今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは Zodia RP T.01 GM アイアン の7番 です。
シャフトは NS.PRO MODUS3 です。
ロフトは34度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は424gです。
見惚れてしまうほど美しい、ゾディアのマッスルバックアイアンです。
最近は本当にマッスルバックアイアンを試打する機会が多くなりました。
難しいとは解っていても、この美しさに魅了され、手に取ってみないと気が収まりません。
『マッスルバック』と一口に言っても、今は色々とあるように思います。
私が愛用しているアイアンのようにハーフキャビティに近いタイプの物から、このアイアンのように『フラットバック』の物まで、多様化しています。
このアイアンは必要最小限の物しか搭載されていないように思いますし、大手有名メーカーのアイアンと違い、『手削り感』があります。
エッジが鋭いです。
こういったところに魅力を感じられる方も多いのではないでしょうか?
ソール幅は狭い感じがします。
よく見ると、このエッジの削り感に『一定の幅』が無く、『ムラ』が少し見えました。
『ハンドメイド感』といえるところもあると思うのですが、こういったところには『好き』『嫌い』が大きく分かれるように思います。
大量生産されるアイアンは、機械で行うので、こういった感じにはなりませんが、このアイアンには『不均一感』がありました。
すごく細かなところなので、あまり気にならない・・・。という方もいらっしゃると思いますが、私は少し気になりました。
『クラブの個体差』ということになると思います。
ただ、私は昔からアイアンやウェッジ(特にサンドウェッジ)は自分でグラインダーを使って削っていたこともあるので、親近感が湧くような気もしました。
あとは錆びにくくするように防錆加工がされていれば、あまり気にはならないのかな?という思いもありました。
ネックの長さは、オーソドックスな長さだと思いました。
今のアイアンの中では、比較的ロングな部類かもしれませんが、昔からこれくらいの長さが標準といえるような気がします。
ある程度の長さはキープされていますが、『ロングネック』という印象はもちませんでした。
フェース面にミーリングがあるかな?と思い、よく見てみましたが、このアイアンには刻まれていませんでした。
ただ、『フェース面の粗仕上げ感』といいますか、つるつるした感じがしません。
スコアラインもエッジが効いているように見えましたし、結構喰いつきのいいアイアンなのではないかな?と思いました。
素振りをしてみても、適度な重量感があり、好感がもてます。
軽すぎるアイアンには不安を感じてしまうことが私は多いのですが、これくらいの重量であれば特に不安はありません。
重力に任せて降ろしていけるところが楽だと思いますし、いい感じの安堵感をもたらしてくれます。
モーダスは自分のアイアンに挿したことはないのですが、これまでもたくさん試打してきていますし、とてもいい印象をもっています。
私の周りにもファンがたくさんいます。
今は素晴らしいスチールシャフトがたくさんあり、選択肢が増えてきました。
ボールを前にして構えてみても、いい印象をもちました。
顔で主張してくるアイアンだな・・・。と思いました。
とても構えやすいです。
いい意味で、『予想の範囲内』に収まってくれている構え感です。
『和顔』といっていいのではないでしょうか?
昔ながらの顔をもったアイアンといっていいような気がします。
手にするのは初めてであっても、飛んでいくボールの軌道など、だいたいの予想が立つので、楽な気分になれます。
グースや面長感がきつかったり、厚ぼったいタイプのアイアンは苦手なのですが、このようにスッキリしていると、とても構えやすいです。
頭の中がクリアになっていきました。
試打を開始しました。
『打感』はすごくいいと思いました。
適度な厚み感による『球のくっつき感』がたまりません。
ボールをコントロールしていくうえで、この『くっつき感』は大きなポイントだと思います。
今は『反発力』を高めたアイアンも見かけるようになりましたが、それだと距離は稼げても、なかなかコントロールしづらい部分があると思います。
いい感じで『加減』できるクラブが易しいと、いつも感じます。
そういった意味で、このアイアンは好感がもてました。
『球のあがりやすさ』という点では、マッスルバックタイプのアイアンとしては、普通かな?と思いました。
決して敷居の低いタイプではありません。
今のマッスルバックアイアンは、結構球があがりやすくなっている物が増えてきましたが、このアイアンにはそういった工夫はあまり感じられませんでした。
『無垢(むく)』といいますか、『純』なタイプのアイアンだと思います。
異材などがコンポジットされているようには見えませんでした。
『安定性』という点では、マッスルバックらしく、かなりシビアだと思います。
ミスヒットに対しては、かなり敏感に反応します。
マッスルバックらしい、シビアさがありますが、それがまたいいところなのかもしれません。
インパクトに対しての曖昧さが無いので、正直にショットの成否を伝えてくれるのがいいです。
アイアンに対して易しさを求めておられる方には、合いづらいところもあるかもしれませんが、最近はマッスルバックの人気も復活してきたように思いますし、マッスルバックを愛する方に是非試していただきたいと思いました。
『飛距離性能』という点では、『ノーマル』といいますか、7番アイアンらしい『刻みやすさ』を感じますが、今のアイアンの中では、やはり飛ばないほうだと言わざるを得ません。
こういったマッスルバックアイアンがロフトを立ててしまえば、単に難易度が上がってしまうだけだと思いますし、ソールの刻印を変えたほうがいいのかもしれません。
飛距離を求めるにはロフトを立てることが必須だと思いますし、そうするには色々な方法で易しくする必要があると思います。
マッスルバックアイアンには適さないと思います。
ちょっと極端な言い方かもしれませんが、『飛び過ぎないからマッスルバック』といえるのかもしれません。
『距離を刻む』というアイアン本来の役目を果たしてくれるように感じました。
『操作性』という点では、すごく魅力を感じました。
今はドライバーに限らず、アイアンでもなかなか大きく曲げにくいタイプの物が増えてきましたが、このアイアンは違います。
大きく曲げていくことができました。
小さな弧ではなく、大きな弧を打っていけるアイアンです。
左右どちらにも均等に反応してくれました。
ボールを大きく曲げて楽しみたい私は、すごく遊び心がくすぐられました。
こちらのイメージを、かなり伝えやすいです。
ゾディアのアイアンにはなかなか出会えませんが、今日はとても楽しめました。
『易しさ全開』といったアイアンではありませんが、芯で捉えたときの喜びは大きいものがあります。
一球一球を丁寧に精査しながら打っていけるアイアンだと思いました。
他のメーカーのアイアンにはなかなか見られない『手削り感』のあるアイアンです。
先ほども書きましたが、エッジの削り方が均一ではありませんでした。
少しムラがあるように見えました。
これは欠点のように見えなくもないのですが、私は逆にその部分に『手の温もり』といいますか、『職人さんの熱い心』のようなものを感じました。
機械仕上げが良くないというのではありませんし、均一感があっていいのですが、時には『冷たい』と感じるクラブもあります。
心を通じ合わせにくいクラブにもたくさん出会ってきました。
しかし、このアイアンには心を通わせていけそうな予感がしました。
物理的性能も特に秀でたところはないのかもしれません。
距離を求めていきたい方には、適さないかもしれません。
しかし、このいい意味での『武骨さ』といったらいいでしょうか?
人の手も、人によって手相はもとより、一本一本のしわなどが全て違います。
完全な左右対称でも無いですし、手相などは一生不変ではなく、年月の経過と共に変わっていく・・・。というのを聞いたことがあります。
そんな『人の手』のような感覚を、このアイアンを見ていたら思い出しました。
今はクラブをオーダーメイドするのが流行っていますし、クラブをゴルファーに合わせることはとても重要なことだと思います。
しかし、その多くはシャフトに重点が置かれていて、ヘッドはライ角やロフト角を調整するくらいが殆どだと思います。
『究極のオーダーメイド』というならば、ヘッドからプレイヤーの好みに合わせて製作していくことになるのかもしれません。
ヘッドをCADで設計して作り上げるのではなく、職人さんがひとつひとつを手作業で造り上げていくのが究極の贅沢といえるのかな?と、このアイアンの手削り感を見ていたらすごく感じました。
プレイヤーにとって、ゴルフクラブはとても大切な相棒です。
プレイヤーはクラブに思いを伝えます。
そういったときに、製作者の熱い魂が感じられるクラブだと、より強く思いを伝えられるような気がしてなりません。
このアイアンのおかげで、今日はとても楽しい気分になれましたし、また試打する機会があれば是非試打してみたいと思いました。
もしフルセットを借りることができれば、コースでも試してみたいと思わせてくれるグッドなアイアンでした。
Zodia RP T.01 GM アイアン
- 2013年8月19日
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