ゴルフクラブ試打日記。          

THREE LUCK D-TOUR WEDGE

THREE LUCK D-TOUR WEDGE 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは THREE LUCK D-TOUR WEDGE です。
ダイナミックゴールド

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは58度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は473gです。
正面

久しぶりに出会った、スリーラックのウェッジです。
これまで記事には書いていませんが、このメーカーのウェッジには何度か出会ったことがあります。
大手有名メーカーではないかもしれませんが、このメーカーは老舗メーカーといっていいと思います。
『知る人ぞ知るメーカー』といっていいのではないでしょうか?
sky dream jump D-TOUR type bite WS BOUNCE 11

『sky dream jump D-TOUR type bite WS BOUNCE 11』と記されています。
バンスが11度であることが窺えるのですが、それ以外にもこのウェッジの性能の高さを物語っているようです。
ソール幅

『ソール幅』は、サンドウェッジにしては、それほど広いとは思いませんでした。
このウェッジの特徴だと思うのですが、バンスに個性が感じられます。
こうして見ていても、開いて構えやすそうな感じがします。
ネック長さ

『ネックの長さ』も、しっかりとキープされてはいますが、それほど長すぎず、ごく『ノーマル』な感じです。
扱いやすそうなウェッジだな・・・。という印象をもちました。
側面

この美しくてシャープな形状が『キレの鋭さ』を感じさせます。
ウェッジはアイアンなどと比べて、それほど低重心にする必要のないクラブだと思いますし、逆にある程度重心が高いほうがスピンを効かせやすい・・・。などのメリットがあるように思います。
やはりこれくらいロフトが寝ているクラブである、ウェッジは『ボールのあがりやすさ』などよりも、いかに『ボールに喰いつかせられるか?』『ボールを切っていけるか?』などといったことが求められる部分があると思います。
長い番手のクラブでは、『ある程度の曖昧さ』があったほうが、易しく感じられることもありますが、ウェッジのようにシビアな場面や正確に距離感を出したい場面で使うクラブは、『シャープさ』や、ある程度ヘッドの入れ方などが『限定』できる感じのほうが易しいと私は感じます。
そのほうがイメージを膨らませられますし、頭の中に強くラインを描いていくことができます。
ウェッジの曖昧さは不安を招いてしまいます。
そういった意味でも、このウェッジはとてもいい雰囲気が伝わってきます。
かなり言うことを聞いてくれるんだろうな・・・。と思えてくるので安心できます。
スリーラック D-TOUR ウェッジ

それに加え、やはりこの『黒』という色は『重厚感』を感じさせますし、それにより『スピン』を連想しやすいです。
『クラブの重さ』をイメージしやすいので、『重力任せ』でヘッドを落とすことだけに集中できそうです。
私はウェッジの調子が悪くなるときは大抵、小手先で余計なことをし過ぎる傾向があるのですが、このようなウェッジだと『永久に不変的』である、重力を味方につけられるような気がします。
昨年は白い色のクラブが大流行したので、いずれウェッジでも白いヘッドが登場するのかもしれませんが、あくまでも『色のイメージ』としては、こういった『重さを感じさせてくれる色』であったり、『収縮色』である『黒色』がウェッジやアイアンにはとてもマッチしているように思えます。
しかし、もし白いヘッドのウェッジが登場してきても、それほど違和感を感じることなく、使えるようになるのかもしれないのですが・・・。
構え感

ボールを前にして構えてみても、やはりとてもいい印象をもちました。
ややグースネックかな?と思ったのですが、苦手意識は芽生えませんでした。
難しそうに感じることもありませんでした。
ボールの純粋さを感じさせる『純白』と、この深みのある黒さである『艶消し感のある黒』の調和がとてもとれているように思いました。
構えたときにドライバーなどの『光沢感』は、とても美しいと思えるのですが、ウェッジなどスピンを掛けたいクラブには不要だと思っています。
何だかボールが滑ってしまうように感じます。
何と言いますか、いい具合に錆びてくれると、すごくいい風合いもでてきます。
今日は曇り空だったのですが、もし太陽が照りつけていたとしても、眩しく感じることもないだろうな・・・。と思いました。
何の不安材料もありませんでした。
むしろ、いいイメージのほうがどんどん膨らんできました。
試打を開始しました。
スピン性能

まず感じたのが、その『強烈すぎるスピン性能』です。
軽く『コツン』と打っただけで、ボールがギュっと止まってしまいました。
『激スピンウェッジ』というよりも、その激スピンをさらに通り越して『急ブレーキウェッジ』だな・・・。と思いました。
それくらい、このウェッジのスピン性能といいますか、『ブレーキ性能』は強烈です。
アプローチをするときは、ある程度ランを見越して、落とし場所を決めるものですが、このウェッジはかなりランが短いので、もっと思い切って突っ込んでいけるように思いました。
かなり急激に止まり過ぎてしまうので、なかなかイメージと合わずに距離感も出しづらく感じてしまいました。
『ボールの喰いつき感』が他のウェッジとは、まるで異なります。
フェース面

『打感』という点でも、『軟鉄鍛造の柔らかさ』と『溝による食いつき感』の両方を強く感じることができました。
この喰いつき感はかなりのものです。
かなりの『出っ歯ウェッジ』だな・・・。と思いました。
普通、『出っ歯ウェッジ』といえば、『リーディングエッジ』の出具合を指すと思うのですが、このウェッジはリーディングエッジではなく、『スコアライン』つまり『溝』がまるで『出っ歯』のようにボールに喰いついてくれるような感じがしました。
この歯がボールを強く咬んで、その結果強烈なスピンが効いているように思えます。
何となくなのですが、古い時計台の中にある、たくさんの歯車を連想しました。
フェース面のスコアライン

かなり『喰いつき』がいいので、このスコアラインの形状を何とか撮影したかったのですが、これくらいまでが限界でした。
最近は色々なウェッジに出会うことができますし、ハイレベルな物も多いですが、このウェッジはまるで『別次元』といった感じです。
あまりにもスピンが効きすぎてしまうので、店員さんにこのウェッジは『新溝ルール』適合ではないのではないか?と質問をしたのですが、やはり『ルール不適合』なのだそうです。
そのスピンの凄さに納得・・・。といった感じがしました。
プロならば、このウェッジを試合で使うことはできませんが、私たちアマチュアはJGAなどの公式試合では来年いっぱいまで使うことができますし、それ以外の試合では2024年から規制の対象となるので、考えようによっては、それまでこのウェッジの性能を楽しむのは大いにアリなのではないかな?と思いました。
まだ10年以上、こういった性能のウェッジを使うことができるのは、意義深いことだと思いました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、ごくノーマルな感じがしましたが、低く抑えていきやすいところに魅力を感じました。
ある程度ロフトの立っているアイアンでは、いかに『高さを出すか』ということが重要になってくることもあると思うのですが、サンドウェッジのようにロフトの寝ているクラブだと、逆に『いかに引くく抑えていくことができるか?』ということが重要になってくると思います。
それは高くあがればあがるほど風などの影響も受けやすいですし、『ウェッジの生命線』ともいうべき『距離感』を出していくには、あまり高すぎないほうが易しいからだと思います。
必要以上に高さを出さすに、『スピン』でボールを止める・・・。という理想の弾道をこのウェッジは容易にさせてくれるように感じました。
構えたときに、多少グースが効いているかな?と思ったのですが、特にボールを拾いづらく感じることはありませんでした。
普段の感覚でボールを拾っていくことができました。
バックフェース

『安定性』という点でも、このようにロフトが寝ているので、左右にブレることもなく、とてもイージーです。
ラインを出すことも、とても易しく感じられました。
こういったイージーさは、これまで出会ってきた数多くのウェッジと共通する部分だと思います。
ウェッジはアイアンに比べ、『キャビティ構造』になっているものはとても少ないですが、それはやはりキャビティにする必要があまりないからではないでしょうか?
今はアイアンとウェッジは別売りになっていることが多いですが、キャビティアイアンを購入された方でも、ウェッジは、ごくノーマルな形状が殆どではないでしょうか?
クラブの難易度は『ロフト』が大きく関係していると思いますし、それによって『ボールのあがりやすさ』や『安定性』も変わってくるように思います。
このようにロフトが寝ているウェッジだと、なかなかボールが散らばることはありません。
そういった意味からも、このウェッジはそれほど敷居が高いとは思いませんでした。
飛距離性能

『飛距離性能』という点では、はっきりと『飛ばない』といいますか、ノーマルなサンドウェッジの距離だと思います。
私はサンドウェッジでは80ヤード以上飛ばさないように気を付けているのですが、今日はそのリミットぎりぎりまでこのウェッジが自動的に揃えてくれているように感じました。
いつものように構えて、いつものようにテークバックを開始して、あとは落とすだけ・・・。
それでいつもの弾道が放たれるように感じました。
こういった距離感がつかみやすく、また強烈にボールを止めてくれるウェッジだと、もっとピンを攻めたくなりますし、難しい局面になればなるほど威力を発揮してくれそうです。
この『着地してからの止まり感』には、多少戸惑うところもありましたが、『キャリー』は、ごく普通の感じがしました。
操作性

『操作性』という点でも、かなり好印象でした。
サンドウェッジなので、アイアンのように大きく曲げたりすることは、なかなか難しいですが、ボールも拾いやすかったですし、何より距離感がつかみやすいのが大きな魅力でした。
フェースも開きやすかったので、色々な細工をして遊ぶこともできました。
予想よりも、ボールが強烈に止まってしまうので、その感覚がなかなかつかめないところがあったのですが、その『急ブレーキ感』を見ていたらとても楽しみな感じがしました。
私のホームコースの速い砲台グリーンでも、このウェッジだと、すごく勇気が貰えそうな気がします。
滑る感じがしないので、よりアグレッシブに攻めていけそうな予感がしました。
ヒール側

このウェッジから放たれる『急ブレーキ感』は、例えば電車に乗ってつり革につかまっているときに急ブレーキが掛かって、思わず『つんのめって』しまう感じに似ているな・・・。と思いました。
ボールの立場に立って考えてみると、ボールがまるで『おっとっと』といいながら、急激にストップしていっているのではないかな?と思いました。
ボール自身も、このスピン性能に驚いているのではないかな?と思いました。
スリーラック D-TOUR WEDGE

このウェッジの鋭い溝によって、強烈にスピンを掛けられ、着地したときに芝に強烈にボールが喰いついていく感じなので、いつもよりも『ボールの温度』も摩擦によって高くなっているのではないかな?と思いました。
今日は寒さも厳しかったですし、実際に一球打っただけでは、ボールの温度は殆ど変らないと思うのですが、ついそう思ってしまうほど、このウェッジのスピン性能は優れていました。
THREE LUCK D-TOUR WEDGE

フェース面を手で触ってみたりもしたのですが、かなりザラザラしていました。
やはり、これが強烈なスピン性能を生み出すのだと思いました。
手で優しく触った感じでも、これだけ『ザラザラ感』があるのだから、ボールはたまったものではないな・・・と思いました。
ボールの立場からすると、どのようにヘッドが降りてきても、強制的にスピンを掛けられてしまう・・・。といったところではないでしょうか?
製造工程によるものだと思うのですが、スコアラインがないところにも、きっちりとミーリングが入っているところが面白いと思いました。
グリーン周りのアプローチ
 
いつもの試打ウェッジでは、なかなか『芝(草)』の上から打つことができず、殆どがマットの上からの試打になってしまうのですが、今日は練習場のアプローチグリーンからも、このウェッジの性能を試すことができたので、すぐに試してみました。
やはりいい具合に芝をキャッチしてくれ、スピンがすごく効いているのがよく解りました。
フェース面の鋭い溝がボールにもよく食いついてくれましたが、草をよく切ってくれているようでした。
開いて構えやすかったので、いわゆる『ザックリ』なども防げる感じがしました。
フェース面の『溝の性能』も凄いですが、『ソールの性能』も秀でていると思いました。
やはりこういったところは、練習マットの上ではなかなか感じられないところです。
THREE LUCK D-TOUR ウェッジ

今は新溝ルールに適合したウェッジやアイアンばかりですが、ちょっと前までいわゆる『角溝ウェッジ』が主流でした。
『激スピンウェッジ』と呼ばれるウェッジが各メーカーから、たくさん発売されていました。
しかし、そんなハイスピンウェッジの中でも、この『スリーラック D-TOUR WEDGE』のスピン性能は群を抜いていると思いました。
ルールが適用されるまでの『期間限定』という感じで、このウェッジを使ってみるのも面白いと思いました。
ルールによって、これまで使えていたクラブが使えなくなる・・・。ということは、これまでも何度もありました。
最近では、この『新溝ルール』ですし、それ以外には主にドライバーなどロフト15度以下のクラブに適用された『反発規制ルール』があります。
『飛び過ぎる』とか『スピンが掛かり過ぎる』ということで、ゴルフが易しくなり過ぎたり、ゴルフ本来の楽しさが失われてしまう・・・。ということもあるのかもしれません。
私はできれば、もうこれ以上規制を強くして欲しくないと思っているのですが、まだ解りません。
そういった中で、このウェッジは一般アマチュアのクラブ競技などでは、まだあと10年以上使えるということなので、やはり試してみる価値はあるのかな?と思いました。
スリーラック D-TOUR WEDGE

ゴルファーというのは、ルールによってクラブが規制されれば、それに対応できるように打ち方を工夫したり、ルールの範囲内でクラブを調整したりするもので、今ではすっかり『新溝ルール』のアイアンやウェッジに慣れておられる方もたくさんいらっしゃると思います。
そういった方々が、このウェッジを手にされますと、スピンが効きすぎて却って難しく感じられる可能性が高いように思われます。
キャリーは計算できても、ランが短くて計算しづらく感じられる方もいらっしゃると思います。
サンドウェッジを2本入れられている方もたくさんいらっしゃいますが、このウェッジは特別にスピンを掛けたいとき限定で使われるのもいいのかもしれません。
例えば、グリーン奥の外してしまって、下りの寄せが残ってしまったとき・・・。
またバンカー越えでピンが手前に切ってあるとき・・・。
など、活躍の場面は多いように思います。
このウェッジを手にしてみて、すごく刺激を受けましたが、『新溝ルール』には適合していない・・・。ということで、私は購入はしないように思います。
できれば『ルール適合』で、このウェッジの性能に限りなく近いクラブが登場してくれれば・・・。と思っております。
またスリーラックのウェッジを手にすることができれば、是非試打してみたいです。
今日は、このウェッジのおかげで、いつもと違うフィーリングを楽しむことができましたし、新鮮な気持ちになれました。