今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO CORSA PERFORMANCE 460 DRIVER です。
シャフトは TENSEI CK 60 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63.5g、トルクは3.5、キックポイントは手元調子 です。
久しぶりに出会ったバルドのドライバーです。
地クラブメーカーが今はたくさんありますが、バルドはその中でも人気の高いメーカーですし、私も大好きなメーカーのひとつです。
最近は、なかなか出会う機会がないのですが、こうしてニューモデルに出会えると心が躍ります。
バルドは名器と呼べるクラブをいくつも世に送り出してきました。
バルドらしく、黒を基調としたデザインです。
今は複数の色を使ったり、もっとカラフルなドライバーもありますが、このバルドは『ほぼ黒一色』です。
ゴルフクラブ界の『オールブラックス』といったところでしょうか?
黒一色というだけでなく、とてもカッコ良くて男っぽいデザインなので、私は『ブラックナイト(黒の騎士)』というイメージをもっています。
バルドはディープヘッドのイメージが強いですが、シャロータイプもラインアップされています。
このドライバーはシャロータイプです。
しかも、かなり大きく見えます。
ネックの長さは標準的です。
何ともいえない、いい雰囲気があります。
チープさなど全く無い、高級感あふれる仕上げになっています。
飛びや方向性など物理的な性能とは直接関係ないかもしれませんが、私はゴルフクラブには『質感』がとても大切だと思っています。
昔ほど多くありませんが、今でも時々チープに見えたり、仕上げが雑だったりと質感の良くないクラブに出会うことがありますが、そういったときはテンションがあがらず気持ちもノってきません。
しかし、今日はとても気分がいいです。
いい目の保養ができ、心が躍ります。
ネックに調整機能は搭載されていませんでした。
独特なソール形状です。
この独特な出っ張りのようなものがバルドらしいです。
以前試打したモデルにも見られますが、アレンジが加えられているようです。
最新のテーラーメイドのドライバーにも、このような出っ張りが見られますし、こうすることへのメリットは大きいのではないでしょうか?
これまで、こういうタイプのドライバーを試打した経験から、このパーツは『直進性』を高めるのに有効なのではないかと思っています。
私は球筋を操っていきたいタイプですし、直線よりも持ち球の曲線をイメージしていきたいので、フェースローテーションで自然に球を捕まえていきたいのですが、今はそのようなドライバーは少なくなりました。
フェースローテーションを使わず、最初からつかまるタイプのドライバーが多く、右に抜けにくくなっています。
ドライバーではフェースを返さずに打って、アイアンやウェッジでは自然と返していって・・・。という『別の使い方』が求められる時代なのかもしれません。
クラブの変化によって、ゴルファーが求められるものも変わってくると思いますし、余計に複雑になってくることもあるような気がします。
エンジンの排気口のようなデザインで、メカニカルな雰囲気がカッコいいです。
車好きの私は見とれてしまいました。
センスあふれるデザインで、バルドらしさがあります。
ソールに色々なものがつきすぎているとゴチャゴチャした感じがすることもありますが、バルドにはそれがありません。
『機能美』をもったドライバーだな・・・。と思いました。
目で楽しませてくれるデザインです。
バックフェースにはひとつだけウェイトが配置されていました。
数字が刻印されていないので、重さは判りません。
専用の工具を使えば簡単に取り外せそうですが、交換するタイプではないのかもしれません。
とても美しいフェース面です。
バルドらしい綺麗で丁寧な仕上がりのフェース面で好感が持てます。
このフェース面を見ているだけで、弾きの良さがイメージできました。
今でもフェース面がチープに見えたり、雑な仕上がりになっているドライバーは少なくないですが、バルドにはそういったところは見られません。
海外で大量生産してロット数の多さで勝負するメーカーと、ロット数は少なくても、その質や性能の高さで勝負するメーカーの違いといえるのかもしれません。
フェース面には綺麗なミーリングがありました。
スコアラインと平行に刻まれています。
スコアラインとスコアラインの間に3本ありました。
これはどういう効果が期待できるのでしょうか?
指で触れてみたのですが、結構ザラザラ感がありました。
アイアンやウェッジはともかく、ドライバーでミーリングがあるのは少ないので、珍しいな・・・。と思いましたが、こういった細部にいたるまでのこだわりがバルドらしいです。
シャロータイプのヘッドです。
今はもっとシャローなものがありますが、このドライバーはノーマルなシャローといった感じです。
ディープタイプではなく、シャロータイプを好まれる方は、この形状に安心感をもたれやすいのではないでしょうか?
この奇妙な顔にギョッとしました。
えっ、本当?と思ってしまいました。
全然バルドらしくない顔で、ちょっと驚きました。
バルドといえば、全ゴルフメーカーの中でも、その『男前度』はトップクラスにあると思っていたので、この『異型』は意外でした。
しかし、他のメーカーで同じようなタイプのドライバーを経験していますし、初めて見る顔ではないので、強い違和感はありませんでした。
バルドだと思わなければ、ごく普通の『今時(いまどき)の顔』です。
今でも見られますが、昔『異型ヘッド』が流行ったときに見られた『三角ヘッド』です。
『四角ヘッド』よりは、違和感は大きくありません。
私はタイトリストの『トライアングルヘッドドライバー』を思い出しました。
好みの顔ではないですし、バルドらしくないな・・・。とずっと思っていたのですが、この顔を採用するメーカーも他にありますし、バルドファンの方から、こういう顔を作って欲しいというリクエストがあったのかもしれません。
トライアングルヘッドには必ず『ついてくる』といいますか、セットになっていると思うのですが、このドライバーも『つかまえ顔』でした。
フッカーの私には、親しみづらいところもあるのですが、大型ヘッドには仕方のないことなのかもしれません。
以前も書きましたが、人によって『スクエアの感覚』は違ってくると思います。
正確に計測した数値が全てではありません。
使う人がどう感じるかが重要で、そういった意味では、このドライバーはフックフェースではなく、スライサーの方にとって『スクエア』といえるのかもしれません。
マイナスにプラスを足して、ちょうど0(ゼロ)になっているような気もします。
素振りをしてみた感じは、なかなかいい感じです。
最近よく出会うシャフトですし、大暴れしないのがいいです。
まとめやすくてラインも出しやすい印象をもっています。
ボールを前にしてもフェースが大きく左を向いているように見えて苦手意識が芽生えました。
こういう時はいつも、右を向いてそこから回す感じで打っていくことにしています。
そうしないと、いいところへ運ぶイメージが出せないからです。
しかしそれは私がフッカーだからであって、このドライバーで普通に構えられるという方はたくさんいらっしゃると思います。
私のフックフェースへの苦手意識は未だに払拭できていません。
このドライバーで真っ直ぐをイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、私は完全に『曲線』です。
右から大きくカーブを描いていくことで、ラインを出していくしかありませんでした。
構えやすいクラブだと自然なのでラインが色濃く浮かんでくるのですが、苦手なタイプだと色が薄いですし、浮かんでこないまま打たざるを得ないこともあります。
今日はとても薄くイメージできました。
この三角顔がフックフェースでなければ、もっと自然に構えられたと思うのですが、明らかにフックフェースでしかも、『強めのフック』なので、フッカーである私は右から回すしか打てる感じがしません。
少し目が回りそうでしたが、あまり凝視しないよう、ぼんやりとする感じで見ていました。
『スクエア顔』や『逃がし顔』を苦手にしておられる方は、このつかまえ顔は安心感をもたれやすいのではないでしょうか?
メーカーも、かなりターゲットを絞り込んでいるようです。
試打を開始しました
『打感』はとても良いです。
心地よい柔らかさと、弾き感のある打感で、バルドらしいフィーリングです。
ああ、バルドはこういう打感だったな・・・。と思い出しました。
『バルドフィーリング』といっていいでしょうか?
久しぶりのバルドだったので、懐かしさがありました。
『音』も、すごくいい感じです。
小気味良い音ですが、どちらかというとやや控えめで、高くなく大きくなく好感が持てます。
優しく鼓膜を刺激してくる音といったらいいでしょうか?
音は弾道のイメージを伝えてくれますが、スピード感があって力感を伝えてくれる音です。
顔や形状(シャローヘッド)を見たときは、スインガータイプ向けかと思いましたが、叩きにいっても心地よい打感と音をもっていました。
気持ちよく振り抜いていけるドライバーです。
球はあがりやすくて、高めです。
打ち出しは低くて、途中からフワッと浮いていく・・・。というのではなく、最初の打ち出しから高くあがっていくタイプです。
こういったところは、今のドライバーの特徴といえるのかもしれません。
全体が黒でかっこいいデザインですが、そのハードルは決して高くなく、スインガータイプの方にも、とても親しみやすいスペックに仕上がっています。
重心は低く、深く設計されているのではないでしょうか?
私たち日本人に合いやすいタイプのドライバーです。
バルドはカッコいいし、飛ぶとは知っていたけど、難しくて手が出せなかった・・・。という方がいらっしゃるかもしれません。
このドライバーはカッコいいデザインですが、とても親しみやすくなっているので、そういった方にも、是非試していただきたいです。
『安定性』も高く、かなりイージーです。
スイートエリアも広めで、球のつかまりが、かなりいいです。
右にフケる球が出にくいです。
私にはつかまりが良すぎて、最初からフックばかりが出てしまいました。
打点のブレにも寛容で、シビアさは全く感じられません。
弾道が高く、ハイドローではなく、『ハイフック』タイプのドライバーだと思いましたが、これは私がフッカーだから感じることであって、ストレートヒッターの方には『ハイドロー』。
スライサーの方には『ストレート』となるのではないでしょうか?
球が右に抜けてプッシュすることはなく、『自動的につかまえてくれる』ドライバーです。
顔は好みではないのですが、飛距離性能の高さは、さすがバルドだな・・・。と思いました。
弾きの良さがバルドらしいですし、初速がかなり出ています。
弾道も高く、ビッグキャリーが稼げるドライバーです。
『宙に浮いている時間が長い』と、弾道を目で追いながら率直に思いました。
それに加え、『つかまりの良さ』があるので、いい相乗効果を生み出しているように思います。
バルドのドライバーを試打するといつも思うことですが、この弾きの良さと初速の速さが凄いです。
メーカーが一番こだわっているところではないでしょうか?
叩けるタイプなので、ヒッタータイプの方でも、スライス系の球筋の方には、大きな武器になってくれるのではないでしょうか?
操作性という点では、正直秀でているとは思いませでした。
見た目通りの『オートマ系』で、操るタイプではありません。
『頑固なまでに』といいますか、大らかなところがあるのですが、右にはなかなか曲げさせてくれませんでした。
大きくカットして、何とか右にも曲げられましたが、それでも小さな曲がり幅に収まってしまいました。
逆に左へ打つのは簡単でした。
私にはつかまり過ぎて、またそのつかまりを制御できなくて難しく感じました。
試打後の感想
全体的な雰囲気が良くて、さすがバルドです。
初めて試打したモデルから、バルドにはずっといい印象をもっていて、それがずっと続いています。
バルドといえば、やはり『カッコ良さ』と『飛距離性能』です。
先ほども書きましたが、そのカッコ良さも他のメーカーと違い『黒の騎士』というイメージをずっと私は持ち続けていて、その独特な雰囲気が好きです。
ただ、これまでと違い、『顔』がぎょっとするほど珍しいといいますか、バルドらしくないな・・・。と思いました。
しかし、他のメーカーのドライバーでは特に何とも思わなかったと思いますし、バルドだから衝撃が大きかったのかもしれません。
バルドが一番『異型』と縁遠いメーカーだという、勝手な思い込みが私にあったのかもしれません。
BALDOらしくない顔だと思いましたが、これも多くのニーズに応えた形なのだろうと思いました。
以前、練習場に行ったとき、たまたまバルドの試打会が開催されていて迷わず参加し、メーカーの方と少しお話をさせていただいたことがあったのですが、やはり弾きにはすごくこだわっているのだそうです。
ルールギリギリまで反発性能にこだわっていて、ひとつひとつを厳密に検品しているのだと聞きました。
こういったところは大手メーカーでは難しいところなのかもしれません。
最初から反発規制を無視した高反発モデルとして売り出すのであれば、それもいいですし、ルール適合モデルとして発売するのであれば、そのルールの上限に近づくよう、かなりこだわっているのだと聞きました。
ひとつでも違反モデルが出ないよう、厳密に検査していて、そこがメーカーとしての『生命線』といえるのではないでしょうか?
大手で大量生産だと、どうしても『人任せ』になってしまい、担当者の目が行き届かないので、大切なところを把握していないということになりやすいですが、そのバルドの担当者の方は、目の行き届いた検品に自信をもっておられました。
その方のお話を聞いていて、こういうメーカーのクラブを使いたいな・・・。と率直に思ったことをよく覚えています。
以前も書きましたが、私がいつもお世話になっているクラフトマンに、色々なメーカーのドライバーの反発係数を計測してもらったことがあります。
メーカーによって、そしてモデルによっても、かなりバラつきがあるのだと聞きました。
反発係数にうるさくない時代は、結構規制値をオーバーしているモデルが適合モデルとして、普通に売られていたこともあったそうです。
そのメーカー名はあえて書きませんが、ゴルファーならば誰もが知っている有名メーカーです。
海外メーカーでも、国内メーカーでもバラツキがあるのが当たり前で、そこで『当たり外れ』が出てしまうのは当然のことなのだそうです。
どういうことかといいますと、同じメーカーの同じモデルで、見た目は全く同じでも、ひとつひとつ『反発係数』が違っているので、『当たり』に出会えば、『ルールギリギリの適合モデル』になりますが、『ハズレ』を引いてしまうと、ルールの上限値よりもかなり低めのモデルを手にすることになるのだそうです。
今は多くのメーカーがルール違反で回収騒動になるのが怖くて、上限よりもかなり低めの反発係数で市場に出していることが殆どなのだそうです。
だから、今は多くのメーカーが反発係数のことをあまり謳い文句にしないのだと聞きました。
なるほど、そういったことがあるのか・・・。と最新クラブ事情に疎い私は思いました。
バルドのドライバーもいくつか計測したそうですが、結構いい数値が出ていたそうです。
念のために私の愛用しているドライバーも計測してもらいましたが、しっかりとルール範囲内に収まっていたので安心して競技で使えます。
バルドはシャロータイプのドライバーも作っていますが、おそらくここまで顔を個性的にしたのは初めてのことではないでしょうか?
これまでシャローであっても『男前』の印象があったので、このドライバーを見たときは驚きました。
しかし、過去のモデルにも同様のタイプがあるのかもしれません。
なかなか出会えないメーカーのクラブなので、分からないことも多いですが、今回はそのように思いました。
球のあがらないスライサーの方にも、バルドを使って欲しい・・・。
このつかまりの良さと、弾きの強さ・初速の速さを体感して欲しい・・・。
というメーカーの思いが詰まったドライバーのように思いました。
私には合いづらいタイプのドライバーですが、それは私がフッカーだからそのように感じるのであって、決して性能の低いドライバーではありません。
むしろ、今のニーズにマッチした、受け皿の大きいドライバーだと思いました。
これまで、バルドのドライバーを敬遠してきたけと、やっぱり使ってみたい・・・。という方には、是非試していただきたいドライバーです。
☆
構えやすさ・・・☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。