むことはなかったですし、気持ちよく最後まで振り切っていくことができました。
『球のあがりやすさ』という点でも、タフ過ぎず、いい感じでした。
どちらかといえば、スインガータイプの方よりも、ヒッタータイプの方に合いやすいと思いましたが、シャフトは勿論、ヘッドのスペックも色々なタイプが用意されているそうなので、かなり幅広い層に対応しているように思います。
シャロー系の球のあがりやすさと、シャロー過ぎないバック形状のしっかり感・・・。といったらいいでしょうか?
程よい『さじ加減』ができているように思いました。
『安定性』という点でも、高いものを感じました。
途中から変な曲がり方をしないドライバーなので、最初のライン出しが上手くできていれば、必然的にショットの成功率が高まるドライバーだと思います。
こういったところは、今のドライバーの大きな特長のような気がします。
昔のドライバーのように、打出した方向は良かったんだけど、途中からすごく曲がってOBになってしまった・・・。ということは無くなると思います。
ミスヒットに対する寛容さも、ある程度高いと思いました。
見た目の印象以上にスイートエリアも広いのではないでしょうか?
結構トゥ側で打っても、フェースが当たり負けしない感じがしました。
ボールをそのまま、真っ直ぐ方向に送り出してくれているように感じられました。
『飛距離性能』という点でも、今のドライバーの流れを汲んでいる『ハイレベルな弾き系』で、高いパフォーマンスが期待できると思います。
ボールの飛び出す勢いもいいですし、瞬発力が感じられます。
スピンも多すぎないので、吹き上がりをあまり気にしなくていいと思います。
叩けるドライバーだと思います。
今のドライバーは、飛距離という点でも、かなりのレベルの高さがありますが、このドライバーも、それらの中でも、なかなかいい位置をキープしているのではないかな?と思いました。
これまで体験してことがないような強烈な飛びだとは思いませんでしたが、コンスタントに距離を稼いでいける感じがしました。
まとめやすいので、距離の『当たり外れ』が少ないように感じました。
高いアベレージで距離を稼いでいけるタイプのドライバーだと思います。
弾く力が感じられますが、『一発の飛び』というよりも、どちらかといえば『安定した飛び』が実現しやすいのではないかな?と思いました。
コース攻略には、とても頼りになるドライバーのような気がします。
『操作性』という点では、まずまず・・・。だと思いました。
とりあえず、左右にも曲げてみたのですが、あまり大きな曲がりはしづらい感じがしました。
構えたときにシャロー感が感じられましたし、逃がし顔だったので、多少つかまりづらい部分があるのかな?と思っていたのですが、思っていた以上に球もつかまりやすく感じました。
つかまりは予想以上にいいですが、引っ掛かる感じがしないので、すごく楽な気分で打っていくことができました。
ヤマハも遂に調整機能付きのドライバーを発表したか・・・。と思いましたし、この流れはこれからも続くような気がします。
しかし、その調整機能を今日は試すことができなかったのが、残念でした。
シャフト交換以外にもウェイトを変えたら、どのようにフィーリングが変わるのかも、興味があります。
私が今エースとして愛用しているドライバーも、ウェイトが交換できるタイプなのですが、試打クラブでは取り外したことがあるのですが、購入したドライバーは一度も外したことがありません。
今のままで充分満足していますし、ウェイトを変えるとフィーリングが悪くなる・・・。というのを聞いたことがあります。
これからも交換することはないように思います。
今は高価そうに見えても、結構リーズナブルな価格なクラブも出始めているので、このドライバーの値段も店員さんに尋ねてみたのですが、これまでのヤマハのドライバーらしく、『見た目通りの価格』でした。
安価とは思えなかったですが、この高機能であれば、仕方のないことなのかもしれません。
ゴルフクラブは価格が高いほうが逆に購買意欲を刺激することも多いと思いますが、私は敷居が高く感じてしまいます。
メーカー初の『調整機能付きドライバー』ということで、今年試打した『スリクソンZシリーズ』を思い出しました。
スリクソンZは『顔よし』『打感などのフィーリングよし』『飛距離などの性能よし』、おまけに『価格よし』です。
このドライバーもすごく好感がもてましたが、もしスリクソンZドライバーと、どちらかを購入するとするならば、私は迷わずスリクソンZを選びます。
それは『価格設定』だけではなく、他の色々な部分(特に調整機能の豊富さ)に魅力を感じたからです。
ただ、このドライバーもすごくカッコいいですし、大きな不満はありません。
むしろ、好感度のほうが高いです。
今まで試打してきたドライバーの中で、一回きりで試打を終えるクラブが多いなか、このドライバーはまた何度でも試打したい楽しいドライバーです。
今はそれだけ、他にいい物がたくさんあるからなのかもしれません。
とても贅沢なことのように思えてきます。
クラブ開発には、かなりたくさんの研究費などが掛かっているとは思いますが、できればもう少し安くなってくれると、より財布の紐も緩んでしまうじゃないかな?と思いました。
しかし、それでも今日は『ヤマハワールド』にすっかり染められました。
とても楽しい時間を過ごすことができました。
今の時期のように寒くなってくると、暑い時期以上にドライバーの試打が楽しいです。
今日は、このヤマハのドライバーのおかげで、寒さをあまり感じることなく、密度の濃い試打ができました。
装着されていたシャフト、ディアマナも良かったですが、また他のシャフトでも試してみたいです。
ヤマハ インプレスX RMX ドライバー
- 2012年11月19日
- ヤマハ
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