BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATIN を試打 レビュー
今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATIN の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、バランスD1.5、クラブ総重量は439g です。
BALDOのカッコいいアイアンです。
BALDOはドライバーの印象が強いですが、アイアンやウェッジもカッコ良く、昔から好感を持っています。
外観
標準的な大きさで、オーソドックスなタイプのアイアンです。
名前に『SATIN』という文字がありますが、バックフェースはピカピカ光るミラー仕上げになっています。
私はミラー仕上げよりも、『全部サテン仕上げ』が好きなので、ちょっと残念でした。
しかし、だからといって好感度が下がるということはありません。
少し膨らんでいるように見えたので、ほぼ間違いなく中空だろう・・・。と思いました。
しかしこれまでの、どの中空よりも膨らみが小さく、ノーマルアイアンとほとんど変わりません。
私は中空アイアンがあまり好きではないのですが、今は多くのメーカーが採用していますし、それだけ人気が高いのだと思います。
トゥ側にウェイトが配置されています。
これは中空アイアンによく見られる工夫です。
中空は、こうしないとバランスが保てないのかな?と思いました。
そしてヒール側には2つウェイトがあり、なかなか見ません。
これまでトゥ側にウェイトが配置されたものが多かったので、このウェイトの位置は新鮮です。
トゥ側にウェイトがあるほうが『安定感』が増すというメリットがあると思いますが、それはトゥ側でヒットする人にとってのメリットであり、センターから少しヒール寄りに打点が集まっている方には、合いづらいのではないでしょうか?
重心距離が長くなって、それがメリットになる方がいらっしゃると思いますが、逆にデメリットになる方もいらっしゃると思います。
トゥ側に重心があると、『ヘッド主導』で振っていく感覚があり、ヒール側に重心があって、重心距離が短いと『シャフト主導』で振っていける感覚が私にはあります。
私はアイアンに限らず、重心距離が短いほうが好きです。
しかし、これも人によって好みが分かれるところだと思います。
私はフッカーで重心距離が短いもの好きですが、同じフッカーでも重心距離が長めのものを好まれる方もたくさんいらっしゃるので、どれが正解とはいいきれません。
これまでも書いてきましたが、『人の数だけ正解があり』、それに対応してくれている各メーカーには感謝しかありません。
いろいろなタイプのクラブが世の中にあり、自分に合わないな・・・。と思うクラブを試打することがありますが、逆に『ドンピシャ』で、このまま持って帰りたい・・・。と思えるクラブに出会うこともあり、そういったときはそのクラブのことがなかなか頭から離れません。
こうして見ると、通常のマッスルバックのようです。
初期の頃の中空アイアンは、この角度から見ても、プクッと膨れているものが多かったのですが、最近は洗練されたのか、中空に見えないようなアイアンも見られるようになりました。
トップラインの厚みは普通です。
薄いというほどではないですが、これくらいの厚みであれば、構えたときにイメージがぼやけることはないだろう・・・。と思いました。
ソール幅は標準的です。
これまでの中空は低重心過ぎてワイドソールなものが多かったのですが、このアイアンは自然な感じで親近感をもちました。
アイアンは『横から』打ちたいと思っておられる方はたくさんいらっしゃると思いますが、私は『上から』なので、ワイド過ぎないほうが易しく感じます。
ソール形状はオーソドックスです。
平らに近いですが、微妙に丸みを帯びていて、抜けも良さそうです。
アイアンのソールにはいろいろな形があって、各メーカー工夫が見られ、それが昔のアイアンと大きく違うところです。
ソールの形状だけで、これだけアイアンが易しくなるのか・・・。と感じておられる方は多いのではないでしょうか?
スイートスポットの広さや重心の高さだけでなく、ソールの形状も『易しさ』に大きく関わっています。
これまでたくさんのアイアンを試打してきて、素晴らしいソールがたくさんありますが、その中で私なりに答えを導きだしました。
それは『スリクソンアイアン』のソールです。
このソール形状だけで充分ではないでしょうか?
もちろん、それ以外にも素晴らしいものはたくさんあり、正解がひとつだけとは限らないのが、ゴルフクラブの複雑且つ素晴らしいところです。
正解がひとつだけだとつまりません。
シャープなリーディングエッジですが、微妙に削りが入っています。
トレーリングエッジはそうでもなく、昔からの伝統的なアイアンのようです。
このような形を見ると、『上から潰して』打って欲しい・・・。とクラブが訴えかけているような気がします。
ネックの長さは適度にあり、好感が持てました。
こうして見ると、少しだけグースになっているのが分かります。
ホーゼルにはFORGEDの文字があります。
定番のS25Cでしょうか?
それとも今はS20Cも多くなったので、S20Cでしょうか?
そんなことを考えていました。
フェース面にミーリングは無く、シンプルで綺麗です。
日本メーカーらしいな・・・。と思いました。
それはスコアラインの数が13本だからです。
14本以上でも構わないですが、やはりこの間隔が一番しっくりきます。
素振りをしてみると、タイミングがすぐに合いました。
やはり振り慣れているシャフトは易しいです。
アイアンのシャフトもどんどん軽量化されていって、重量が足りないので、こちらのやる仕事が増えましたが、今日はそれを重力に任せていけます。
ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずでした。
正直、もうちょっといい顔を予想していましたが、違います。
思っていたよりも『シャープさ』は無く、丸っこい顔です。
リーディングエッジも好きになれません。
『出っ歯』過ぎます。
強いグースは苦手ですが、かといって『出っ歯』なのも、あまり好きではありません。
思わず見とれてしまうような美顔を予想していたのですが、かなり違うので、だんだんとテンションが下がり、『情熱的』に見るのではなく、『淡々』と見ていました。
試打を開始しました。
打感
『打感』は硬くて、好きになれませんでした。
見た目はベーシックタイプのアイアンに近くても、やっぱり中空だな・・・。と確信しました。
このアイアンの打感は好きではないですが、それはあくまでも私が好きでないというだけであって、好まれる方はたくさんいらっしゃると思います。
特に中空アイアンでゴルフを始め、今もずっと使い続けておられる方には親しみのもてる打感なのではないでしょうか?
クラブの進化によって、ゴルファーの好みも変わってきて当然です。
『球のあがりやすさ』は普通です。
タフな印象はありませんが、どのヘッドスピードにも対応しているアイアンではありません。
これまでも同様の中空アイアンを試打してきましたが、目安として、だいたいですが、HSは43以上は必要になってくるのではないでしょうか?
安定性は高く、中空の良さが感じられます。
これが最大の特長といっていいのかもしれません。
見た目はシンプルなので、マッスルバックのような気難しさをイメージされる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際は大らかさがあるので、親しみやすいアイアンです。
『中空アイアン』
見た目よりも良いところ→寛容性
見た目よりも良くないところ→打感
これらは相反するものなので、仕方ないのかもしれません。
操作性は、まずまずです。
どちらかといえば大らかですが、左右にも曲げることができました。
マッスルバックやハーフキャビティのような『くっつき感』は無く、球離れが速いので、その分コントロール性能は落ちるかもしれませんが、球筋は安定しているので、好感をもたれる方はいらっしゃるのではないでしょうか?
『飛距離性能』は優れていて、今のディスタンス系アイアンと同じ特長です。
『ゴツい』打感で、打った感触だけだと、あまり飛んでいないのかな?と最初は思ったのですが、実際はよく飛んでいて、『番手ずらし』のアイアンだということが分かりました。
中空らしい、易しく飛ばせるアイアンです。
BALDOらしい、カッコいいアイアンです。
BALDOのアイアンはフォージドのイメージがありますが、このアイアンもそうでした。
ヒール側にウェイトがあって、操作性が高まっているのも、このアイアンの魅力です。
しかし、これは好みがあり、トゥ側に集まっているほうがいい・・・。という方もいらっしゃると思います。
このようにヒール側にウェイトがあるのは珍しいですが、それがまたいいですね。
どれも同じようなクラブばかりだったらつまらないですし、個性がないと魅力は半減します。
そういったことからも、このアイアンは好感が持てました。
地クラブメーカーらしい、『フットワークの軽さ』といったらいいでしょうか?
幅広い層に対応するために、少数派の意見がなかなか反映されず小回りが利かないところが大手メーカーでは感じることがありますが、それを克服できるのが地クラブメーカーの強みです。
船で例えると、大手有名メーカーは『大型客船』で、一度にたくさんの人を運ぶ。その代わり停泊する港は限られている。
対して地クラブメーカーは、大型客船ほど一度にたくさんの人や荷物を運べませんが、小回りが利き、水深の浅いところでも停泊でき、港ではない岩場にも接岸させて釣り人の送り迎えをする・・・。といったところでしょうか?
幅広い層をターゲットにしていないけど、『ハマる人にはハマる』という、永く付き合っていけるクラブは地クラブメーカーに多いように思いますし、あえて流行を追わないという選択肢もあります。
それがまたファンのハートをキャッチするのではないでしょうか?
流行は私たちユーザーが作るものではなく、メーカーや出版社などのマスコミが作り上げることが多いので、その流行に違和感を覚える方は少なくないような気がします。
あえて流行を追わず、我が道を行くという方もいらっしゃいます。
このアイアンは軟鉄アイアンということですが、私はそれをあまり感じませんでした。
それは先ほども書きましたが、打感が好きになれなかったからです。
『顔』も、もうひとつで残念でした。
ただ、このアイアンや、中空が良くないということではありません。
あくまでも私が使いこなせなかっただけです。
BALDOファンの方はもちろん、中空アイアンを好まれる方はたくさんいらっしゃいますし、そういった方々に是非このアイアンを試して頂きたいと思いました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATIN 製品概要
BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATINは、BALDOが提供する中空構造の軟鉄鍛造アイアンです。ツアープロからのフィードバックを基に設計され、打感と操作性を両立しています。kasorebase.com+3ライブドアブログ+3楽天市場+3
BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATINは、BALDOがツアープロのフィードバックを基に開発した中空構造のアイアンです。フェース中央からヒールにかけての独自の肉薄化技術により、最大限の飛距離性能を実現しています。 BALDO JAPAN+7BALDO(バルド)公式オンラインショップ+7BALDO JAPAN+7楽天市場+2golfbest.co.jp+2BALDO JAPAN+2
スペック詳細
番手 | ロフト角 | ライ角 | F.P | ヘッド重量 |
---|---|---|---|---|
#5 | 24.0° | 60.5° | 4.0mm | 254.0g |
#6 | 27.0° | 61.0° | 4.0mm | 261.0g |
#7 | 30.0° | 61.5° | 4.0mm | 268.0g |
#8 | 34.0° | 62.0° | 4.0mm | 275.0g |
#9 | 38.0° | 62.5° | 4.1mm | 282.0g |
PW | 42.0° | 63.0° | 4.1mm | 289.0g |
GW | 47.0° | 63.5° | 4.1mm | 296.0g |
素材はS20C軟鉄精密鍛造ボディとニッケルクロムモリブデン鋼特殊熱処理鍛造フェースを採用し、ヘッド内部には精密フォームが充填されています。 ovdgolf.com+7BALDO JAPAN+7BALDO JAPAN+7
長所
飛距離性能: フェースの肉薄化と中空構造により、高い反発力と飛距離を実現。BALDO(バルド)公式オンラインショップ+3BALDO JAPAN+3BALDO JAPAN+3
操作性: 前モデルより一回り小ぶりなヘッドサイズで、ツアープロも満足する操作性を提供。 golfbest.co.jp+3BALDO JAPAN+3tori-shin.ms-tokyo.co.jp+3
カスタマイズ性: ウェイトスクリューシステムにより、スイングウェイトやカラーリングの調整が可能。 BALDO JAPAN+1BALDO JAPAN+1
短所
価格: 高品質な素材と製造技術を使用しているため、価格が高め。
上級者向け: 操作性が高い反面、初心者には扱いが難しい可能性がある。
ヘッドスピード毎の飛距離性能
具体的なデータは公式には公開されていませんが、一般的にヘッドスピードが速いほど飛距離は伸びます。本モデルは高い反発力を持つため、ヘッドスピードが速いプレーヤーほどその恩恵を受けやすいと考えられます。
ヘッドスピード毎の飛距離性能
ヘッドスピード | 予想飛距離(#7アイアン) |
---|---|
35 m/s | 約140ヤード |
40 m/s | 約155ヤード |
45 m/s | 約170ヤード |
*注:上記の飛距離は一般的な目安であり、個人差があります。
口コミ
ユーザーからは、打感の良さやデザイン性に高い評価が寄せられています。一方で、価格や入手の難しさについての指摘もあります。
まとめ
BALDO TT FORGED TOUR AIR IRON TA SATINは、打感、操作性、デザインを兼ね備えた高性能アイアンです。価格や入手性に課題はありますが、質の高いプレーを求めるゴルファーには適した選択肢となるでしょう。
🔗 出典元一覧
BALDO公式サイト(エヴァンジェリストジャパン株式会社)
製品情報・スペック・技術説明・設計思想など
👉 https://evangelist-japan.co.jp/baldo/collection/baldo-tt-forged-tour-air-iron-ta-satinBALDO公式ブログ(ツアーエアアイアン開発背景など)
👉 https://evangelist-japan.co.jp/blog/2025/01/30/4846楽天みんなのレビュー(口コミ参考)
👉 https://review.rakuten.co.jp/item/1/233504_10077614/1.1/
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
感謝しています。