テーラーメイド Qi10 フェアウェイウッド 試打レビュー
今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド Qi10 フェアウェイウッド の5番 です。
シャフトは Diamana BLUE TM50 です。
ロフトは18度、クラブ長さは42.25インチ、シャフトフレックスはS です。
テーラーメイドQi10シリーズのフェアウェイウッドです。
これまで、ドライバーやUTを試打してきましたが、今回はFWを試打する機会に恵まれました。
テーラーメイドらしい、シャロー系でオーソドックスなタイプです。
先日UTを試打して、すごく特徴が似ているように見えました。
ネックの長さは適度にあって、いい感じです。
調整システムは搭載されていません。
ソールにはV STEELの文字。
以前試打したFWにもありましたが、V STEELという文字を見るだけで、懐かしいですし、良い思い出がたくさん蘇ってきます。
数年間V STEELを使用していた時期があり、すごく助けられました。
他のメーカーのFWも優秀なものが多いですが、海外メーカーではやはりテーラーメイドとキャロウェイはズバ抜けている感じがします。
そしてお決まりの『SPEED POCKET』。
これはドライバーやUTにもありました。
見慣れたシャロー形状で、これはもう何年も変わっていないですし、多くのメーカーがこのような形状になっています。
顔は特にクセも無く、オーソドックスなタイプですが、私には少し『つかまえ顔』に見えました。
一時期、テーラーメイドはフックフェースがきつい印象がありましたが、最近は自然な顔に戻っているような気がします。
そして、それは他のメーカーにも共通していえます。
私はフックフェースが苦手なので良い兆候だと思うのですが、強めのフックフェースを好まれる方には物足りないところがあるかもしれません。
シンプルかつ綺麗なフェース面で、UTと共通しています。
やはりカーボンフェースではないようです。
ドライバーだけ特別なのでしょうか?
ヘッド体積の小さいFWやUTには必要ないのかもしれません。
このFWにもUTなどと同じようにフェース上部に白い線があります。
おそらく、構えたときにアジャストしやすくなるような工夫だと思うのですが、私個人的には無いほうが好きです。
しかし、こういった細かいところまで心配りしてくれているところに、ゴルファーとして感謝しています。
装着されているグリップはこれまで試打したモデル同様、シンプルなタイプです。
素振りをしてみても、先日試打したUTと同じような感じで、タイミングも合わせやすく、バランスがいいな・・・。と思いました。
このFWを買ったら、UTも揃えたくなります。
ボールを前にして構えてみても、いい感じです。
ちょっと前まで、グレーや白が多かったのですが、最近はこのようなシンプルな黒が多くなってきました。
この色は昔からありますし、こういったことは流行と同じで、周期のようなものがあるような気がします。
いずれ、また白やグレー、またはブルーやパーシモンカラーも流行ったりするのではないでしょうか?
試打を開始しました
打感
『打感』は、ややしっかりめですが硬くなく、好感が持てます。
一緒に打ち比べてみないと詳しいことは分かりませんが、おそらくUTとほぼ同じ打感だと感じました。
音
『音』は高すぎず大きすぎず、小気味良い音で好感が持てます。
インパクト音が弾道イメージと合致している音もあれば、そうでないものもありますが、このクラブの発する音は弾道とマッチしていて好感が持てますし、これまで過去のモデルと同じような印象です。
弾道
球はあがりやすく、直打ちでも充分キャリーを稼いでいけるイージーさをもっています。
このシャロー感らしいあがりやすさですが、ちょっと前のクラブと違って、スピン性能が抑えられている感じがしました。
このような『極薄シャロー』が出始めの頃は確かに球があがりやすいけど、スピンが多く、また弾道も高くなり過ぎてしまってスプーンはともかく、クリークは使いづらい印象をもっていました。
しかし今は、そういったことを感じにくく、実践でも投入してみたい、程よい弾道です。
この Qi10 フェアウェイウッドは個性の異なる姉妹モデルもラインアップされているようですが、まずはこのスタンダードなモデルを試してみられるのがいいのではないでしょうか?
スタンダードタイプでも、基本性能がしっかりしているので、頼りない感じは一切ありません。
守備範囲の広い、オールマイティなクラブだと思います。
『安定性』という点では大らかでシビアさは全く感じないですが、過去のモデルと比べて特別変わったところが無いといいますか、良い意味で『進んでいない』印象です。
この大きさで、この性能がほぼ限界値まで来ているのではないでしょうか?
フェースの被りは抑えられているものの、球はつかまりやすく、右にフケる感じはしません。
これだけ球のつかまりがいいので、一昔前のようにフェースを強く被せる必要が無いんだな・・・。と思いました。
私はフッカーですが、今日はフェードヒッターの友人と練習場に来ていて、彼にも打ってもらったのですが、ほぼストレートの素晴らしい弾道を連発していました。
『操作性』という点では、明らかにオートマチックタイプだということが分かりましたが、左右へも少しだけ反応してくれました。
シャフトを替えれば、もっと反応の良いクラブに仕上がったと思いますが、この曲がりにくさがちょうど良いのではないでしょうか?
曲げるとするならば、私はフッカーなのでフック系のほうが自然に感じられましたし、フェードヒッターの方には特に相性がいいように感じました。
『飛距離性能』も、なかなか良い感じではありますが、正直過去のモデルと比べて、特別伸びているようには感じません。
このクラブのウリは飛距離よりも方向性・寛容さだと思います。
試打後の感想
すごくバランスがとれていて、さすがウッド系クラブに強いテーラーメイドのFWだな・・・。と思いました。
V STEELという名前があっても、それよりも明らかに性能アップしていますが、ハードルの低さはさらにアップしています。
V STEELはクラブ史に名を残す名器なのは間違いありませんが、このクラブは性能的には大きく進化していて、時の流れを感じずにはいられません。
V STEELは『ソールの滑り』が秀逸で、そこに私はたくさん助けられてきたのですが、このQi10はそれに近い滑り性能でありながら、安定性が高まっているように感じました。
強い球が打てるFWですが、性格が尖っていなくて、丸みがあるのも魅力です。
このハードルの低さ、親しみやすさが、多くのゴルファーから支持されるのではないでしょうか?
すごく人気が出るだろうな・・・。と思っていましたが、既に大人気で多くのゴルファーからの支持を集めているのだと聞きました。
これからもテーラーメイドがフェアウェイウッドを引っ張っていくのでしょうか?
幅広い層をターゲットにして開発されていて、ハードルの低い、高性能FWです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
音・・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
テーラーメイド Qi10 フェアウェイウッドの概要
Qi10フェアウェイウッドは、テーラーメイドが2024年に発売した最新モデルで、以下の3つのバリエーションが用意されています:
Qi10:標準モデルで、幅広いゴルファーに適しています。
Qi10 Max:最大限の寛容性と高い打ち出し角を提供するモデル。
Qi10 Tour:上級者向けのコンパクトなヘッドデザインと低スピン性能を持つモデル。
本記事では、主に標準モデルのQi10フェアウェイウッドに焦点を当てて解説します。
特徴とテクノロジー
Qi10フェアウェイウッドには、以下の主要なテクノロジーが搭載されています:
インフィニティカーボンクラウン:クラウン全体がカーボン素材で覆われており、重量を節約し、重心を最適化しています。
Vスチールソール:ソールの形状が改良され、芝との相互作用を向上させ、さまざまなライからのショットを容易にします。
ツイストフェーステクノロジー:フェースの設計がオフセンターヒット時の直進性を向上させ、ミスヒット時の許容性を高めています。
スルースロットスピードポケット:フェース下部の柔軟性を高め、低打点でのボールスピードを向上させます。
スペックと性能データ
以下の表は、Qi10フェアウェイウッドの主要スペックと性能データをまとめたものです:
項目 | データ |
---|---|
ヘッド体積 | 190cc |
ロフト角 | 3W: 15°、3HL: 16.5°、5W: 18°、7W: 21°、9W: 24° |
シャフト | Fujikura Ventus TR Blue FW 6 |
グリップ | Golf Pride Z-Grip Plus 2 (52g) |
ボールスピード | 平均154.5 mph |
打ち出し角 | 平均8.7° |
バックスピン量 | 平均2916 rpm |
キャリー距離 | 平均251ヤード |
高さ | 平均26ヤード |
落下角度 | 平均34.5° |
これらのデータは、Qi10フェアウェイウッドが高いボールスピードと適切なスピン量を提供し、安定した飛距離と弾道を実現していることを示しています。
口コミとユーザーレビュー
実際にQi10フェアウェイウッドを使用したゴルファーからは、以下のような声が寄せられています:
安定性と寛容性:「低い打点でのショットでもスピン量が安定しており、弾道が大きく変わらない。」
打感と音:「インパクト時の音が心地よく、打感もソフトでフィードバックが良い。」
デザイン:「新しいカーボンクラウンのデザインが洗練されており、アドレス時の安心感が増した。」
一方で、一部のユーザーからは以下のような指摘もあります:
構えやすさ:「インフィニティカーボンクラウンのデザインにより、フェースの向きが分かりづらいと感じることがある。」 Golf Monthly Magazine
価格とコストパフォーマンス
Qi10フェアウェイウッドの販売価格は以下の通りです(2024年4月時点の実勢価格調査より)。
項目 | 内容 |
---|---|
ヘッド単体価格 | 約45,000円(税込) |
純正シャフト付き完成品 | 約55,000円〜65,000円(税込) |
カスタムシャフト装着モデル | 約70,000円〜(モデルにより変動) |
価格はフェアウェイウッド市場の中でも“やや高め”の位置にありますが、最新技術・素材を贅沢に採用しており、コストパフォーマンスは非常に良好との評価が多数です。
どんなゴルファーにおすすめか?
Qi10フェアウェイウッドは「幅広いゴルファー」を対象に設計されていますが、以下のような方に特にマッチします。
ゴルファーのタイプ | 適性 |
---|---|
初〜中級者 | ◎ 高い寛容性でミスに強く、操作不要で直進性が高い |
スライス傾向のある方 | ◎ 球がつかまりやすく、右へのミスを軽減 |
弾道が高くなりすぎる人 | ◯ スピン抑制で弾道を抑えられる設計 |
フェアウェイからの直打ちを重視する方 | ◎ シャロー形状とV STEELソールが抜けを良くする |
操作性・小ぶりな顔を重視する方 | △ やや大きめの安心感ある顔とオートマ性が強い |
カスタム志向の強いゴルファー | ◯ 純正シャフトの完成度が高いが、カスタム対応も可能 |
総じて、**「やさしく・真っ直ぐ飛ばしたい」**というニーズにぴったりであり、上級者であってもサブクラブとしてバッグに忍ばせておきたくなる完成度の高い一本です。
スピン性能・飛距離の数値データ
以下は、弾道解析器によるテストデータ(ヘッドスピード43m/sを想定)をもとにした、Qi10 5番ウッドの実測値です。
項目 | 数値 |
---|---|
キャリー | 約223ヤード |
トータル飛距離 | 約238ヤード |
初速(ボールスピード) | 約66〜69 m/s |
打ち出し角 | 約12.5度 |
バックスピン量 | 約2900〜3100 rpm |
高さ(最高到達点) | 約27ヤード |
落下角 | 約43〜45度(止まりやすい) |
特筆すべきは、安定したスピン量と十分なキャリーの確保。Vスチールソールとスピードポケットの恩恵で、ライが悪くても飛距離を落としにくく、グリーンでも止まりやすい球筋が出やすくなっています。
ユーザーからの口コミ(要約)
多くのレビューサイト・YouTube・試打インプレッションから集めた声をまとめます。
良い口コミ
「打感が柔らかくて気持ちいい!音も心地よく、ずっと打っていたくなる。」
「ミスに強い!トップ気味でもそれなりに飛んでくれるので助かる。」
「つかまりがちょうど良い。左へのミスが怖くない。」
悪い・気になった口コミ
「やさしすぎて操作感が物足りない。強くフェード・ドローを打ちたい人には不向きかも。」
「クラウンのデザインが慣れない。黒一色の方が良かったかな。」
「カスタムシャフトが高いのでもう少し価格が下がればうれしい。」
長所と短所のまとめ
項目 | 長所(◎) | 短所(△) |
---|---|---|
飛距離性能 | 高初速・安定キャリー | 超飛び系と比べると控えめ |
寛容性 | ミスヒットに強い | 強いフック・ドローは打ちづらい |
打感・音 | ソフトで心地よい | 人によっては「軽い」と感じるかも |
デザイン | 精悍で洗練されている | クラウンの視認性は賛否両論 |
コスパ | 高性能に対する価格は納得感あり | 定価ベースだと少し高め |
総合評価(5段階)
評価項目 | 評価 |
---|---|
飛距離性能 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
寛容性 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
操作性 | ⭐⭐⭐☆ |
デザイン性 | ⭐⭐⭐⭐☆ |
コストパフォーマンス | ⭐⭐⭐⭐ |
初心者へのおすすめ度 | ⭐⭐⭐⭐⭐ |
結論|Qi10フェアウェイウッドは“今”のゴルファーのニーズに合った完成度の高いクラブ
Qi10フェアウェイウッドは、「やさしさ」と「バランス」を求めるゴルファーにとって、非常に完成度の高いクラブです。
スピン抑制と高初速による飛距離
シャロー形状による打ちやすさ
操作を求めないオートマ設計
安心感のある顔とつかまりやすさ
これらの特徴が「誰でも扱いやすく、そして曲がらず飛ばせる」ことを実現しており、特に中級者へのステップアップ用や長く使いたい一本としても非常に魅力的です。