今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プロギア RS ドライバー です。
シャフトは Diamana FOR PRGR です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD1.5 です。
プロギアRSシリーズの新しいドライバーです。
ソールに『5』と大きく表示されているので、RS5ドライバーなのかと思ったのですが、名前はRSのようです。
5にはどういう意味があるのでしょうか?
RSドライバーの5代目という意味なのかな?と思いましたが、真偽のほどは定かではありません。
ソールにある、このギザギザなものが目立っていました。
これはどのような効果が期待できるのでしょうか?
他のメーカーでは『溝』になっていることもあるので、溝の役目をするのかもしれません。
角度を変えて見ると、フラットではなく、微妙に段差がついていました。
やはり、何か理由があるようです。
シャロー感の強いラージサイズのヘッドです。
かなり大きく見えました。
PRGRは高反発モデルも発売していますし、ひょっとしたら、このドライバーは460cc以上の『オーバーサイズ』なのかな?と思い、後で店員さんに確認してみると『460cc』で、SLEルール適合モデルなのだそうです。
『大きく見せる工夫』が、かなり出来ているように見えました。
どちらかというと私は大きめよりも小ぶりなほうが好きですが、この大きさに親近感をもたれる方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
全体的な質感がとても良く、仕上げも美しいです。
プロギアらしい丁寧な仕上がりに目尻も下がります。
チープなところは全くありません。
バックフェースには大きなウェイトがひとつありました。
『8』という数字があったので、8gで間違いないと思います。
プロギアのことだから、おそらく色々な重さのウェイトが用意されているのではないでしょうか?
ネックの長さは適度にあります。
一時期はショートタイプが多かったのですが、最近はこのように適度な長さのあるモデルも増えてきました。
ネックには調整システムが搭載されています。
このシステムは、これまでのプロギアドライバーに見られました。
試打するのは、このRSのポジションです。
以前試打したモデルとは、違うシステムのようです。
フェース面はシンプルで美しいです。
このフェース面も、これまで見てきました。
センターエリアのヒッティング部分のスコアラインはフラットになっていて、『溝』になっていません。
しかし、その周りの白いスコアラインは溝になっていました。
これは強度と関係があるのでしょうか?
SLEルールに違反しない範囲で、ギリギリまでフェース面が薄く削られているのかもしれません。
トゥ側には『CNC MILLED』の文字がありました。
これまでは『FORGED』が多かったのですが、このドライバーは違います。
機械的で、かなりこだわった削りのような印象を受けます。
コンピュータ制御というと、どこかちょっと冷たい印象を受けることもあるのですが、このドライバーはそんな感じはありませんでした。
『熱い』『冷たい』という温度差は感じず、とても丁寧で綺麗なフェース面だという印象です。
このフェース面にはプロギアのこだわりが感じられます。
私の記憶違いでなければ、おそらくこの『CNC MILLED』はPRGR初ではないでしょうか?
かなりシャロー感の強いヘッドですが、この形状は見慣れました。
バックフェースのところを見ると、以前試打したリョーマのドライバーを思い出しました。
こうして外見だけで見ると、かなり重心が低くて深そうです。
ソールのヒール寄りには『All for Max Performance』という文字がありました。
とても心強い言葉です。
『全てのものを最大のパフォーマンスで・・・』ということでしょうか?
トゥ側にあるRSの文字が映えています。
顔はクセがありました。
これは前にも見たことのある顔です。
『PRGR顔』というよりは『RS顔』といったほうがいいかもしれません。
投影面積がかなり大きくて、フェースが左を向いています。
昔からある顔ですが、最近ではそれほど多くないような気がします。
今は『控えめなフックフェース』が多いように思いますが、このドライバーは控えめではなく、はっきりしています。
ヘッド後方もよく伸びていて、直進性を感じさせます。
フェースターンさせるイメージは浮かんできません。
写真では見えづらいのですが(実物を見るとすぐにわかります)、クラウンがカーボンコンポジットでした。
テーラーメイドが『再ブームの火付け役』となって、今では多くのメーカーが採用するようになりましたが、元々はプロギアが『本家本元』といいますか、『元祖』といっていいように思います。
一時期、プロギアといえば、このカーボンコンポジットでしたし、多くのメーカーが追随していきました。
私は『TR DUO』というドライバーを愛用していたことがあり、すごく気に入っていたのですが、いわゆる『高反発モデル』だったので、SLEルールによって使用が禁止されるということで、泣く泣く手放したことがあります。
このカーボンクラウンが以前のRSとの違いといっていいのではないでしょうか?
このカーボンの模様は、はっきりしていますが、強烈過ぎないので構えても邪魔にならないだろうな・・・。と思いました。
装着されているグリップはソフトなフィーリングで好感が持てます。
これまでもたくさん採用されてきた、シンプルなタイプです。
調整機能が付いているからでしょうか?
バックラインはありませんでした。
私はバックラインが無いほうが好きなのですが、バックライン有りを好まれる方には、少し物足りないところかもしれません。
素振りをしてみると、シャフトは結構軟らかくてしなりが大きいですが、『グラグラ感』はないので、数回素振りを繰り返せばタイミングがとりやすそうでした。
軽すぎず、軟らかすぎずといった感じで、これが今のドライバーで多いような気がします。
ディアマナというと、どうしても『しっかり』のイメージが残っているのですが、当然ながら色々なタイプのディアマナがあるので、一概には言えません。
私は昔、『青マナ』を使っていたことがありますし、それ以外では『カイリ』や『イリマ』の印象が強いです。
ボールを前にして構えてみると、やはり独特な感じがして、ちょっと苦手意識が芽生えてしまいました。
正直、構えづらいです。
ヘッド後方の膨らみが大きいということもあるのですが、やはりフェースがかなり左を向いているように見えてイメージが描けません。
頭の中がクリアにならず、ずっとモヤモヤした状態です。
左へ巻いてしまうイメージしか出ず、スライスの気配は全くありません。
シャロー感の強い、扁平顔といったらいいでしょうか?
立体感は無く、フェースの厚み(高さ)で包んで飛ばす・・・。というイメージは出ません。
完全に、『オートマ系フックフェース』のドライバーです。
私が好む構え感ではないのですが、このフックフェースを好きだという方もたくさんいらっしゃると思います。
私は右を少し向いて構え直し、ちょっと工夫をして打っていくことにしました。
ヘッドが大きいので、ボールが小さく見えました。
フッカーである私は構えづらいのですが、スライサーの方には、かなり心強い顔といえるのではないでしょうか?
右へ飛んでいく要素を全く感じさせません。
コースではなく練習場なので、いくら左へ打っても問題はないのですが、やはり右を向いてそこから回していくほうが、気持ちも楽になるので、そのように構えました。
構えづらいクラブとか、イメージが出ないときは、保険を多めにかけるに限ります。
ミスが出ると仮定して、そのミスが出ても上手く対処できるように先手を打っておく・・・。といったところでしょうか?
満点に近いような『高得点』を狙うのではなく、ギリギリでも『及第点』を狙っていく感じです。
試打を開始しました
『打感』は良いです。
ソフトというよりは、ややしっかりめな打感ですが、硬くなく手に嫌な衝撃も残りません。
いわゆる『一球で完結できる』打感です。
後に引くことはありません。
こもったような打感ではなく、いい感じの手応えがありました。
打感に『ボクシングの階級』のように、ヘビー級やライト級などがあるとするならば、このドライバーの打感は『ライトヘビー級』くらいかな?と打ちながら思いました。
結構ずっしり来るといいますか、球の重さを感じ取ることができました。
重さを感じる打感ですが、それが飛びを邪魔するのではなく、しっかりとした手応えとして残してくれているところに喜びを感じました。
『音』も良いです。
はっきりとした耳に響く音です。
おとなしめではなく、やや大きめではあるのですが、甲高くなくインパクトを邪魔しない音なので好感が持てます。
インパクトをしっかりと『点で感じられる音』といったらいいでしょうか?
音楽に例えると、最初は当然『ff(フォルテッシモ)』から入るのですが、早めの『>(デクレッシェンド)』がやってきて、その加減が『長すぎず短すぎず』ちょうど良いです。
叩きにいってもインパクトが緩まず、じっかりと振り切ることができました。
プロギアのドライバーは、昔は異音を発する物もあったと思うのですが、もう何年も安定した音になっているので、打つ前から安心はしていました。
球はあがりやすいです。
見た目通りのあがりやすさで、タフさは全く感じられません。
10.5度というロフト通り(実際はもっとロフトが寝ているのは間違いない)の打ち出しの高さがあり、高弾道です。
この球の『浮揚力』といいますか、『あがり加減』は、これまでも経験していて、以前試打したモデルの弾道とイメージが被りました。
この伸び方・スピード感は瓜二つです。
さすがは後継モデルだな・・・。と思いました。
『安定性』は高いです。
完全なオートマチック系のドライバーで、直進力が高く、曲がる気配を見せません。
ラージサイズで扁平感が強いですが、昔のドライバーと違って、かなり球のつかまりがいいので、ラージサイズの欠点である、球のつかまりづらさ・プッシュの出やすさといった欠点を上手くカバーできています。
私はこの構え感が苦手で、左への警戒感を常に持っておかなければならないのですが、このドライバーの構え感が気にならないという方や、日頃から球のつかまりが弱くて距離をロスしているな・・・。という方にとって、かなり頼もしい相棒となってくれるのではないでしょうか?
最初から『チーピン』を警戒していたからなのか、一球目から大きなフックは出ず、ストレートに近いドローボールを打たせてくれました。
しかし、ちょっとでも気を抜くと左へ飛んでしまいそうだったので、ある程度の緊張感をもって試打に臨んでいました。
『飛距離性能』も高いです。
高弾道で弾きが良く、キャリーを稼げるタイプです。
打ち出しが高めで、落下角度が緩やかな感じがしました。
スピン不足でキャリーが伸びないということにないよう、考えられて設計されているのだと思います。
スピンはやや多めのような弾道だったのですが、大きく吹き上がることはなく、『辛抱』してくれる感じでした。
『球質的』には、やや軽めな感じです。
先ほどの『打感』同様、『弾道』にもボクシングの階級があるとするならば、この弾道は『バンタム級』くらいかな?と思いました。
余談ではありますが、バンタム級というと、どうしても『あしたのジョー』の矢吹丈やカーロス・リベラ、ホセ・メンドーサを思い出しますし、実在する人でいえば、名チャンピオンである長谷川穂積さんや山中慎介さん、そして今をときめく井上尚弥選手を思い出します。
このドライバーは全体が黒で、キリッと引き締まったデザインで高級感もありますが、一部のアスリートゴルファーの為にあるドライバーではなく、ヒッタータイプの方からスインガータイプの方まで、幅広い層に対応に対応できている、守備範囲の広いドライバーです。
『操作性』という点では、かなり『オートマ色』が強いので、それほど秀でていません。
なかなか思うように曲がらず、小さい曲がり幅で収まっていました。
右にも曲げようとオープンスタンスで、かなり『カット』で打ってみたのですが、大きく曲げるのは難しいと感じました。
右に滑る感じの球が出ず、全てしっかりとつかまる感じなので、プッシュ気味の球は出づらいです。
フェースの弾きは強いですが、接触時間が短くて右に抜けていくのではなく、しっかりと『ホールド感』をもっているドライバーです。
これだけ大型でフックフェースも利いているので、スライスに悩んでおられる方には、『右へ行かせない』という安心感をもてるドライバーといえるのではないでしょうか?
球のつかまりがいいので、私はスライス系よりはフック系のほうが易しく感じました。
フック系といっても、昔のドライバーのように最初は真っ直ぐに近い感じで飛んでいって、途中から大きくカーブを描いて飛んでいくという球筋ではありません。
最初の打ち出しに忠実なので、ライン出しも比較的簡単です。
試打後の感想
飛んでいく弾道を目で追いながら、2年前に試打したモデルの弾道と、ずっとイメージが重なっていました。
このドライバーも高性能ですが、2年前のモデルから大きく飛距離が伸びたとは、正直思いませんでした。
しかし、それはこのドライバーが進化せずに『伸び悩み』しているというのではなく、前のドライバーがそれだけ凄いということがいえます。
最新モデルもいいですが、過去のモデルもいいものがたくさんあるということです。
色々なものが付けられていて、ゴチャゴチャした感じのドライバーもありますが、このドライバーは工夫が見られるものの、それが邪魔になっていないといいますか、必要なものだけ取り入れられているように感じました。
私がこれまでたくさんのドライバーを試打してきて、色々なパーツが組み合わさってゴチャゴチャしたものは『意外と』といいますか、見た目の工夫ほど飛距離性能に物足りなさを感じるものが多く、逆にシンプルなほうが、いい弾道で飛んでくれるものが多いように思います。
弾道が『クリア』な感じがします。
過去のモデルのいいところをしっかりと受け継ぎながら、新たな工夫が見られます。
それが『カーボンクラウン』ということです。
ここ数年、よく見られるようになりました。
ウェイトの数は減っていたり、ネックの調整機能も少し変わった感じがしますが、ベースとなる部分は変わっていないようです。
『易しく』をモットーに、もっと多くの方に飛びを楽しんでもらいたい・・・。というメーカーの願いが、試打しながら感じられました。
ヘッドもかなり大きく見えて、しかもつかまりがいいので、多くのゴルファーから『易しく飛ばしていける』という評価を得られやすいのではないでしょうか?
私の好みとは大きく外れているところもありましたが、この『頑固』ともいえる、『曲がりづらさ』や『弾道の高さ』が印象に残りました。
これまでのオートマ系ドライバーといえば、確かにスイートエリアが広くて慣性モーメントも高くて曲がりづらいのですが、『不自然さ』を感じることも多かったです。
しかし、このドライバーはオートマ系でありながら、それほど不自然さは感じられず、気持ちよく打っていくことができたので、好感が持てました。
今回のモデルはあくまでも『マイナーチェンジ』だと思いますが、かなり工夫されていて、いい要素をふんだんに取り入れているように感じました。
目に見えないところ(ヘッドの内側)にも、たくさんの工夫がされているのではないでしょうか?
このドライバーに好感が持てたので、姉妹モデルも試打してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。