今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロイヤルコレクション 705V FORGED アイアン の7番 です。
シャフトは MODUS3 です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は114g、バランスはD1、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は430gです。
ロイヤルコレクションのシンプルでとてもカッコいいアイアンです。
メーカーは違えど、今はこのようなタイプのキャビティアイアンが増えてきました。
キャビティの易しさと、打感の良さを両立させるには、このような形がベストなのでしょうか?
最近はよく見かける形状のアイアンですが、昔からよく目にしていて、特に印象深いのが、『ブリヂストン ツアーステージ MR-23』です。
『J’s(尾崎三兄弟)』『MR-23(丸山茂樹選手)』以降、プロモデルのクラブは殆ど見かけなくなったような気がします。
やはり、アマチュアゴルファーもクラブを買い替える理由が多様化したからでしょうか?
このアイアンを見たら、つい懐かしくなって、ふとそのようなことを考えてしまいました。
丸山選手のモデルは、私の周りでもすごく人気がありましたし、私はユーティリティを所有していました。
そういえば、丸山選手のパターブランドだったと思うのですが、『ZOMO』も見かけなくなりました。
彫りも結構あって、易しそうな雰囲気がします。
ヒッティングポイントのところは、きっちりと厚みが確保されているようですし、やはりMR-23を思い出します。
今のツアーステージのアイアンにも、多い形です。
やはり、このアイアンもブリヂストンのアイアン同様に、あのメーカーが造っているのでしょうか?
『ソール幅』は、ごくノーマルな感じです。
『厚すぎず、薄すぎず』といったところです。
今はウェッジやアイアンには、ソール形状にも色々な工夫が施されている物も見かけますが、このアイアンはとてもシンプルな感じです。
タングステンなどがコンポジットされているのかな?と思ったのですが、こうして見る限り見当たりませんでした。
『ネックの長さ』は、やや短めに見えるのですが、今のアイアンの中ではノーマルなほうだと思います。
全体的な雰囲気などから、このアイアンがいわゆる『アスリートモデル』といっていいと思うのですが、最近のアスリートモデルのアイアンは、かなりショートネックになってきていて、なかなか見分けがつきません。
昔のアイアンは『アスリートモデル』と『アベレージモデル』では、ネックの長さがはっきりと違っていたのですが、今はまさに『ボーダレス』といった感じです。
昔はもっとメーカーごとの個性も感じられたものですが、今はすごく似通ったクラブが多くなりました。
やはり、こういったタイプが、今の『売れ線』といったところなのでしょうか?
ボールを前にして構えてみても、ロイコレのイメージにピッタリと合う美しさがあります。
性能云々も大事ですが、ロイコレのクラブは美しくなければなりません。
それは、ロイコレがこれまで培った良き伝統だと私は思っています。
このアイアンは、やや『面長』に見えましたし、正直いうともう少し『小顔感』が感じられるほうが好感がもてたのですが、小顔が苦手な方や、少しヘッドの大きさを感じたい方には、これくらいがちょうどいいのかもしれません。
『ストレートネック』ではなく、はっきりと『グース』が効いているところも、『MR-23』の面影が感じられるところです。
グースは効いていますが、それほどきつ過ぎないので『セミ・グース』といっていいように思います。
ロイコレのクラブなので、当然といえば当然ですが、奇をてらったところがなく、いい意味で『見慣れた顔』だと思いました。
試打を開始しました。
『打感の良さ』は、この美しさから、予想できていたことではありますが、とても柔らかくて好印象でした。
一球目からいい感じで打てたせいか、心地よい感触を楽しむことができました。
何と言いますか、『球の抵抗感』が全く無いといったらいいでしょうか?
フェースにボールを乗せて運んでいくことが楽しくなるアイアンです。
私はパーシモンと軟鉄でゴルフを始めたのですが、何故ここまでゴルフを止めることなく、続けてこられたのかというと、それは『至高の打感の良さ』に出会えていたからだと思います。
難しいけれども、あの『芯』を喰ったときの感触はたまりませんし、それを何度も楽しみたいから、たくさん練習場に通っていたのだと思います。
『曲がる』『曲がらない』は別として、あの素晴らしい打感を一球でも味わえたら、その日は『OK』でした。
あれから、かなりの年月が経っていますが、ドライバーの素材は大きく変わっても、未だに軟鉄アイアンが『アイアンの中心』にいることが私には嬉しくてたまりません。
数年前は、軟鉄鍛造アイアンの数が少し減ってきたように思うのですが、最近は各メーカーからたくさん発売されているので、とても嬉しく思います。
軟鉄は難しい・・・。と敬遠されるのではなく、是非ひとりでも多くの方に、この軟鉄の打感の良さを感じて欲しいと思っています。
マッスルバックは確かに、誰にでも親しみやすいアイアンとはいえないように思いますが、今は打感の素晴らしい軟鉄キャビティがたくさんあります。
この『ロイヤルコレクション 705V FORGED アイアン』も、そんな素晴らしい、軟鉄キャビティです。
『安定性』という点では、キャビティの易しさも感じられますが、どちらかといえば、あまり寛容過ぎないタイプといえるのではないでしょうか?
ある程度打点を揃えられる方にメリットがあるように思います。
アイアンにミスへの寛容さを、まず第一に求めておられる方には、少し難しく感じられるかもしれません。
ただ、何と言いますか、このように『美しい顔』で『適度な重量』があって、暴れすぎないシャフトが挿してあるアイアンというのは、自然とスイングも整ってきます。
スイングの再現性を高めるには、スイングの細かな各部分における動きだけでなく、『タイミング』がすごく大切だということは多くのゴルファーの方が知っておられることと思います。
そういった意味でも、このような『フィーリング性が高い』アイアンは、そういったタイミングを整えてくれるような気がします。
ミスに寛容過ぎて、打感だけではフェースの何処に当たったのかも把握しづらく、それでもボールが真っ直ぐ飛んでいってしまうアイアンというのは、自分の感覚が伝わりづらいですし、こちらに返ってくるものも少ないので使っていても不安を感じます。
やがて、大きなスランプに陥ってしまうんじゃないか?と思ってしまうこともあります。
私はそういったアイアンをとても難しく感じます。
難しいクラブというのは、ボールが『曲がりやすい』『あがらない』『飛ばない』というのではなく、こちらのイメージを伝えにくい、クラブからの反応が返ってこない。というクラブだと私は思っています。
そういった意味では、このアイアンはとても『易しいアイアン』だと感じました。
『球のあがりやすさ』という点では、こうした形状通りといいますか、やはりある程度のヘッドスピードがあったほうが使いやすいのではないかな?と思いました。
ただ、このアイアンには『モーダス3』という日本シャフトの中軽量シャフトが挿してあり、DGでないところに、メーカーがターゲットとしているゴルファーに幅を持たせているのかな?と思いました。
DGは重いので、もう少し軽いスチールシャフトを使いたい・・・。という方には、このアイアンはすごく魅力的なのではないでしょうか?
当然といいますか、このアイアンにもDGはラインアップされているそうなので、そちらも探してみたのですが、このアイアン一本しかなかったので、また出会う機会があれば、試打してみたいと思いますし、私にはそちらのほうがいい感じがつかみやすいような気がします。
最近のアスリートモデルアイアンは、見た目よりも結構易しいモデルもたくさんありますし、このアイアンもそれほどタフ過ぎる感じはしないので、まずは試してみられるのがいいのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点では、やはり私の感覚では一番手とちょっと距離感が出しづらいところもあったのですが、今はこうしたアイアンが本当に多いです。
こういった『セミ・ストロングロフト』であるところも『ツアーステージ』のアイアンと似通ったところだと思います。
打感が良くて、見た目もカッコいい・・・。適度に球が上がって、飛距離も出しやすいアイアンというものを突き詰めていくと、やはりこういったタイプになるのではないでしょうか?
今の多くのゴルファーの嗜好性を調査し、売れやすいタイプのアイアンの特長を上手く捉えているように思います。
メーカー側の『たくさん売りたい』という意気込みが、すごく伝わってきます。
『操作性』という点では、かなり良く、とても楽しいアイアンでした。
今日は大きなフックやスライスも打つことができました。
私は練習場で、かなり極端に大きく曲げたりすることも多いので、今日も色々と曲げることができたのですが、普通に打っている限りでは、球筋をかなりコンパクトのまとめていきやすいので、ある程度『ラインの確かさ』を求めていきたい方にも、扱いやすく感じられるのではないでしょうか?
ドローヒッターの方にも、フェードヒッターの方にも、とても扱いやすいアイアンだと思います。
私はこういった『中立的な』アイアンが大好きです。
ただ、やはり先ほども書きましたが、もう少し『小顔感』が感じられても良かったと思いますし、グースも弱いほうが、もっといい印象をもちました。
しかし、それはあくまでも『私の好み』といいますか『こだわり』なのかもしれないですし、特にこのアイアンに対して、大きな不満はありませんでした。
ロイコレらしい、とても美しくてフィーリングのいいアイアンでした。
いい意味での『ワンパターン化』といいますか、特に大きく変わったところは見られませんでしたが、この『当たり前感』がいいのかもしれません。
伝統を引き継いでいくには、こうした『変わらない良さ』も必要なのかもしれません。
勿論、メーカーも色々と工夫をしたり、新しい技術も取り入れているとは思うのですが、それほど大きく変わった感じはしません。
ロイコレファンの方は勿論、軟鉄キャビティで打感がすごくいいアイアンを探しておられる方は、このアイアンを試してみられるのもいいのではないでしょうか?
ラージサイズのオートマチック系のアイアンに飽きたり、物足りなさを感じておられる方には、このような反応のいいアイアンには大きな魅力を感じられるのではないでしょうか?
練習が楽しくなると思います。
練習場では、ただひたすら真っ直ぐボールを飛ばそうとしておられる方をよく見かけるのですが、そういった練習はあまり実戦的ではないですし、ワンパターン過ぎて、練習していても飽きてしまいやすいのではないでしょうか?
『ナイスショットを打つ練習』よりも、少し変化をもたせて練習すれば、もっと楽しくなると思いますし、退屈しません。
練習場には『ネットの支柱』や『ヤード表示の看板』『グリーン上のフラッグ』など、色々なターゲットがあると思うのですが、一球ごとにターゲットを変えて、しかもどのような球筋や高さで狙っていくか・・・?などと考えながら練習すればとても楽しいです。
グリーンでも真ん中を狙うのではなく、一番左端とか、ちょっと変わったところを狙って球筋をイメージすれば、よりイメージが鮮明に描けるように思います。
そういった楽しくて実戦にもすごく役に立つ練習をするには、この『ロイヤルコレクション 705V FORGED アイアン』はとても適していると思います。
楽しい練習をするには、『操作性の良さ』に加え、『打感の良さ』が絶対必要条件です。
そういった意味でも、このアイアンだと、楽しい時間が過ごせそうです。
やや飛び過ぎるところが少し気になりましたが、この1番手違うキャリーでも、きちんとボールを止めてくれるのであれば、あまり怖くは感じなくなるのかもしれません。
ロフトが立つと飛びやすくなりますが、どうしてもランが増えて、グリーンの奥にこぼしてしまいそうです。
『新溝規制』になって、余計にスピンが掛かりにくくなったので、そう感じます。
そういった不安を少し感じるところはあるのですが、今度機会があれば練習ラウンドで、このアイアンを試してみたいと思いました。
アイアンはドライバーと違い、『ボールを止めるクラブ』なので、この『セミストロング設計』がどのような利点と欠点を生み出しているのか、コースで試してみたいと思いました。
試合では少し怖いので、まずは友人とのプライベートラウンドで試してみたいと思っています。
時代の流れや、今のゴルファーが求めるものを形にしたら、このようなアイアンが生まれたのだと思いますし、これまで通りのロイコレのイメージにピッタリと合致した、親しみやすいアイアンです。
ロイヤルコレクション 705V FORGED アイアン
- 2012年7月12日
- ロイヤルコレクション
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