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2019年07月17日
テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ウェッジ (52°)

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド MILLED GRIND HI-TOE ウェッジ の52度 です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは52度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子 です。

カッパー(銅)の雰囲気が美しい、テーラーメイドのウェッジです。
以前、58度を試打したことがあるのですが、今日はロフトが52度ということで、改めて試打してみることにしました。

形状的にはオーソドックスなタイプです。
58度を試打したときに感じた、何ともいえない雰囲気はありませんでした。
このウェッジは『CARBON STEEL』ということを、以前試打して知っているのですが、テーラーメイドといえばステンレスのイメージが強いです。
ウェッジ好きの私としては、カーボンもいいですし、カッパー(銅)には特別な思い入れがあります。
初めて使ったのは『J's』のウェッジだったのですが、その何ともいえない柔らかい打感のおかげで、すごく感性が磨かれたような気がします。
『押し』一辺倒でなく、『引き』というものがあるのを知ったのも、確かこのウェッジを使ってからだと思います。

ビリヤードをされる方には理解していただけると思うのですが、キューで球を突くときはボールの上を突く『フォローショット』と、下を突く『ドローショット』、そして中心を突く『センターショット』の3つに分けられます。
もちろん、左右を入れたらもっと撞点(突くポイント)は増えますが、『上中下』が基本ですし、だいたい7割くらいは、この3つでポジションプレーはできます。
そのドローショット(引きのショット=引き球)を、カッパーウェッジを使っていたときに思い出したことを覚えています。
それくらい、柔らかい打感が魅力です。
いい意味で、『ボールに当たり負けしてくれる』ような打感といったらいいでしょうか?
飛距離を出す為のドライバーなどは、ボールに当たり負けしてしまうと、距離もロスしてしまいますし不満も残りますが、距離を出す必要がない、もしくは距離を出しすぎてはいけないウェッジでのコントロールショットは『当たり負けするくらいがちょうどいい』といえるのかもしれません。
この当たりの『柔らかさ・優しさ』が絶妙な距離感を導き出してくれます。
『銅』というよりも、『アルミの柔らかさ』を求めていた時期もありました。
『理想のイメージ』としては、両手に乗せた『ひよこ』を優しく地面においてあげて、ひよこがゆっくり歩きだしていけるように送り出す感じ・・・。といったらいいでしょうか?
それくらいスローなイメージでアプローチできれば、どんなピンポジションでも全く怖くないな・・・。と、よく思っていましたが、技術が未熟で感性の鈍い私は未だにできていません。
アプローチグリーンでアプローチの練習をするときはいつも『テーマ』を決めているのですが、楽しむことはできても、全て思い通りにはなりません。
いつも『気づきの場』であり、『勉強の場』になっています。

ソール幅はノーマルです。
ロフトが52度ということで、AWという認識でいいと思うのですが、そのせいでしょうか?
トゥからヒールにかけて、大きく絞り込まれていません。
ほぼストレートといった感じです。
ソール形状も『平ら』というよりは、微妙に丸みを帯びています。

リーディングエッジとトレーリングエッジに大きな削りは見られません。
58度のモデルはもっと大きな削りが見られました。
58度同様、この52度もスルーボアタイプであることが分かります。
以前試打したときに、このスルーボアにする大きな理由は見いだせなかったのですが、それは私の感性が未熟だからかもしれません。
感性の鋭い方は、スルーボアの長所をはっきりと感じ取られるのかもしれません。


ソールには溝があり、はっきりと分かります。
これも以前見ました。
私はフェース面を、ストレートだけでなくカットに使うことも多いので、このように水平ではなく、斜めでもいいのかな?と思いますが、真っ直ぐだったからといってカットで打ちづらくなるということありません。
ソールが跳ねたり突っかかったりすることもなく、スムーズに振り抜ければそれでいいです。
私はウェッジのソールを見ていて、『滑るスピード』といいますか『抜けるスピード』をイメージすることがあります。
このウェッジの場合は、『なかなかの速度』で滑ってくれそうな予感がします。

ネックの長さも適正で、ストレートタイプなのが分かります。
ここ数年テーラーメイドのアイアンは、ショートネック・グースタイプ・ラージサイズ・ステンレスといったものが多かったのですが、やはりモデルによっていろいろと変えてきているのだな・・・。と思いました。
私たちユーザーの幅広いニーズに応えてくれているのだと思います。

58度同様、ホーゼルには『CARBON STEEL』の文字がありました。
炭素鋼は安価でありながら、ゴルフクラブにはとても適した素材です。
昔、TVで『純金のゴルフクラブ』を見たことがありますが、高価すぎるというだけでなく、実戦には向かないだろうな・・・。と思ったことを覚えています。

ソールには、この3つの凹みがあります。
これも前に見たことがあります。
どのような意味があるのか分かりませんが、メカニカルな感じでとてもカッコいいです。

58度とは違い、この52度はオーソドックスなフェース面です。
58度はフェース面のほぼ全てにスコアラインがありましたが、この52度は違います。
それは58度と52度ではフェース面の使い方も変わってくるということなのでしょうか?
確かに58度はカットに使うことも多いですし、その分、打点がトゥ寄りに集まりやすくなりますが、52度はそこまで極端な使い方をしないので、そのようになっていないのかもしれません。
同じモデルなので、このような違いはないだろう・・・。ロフトが違っても、このHI-TOE ウェッジは独特なフェース面なのだろうと思っていたので意外でした。
しかし番手(ロフト)毎に役目や使い方も変わってくるので、こういった設計にしているのは、さすがテーラーメイドだな・・・。と思いました。
52度のウェッジでは、あの独特な形状は不要ということなのではないでしょうか?
フェース面には細かなミーリングがあり、これは予想通りでした。
細かではありますが、指で触れてみるとザラザラ感がありました。

装着されているグリップはベルベットタイプで、最高です。
細かなフィーリングを出していくには最適なグリップです。
クラブ(この場合は主にヘッドのみ)の直接の性能とは関係ないですが、このグリップが挿してあるだけで好感度もあがります。

ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
58度では正直違和感があったのですが、この52度は全く無く、スッと自然に構えることができます。
海外メーカーらしく『洋顔』のウェッジです。
ヒール側がキュッと絞り込まれているのがいいです。
こういう顔をしたウェッジはフェースを開閉するイメージが出しやすいです。
ストレートタイプなので、さらに魅力が増します。
グースネックタイプを好まれる方には、あまり魅力的ではないかもしれません。

フェースも開きやすいです。
特に邪魔するところもなく、自然に開閉できました。
フェースを回しやすいソール形状のおかげだと思います。
試打を開始しました。

『打感』は、なかなかいい感じです。
すごくソフトという感じではなかったのですが、『球当たり』もいいですし、乗せて運ぶ感覚が味わえました。
ミーリングのおかげなのか、適度な食いつき感もありました。

『スピン性能』は高く、よく止まってくれました。
AW(52度)は、SWほど止める性能がシビアに求められることはありませんが、程良く止めてくれました。
小気味いい感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ダラダラとスピンがほどけながらようやく止まるというのではなく、メリハリが利いている感じです。
これがずっと安定していたら実戦でも計算がたちやすいですし、頼もしいだろうな・・・。と思いました。

球も拾いやすく、出球の高さも適正です。
このような優れたウェッジを試打していると、改めて52度というロフトは『アプローチウェッジ』という名前がピッタリだと思います。
ずっと昔のセッティングでは、PWの次はSWでした。
AWはありませんでした。
尾崎将司選手がPWとSWとの間に『PS(ピッチングサンド)』というものを取り入れ、それが瞬く間に広がり、今では常識となりました。
BSでは『PS(ピッチングサンド)』ですが、他のメーカーでは『AW(アプローチウェッジ)』であったり、単に『A』と表記されるようになりました。
しかし、今はこういった表記もあまりされなくなり、ロフトだけが表示されているものが多くなりました。
クラブ毎の名称はあまり意味をなさないのかもしれません。
しかしアイアンは今でも数字(7番アイアン等)で呼ばれていて、ロフトでは呼ばれませんが、いつかは32度アイアンとか、36度アイアンといった感じで呼ばれる日が来るような気もします。

『安定性』は普通といったところでしょうか?
特別易しくなっているようには思いませんし、かといってシビアという印象もありません。
これくらいがちょうどいいような気もします。

『距離感』はとても出しやすいです。
構えやすくて、出球のイメージが出やすかったというのもありますし、『ボールの乗り』がいいので、フェースに乗せて運ぶ感覚で送り出していけました。
この安心感といいますか、微妙に調整できるのは大きな魅力です。

『操作性』も高く、扱いやすいです。
ウェッジ好きの私にはたまらない時間です。
SWほどフェースを大きく開閉して使うことはありませんが、いろいろと遊ぶことができました。
ボールもよく止まってくれるので、実戦でもアグレッシブに攻めていけそうです。

以前試打した58度と違い、オーソドックスな顔だったのが、とても意外で一番印象に残りましたが、全体的にとてもバランスがとれていて優れたウェッジだと思いました。

『打感』などのフィーリングは『最高』とまではいかなかったのですが、特に大きな不満もなく、楽しんで試打することができました。

今日は試打しながら、
どうしてスルーボアになっているのだろう?スルーボアの良さをつかんでみよう・・・。
と思っていたのですが、それができず、球数をこなしていくうちに忘れてしまいました。
純粋に試打だけを楽しみました。

『銅タイプ』のクラブの良さとして、まず思いつくのが『使い込めば使い込むほどいい味を出す』ということです。
普通、ゴルフクラブは未使用の状態が一番美しいと思うのですが、全てがそうとは限りません。
使い込んでいって、いい意味での『風化』といいますか、時間と歴史が感じられるような美しさが出てきます。
私はPINGのアンサー2というパターを何年が使っていたのですが、買いたてのときはあまりにも新品過ぎる感じで、早く色が変わっていかないかな・・・。と思っていました。
いい色が出るまでに数年掛かります。
こういったところは、ヴィンテージジーンズと共通するのかもしれません。

ギターでいえば、フェンダーのテレキャスターが新品の状態ではなく、何度も練習やレコーディング・ライブを重ねて、よく押さえるところの指板が変色した感じと似ているでしょうか?
指板の材質にもよりますが、この使い込んでのカッコ良さはストラトキャスターやレスポールよりも、テレキャスターのほうがいい味が出ます。
私は昔から、キース・リチャーズさんや、ブルース・スプリングスティーンさんの使うテレキャスターに見とれていました。
試打しながら、そんなことを考えていました。
人と物が同じ時間を共有すれば、その時間が美しい形となって後に残ります。
私たちゴルファーとゴルフクラブは、まさにそんな関係といえるのではないでしょうか?
もちろん、新品には新品の良さがありますが、使い込んでいった物には新品のときには決して出せない味があります。

58度のモデルは正直、私の好みではなかったのですが、この52度はいい感じでした。
すごくシンプルというよりは、ところどころにいろいろな工夫がされていて、それが邪魔をしていないといいますか、嫌みになっていないところがいいです。
普段通り、リラックスして打つことができたので、また試打してみたいと思いました。
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