今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは プロギア egg i+ の4番 です。
シャフトは PRGR M-40 です。
ロフトは21度、クラブ長さは40インチ、シャフトフレックスはM-40、クラブ総重量は329gです。
プロギアの新しいユーティリティクラブです。
初めて『eggアイアン』を目にしたときは、すごく驚きましたが、あれから4年くらい経っていますし、今ではすっかりポピュラーな存在になっているような気がします。
『最大級のポケキャビ』といっていいのではないでしょうか?
このクラブも、初めて目にしたときはカテゴリー的に『アイアン』に含まれているのかと思っていたのですが、『ユーティリティ』のようです。
この『線引き』はとても曖昧な感じもするのですが、そもそも初代の『eggアイアン』からユーティリティ扱いで良かったのかもしれません。
私はこういったタイプのクラブを購入したことはないのですが、プロギアは本格的で美しいクラブから、このようなあくまでも『機能性重視』で思い切ったデザインをするところに好感を持ちます。
あまり無難過ぎるクラブばかりよりも、このような『時代を切り開く』とか『革新的』なクラブを作るメーカーは好きですし、そこに科学的な視点や人間のフィーリングも取り入れられているところが素晴らしいと思います。
単なる『企画もの』で終わらないところがプロギアの凄いところだと思います。
『後進的』な印象のメーカーも少なくないですが、プロギアやテーラーメイドは間違いなく『先進的』なメーカーだと私は思っています。
独特の丸みを帯びた形になっています。
この卵のような形状から『egg』という名前が付けられたことは想像に難くありません。
ゴルフクラブに丸みがあると、いわゆる『易しさ』を感じやすいと思います。
角ばっていて細い感じだと『シャープ』な印象を持ちますが、こういった丸み感に安心感をもたれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
この曲線が、とても抜けの良さを感じさせてくれます。
これまでの『eggアイアン』同様、とても大きな膨らみがあります。
いわゆる『ポケキャビ』を、これまで何度も試打してきましたが、これほど大きなポケットは『eggシリーズ』だけだと思います。
こうして見ていると、いつも
いろんな物が入っちゃうな・・・。
と思ってしまいます。
ボールを前にして構えてみると、一瞬固まってしまいました。
どのように打っていいのかが、イメージできませんでした。
こうして見ていると、グリーン回りのアプローチで活躍する『チッパー』を思い出していました。
アプローチ用のクラブなのではないか?と思えてきます。
『14本以内』という本数制限があるので、私はチッパーを実戦で使ったことはないのですが、こういった形状を見ると、ボールをチョコンと弾いてピンに絡めたくなります。
ユーティリティにもアイアンにも見えませんでした。
当然、これから打つボールのイメージが湧いてきませんでした。
とても構えやすくて美しいクラブだと、頭の中がすごくクリアになって、鮮明なイメージが頭に湧いてくるのですが、今日はずっとモヤモヤした感じでした。
『eggシリーズ』は初めてではないですし、何度か経験していますが、今日は何だか手ごわい感じがしました。
いつもならば、打つ前に必ずいいイメージを描いてテークバックに入るのですが、今日はそれができずに、いました。
ずっと睨んでいると、身体が硬直してしまいそうだったので、『出たとこ勝負』的な感じでクラブを引きました。
ゴルフは『打つ瞬間』や『打った後』よりも『打つ前の準備』が大切なことはゴルファーならば誰もが知っていることだと思いますし、私もそう思っていますが、今日は打つ前の準備が充分でないままショットせざるを得ませんでした。
試打を開始しました。
これだけソールが厚いので、いわゆるダフらせながら、ボール手前から滑らせる感じで1球目から打っていったのですが、思っていた以上にソールが跳ねてしまった感じで、ボールは強いゴロになってしまいました。
これではいけない・・・。と思い、2球目からは打ち方を変え、多少『トップ目』で打ってみることにしました。
すると、今度はすごくいい感じで球が飛んで行ってくれました。
かなりの低重心が効いているのでしょうか?
やや薄めでヒットした感じのほうが、いい球が打ちやすいと思いました。
球もよく拾ってくれる感じがしましたし、この感覚で慣れるとすごくイージーなクラブだと思いました。
ただ普段の『アイアン感覚』『ユーティリティ感覚』では、打ちづらい感じがしました。
あくまでも『このクラブ専用』のフィーリングで打っていかないと、今日の私には厳しく感じられました。
今日は敢えてティアップせずに、ずっとマットの上から打っていったのですが、ティアップすると、また別の難しさがあるような気がしました。
『打感』は、結構ソフトな感じで好感を持つことができました。
大味な感じはしませんでした。
結構薄めにヒットしても、硬い感じはしませんでした。
かなりスイートエリアも広そうですし、打点がブレても、それほど打感が変わる感じはしませんでした。
いい意味で『ファジー』な感覚で打っていけるクラブだと思いました。
『音』も静かな感じで、特に違和感を感じたりすることもありませんでした。
構えた感じと、打感や音の感じ方が違うところが面白いと思いましたが、こういったところは初代のeggアイアンからずっと続いている感じがします。
『安定性』という点では、こういった形状らしく、とても高いと感じました。
こういった思い切った設計になっているので、これでもし安定性が低かったら、この形状にする意味はないような気がしないでもないのですが、この独特な形状が気にならない方でしたら、このクラブの高い安定性は、かなり魅力的に感じられるのではないでしょうか?
シビアな感じは全くしませんでした。
スペック的に、私にはやや合いづらいタイプだったせいか、かなり打点がバラついてしまうこともあり、
こんなところで打ってしまったのか・・・。
と思えるような打球痕もあったのですが、球はそれほど暴れる感じはしませんでした。
かなり『オートマチック感覚』で打っていけるユーティリティだと思いました。
ただ、シャフトがもっとしっかりしていると、安定性はさらに高まるように感じました。
『飛距離性能』という点では、スインガータイプの方には、かなり心強い武器になってくれるのではないでしょうか?
ロフトが21度ということは私の感覚だと『3番アイアン』になるのですが、これほど球が上がりやすくて、シビアさも感じられず、飛距離も稼ぎやすいところは大きなメリットだと思います。
ヒッタータイプの方だと、球が浮き過ぎるのではないか?と思いますが、スインガータイプの方には、かなり楽に距離を稼いでいくことができるのではないでしょうか?
『力を込めて打つ』というよりは『大らかさを感じながら運ぶ』という感じのクラブだと思いました。
『操作性』という点では、それほど操作しやすいタイプのクラブだと思わなかったですが、高い安定性があるので、あまり気にならないところなのかもしれません。
なかなか曲げにくいクラブだとは思いましたが、一応左右に曲げてみることにもトライしてみました。
何とか曲げることはできましたが、構えたときからイメージできなかったですし、『結果オーライ』をずっと感じていました。
やはりこういったタイプのクラブであまり極端にインテンショナルなショットを打つのは不自然な感じがしましたし、こういった曲がりにくいクラブだと、実戦でもそれほどタフな場所から打つことは少ないのではないか?と思えてきました。
このクラブは別のシャフトもラインアップされているそうなので、今度もし機会があれば、違うシャフトでも試してみたいと思いました。
このクラブはユーティリティということでしたが、これまでの『eggアイアン』がユーティリティのような感じもするので、特に大きく変わった・・・。という印象は持ちませんでした。
初代モデルからずっと『eggアイアン』は、かなりロフトが立っているので、そういった意味でも、このクラブは、そのeggアイアンの中の『4番アイアン』といっていいような気がしました。
構えたときにも感じていましたが、このクラブを普通のショットのときに使うのもいいですが、グリーン回りで是非試してみたい・・・。と思いました。
まさにユーティリティという、使い勝手のいいクラブだと思いました。
私はPRGRのクラブは大好きですし、昔から『銀チタン』や『TR DUO』『ZOOM』・・・。など素晴らしいクラブの恩恵にあずかってきました。
『eggシリーズ』は、私にとって、かなり敷居が高い感じがしますが、メーカー側があらゆる層に対応していけるクラブ作りを目指しているからだと思いますし、これだけ思い切った設計はとても潔い感じがします。
クラウン部分が凹んでいるので、ドライバーでいうと、数年前のクリーブランドを思い出しますが、同様の易しさがあると思います。
ただ、クラブには『美しさ』というのも大きな要素だと思いますし、そういった点で考えてみても、私はこのクラブをコースで使いたい・・・。とは正直思いませんでした。
今日は30球ほど、このクラブで試打を楽しんだのですが、最初から最後まで自分のフィーリングがこのクラブに伝わりづらい感じがしていました。
まずまずいい感じでボールを運んでいくことができたのですが、充分にイメージが出せていなかったので、『結果オーライ』に過ぎない・・・。と思いました。
初めて『eggアイアン』を手にしたときのような衝撃はなかったのですが、それは初代モデルから、かなり高性能だったからだと思います。
『イージーさ』を突き詰めていったら、こういった形になった・・・。といえるのでしょうか?
PRGRには、これからもこういった革新的なクラブ開発をして、クラブ業界に一石を投じて欲しいです。
プロギア egg i+
- 2011年8月19日
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