今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは バルド NEW 8C CRAFT ドライバー Trajectory01 です。
シャフトは CRAZY CB-50 W です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは7.7、シャフト重量は76g、トルクは3.2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は329gです。
バルドらしい、黒がとても良く似合うドライバーです。
白い色もヘッドに適しているとは思いますが、このドライバーがもし白だったら、カッコ良さが半減してしまうのではないかな?とふと思いました。
この重厚感あふれるブラックは、バルドのイメージカラーといってもいいように思います。
今は白いヘッドが色々なメーカーから発売されていますが、黒いヘッドもすごくいいので、白だけに偏って欲しくないと思っています。
白いヘッドのドライバーは単なる流行ではなく、これからも続いていくような気がします。
それくらい、白い色というのは大きな効果があるのだと思います。
しかし、それでも私は黒いヘッドのほうがどちらかといえば、好きです。
先日、460ccモデルを試打したのですが、今日は400ccモデルです。
400ccといえば、今のドライバーのなかでは、かなり『小振り』なほうだと思います。
体積は違っていても、やはり形状はとてもよく似ています。
小振りになっている分、多少『ディープ感』があるのだろうと思っていたのですが、実際はそうでもありませんでした。
60ccも小さくなっているのだから、かなり印象が違うのかな?と思っていたのですが、思っていたほど大きくは違わないような気もします。
今度、同時に試打する機会に恵まれたら、見比べてみたいと思っています。
460ccのモデルには『Trajectory02』と記されていましたが、この400ccのモデルには『Trajectory01』と記されていました。
この意味は、以前教えていただいたので、理解することができました。
こうして見ていても、やはりシャロー感があります。
ディープな感じはしません。
これまで他のメーカー(特に大手有名メーカー)では、異なる2つのタイプのドライバーが同時発売されると、ほぼ間違いなく『ディープ』と『シャロー』に分かれていたと思うのですが、このバルドのドライバーは両方とも『シャロー』です。
今は数年前に比べ、シャローでも『飛び』に優れたドライバーがたくさんありますし、何よりも460ccタイプを試打したときの印象が今でも強烈に残っているので、このドライバーにもすごく期待感が膨らみました。
ネックの長さは、460ccモデルとほぼ同じ長さだと思います。
今のドライバーのなかでも、標準的な部類に属すると思います。
適度な重心配置にするには、やはりある程度これくらいネックの長さがあったほうがいいのかな?と思ってしまいます。
弾道は低すぎても高すぎてもダメで、適度な高さを演出してくれるのは、ロフト以外にも、このネックが大きな役割を果たしているような気がします。
顔はやはり男前です。
フェースは被っているようには見えませんでしたが、少し『トゥ側』が主張しているように見えました。
球がつかまりやすそうな印象を受けました。
このシブい黒がとても硬派な感じがしますし、パワーが感じられます。
形は整っていますが、やはり『ディープ感』はありません。
むしろ、『シャロー感』があります。
ディープだからいい・・・。シャロー感が良くない・・・。というのではありませんが、これまで『400cc』サイズのドライバーだと、殆どがディープヘッドだったので、このドライバーは『珍しい小顔』と思いました。
ルール限度の460ccは大きすぎて扱いづらいけれど、かといってディープヘッドは難しく感じる・・・。という方には、このドライバーはとても好印象を持たれるのではないでしょうか?
昔のシャローヘッドは球があがり過ぎて、弾道も力強さに欠け、頼りない印象を持った物が少なくなかったのですが、最近はシャローでも本当にいいドライバーがたくさんあるので、ヘッドの厚みだけでは語れない部分があるように思います。
ディープヘッド=ヘッドスピードが速い
シャローヘッド=ヘッドスピードが遅い
という公式は今は全く成り立たないと思っています。
素振りをしてみても、かなりいい感じです。
フレックスは違うのですが、日頃振り慣れているシャフトですし、適度な重量感が安定感を感じさせてくれます。
『330g前後』の重量でありながら、その重さをあまり感じさせません。
タイミング良く振っていけます。
ヘッドがしっかりとついてきてくれるので、気を使わずに振っていけそうな感じがします。
すごく安心できます。
ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
やはり『小顔感』は、あまり感じませんでした。
シャローヘッドだからでしょうか?
私は構えたときに、ある程度『立体感』を感じたほうが、気持ちよく叩いていけそうな感じがするのですが、このドライバーも悪くはありません。
球がよくあがりそうな感じがしますが、それは決して高~くあがってしまう弱々しい弾道でないことは460ccで既に経験済みです。
なので、このドライバーにも強い弾道をイメージすることができました。
バルジも、ほんの少し丸みを帯びていますが、どちらかというと真っ直ぐに近い感じなので、左右に打ち分けるというよりは、まずは『真っ直ぐ』で勝負したくなります。
こういったところは、以前試打してすごく気に入った昨年のMVPのグランプリ GPプラチナと共通するところです。
普通『小顔』のドライバーといえば、その『操作性の高さ』を連想してしまいますが、このドライバーには操作性よりも直進性のイメージのほうが強く出せました。
いくら顔が良くても、『ディープ感』を感じてしまうと、プレッシャーを感じてしまう方もいらっしゃると思うのですが、このドライバーはそういった方にも構えやすく感じられるのではないでしょうか?
ヘッドに厚みのあるドライバーは叩けそうな感じがしますし、吹き上がり感を抑えられそうです。
しかし、逆に強く叩いていかなくては・・・。と思ってしまいやすい反面があるのかもしれません。
それが余計な力みを生んでしまうこともあるのかもしれません。
しかし、このドライバーにはそういった心配は無用のような気がします。
こういったところも、メーカーの狙いなのではないでしょうか?
私はドライバーに限らずにFWやアイアンなどでも、まずは真っ直ぐ打つのではなく、最初から左右に曲げてみたい・・・。と思うところがあり、そのように曲げて打つことが多いのですが、今日は素直に打ち抜いてみようと思いました。
ミスショットのイメージは湧いてこないので、気持ちよくフィニッシュをとることだけをまずは考えました。
試打を開始しました。
『打感』は460cc同様、かなり弾き感を感じますし、とてもいい感じです。
『絶妙な柔らかさ』というのではありませんが、この打感もすごく好きです。
いわゆる『初速の速いドライバー』といっていいのではないでしょうか?
これからは、こういったドライバーが増えてくるような気がします。
『音』も460ccモデル同様、とてもいい感じでした。
叩いていっても、何の不安や躊躇も生み出しません。
全てがいい方向に向かっているように思われます。
『飛ぶドライバー』というのは、物理的な性能など、色々な要素が絡み合うと思うのですが、それ以外の大切な要素として、『プレイヤーの邪魔をしない』というところがあるように思います。
それは主に『構えやすさ』であったり、『音の良さ』であったりすると思います。
いくら計算上の性能が良くても、プレイヤーにそれを感じさせないドライバーにはあまり期待できません。
『机上の空論』になってしまいます。
『マシンテスト』と『ヒューマンテスト』は、あくまでも『別物』だと思っています。
構えたときに不安を感じたり、その甲高くて大きな音で思わずインパクトが緩んでしまったり、つかまえたくなくて逃がしてしまいたくなるような音だと高いパフォーマンスは期待できません。
そういった意味でも、このドライバーにはすごくポテンシャルを感じます。
今はメーカー側も、ある一定以上のヘッドスピードがある方用のドライバーには『音が静かめ』で、そうでない方の為のドライバーには、ある程度『音が高め・大きめ』に設定してあることが多いように思われます。
音によって、そのボールの弾道の力強さ・速さをイメージしやすいのだと思うのですが、私は昔からあまり甲高い音は好きではありませんでした。
今では耳慣れた感じもするのですが、昔、キャロウェイのビッグバーサのファーストモデルの音を初めて耳にしたときはとても驚きました。
かなり流行っていたので、練習場などでもよく耳にしていたのですが、これが時代の流れなのだろうか・・・?と思ったことをよく憶えています。
あの頃はメタルドライバーでしたが、300ヤード以上飛ばす人も決して珍しくなかったですし、その性能の高さは実証済みでした。
今はそれから、かなり年月が経っていますし、メタルからチタンになって、『スルーボア』も見なくなり、ホーゼルがしっかりとありますが、『平均飛距離』は伸びていっても、『最大飛距離』という点では、それほど伸びていないんじゃないかな?と思うときもあります。
やはりクラブの性能も大切ですが、一番大切なのは当たり前のことですが、『プレイヤーのスキル』なのだと思いました。
昔、一世を風靡した『ヨネックスドラコンチーム』のことを思い出すと、やはり飛ぶ人はどのドライバーを使っても飛ぶんだな・・・。と至極当たり前のことを考えていました。
今よりも性能の低いドライバーで、『400ヤード超え』を連発していました。(もちろん、かなりの長尺ではあったのですが・・・。)
電話帳を突き破るショットは圧巻でした。
このドライバーとは関係のないことで、ちょっと脱線してしまいましたが、こうして記事を書いている今も、何故か昔のことを思い出してしまいました。
『球のあがりやすさ』という点でも、思っていた以上にタフな感じはなく、易しい感じがしました。
勿論、シャフトはしっかりとしていますし、ヘッド自体もヒッタータイプの方に合いやすいとは思うのですが、その敷居は決して高すぎないと思いました。
強いライナー系で飛んでいくのか?と思っていたのですが、実際は想像以上に高さがでました。
弾道の高い球・・・・高弾道
弾道がやや低めでライナー系の球・・・中弾道・強弾道
といった言い方があると思うのですが、そういった意味でいうと、このドライバーは高弾道と強弾道のちょうど間くらいではないかな?と思いました。
ロフトが10度ということもあるとは思うのですが、この球のあがりやすさも、大きな魅力のひとつだと思います。
結構叩いていってみたのですが、吹き上がる感じはしませんでした。
とても好感のもてる弾道でした。
ヒッタータイプの方に、是非お勧めしたいドライバーです。
『安定性』という点でも、何と言いますか『シャローの易しさ』といったらいいでしょうか?
ある程度の直進性の高さを感じました。
球が引っかかる感じはしないので、気持ちよく振り抜いていくことができたのですが、球は真っ直ぐ綺麗な弾道で飛んでいってくれました。
『小顔ドライバー』にありがちな『シビア感』を感じませんでした。
むしろ、これまでたくさん出会ってきた『大顔シャロー系』のドライバーに近い、寛容さを感じました。
トゥ側とヒール側に配置されているウェイトも、かなり効果が期待できるのではないでしょうか?
『飛距離性能』が凄いところが、まずはこのドライバーの大きなウリだと思います。
これは460ccモデルにも強く感じられたところです。
やはりドライバーは飛びの性能が高くないと、人気は出ないと思いますし、各メーカーがそこにしのぎを削っているのだと思います。
そういった意味でも、このドライバーにはすごく魅力を感じます。
ロフトが『一桁』のほうが飛ぶと思っておられる方もいらっしゃるのかもしれませんが、それは必ずしも正解でないことは多くの方がご存じだと思います(勿論、それは使う人によって大きく違ってくるのですが・・・)。
今の低スピン系のボールに合いやすいのは、少しロフトが寝たドライバーだと思っています。
勿論、多くのメーカーのドライバーが『リアル』と『表示』が違うので、あまり表示ロフトを気にしても仕方のないことなのかもしれません。
先日も書いたのですが、『表示ロフト』と『リアルロフト』が違うのであれば、最初からヘッドにロフトを刻印しないほうがいいのではないか?と思ってしまいます。
シールを貼って『リアルロフト』を表示するだけでもいいのではないか?と思います。
そうすると、ゴルファーの見栄といいますか、必要以上に数値にこだわらなくてもいいのではないか?と思いました。
このドライバーもそうですが、今はロフトを表示していないドライバーが増えてきました。(それは殆ど『地クラブメーカー』ではあるのですが・・・。)
このドライバーの『リアルロフト』が何度なのか解りませんが、かなり『10度らしい弾道の高さ』だと思いました。
今は構えたときのフェース面の見え具合だったり、弾道の高さを見て、違和感を感じてしまうドライバーが多いなかで、このドライバーにはとても好感がもてました。
弾道は少し高めではありますが、かなり力強いので、全く不満はありません。
高すぎる弾道は飛距離を求めていくうえで、決してプラスには働きませんが、この弾道の高さは大きな武器になってくれるような気がします。
キャリーも、しっかりと稼いでいくことができました。
なかなか出会うことがないメーカーのクラブだけに『希少感』がありますし、その性能の高さは折り紙つきです。
雑に造られている感じは一切しません。
それよりも、むしろエネルギーに満ち溢れているようです。
『操作性』という点では、この小顔なところから、色々と打ち分けられやすそうでしたし、実際も難しいとは思いませんでした。
しかし、今日の感じではどちらかというと『直進性』のほうが少し勝っているのかな?と思いました。
私は自分の持ち球とは逆のフェード系の練習をドライバーでよく行っているのですが、このドライバーだとすごく易しく感じました。
球のつかまりが不充分な弱々しい弾道ではなく、しっかりとつかまえてくれました。
こういった弾道だと、コースでもとても勇気をもらえます。
本番にとっておきたいような球がいくつもありました。
とてもイージーなドライバーだな・・・。と思いました。
かなり高性能で、なかなか欠点が見られない高性能なドライバーです。
そのなかでも、特に秀でているのが、やはり『飛距離性能の凄さ』です。
460ccで体験しているので、予め予想はついていたのですが、かなりの高性能でした。
普通、ヘッド体積が大きいほうが、いわゆる『弾き感』も強く感じられるような気もするのですが、このドライバーは460ccと、ほぼ互角のような気がしました。
今度是非、同時に試打して比較してみたいと思いました。
私は、460ccのモデルも、そしてこの400ccのモデルも両方とも気に入ったのですが、敢えてどちらかひとつを選ぶとするならば、迷わずこちらの400ccを選びます。
それは『即決』です。
460ccにも大きな不満はないのですが、こちらの『小顔モデル』のほうが、より親近感をもちやすいです。
ただ、これは人によっても大きく好みが分かれると思いますし、一般的には460ccモデルのほうが人気が出やすいのかもしれません。
ただひとつ言えるのは、このドライバーは『400cc』という小顔でありながら、小顔ドライバーの難しさは殆ど感じられないということです。
このドライバーで『欠点』はないか・・・?とずっと考えていたのですが、敢えて無理やり引っ張り出してみると、それは『耐久性』なのではないかな?と思いました。
こういった弾きの強いタイプのドライバーは、おそらく『フェース厚』なども、『強度ギリギリ』に作られていると思いますし、強いショットをずっと連発していると、ヘッドが割れてしまうのではないかな?と思ってしまいます。
勿論、このバルドのドライバーのヘッドが割れたという話は聞いていないですし、このドライバーの持ち主である友人の話を聞いてみても、特に問題なく使っていけているそうで、安心できそうなのですが・・・。
地クラブメーカーだからこそ、できる『ルールギリギリの設計』になっているのだと思います。
『SLEルール』が適用されて数年が経ち、各メーカーが色々と趣向を凝らしていますが、やはり『反発性能が高い』ということは飛距離において、大きなアドバンテージだと思います。
大量生産は難しくなるかもしれませんが、そのルールギリギリの反発係数と、ある程度の強度をもたせていくには仕方のないことなのかもしれません。
当然、価格も高くなってしまいますが、この『性能の高さを買う』と思えば、ある程度割り切っていけることなのかもしれません。
大手有名メーカーのドライバーでは、ここまで『ギリギリの設計』は難しいような気もしますが、地クラブメーカーのドライバーは、これからもこのようなタイプがたくさん登場するのではないでしょうか?
私はこれまで、それほどたくさんのバルドのクラブを試打してきているわけではないのですが、第一印象の『飛ぶ』というイメージが今日は一層強くなりました。
『最新=最高』では必ずしもない・・・。と私はこれまでも何度も書いてきましたが、このドライバーは初めて手にしたドライバーよりも明らかに性能がアップしていると思います。
まだまだ夏真っ盛りではありますが、今年出会ったドライバーの中で、間違いなく印象深いドライバーでした。
バルド NEW 8C CRAFT ドライバー Trajectory01
- 2012年8月16日
- バルド