今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは オノフ フォージド アイアン の7番 です。
シャフトは N.S. PRO 950GH です。
ロフトは31度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は97g、トルクは1.9、キックポイントは中調子、バランスはD1、クラブ総重量は422gです。
オノフ2013年モデルのニューアイアンです。
オノフらしい、とても美しい仕上がりになっています。
遠くからでも、すぐに目に留まるカッコいいアイアンです。
オノフのクラブは独特な美しさがあるので、いい意味ですごく目立ちます。
すっかりブランドイメージを定着させることができたように思います。
ダイワのイメージは薄くなりました。
キャビティ部分も広くて、上品な感じのフルキャビティです。
しかし、前のモデルと、あまりにも外観が似すぎています。
かなり微細なマイナーチェンジということなのでしょうか?
ひと目見て違うと思ったのは、バックフェースのデザインです。
この三角形の物体がひとつ増えたように思います。
こうすることにより、微妙な重量配分がなされているのでしょうか?
しかし、おそらくデザイン的な要素のほうが大きいような気がします。
この形状を見ていたら昔、一世を風靡した、ツアステアイアンの『ダイヤモンドバック』を思い出します。
ツアステアイアンがすごく光り輝いていた時期です。
今のツアステアイアンもいいのですが、昔のツアステは何と言いますか、『風格』が感じられました。
憧れの対象でしたし、こうして見ているだけで昔の記憶が蘇ってきました。
このオノフのアイアンにも、魅力を感じました。
『彫り』もバックフェースの『ほぼ全体』といっていいほど広く、オーソドックスな『フルキャビ』だと思います。
しかし、昔のフルキャビと違い、この微妙な形状はとても手が掛かっている感じがしますし、美しいです。
キャビティアイアンを好まれる方には、とても魅力的に見えるのではないでしょうか?
『ソール幅』は、やや広めです。
こういったところは、いかにもオノフのアイアンらしいところだと思います。
今は少しずつ他のメーカーからも、『マッスルバック』が発売されているので、オノフからも限定でもいいからマッスルバックを見てみたいと思います。
写真ではちょっと見えづらいかもしれませんが、リーディングエッジの中央部分の凹みが少し大きいのが珍しいと思いました。
これまでは、どちらかというとヒールからトゥにかけて真っ直ぐな物が多かったように思うのですが、このオノフのアイアンは『真ん中部分』といいますか、おそらく『ヒッティングポイント』のあたりだと思うのですが、部分的に凹んでいました。
こうすることで、より振り抜きが良くなるのでしょうか?
昔はアイアンを使い込んでいって、尖ったリーディングエッジを削り込んでいったものですが、今のアイアンの多くが最初から削られています。
プレイヤーが使い込んでいって、プレイヤーの個性をアイアンに映し出していくことが困難になりましたし、昔ほど永くひとつのアイアンを使い込んでいく方も少なくなったのかもしれません。
自分のアイアンに愛着を感じながらも、今はたくさんの魅力的なアイアンがたくさんあります。
『ネックの長さ』は、少し短めです。
何となくなのですが、『頭でっかち』に見えました。
最近は、こういったタイプのアイアンがとても多いように思います。
そういった意味では『二極化』が進んでいるのかもしれません。
ソールのウェイトも、しっかりとコンポジットされていました。
おそらく、前のモデルよりも大きいと思います。
このウェイトが無くても、おそらく球はあがりやすいだろうと思うのですが、より『低重心』『深重心』にこだわっているのでしょうか?
重心が低ければ低いほど易しいとは思いませんが、こうすることによって生まれるメリットもたくさんあるのだと思います。
フェース面には、ミーリングがしっかりと刻まれていました。
このミーリングも、メーカーによっては控えめに感じられるほど目立たない物もあるのですが、このアイアンのミーリングはすごくよく目立ちますし、しっかりと主張しています。
ミーリングの形状は『X状』になっていて、昨年試打したヤマハ インプレスのアイアンを思い出します。
ヤマハのアイアンのミーリングは『フライヤーを抑える』という効果があったと思うのですが、このアイアンにも同じような効果が期待できるのでしょうか?
やはり製造元が同じなのだと思いますが、似通った部分はどうしても出てくるのかもしれません。
素振りをしてみても、軽量スチール装着アイアンの、ごくスタンダードな感じがします。
軟鉄アイアンを使いたいけど、軽量感が欲しい・・・。という方には、とても振りやすいのではないでしょうか?
今はアイアン用の素晴らしいカーボンシャフトもたくさん登場してきてはいますが、どうしても『信頼感』という点で、スチールを使いたい方には、このアイアンはとても魅力的だと思います。
ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じです。
とても構えやすいです。
グースもきつくなく、ターゲットに対して楽に構えることができました。
『小顔』というよりは、どちらかというと『セミラージサイズ』といっていいように思います。
ヒール側の出っ張り(いわゆるアゴ)も、少し目に入りました。
トップラインもちょっぴり厚めで、丸みを帯びているように見えました。
思わず見惚れてしまうようなことはなかったのですが、今風(いまふう)のすごく整ったアイアンだと思いました。
試打を開始しました。
『打感』は、まずまずだと思いました。
結構柔らかい感じです。
ミーリングが効いているのか、ボールをしっかりとホールドしてくれる感じがしました。
右へ滑っていく感じはしませんでした。
『つかまり感』のある打感ではありましたが、『厚み感』が足りないように感じられました。
このような形状のアイアンなので、予め打つ前から予想はできていましたが、実際に打ってみてもやはり少し物足りない感じがしました。
ヒッティングポイントがもう少し『肉厚』でもいいのではないかな?と思いました。
私は普段からマッスルバックを愛用しているので、こう感じるのかもしれません。
日頃、フルキャビを使っておられる方には、すごく愛着の湧きやすい打感なのかもしれません。
全体的に大きな不満のないフィーリングでしたが、少し物足りない部分も感じました。
しかし、音はすごくいい音だと思いました。
芯でとらえた時の音がすごくいいです。
何とも言えない心地よさが後に残ります。
『耳で楽しめる』アイアンだと思いました。
この音をずっと聞いていたくなり、ついつい球数も増えてしまいそうです。
このアイアンは打点のブレによって、球が大きく暴れる感じはしませんが、この極上の音を聞けるポイントは結構狭いと思いました。
いいところでヒットしないと、この音はなかなか聞くことができません。
『音』だけでいうと、マッスルバック並のシビアさがあるように思います。
ただ、違うところでヒットしても、決して悪い音ではないので、あまり気にし過ぎないほうがいいのかな?とも思いました。
『球のあがりやすさ』という点では、ハイレベルです。
とてもよくあがります。
やはり、ウェイトなどの色々な工夫がよく効いているのでしょうか?
『タフさ』は微塵も感じられません。
『安定性』という点でも、こういったフルキャビティらしい、大きな寛容さをもっていると思います。
シビアな感じはしません。
軟鉄アイアンを使ってみたいけど、難しそうなので、つい敬遠してしまう・・・。という方は、是非このアイアンを試してみられてはいかがでしょうか?
意外なほど易しく感じられる方は多いのではないでしょうか?
全体的なシルエットがとても美しいので、いかにも上級者用に見えてしまうかもしれませんが、敷居は決して高くなく、むしろ低い感じがします。
幅広い層に対応しているアイアンだと思います。
距離が出やすいところも、今のアイアンの流行だと思います。
このアイアンの飛距離性能も優れていると思います。
私には飛び過ぎるので、距離感をだしづらい部分はありますが、今日はターゲットを決めずに、どこまで飛んでいきたいか、ボールに尋ねる感じで打っていきました。
ストロングロフトアイアンですし、距離も比較的出ますが、今の『飛距離系アイアン』の中では、ノーマルなほうかもしれません。
ヒッタータイプの方は勿論ですが、スインガータイプの方も、試してみられてはいかがでしょうか?
『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
ヘッドがやや大き目のアイアンなので、右方向へプッシュしてしまいやすいのかな?と打つ前は思っていたのですが、実際はフック系の球も打ちやすかったです。
意外と球のつかまりもいいアイアンだと思いました。
私がフッカーだということもあり、球がつかまりやすかったと思うのですが、それ以外にも今日はこのアイアンの『アップライト感』を感じていました。
初めて構えたときに、少しアップライトかな?と思っていました。
勿論、実際はそれほど極端なアップライトではないですし、今のアイアンの多くが昔のアイアンよりもアップライトになっているので、それほど珍しいことではないのですが、今日は何故かアップライト感を感じました。
また、ミーリングもつかまりやすくなっている要因のひとつなのではないかな?と思いました。
結構カットめに打ってみたりもしたのですが、なかなか大きく右へ曲がることはありませんでした。
グースはきつくないですが、スライサーの方にも試していただきたいアイアンです。
外見がカッコ良くて、ミスヒットに対する寛容性もあり、球があがりやすくて右へ逃げないつかまりのいいアイアンを探しておられる方には、すごくいいのではないでしょうか?
このアイアンにはDGもラインアップされているのか、店員さんに尋ねてみたのですが、このNSプロとカーボンの2種類だけなのだそうです。
勿論、『特注』となれば対応してくれるのだと思いますが、こういったラインアップを考えると、メーカーがターゲットにしているゴルファー像が浮かび上がってきます。
オノフらしい、とても美しくて易しさもあり、機能性が充分なアイアンだと思いました。
多くのゴルファーのニーズに応えることのできるレベルの高さが感じられます。
競技志向の方はもちろん、軟鉄を使ってみたい・・・。という方にも、適応してくれるアイアンだと思います。
ただ、正直言いまして、前のモデルと大きく変わったところは少なく、一番の違いはミーリングだと思います。
勿論、メーカーに言わせれば、もっとたくさんのところを改良している・・・。ということになるのかもしれませんが、それはあくまでも『微細な範囲』ということになるのだと思います。
驚くような進化を遂げたアイアンに出会えなくなって久しいですが、やはり今回もそんな感じでした。
しかし、それは言い方を変えれば、全ていいところを継承している・・・。ということにもなります。
いいところを継承してはいるのですが、アイアンはあまり変えようがないのでしょうか?
惚れ惚れするような美しいアイアンに出会いたいと思いつつも、心のどこかでアッと驚かせてくれるようなアイアンを待ち続けています。
私は購買意欲が刺激されることはなかったのですが、『美しさ』と『易しさ』が強く感じられたアイアンでした。
一番気に入ったのは、先ほども書きましたが『音』です。
音が一番強く印象に残りました。
このアイアンは、これからもたくさん試打する機会に恵まれると思うので、何度も楽しんでいきたいです。
オノフ フォージド アイアン
- 2012年11月18日
- グローブライド(オノフ)
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