ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド ミルドグラインド 2 ウェッジ

テーラーメイド ミルドグラインド 2 ウェッジ
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブ
テーラーメイド ミルドグラインド 2 ウェッジ です。
N.S.PRO 950GH
シャフトは N.S.PRO 950GH です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.9、キックポイントは中調子、クラブ総重量は454gです。
正面
テーラーメイドの新しいウェッジです。
昨年、MILLED GRINDというウェッジを試打したのですが、このウェッジは『2』ということで、後継モデルであるということが分かります。
これまでと違い、デザインがちょっと凝っています。
ソールの黒いパーツ
この黒いパーツは何でしょうか?
どのような意味があるのか分かりませんが、ひょっとしたら打感に関係しているのかな?と思いました。
しかし、実際のところは分かりません。
側面
大きさもちょうど良く、シャープなウェッジです。
最近は丸っこくてボテッとしたウェッジも見られるようになりましたが、このウェッジはオーソドックスなタイプです。
イメージを鮮明に出しやすくするには、やはり贅肉の無い、このようなタイプのほうが有利な気がします。
そういった点でも、このウェッジは好感が持てました。
彫りの深さ
シンプルなフラットフェースタイプのウェッジです。
トゥ側が、少し厚みが薄くなっているので、これも重量バランスを考えてのことでしょうか?
アイアンと同じように、ウェッジも重心距離が長くなりすぎてしまうと、操作性が落ちてしまいますが、このようにトゥ側が少し薄くしてあるということは、適正な重心距離が保たれているのかな?と思いました。
トップライン
トップラインの厚さは標準的です。
特別厚くも狭くもなく、見慣れた厚みです。
輪郭も丸みを帯びていて、それほど尖った感じはしません。
ソール幅
ソール幅は標準的ですが、最近はワイドなタイプが増えてきているので、そういった意味では少し狭いといえるかもしれません。
特にバンカーが苦手な方には、もう少しワイドで丸みを強調したソールが受け入れられやすいかもしれません。
ソール形状を見ているだけでも、色々なことがイメージできますが、少なくともこのソールを見て、バンカーの砂を強烈に弾くイメージは出てきませんでした。
バンカーショットは確かに『エクスプロージョンショット』というくらい、砂を弾いて爆発させていきますが、私はそれに加えて、砂を薄くカットしていきたいので、このソール形状や雰囲気は好感が持てます。
トゥからヒールにかけて、テーパーになっているのではなく、ストレートに近いです。
最近は、このようなタイプが多くなったように思います。
ソールのミーリングのようなもの
ソール形状には独特な工夫が見られます。
これにはどのような効果が期待できるのでしょうか?
おそらく大きな意味は無いと思うのですが、テーラーメイドのクラブなので、何らかの意味があるような気もします。
この工夫があるおかげで、『ソールの質感』がとても良いです。
ウェッジ(特にサンドウェッジ)において、ソールは『最大の摩耗箇所』といっていいので、新品のときには良くても、すぐにこの模様のようなものは見られなくなると思います。
摩耗する度に『金太郎飴』のように、新たな模様が浮かんできたら面白いだろうな・・・。と思いました。
ソール形状
ソール形状は平らというよりは全体的に微妙に丸みを帯びていますが、極端ではありません。
今はソール形状にも色々な工夫が見られるようになりましたが、このウェッジはすごくシンプルで変わったところは見られません。
リーディングエッジやトレーリングエッジにも削りは見られますが、それほど大きくはありません。
バンスは結構利いているといいますか、かなり『膨らんでいる』ように見えました。
このバンスの効きが、このウェッジの大きな特徴なのかもしれません。
ネックの長さ
ネックの長さは適度にあって好感が持てます。
私はウェッジを見るときに、色々なところを確認するのですが、ネックの長さも重要です。
これくらい長さがあると、スピンを掛けやすそうです。
グースタイプではないのが、こうして見ても分かりますし、オーソドックスな美しさがあります。
以前試打したMILLED GRINDMILLED GRIND HI-TOEはスルーボアタイプでしたが、このウェッジは違うようです。
特殊なミーリングあり
フェース面には特殊なミーリングのようなものがありました。
かなり細かいのですが、はっきりと分かります。
個性的で特殊な模様をしています。
指で触ってみたのですが、結構ザラザラ感がありました。
『つるつる』した触感のフェース面ではありませんでした。
『エッジ』も結構利いています。
構え感
ボールを前にして構えてみると、最高レベルでした。
かなり良くて、思わず目尻が下がってしまいました。
ストレートタイプですが、『出っ歯』過ぎず、ちょうどいいです。
このウェッジのロフトは56度ということですが、フェース面がかなり上を向いているように見え、ロブ系やカットのイメージも出しやすいです。
『1時から7時』あるいは『2時から8時』の方向へ抜いていける感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ヒール側が絞り込まれてシュッとしているのもいいです。
ストレートネックでもヒール側が広くてボテッとしていると、少し好感度が下がるのですが、このウェッジは素晴らしいです。
フェース面にある、ミーリングのような物も目立たず邪魔になりません。
『安心感を与えてくれる構え感』といったらいいでしょうか?
大きさもちょうどいいので、ボールとのバランスもとれていて、男前なのでイメージが出しやすいです。
ウェッジに限ったことではないですが、構えづらいクラブというのは、クラブとボールがつながっていなくて、バラバラになっているように見えるのですが、このクラブのようにすごく構えやすいと、まるで『糸でつながっている』かのように思えてきます。
ボールだけでもダメですし、クラブだけでもダメです。
ボールとクラブの一体感が大切ですが、それがきちんとできています。
こういったときはミスショットのイメージが浮かばないですし、実際に打ってもかなり成功率が高まります。
ひとつ注意するとすれば、私には少し重さが足りないので、そこだけを注意し、小さめのスイングで、まずは30Yのアプローチから始めてみることにしました。
開きやすさ
フェースを開いて構えてみたのですが、なかなかいい感じです。
ソールを見たときに、結構バンスが利いているように見えたのですが、それが『開きやすさ』を邪魔していません。
昔のウェッジはハイバンスだと開きづらいという欠点があったのですが、最近のウェッジではそれが解消されているものが多いです。
私はウェッジを開いて使うことが多いので、開きやすさは重要な項目のひとつなのですが、このウェッジはそれがいい感じです。
ただ、もし私がこのウェッジを使うとするならば、もう少しヒール側を落とし(削り)ます。
そうするともっと『据わり』が良くなって、構えやすさが高まります。
私は『ノーマルバンス(10度以下)』が好きですが、最近はハイバンスタイプの人気が高まっています。
バンスを上手く活かしてソールを滑らせるように使いたい・・・。という方もいらっしゃると思いますし、やはりバンカーにはバンスがあったほうがエクスプロージョンをしやすくなるので、ハイバンスが求められているのかもしれません。
ローバンスでもフェースを開けば自然とバンスが利いてくるのですが、今はそれほど開かなくてもいいようにメーカーも工夫しているのかもしれません。

試打を開始しました


フェース面
『打感』はソフトで、とても良いです。
ソフトなのですが、しっかりと『芯』があって、ボヤけていないのがいいです。
ダイレクトに伝わってくるので、クラブとの『意思の疎通』がしやすいです。
『サラサラした感じの摩擦感』といったらいいでしょうか?
ガツガツくる感じではなく、サラサラしています。
小学生のときに理科の実験で磁石に砂鉄をくっつけるというのがあったのですが、その砂鉄を指で触った感触を試打しながら思い出していました。
『鉄の柔らかさ』といったらいいでしょうか?
鉄も塊となると硬いですが、『微粉』にすると、素材のもつ硬さがなくなります。
サラサラしたパウダーを指で触っているような感触を思い出しました。
普通に触ると柔らかくて何の硬さのない水でも、時速100㎞で走るモーターボートから落ちると、水面がコンクリートのような堅さになると聞いたことがあるのですが、そういった場面場面による素材の硬さの違いを思い出していました。
インパクトでボールを弾くのではなく、グッと乗ってくれるのがいいです。
乗っかり感があって、フォローにかけて運ぶ感覚が楽しめます。
トゥ側
球を拾いやすくてイージーです。
出球の高さのイメージも合いやすいです。
ストレート系の長所のひとつといっていいと思うのですが、出球が高く、フワッと運んでいけるのがいいです。
対して、やや低めの高さで、強めに出てギュッと止めるには、ある程度グースが利いていたほうが有利なのかもしれません。
スピン性能
『スピン性能』はとても高くて、かなり優秀です。
適度な摩擦感があるからなのか、ボールにギュッとスピンが掛かって、よく止まってくれました。
重心の高さによるところもあると思いますし、フェース面の工夫も、このスピン性能に活きているのかもしれません。
かなりスピンが効いてくれるので、コースでもアグレッシブに寄せていけそうです。
ガツーンというよりも、私の場合は『フワッ』くらいのほうが、イメージが合いました。
バックフェース
とても構えやすくてラインも出しやすいのですが、それほど『お助け機能』のようなものは感じないので、『安定性』という点では普通といっていいように思います。
オートマチック性でなく、マニュアル性で勝負していけるウェッジです。
フェースの開閉を使って、一球一球『感情のこもった活きた球』が打てるウェッジといったらいいでしょうか?
高すぎない安定性が逆に魅力なのかもしれません。
TaylorMade MILLED2 GRIND ウェッジ 距離感
『距離感』という点では、最初ちょっとイメージよりも少しキャリーが出てしまいました。
装着されていたシャフトが軽すぎたのかもしれません。
しかし、これまでもたくさん試打してきたシャフトなので、何球か打って合わせることができました。
出球のイメージで運ぶことができるので、その上昇曲線をイメージして着地点を決められるのがいいです。
あとはウェッジの『止め性能』に委ねる感じで、とにかく『出球』と『落としどころ』に意識をもっていけるので、自分の仕事に集中することができ、ウェッジとの『分業制』でショットの成功率を高めていけます。
アプローチでは『手の感覚』が重要だと言われることもありますが、今日は『左脳』と『右脳』を目一杯使ったような気がします。
それに上手く反応してくれる、このウェッジが愛おしくてたまりません。
操作性
『操作性』は最高レベルです。
開きやすいので、色々な球で遊ぶことができました。
56度のウェッジですが、球がかなりあがりやすくてロブ系のショットも簡単です。
イメージの出しやすさが、この扱いやすさにもつながっているように感じます。
先ほども書きましたが、『乗っかり感』がいいので、乗せて運ぶことができ、微妙な距離感や『浮き・沈み』を使っていけるところがいいです。

試打後の感想


ヒール側
かなりいいウェッジだな・・・。と思いました。
アプローチの練習が何より好きな私はすごくハマってしまいました。
海外メーカーのトップ3といえば、タイトリスト・テーラーメイド・キャロウェイだと思いますが、その中で、ウェッジではタイトリストとキャロウェイの後塵を拝しているような気がしていました。
もちろん、テーラーメイドのウェッジも健闘していましたし、決して劣ってはいないのですが、それだけタイトリストとキャロウェイの充実ぶりが凄いといえるのかもしれません。
しかし、このウェッジの登場で、改めてテーラーメイドウェッジの魅力を強く感じました。
私の周りにいるテーラーメイドファンの人は、ドライバーやFW・UTはテーラーメイドを使っているけど、ウェッジはボーケイやフォーティーン・キャロウェイ・ブリヂストン・地クラブメーカーを使っている人が多いのですが、このウェッジを試すと、ウェッジもテーラーメイドにする可能性が高まるような気がします。
TaylorMade MILLED2 GRIND ウェッジ
テーラーメイドはドライバーやフェアウェイウッドなど、ウッド系が得意なクラブだと私は思っています。
もちろん、アイアンやウェッジなどもいいものがあったのですが、その割合は高くありません。
逆に好感が持てなかったアイアンやウェッジはたくさんあります。
テーラーメイドのニューアイアンが出ても、ちょっと見ただけで試打せずにスルーしていたことも昔はありました。

正直、テーラーメイドのクラブは『良し悪し』が、他のメーカーに比べて、はっきりしていると思います。
もちろん、それはどのメーカーのクラブにもいえることだと思うのですが、特にテーラーメイドはそれを強く感じていました。
しかし、今日はいい印象をもてました。
TaylorMade MILLED2 GRIND ウェッジ
先日も書きましたが、テーラーメイドのクラブは『MADE IN CHINA』が多いですし、今は大変な状況なので、ニューモデルの発売はどうなるんだろう?と心配になってきます。
もちろん、テーラーメイド以外にも、多くのメーカーが中国製だと思いますが、これからニューモデルがどうなるのかが気になります。
中国製は安いのが魅力でしたが、今は中国製も国産と同じくらいの値段になっているので、中国製のメリットは少なくなったように思います。
中国以外の国で生産されるかもしれないですし、日本製のテーラーメイドだと、ときめきます。
TaylorMade MILLED2 GRIND ウェッジ
これからもテーラーメイドには、私たちゴルファーをワクワクさせるようなクラブを開発し続けて欲しいです。


構えやすさ・・・・・☆☆☆☆☆
打感・・・・・・・・☆☆☆☆☆
スピン性能・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・・・☆☆☆
距離感・・・・・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・・・☆☆☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。