今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは grindworks Pro Preference GW400 Driver です。
シャフトは Fire Express RB です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスは6S、シャフト重量は65g、トルクは3.4 です。
久しぶりに出会った、grindworksのドライバーです。
久しぶりとはいっても、正確には2回目で、まだまだ接する機会が多くないのが残念です。
前に試打したドライバーにはいい印象をもっているので、今日再び出会うことができて、とても嬉しくてテンションが一気にあがりました。
他のメーカーでは『溝』がある、この位置に『Pro Preference』とあったので、プロ支給モデルなのかと思いました。
ソールには3つのウェイトがあります。
この位置にあるのは珍しいように思いますが、これも重心など細かく計算されてのことでしょうか?
3つのウェイトを全て外せば、この蓋のようなものがパカッと外れそうな気もするのですが、実際はどうなのか分かりません。
この蓋のようなものを外して、中にウェイトなどが入っていれば面白いな・・・。と思ったのですが、実際は見ることができません。
ヘッド全体が黒で、シブくてカッコいいです。
シャロー系が多い中、このドライバーは適度に厚みもあります。
すごくディープという印象はありませんが、シャロー系が多い今ではディープなほうです。
ディープ系を好む私は好感が持てましたし、ヘッド全体が黒なので、さらに興味が湧きました。
ヒール側には、ネック調整の為の穴を塞いだようなものが見られます。
これを外せば、シャフト交換などが簡単に行えるのかな?
それとも、最初は調整システムを搭載する設計だったけど、途中でできなくなり、このように塞いだような形になっているかな?
どうしてだろう?と思っていたのですが、ちょうど私の打席の近くに店員さんが来たので尋ねてみたら、『スルーボア設計』になっているということでした。
スルーボアといえば、真っ先にキャロウェイを思い浮かべますが、最近ではテーラーメイドのウェッジでも見られるようになりました。
私はスルーボアの合理性を、まだ理解できていないのですが、それだけの利点があるということなのだと思います。
スルーボアのイメージといえば、あくまでも私の中では『重心を低くする』ということと、『先を硬くしてしなりを抑える』というのがあるのですが、実際のところはどうなのでしょうか?
これからは、スルーボアを採用するメーカーが出てくるかもしれません。
これは『新たな技術』というよりは、『昔からある技術の使い回し』といった印象を受けます。
昔からある技術と、最新の技術を組み合わせることで、また新たなものが生み出されていくのかもしれません。
まさに『温故知新』といったところでしょうか?
ネックの長さは適度にあります。
昔から見慣れた長さです。
今はショートネックでシャロー感が強く、『円盤』のようなドライバーが多いですが、このように適度なネック長さがあって、厚みもあるので、叩けそうで頼もしく見えてきます。
セミディープ形状といっていいでしょうか?
シャローバックタイプが圧倒的に多いですが、このような厚みのあるタイプは昔からありますし、今は少しずつ増えてきたように思います。
シャロー系に物足りなさを感じておられる方には、好感が持てる形状といえるのではないでしょうか?
あくまでも『私の中で』ですが、ディープバックタイプだと、フェースの中心とバックフェースの中心が平行に近く、ヘッドを真っ直ぐか、やや『アッパーめ』に振り抜いていくイメージが出せます。
もちろん『ダウン気味』に打とうと思えば、そのイメージも『厚み』があるので出せます。
対してシャローバックがきつく、薄い円盤のようなドライバーだと、どうしてもお尻(バックフェース側)が垂れ下がってしまい、フェースが上を向いてしまうようなイメージをもってしまいます。
それでロフトが寝ていて、フェースが被っていたら、もうどうすることもできません。
完全に『お手上げ状態』となってしまいます。
もちろん、今は様々な研究が進んでいて、シャローだからといって、必ずしもそうならないように『重心調整』や『重量配分』などがされていますが、外見的なイメージとしては、シャローすぎると『フェースコントロール』が難しくなる印象があります。
それは高いオートマチック性につながっていくともいえるのですが、逆にいえば『融通が利かない』ということにもつながります。
シャロータイプ(シャローバック)だとディープフェースであっても、『フェースの高低』を使いづらいことが多いですが、ディープタイプだと、それが易しくできるという利点もあるので、長所は短所の裏返しであり、その『逆もまた真なり』なのだと思います。
フェース面のデザインはシンプルで美しいです。
ヒッティングポイントにスコアラインが無いタイプなので、ギリギリまでフェースを薄くしながらも、強度を保つために、このようにしているのではないかな?と思いました。
フェース面がチープでなく、丁寧に仕上げられていて高級感があるのも魅力です。
飛距離や安定性などの『物理的性能』とは直接関係ないかもしれませんが、やはり『見た目の美しさ』というのはとても大切です。
打つ前に『やる気』がプラスになるか、マイナスになるかでは、大きな違いが出てきます。
今日はやる気がどんどんプラスされていきました。
実際に球を打つまでの、楽しくてワクワクする時間でもあります。
昔からある、シンプルでオーソドックスな顔をしています。
今は投影面積が大きくて平べったい印象が強いドライバーが多いですが、このドライバーの顔はキュッとしていて、立体感もあります。
こういった顔は昔から好きですし、私以外にも好まれる方は多いのではないでしょうか?
ただ、フェースが左を向いているように見えました。
これくらいであれば、今は普通といえるほどのフェースアングルなのですが、『フックフェース』には苦手意識があるせいか、ちょっと目立って見えました。
しかし、これくらいであれば全く気にならない・・・。という方のほうが多いような気がします。
超シャローで円盤のような形状で慣性モーメントが高く、このようなフックフェースのドライバーだと、もうどうにもできないこともありますが、幸い、このドライバーは適度な厚みもありますし、それほど『大顔感』は強くないので、フックフェースが苦手な私でも何とかなるかな・・・。というところがありました。
そして何より、これまでたくさん同じような形状のドライバーを試打してきているので、その経験を活かしていこうと思いました。
素振りをしてみると、いい感じです。
私の好きなファイヤーエクスプレスが挿してあるというだけでも好感度があがるのに、この美しいドライバーとのコラボということで、気持ちも乗ってきました。
全体的に『しなやか』でありながら、しっかりとした『骨』のあるシャフトという印象です。
タフさは感じないですが、頼りないこともなく、しっかりと振っていくことができました。
走りの良い印象をもちました。
オーソドックスな顔なのですが、やはりフェースが被っているように見えて、ちょっとだけ構えづらい感じがしました。
つかまえ系の顔を好まれる方は、かなり好印象なのではないでしょうか?
フックフェースに見えましたが、これくらいはたくさん経験しているので、特に大きな苦手意識はありませんでした。
フェースの被りがきついと、右を向いてそこから回して打ちたくなることもあるのですが、今日はそこまでではなく、いつも通りのスタンスの向きで打っていけそうです。
黒という収縮色なので、このフェースの被りが目立たなくていいのかな・・・。と思いました。
これがもし、『黄色』であったら、かなり構えづらくなってしまうかもしれないな・・・。などと思いました。
適度に小ぶりで、ロフト角が10.5度でありながら、『ライナー系』をイメージしやすいのが、すごくいいです。
試打を開始しました
『打感』はマイルドな感じで好感が持てました。
しっかりとした手応えがあるものの、堅い打感ではなく、手に嫌な衝撃も残りません。
ヘッドの質感に合う打感で、『フィーリングの一致』があります。
『音』は控えめで、かなりいいです。
インパクトが緩むこともなく、気持ちよく振っていけました。
10年以上前、異型ドライバーが登場したときに、その独特な形と共に、音も『異音』を発するようになってきました。
今ではそのような異音を発するドライバーは少なくなりましたが、完全に無くなったわけではありません。
見た目はいいのに、音が馴染めないな・・・。というドライバーは今でもありますが、このドライバーは好感が持てました。
『球のあがりやすさ』という点ではライナー系で、明らかにヒッター向けのドライバーです。
今はスインガータイプ・ヒッタータイプ『共用の』ドライバーが多くなりましたが、このドライバーは明らかにヒッタータイプのゴルファーを対象に作られています。
ロフトが10.5度ということもあり、打ち出しはやや高いですが、そこから『高~く』あがっていくのではなく、力強いライナー系で飛んでいきました。
イメージでいえば、横から見たときに、卓球あるいはテニスの『ドライブ』をかけている感じ・・・。といったらいいでしょうか?
高~い『ロビング系』の弾道ではなく、『ドライブ』の掛かったような弾道です。
しっかりと『押していける弾道』といっていいかもしれません。
10度以上だと『高弾道』の印象が強くなりますが、このドライバーは『中弾道』といった感じで、必要以上に上がりすぎないところがいいです。
低スピン性能が高く、叩いても吹き上がりにくいのがいいです。
私はこのような『叩ける』ドライバーが好きですが、人によっては球がドロップする・浮きづらいと感じられるかもしれません。
『安定性』は普通だな・・・。と思いましたが、今の高安定性ドライバーと比べると、正直なところはあるかもしれません。
『曲がりにくさ』で勝負しているドライバーではないですが、球のつかまりは比較的いいほうなので、好感を持たれる方も多いのではないでしょうか?
コンパクトなヘッドの割には、スイートエリアもそれなりにあって、シビアさは感じませんでした。
『飛距離性能』という点では低スピン性能もあり、高いポテンシャルを感じましたが、人によってはっきりと好みが分かれると思います。
幅広い層にターゲットを広げている『オートマチックタイプの飛距離性能』ではなく、ヒッターに絞り込んでいる『マニュアルタイプの飛距離性能』といったほうがいいかもしれません。
使い手を選ぶところもあると思いますが、これこそが『地クラブメーカーの醍醐味のひとつ』といえるのではないでしょうか?
ターゲットを絞り込んでいるからこそ、そのターゲットに当てはまる方にとっては、頼もしい相棒へと進化してくれます。
叩きに行ってもスピンを抑え込めるタイプなので、強い弾道で勝負できます。
今は低スピン性能をもったドライバーがたくさんありますが、その中でも、このドライバーの低スピン性能はトップクラスにあるように思います。
『操作性』という点では、マニュアルタイプとオートマタイプの、ちょうど中間にあるように感じられました。
球のつかまりは悪くないですが、構えたときの印象よりも左につかまりすぎないのがいいです。
右にも曲げることはできましたが、操作するタイプではないような気がします。
球を曲げようと細工をしすぎて、変なところでヒットすると、球が『ドロップ気味』になることがあったので、『低スピン系ドライバー』の特徴を見たような気がします。
球のつかまりは悪くないですが、スライスを抑制・撲滅してくれるタイプのドライバーではないので、日頃からスライスに悩んでおられる方が、クラブ(ドライバー)によってスライスを抑えていきたい・・・。という目的では使いづらいかもしれません。
試打後の感想
見た目ハードそうに見えても、実はそれほどでもない・・・。というドライバーが今は増えてきました。
いい意味での『見た目とのギャップ』のあるものが多くなりました。
そういった意味では、このドライバーは『見た目通りの性能』をもったドライバーです。
最近では少なくなった、硬派で骨太なタイプのドライバーといっていいかもしれません。
ヘッド全体の質感が良いのも印象に残りました。
チープさが全くなく、高級感があります。
10.5度で、これだけしっかりしているのだから、9.5度を試すとどうなるのかな・・・。と興味が湧きました。
一時期『低スピン性能』ドライバーが流行り、それは欧米メーカーから来たものですが、私たち日本人には合いづらいところもあり、時間が経つにつれ、その低スピン性能が『マイルド化』していきました。
低スピン性能にも『幅』が出てきたのだと思います。
ウェイトを前後左右に移動させて、重心深度や重心距離を調整できるドライバーも登場してきました。
しかし、このドライバーにはそういった工夫が見られません。
『はっきりとした』といいますか、『しっかりとした』低スピン性能があり、ヒッターにターゲットを絞り込んでいるということが試打していて、ひしひしと伝わってきました。
黒という色のイメージに合致した重量感。
今時珍しい硬派なドライバー。
ヘッドがよく利いていました。
ヘッドの質感が良く、フィーリングもいいドライバー。
叩くには打感や音の良し悪しが、より求められますが、それが高い次元で実現できているドライバー。
そんな印象をもちました。
機会があれば、またこのドライバーを試打したいですし、できれば違うロフトでも試してみたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
最後までお読みいただき、ありがとうございました。