EPON AF-Tour MB 新旧アイアンを打ち比べ
<左>新モデル <右>旧モデル
先日、EPON AF-Tour MB 新旧アイアンをしました。
どちらも7番 です。
<左> 旧モデル ダイナミックゴールド <右>新モデル N.S.PRO MODUS3 TOUR120
<左>新モデルのスペック
ロフトは35度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は114g、バランスはD1、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は428g です。
<右>旧モデルのスペック
ロフトは36度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはX100、キックポイントは手元調子、バランスはD2,クラブ総重量は445g です。
エポンマッスルバックアイアンの新旧打ち比べです。
エポンのアイアンは美しいものばかりですが、マッスルバックだと、その美しさがさらに際立ちますね。
大手有名メーカーのアイアンはだいたい2年に1度モデルチェンジ(中には毎年)しますが、地クラブメーカーは数年同じモデルが発売され続けています。
ニューモデルが登場したからといって、それが最高の性能であるとは限らないですし、魅力的なクラブを目にして、今は難しいけど、もうちょっと月日が経てば購入できるという『猶予期間』を設けているような気がして、嬉しく思っています。
私はこれまで、購買意欲が刺激されたクラブがたくさんありながら、タイミングが合わず、購入できなかったクラブがたくさんあるので、エポンのように数年同じモデルを発売してくれると嬉しいです。
EPON AF-Tour MBのニューモデルは昨年発売されたばかりです。
旧モデルのバックフェースはこのように凹んでいるので、純粋なマッスルバックとは言えないような気もするのですが、マッスルバックがフラットバックでないといけないという決まりはないですし、マッスルバックという名称でも良いと思います。
<左>新モデル <右>旧モデル
ソール幅は左のニューモデルのほうが、少しだけワイドに見えますが、ほぼ同じです。
内部にウェイトなどが組み込まれていたら話は別ですが、これくらいであれば、特に性能の違いは無いと思います。
ネックの長さも同じです。
顔の印章も、ほぼ同じで大きな違いは見られません。
ただ、ニューモデルのほうが、少しだけネック周りがすっきりしているような印章を受けました。
かなりの微差なので、こういったところは、やはり実際に見比べてみないと分からなかったところです。
旧モデル
新モデル
ボールを前にして構えてみても、どちらも素晴らしい構えやすさで、さすがはエポン。
そしてマッスルバックです。
マッスルバックはアイアンの中で一番シビアなので、『良い顔』でないと、ミスショットを誘発してしまいます。
シビアさに対抗できるのは、『イメージ力』だけかもしれません。
つまり、どれだけ良いイメージを描いてショットできるかが勝負となります。
そこに一切の曖昧さは要りません。
ラージサイズではないですし、グースもきつくありません。
当然スイートエリアも全アイアンの中で最も小さいです。
ロフトは寝ていて自然なあがりやすさがありますが、それ以外の特別な工夫はありません。
こういったタイプのアイアンは、プレイヤーの技量をそのまま反映してくれます。
なので、敬遠される方がいらっしゃるかもしれませんが、こういうアイアンでないとダメだ・・・。という方が一定数いらっしゃるのも事実です。
ミスに寛容ではないかもしれませんが、ミスしてもそれを『分析しやすい』というメリットがあり、これがスイングを磨く上でとても重要なのではないでしょうか?
この美しいエポンのアイアンを目にして、そのようなことを考えていました。
試打を開始しました。
<左>新モデル <右>旧モデル
『打感』は、ほぼ同じですが、あえて優劣をつけるとするならば、私はニューモデルを選びます。
『安定性』は互角で優劣はつけられません。
どちらもマッスルバックらしい、『正直さ』があります。
『球の上がりやすさ』という点では、ロフトも装着されているシャフトも違うので、単純にヘッドだけの比較はできませんが、もし同じシャフト・同じロフトだったとしたら、旧モデルなのかな?と思いました。
今は7番アイアンのロフトバリエーションが幅広いです。
先日試打したYAMAHA INPRES DRIVESTAR TYPE/D IRONは25度ということで、4番アイアン並になっています。
もちろんルールでアイアンについて、番手毎のロフトが定められているわけではないですし、メーカーの自由だと思いますが、あまりにも立ちすぎてしまっていて、完全に番手感覚が失われてしまっています。
7番アイアンを普通に打って、200Yの目印をキャリーで越すことが珍しくなくなりました。
ロフトが立っていれば飛ぶのは当然だよなぁ・・・と思いながら、いつも試打しています。
今回、このような『ベーシックロフト』といったらいいでしょうか?
本来の7番アイアンらしいロフトで出球の高さもイメージしやすく、どちらも『めくれるような』弾道で、グリーンを上から攻めていけるのがとても魅力的に感じました。
私のこういった好みは今の流れからは完全に逆行していると思います。
このような『ベーシックロフト』のニューアイアンは発売されていないのがその証拠です。
私の考えは主流とはいえないかもしれませんが、私はこれからもこの考えを貫いていきます。
この2本の優秀なアイアンで球を打って、その思いがさらに強くなりました。
私が今、メインで使っているアイアンの7番は34度ですが、やはり34度が限度で、これ以上立つモデルは購入したいとは思いません。
河島英五さんの歌ではないですが、『時代遅れの男でありたい』です。
いくら飛んでも、グリーンをオーバーしてしまったら、スコアメイクは難しくなります。
7番アイアンのドラコン大会があれば、『スタンディングロフト』でないと勝ち目はないと思うのですが・・・。
『操作性』も五分五分で優劣はつけられません。
この反応の良さが、マッスルバックの楽しいところです。
ドローでもフェードでも、自分の持ち球を磨いていきたい・・・。足(ラン)を短くして、確実にグリーン上に止めたい・・・。という方には魅力的なアイアンではないでしょうか?
今もディスタンス系アイアンが主流だと思いますが、飛びすぎることのデメリットを強く感じておられる方は増え始めているのではないでしょうか?
『飛距離性能』も、ほぼ同じで特に違いは見られません。
今のアイアンの中では、確実に『飛ばない』アイアンですが、この飛びすぎないのが良いですし、アイアン本来の役目を果たしていると思います。
アイアンに飛距離性能を求める方には合わないかもしれませんが、距離感を大切にしておられる方には、魅力的なアイアンではないでしょうか?
これから先、アイアンがどのように進化(変化)していくか分かりませんが、このようなベーシックなタイプはずっと残り続けて欲しいです。
🔍 新旧スペック比較表(7番アイアン)
項目 | 新モデル(左) | 旧モデル(右) |
---|---|---|
ロフト角 | 35度 | 36度 |
クラブ長さ | 36.75インチ | 36.5インチ |
シャフト | N.S.PRO MODUS3 TOUR120(S) | Dynamic Gold X100(X) |
シャフト重量 | 約114g | 約130g(参考値) |
キックポイント | 中元調子 | 手元調子 |
バランス | D1 | D2 |
総重量 | 428g | 445g |
ソール幅 | わずかにワイド | やや狭め |
ネック形状・長さ | わずかにスッキリ | 標準的 |
🎯 感覚的な評価比較(筆者による実打レビューより)
評価項目 | 新モデル | 旧モデル |
---|---|---|
打感 | わずかに優れる | 非常に良い |
安定性 | (マッスルらしい正直さ) | 同じ |
球の上がりやすさ | ロフト角の分やや上がりやすい | シャフト含めやや低めだが、ほぼ互角 |
操作性 | 高反応 | 同じ |
飛距離性能 | 飛びすぎない=適正 | 同じ |
構えやすさ | ネックがややすっきり、旧モデルよりもわずかに好印象 | 非常に構えやすい |
EPON AF-Tour MB アイアン 2024 紹介ページはこちら
EPON AF-Tour MB アイアン 旧モデル紹介ページはこちら
※ EPON AF-Tour MB 新モデルを改めて調べてみました。
EPON AF-Tour MB アイアン完全レビュー – 上級者向けマッスルバックの真実
はじめに
EPON AF-Tour MB アイアンは、エポンゴルフが誇る最高峰のマッスルバックアイアンです。2024年9月20日発売の第3世代モデルとして、軟鉄鍛造の技術を結集した上級者向けクラブとなっています。本記事では、公式スペックから実際の使用感、口コミまで詳細に解説いたします。
EPON AF-Tour MB アイアンの基本スペック
公式仕様表
公式サイトのスペック表によると、以下のような仕様となっています:
番手 | #3 | #4 | #5 | #6 | #7 | #8 | #9 | PW |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ロフト角 | 22° | 25° | 28° | 31° | 35° | 39° | 43° | 47° |
ライ角 | 60° | 60.5° | 61° | 61.5° | 62° | 62.5° | 63° | 63.5° |
オフセット | 3.3mm | 3.1mm | 2.9mm | 2.7mm | 2.5mm | 2.4mm | 2.3mm | 2.2mm |
標準シャフト仕様(N.S.PRO MODUS3 TOUR 120(S))
- 5番アイアン基準
- 全長:37.75インチ
- 重量:413g
- スイングウェイト:D1
構造・素材
- ヘッド素材:軟鉄(S20C)鍛造
- 製造:日本組立
- 測定方法:60度計測法
第3世代AF-Tour MBの特徴と改良点
主な改良ポイント
第3世代「AF-Tour MB」はインパクトエリアの厚みを増した軟鉄特有の柔らかい打感と、より洗練されたシャープな形状、そして高い操作性が特徴となっています。
重心フローは一番手ごとに微細に調整されており、各番手の振り心地が統一されている点が技術的なポイントです。
前作からの変更点
2018年より8年ぶりのリリースとなった今回のモデルでは、以下の変更が加えられています:
- 低重心のマッスルバックから打感に深みのあるマッスルへの変更
- #5と#6にロフト角の差が4度であったのが3度に変更され、#6以下の番手が前作より1度ストロング
長所・メリット
1. 卓越した打感
軟鉄鍛造ならではの柔らかな打感は、多くのゴルファーから高く評価されています。軟鉄鍛造なではのシェイプやぶ厚い打感が特徴的です。
2. 高い操作性
マッスルバック特有の操作性の高さにより、意図したボールフライトを実現しやすくなっています。
3. 美しい仕上げ
仕上げの美しさも魅力の一つで、アドレス時の美しいシルエットは上級者の心を掴みます。
4. 重心フロー設計
重心位置をフローさせた偏肉厚設計などの先進性により、各番手で一貫した振り心地を実現しています。
短所・デメリット
1. 高い技術要求
マッスルバックの特性上、ミスヒットに対する寛容性は低く、高い技術力が要求されます。
2. 限定的な飛距離性能
飛距離よりも精度を重視した設計のため、現代の飛び系アイアンと比較すると飛距離は控えめです。
3. 価格の高さ
参考価格は6本セットで204,600円と、高価格帯のクラブとなっています。
4. 注文制限
注文は6本以上という制約があります。
このクラブが合うゴルファー
推奨ゴルファー像
- 上級者・エキスパートゴルファー
- 安定したスイングを持つゴルファー
- シングルハンディキャップクラス
- 操作性を重視するゴルファー
- ボールを意図的に曲げたいゴルファー
- 細かなアプローチコントロールを求めるプレーヤー
- 打感にこだわるゴルファー
- 軟鉄鍛造の打感を愛するゴルファー
- フィーリングを重視するプレーヤー
- 伝統的なアイアンを好むゴルファー
- クラシカルなデザインを好む方
- ストロングロフトに頼らないプレーを目指す方
このクラブが合わないゴルファー
非推奨ゴルファー像
- 初心者・中級者
- まだスイングが安定していないゴルファー
- ミスヒットが多いプレーヤー
- 飛距離を重視するゴルファー
- 飛距離性能を最優先とするプレーヤー
- ストロングロフトのアイアンを好む方
- 寛容性を求めるゴルファー
- ミスに対する許容性を重視するゴルファー
- 安定したスコアアップを目指す中級者
実際の口コミ・レビュー
ポジティブな評価
スポーツナビのレビューでは、以下のような評価が見られます:
- 「打感も顔もいい、Tour-AF MBからほんの少しだけ優しくした感じ」
- 「操作性も他のCBに比べてあると思う」
- 「EPONかなりいいですよ!パーオン率が格段に向上しました」
ヘッドスピード別飛距離目安
※公式データが提供されていないため、一般的なマッスルバックアイアンの特性に基づく推定値となります。実際の飛距離は個人のスイング特性により大きく異なります。
7番アイアン基準(ロフト35°)
- ヘッドスピード40m/s: 約130-140ヤード
- ヘッドスピード43m/s: 約140-150ヤード
- ヘッドスピード46m/s: 約150-160ヤード
- ヘッドスピード50m/s: 約160-170ヤード
注:これらの数値は参考値であり、実際の飛距離は打点、スピン量、弾道などにより変動します。
セッティング・カスタマイズ
標準シャフト
- N.S.PRO MODUS3 TOUR 120(S):スチールシャフトの定番として多くのプロが愛用
カスタムオプション
特注シャフトもございます。別途ご相談くださいとあるように、様々なシャフトオプションが用意されています。
推奨セッティング例
- アグレッシブなプレーヤー
- より重いシャフトで安定性向上
- スイングウェイトD2-D3程度
- フィーリング重視のプレーヤー
- 軽量シャフトで振りやすさ重視
- スイングウェイトC9-D1程度
正規取扱店での購入
エポンゴルフは正規取扱店制度を採用しており、適切なフィッティングサービスを受けられる店舗での購入を推奨します。
フィッティングの重要性
マッスルバックというクラブの特性上、個人のスイング特性に合わせた適切なフィッティングが不可欠です。
注文制限
注文は6本以上という制限があるため、単品購入はできません。
まとめ
EPON AF-Tour MB アイアンは、軟鉄鍛造の雄「エポン」の旗艦モデルとして、上級者に相応しい性能と品質を備えたマッスルバックアイアンです。
8年ぶりのフルモデルチェンジにより、伝統的な軟鉄鍛造の良さを保ちながら、現代のゴルファーに適した改良が加えられています。高い技術力を持つゴルファーには、その操作性と打感の良さで満足度の高いクラブとなるでしょう。
ただし、その性能を十分に引き出すためには相応の技術力が必要であり、初心者や中級者には推奨できません。購入を検討される方は、必ず正規取扱店でのフィッティングを受け、自身のスキルレベルとの適合性を確認することをお勧めします。
価格は決して安くありませんが、長年愛用できる品質と性能を考慮すれば、上級者にとって価値のある投資となるでしょう。
出典・参考資料
- EPON GOLF Official – AF-Tour MB 公式製品ページ: https://epongolf.co.jp/product/af-tour-mb/
- エムズゴルフ工房 – エポン AF-TOUR MB3 アイアン: https://www.amz-golf.com/head/epon/af-tour-mb/
- カスタムオーダークラブ専門店 one2one – エポン ゴルフ AF-Tour MB 2024 アイアン: https://www.one2one.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=1200&language=ja
- スポーツナビ – AF-Tour CB アイアン(EPON)のクチコミ: https://sports.yahoo.co.jp/golf/golfgear/7638/review
- EVEN – エポンゴルフの旗艦モデル AFツアーMBが受け継ぐもの: https://funq.jp/even/article/977186/
- EPON GOLF Official – 3代目AF-Tour MBを新発売(2024.09.20): https://epongolf.co.jp/news/7956/
本記事の情報は2024年時点のものであり、仕様や価格は変更される場合があります。最新情報については公式サイトをご確認ください。