今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブはキャロウェイ BIG BERTHA ドライバー です。
シャフトは Callaway です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、トルクは5.5、キックポイントは中調子、バランスはD2.5、クラブ総重量は308gです。
ずいぶん久しぶりのビッグバーサです。
キャロウェイといえば、やはりビッグバーサです。
『大砲』という意味をもつ、ビッグバーサはとても革命的なクラブでした。
『LEGACY』や『X HOT』など、キャロウェイはたくさんのブランドがありますが、やはりビッグバーサは特別な存在だと思います。
ただ、名前はビッグバーサとなっていても、全体的な雰囲気が大きく変わっていますし、今風(いまふう)のドライバーだと思いました。
昔のビッグバーサは『メタリックシルバー』のヘッドが印象的でしたが、このドライバーはとても美しい『濃紺』といったらいいでしょうか?
とても好感のもてるデザインです。
美しいヘッドです。
ネックには調整システムが搭載されていました。
これはもう『標準装備』といったほうがいいのかもしれません。
昔、車の窓を開けるのには、『手動式』が殆どで、『パワーウィンド』はオプション的な扱いでした。
やがて、殆どの車に『標準装備』されるようになりましたが、この調整機能も、そのようになっていくのでしょうか?
調整システムが搭載されているせいか、やや長めに見えましたが、今のドライバーの中では、比較的ノーマルなほうかもしれません。
NSポジション
試打するポジションは、このNとSのポジションです。
+2Nポジション
-1Dポジション
D+1ポジション
他にも、色々と組み合わせることによって、バリエーションが広げられそうです。
今は調整機能も複雑化しているように思うので、このドライバーがシンプルに見えますが、これくらいでもいいのかもしれません。
あまり複雑化し過ぎても、それを活かしきれないことも多いような気もします。
色々なポジションで試してみたいと思いましたが、このノーマルな位置がベストだと思いますし、調整用の工具が無いので、このまま試打することにしました。
ヒール側には大きなウェイトがありました。
よく見てみると『5』という表示があったので、『5g』なのかな?と思いました。
大きなアクセントになっています。
ヒール側からトゥ側にかけて、ウェイトが大きく移動できるシステムになっているようです。
これだと、かなり球筋を調整できそうだな・・・。と思いました。
数年前に試打した、ミズノのドライバーMP-630を思い出しました。
ウェイトの位置を移動させることによって、かなりフィーリングが変わったことをよく覚えています。
このドライバーは、トゥ側がFADE、ヒール側がDRAWになっていて、目盛が記されています。
今のポジションは『0』より、ほんの少しヒール側(DRAW)寄りです。
トゥ側には『APW』という文字が記されていて、『ADJUSTABLE PERIMETER WEIGHTING』と記されています。
訳すと、『周辺の重量が調整可能』ということでいいのでしょうか?
ウェイトが移動するシステムのことをいっているのでしょうか?
ソールのバックフェース寄りには、階段状の凹みのようなものがあります。
これにも何らかの意味があるのでしょうか?
このオリジナルグリップも、キャロウェイらしい感じがします。
キャロウェイは、この凹凸感があって、滑りにくいタイプのグリップを多く採用しているように思います。
私はもっとしっとりとしたソフトなグリップが好きですが、このグリップにも特に不満はありません。
何より滑りにくそうなのは、大きなポイントのように思います。
このグリップの採用は、同じ大手海外メーカーのタイトリストやテーラーメイドなどと、大きく異なるような気がします。
今はドライバーに限らず、多くのクラブのグリップに『バックライン有り』が採用されていると思うのですが、このグリップにはそれが感じられなかったので好感がもてました。
バックラインが有ったほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思いますが、あくまでも私の好みとしては無いほうがしっくりきます。
これは人の好みによる違いだと思います。
シャローバック形状です。
このシャローヘッドは、昔のビッグバーサの名残を残しているのかな?と思ったのですが、今の殆どのドライバーがこのような厚みになっているので、やはり今のドライバーの流れをいっているのだと思いました。
昔のドライバーよりも『ヘッド後方の伸び』が明らかに大きくなっています。
高い直進性を得るには必要なことなのでしょうか?
顔も、とてもいい感じです。
変なクセがなくて整っています。
シルバー系の顔ではなく、上品で落ち着いた感じの『ネイビーブルー』です。
この顔と色は大好きです。
キャロウェイらしいクラウンマークも、よく目立っていますし、ビッグバーサらしいな・・・。と思いました。
素振りをしてみても、タフな感じはしませんでした。
おそらく、このシャフトが『純正』なのだろう・・・。と思いましたし、結構『アンダー目』に仕上げているように感じます。
全体的に軽さを感じましたし、シャフトも少し動く感じがしましたが、タイミングが取りづらいというほどでもありませんでした。
ボールを前にして構えても、いい印象をもつことができました。
とても構えやすいです。
キャロウェイらしい感じでしたが、すごく素直に構えることができました。
このとても美しい濃紺が集中力を高めてくれるように感じました。
膨張色のヘッドは確かにヘッドが大きく見えるとか、ヘッド軌道を目で追いやすい・・・。などといった利点もあるのかもしれませんが、私は断然、こういった色のほうが好きです。
シンプルな黒や、この濃紺には気持ちが落ち着きますし、イメージも出しやすいです。
一時期、キャロウェイには構えづらい形状のドライバーありましたが、時が経って大きく変わりました。
このドライバーは構えやすいです。
左右どちらにも対応してくれそうでしたが、どちらかというと『マニュアル感』よりは『オートマチック感』のほうが強く感じられました。
気持ちが落ち着き、肩でひとつ呼吸をしました。
試打を開始しました。
『打感』はソフトです。
強く叩いていっても、手に嫌な衝撃は残りません。
『緩衝材』が入っているのかな?と思えるほど、ショックを和らげてくれているように感じました。
『直接』ではなく『ワンクッション効いている感じ』といったらいいでしょうか?
このソフトな打感こそが、やはり『チタン』のいいところだと思います。
昔のメタルドライバーのビッグバーサにはありませんでした。
以前も書きましたが、メタルドライバー全盛の頃、私は『メタル肘(ひじ)』を煩って、長い間鈍い痛みに耐え続けてきました。
それがチタンドライバーの登場により、一気に解消されました。
このドライバーを試打していると、名前こそはビッグバーサでも、根本的に全てが変わっているように感じられました。
『音』も、高くなく大きすぎず心地いい感じです。
耳に優しい音です。
インパクトが緩むことなく、いくらでも振らせてくれる音だと思いました。
昔のビッグバーサは、あの独特なキンキンする金属音が印象的でしたが、約20年の時を経て大きく変わりました。
いわゆる『スルーボア』ではないですし、名前はビッグバーサでも、全く違うコンセプトのドライバーなんだと思いました。
球はあがりやすいです。
ヘッドの形状からくるイメージにピッタリの弾道の高さでした。
今はシャロー系のヘッドでも、結構タフな物も増えてきましたが、このドライバーはとてもあがりやすいです。
タフな感じは全くしませんでした。
このドライバーはロフトが9度ということですが、打ち出し角は高めですし、明らかにキャリーで攻めていけるタイプだと思いました。
『安定性』も、かなり高いです。
1球目は何も考えず・・・。といいますか、何も細工をしないまま打っていったのですが、程良い感じのドローボールを打つことができました。
『ほんのりとしたドロー』といったらいいでしょうか?
かなり真っ直ぐに近い感じの球筋です。
フェースアングルが気になるタイプのドライバーではありませんが、球のつかまりはとてもいいと思いました。
スイートエリアも広く、寛容なドライバーだと思いました。
打ち出し方向さえ、しっかりと取れていれば、あとはほぼ自動的に真っ直ぐに近い感じでボールを送り出してくれます。
昔、キャロウェイも『異型ドライバー』を発売したことがありますが、私は全く馴染めませんでした。
理論上はかなり高い直進性が得られるはずだったと思うのですが、私はいい結果が得られませんでした。
それから月日が経って、このように美しい形状のヘッドでも、高い直進性が得られるようになりました。
メーカーの努力は凄いものがあると思いますし、ゴルフがとても易しくなりました。
かなり敷居の低いドライバーだと思いました。
『飛距離性能』は、なかなか高いと感じました。
『マン振り』するよりも、7~8割くらいの力で打っていきたいドライバーです。
そのほうが低スピンで伸びのある球が打てるように感じました。
強く叩いていくと、少し吹き上がる感じがしました。
球質が軽くなってしまうように感じました。
できるだけ『重い球質』で攻めていくのであれば、ある程度抑えていったほうがいいように感じました。
ドロー系だけでなく、フェード系でも距離を求めていけるポテンシャルの高いドライバーだと想いました。
『操作性』という点では、左右に曲げることはできましたが、『小さい幅』で収まってしまいました。
あまり大きく曲がる感じがしませんでした。
結構極端に打っていったのですが、それでも大きく曲がることはありませんでした。
『バナナスライス』を打とうとしたのですが、上手くいきませんでした。
シャフトがちょっと頼りない感じもして、時々遅れ気味に感じることもあったのですが、球筋が大きく乱れる感じはしなかったですし、コントロール製が損なわれることはありませんでした。
私はフッカーなので、最初からフック系のほうが出やすい感じがしましたが、フェードボールも易しく感じました。
左右どちらかに偏ったタイプのドライバーではないと想います。
大きく曲がる感じがしないのは、今の多くのドライバーに共通するところだと想いますが、性格的には『中立的』な感じがしました。
変なクセのないドライバーです。
このヘッドを見て、とても美しいと思ったのですが、性能にも魅力を感じました。
ビッグバーサ(大砲)から打ち出されるような力強い球を打てるドライバーだと想いました。
『低いライナー系』ではなく、明らかに『高弾道』で攻めていけるドライバーだと想います。
ネック部分の調整システムや、このヘッドに組み込まれているウェイトを移動させることによって、かなり球筋の調整が出来るように思います。
MP-630で経験しているから思うのですが、おそらくウェイトを移動させると、フィーリングが変わってくるのではないでしょうか?
今日は色々と試すことができなかったのですが、おそらく変わってくるだろうと思います。
人によって好みが変わってくるとは思いますが、おそらく『ナチュラル』なポジションがベストなのではないでしょうか?
メーカーも、そのように作っているような気がします。
久しぶりに出会った『ビッグバーサ』でしたが、とても楽しむことができました。
先ほども書きましたが、『ビッグバーサ』であって、『ビッグバーサ』ではないと思いました。
ビッグバーサが発売された時から、私は手にしてきましたし、いい印象を持ち続けてきましたが、全く異なるドライバーだと思いました。
あくまでも『メーカーがつけた名前』が同じだということに過ぎない・・・。と思いました。
初期モデルの『いかにもメタル』という雰囲気よりも、この『柔らかい感じのチタン』のほうが私は好きです。
調整機能に目が行きがちですが、このドライバーのもつ『基本性能』がとても高いと思います。
球はあがりやすいですし、直進性も高いので、ハードルが低く親しみやすいドライバーです。
ちょっと前までの敷居の低いドライバーは、どこかに大きなクセがあったり、偏った感じがするものが多くありましたが、このドライバーにはそういったものを感じませんでした。
とてもイージーなのですが、あくまでもプレイヤーに主導権をもたせてくれるドライバーだと思います。
このクラブが最初から球筋などを限定する感じがしなかったので、試打していても楽しむことができました。
また試打することがあれば、色々と調整してみたいですし、違うシャフトでも試してみたいです。
キャロウェイ BIG BERTHA ドライバー
- 2014年2月9日
- キャロウェイ
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