今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW717 430 ドライバー です。
シャフトは VIZARD TA75 です。
ロフトは8.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は73.5g、トルクは3.45、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は326gです。
ヘッド全体が黒くて、とてもカッコいいホンマのニュードライバーです。
やはり、黒という色は締まって見えるので、私は好きです。
このドライバーのヘッド体積は名前の通り、『430cm3』なのだそうですが、これくらいの大きさのほうが、ルールギリギリの大きさよりも強い球が打てそうな感じがします。
そういった素晴らしいドライバーが他のメーカーからもたくさん発売されています。
ホンマは未だに『イージー系』というイメージが抜けませんが、こういったタイプのドライバーを発売してきたことにより、メーカーの本気度が伺えます。
先日、久しぶりに、ある量販店に行ったのですが、ホンマのクラブが置いてあったので、驚きました。
これまでホンマのクラブは、ごく限られたショップや直営店などでしか購入できなかったのですが、今は量販店や個人経営のショップなどでも売られるようになったそうです。
店内には『熱意系』と記されたポスターが貼られていましたが、この『熱意』というのはメーカー側の『売りたいという熱意』なのだと思いました。
私がゴルフを始めた頃、ホンマのクラブを扱うお店がたまたま近くにあったので、ラッキーだな・・・。と思っていたのですが、今は誰にでも手にすることができるようになったのだと思います。
あるメーカーのクラブは、もちろん量販店には並ばないですし、なかなか出会う機会も大手有名メーカーと比べたら多くありません。
しかし、すごく人気が出過ぎてしまって、生産が追い付かず、品質が低下した・・・。という話を聞いたことがあります。
メーカーとしては、やはり売れれば売れるほどいいと思うのですが、私たちユーザーとしては、いくら人気が高くなっても、品質の低下を招いてしまってほしくはありません。
そういった意味でも、ある程度高額にはなったとしても、『少数生産』で精度の高いクラブを発売し続けて欲しいと思っています。
ただ、このホンマのクラブがよく売れているのかどうかはよく解らないのですが・・・。
黒いヘッドには、この立体的な形状がよく似合います。
シャローヘッドが『円盤』だったとしたら、こういったディープヘッドは『球体』といったところでしょうか?
今はわりとしっかりしたタイプのシャローヘッドも見かけるようになりましたが、やはりこのような立体的な形状だと、気持ちよく振りきっていけそうな予感がします。
スイングで発生したエネルギーを100%ボールに伝えやすいイメージがあります。
こういった形状のドライバーには、昔からいい思い出がたくさんあるので、このドライバーにも期待感が高まりました。
このドライバーには、今流行の『調整機能』が付いていません。
ウェイトなども見られません。
最近は調整機能付きのドライバーを試打することが多いので、このようなシンプルなタイプが逆に新鮮に見えます。
『パーフェクトスイッチ』の例もありますし、これからもホンマは調整機能付きドライバーを発表するのではないでしょうか?
顔も男前ですごくいいですが、この『艶消し感』が特徴的です。
少しずつ、こういったタイプのヘッドも登場してきています。
特に最近では エスヤード T.388 ドライバー が印象的です。
何と言ったらいいでしょうか?
クラウンに艶のあるタイプは何となく表情があるように見えるのですが、このドライバーは『無表情』といいますか、『能』に使われるお面を思い出しました。
無表情というのは怖い一面もありますが、このドライバーはそういった感じはしませんでした。
あくまでもプレイヤーの為の『艶消し感』なのだと思います。
エスヤードのドライバーでも体験済みですが、こういったタイプのドライバーは、やはり眩しさを軽減してくれる効果があるのだと思います。
これからは、こういった『艶消しドライバー』が増えるのではないでしょうか?
ネックの長さもしっかりとあって、重心がある程度高く維持されているような気がします。
ヘッドもディープですし、低重心さは感じられません。
その分、『叩きやすさ』とか『操作性の良さ』が感じられます。
今は易しさ重視のドライバーがたくさんあるので、こういったタイプのドライバーは敬遠されがちかもしれません。
しかし、ちょっと前までは、こういったタイプばかりだったように思いますし、実は多くの方が一度は経験されているのではないでしょうか?
トゥ側には『MADE IN JAPAN SAKATA』と記されていました。
これはもうホンマのクラブでは『お約束』といったところではありますが、この表示を見て安心感を覚えるのは私だけでしょうか?
『海外生産』『OEM』が当たり前のようになっている、今の(といいますか昔から)クラブ業界の中で、『本当のメーカー』と呼べる、数少ない存在なのかもしれません。
自社生産しないメーカーは『メーカー』ではなく『バイヤー』といったほうがいいのかもしれないな・・・。と、ふと思ってしまいました。
このディープバックの微妙なラインがたまりません。
すごく美しいです。
アイアンにはマッスルバックに美しさを感じるように、ドライバーなどウッド系には『ディープ感』に美しさが感じられます。
『易しさ』とはまた違う観点でクラブを選んでいってもいいのかもしれません。
今は、こういった美しいドライバーが各メーカーから発売されるようになりました。
ディープヘッドではあっても、ちょっと前のディープよりも、格段に易しくなっているので、それほど敬遠されなくてもいいのではないかな?と思っています。
素振りをしてみても、すごくしっかりしているので、『振り甲斐』があります。
最近ではあまり見ないくらい、ハードさがあります。
シャフトフレックス『S』らしく、すごくしっかりしています。
これこそ、本来の『スティッフ(硬い)』といえるような気がします。
Sフレックスにも『ハード系』と『ソフト系』があってもいいのかもしれません。
硬さは人によって感じ方も違ってくるので、表示の仕方も難しいところだと思いますが、そろそろ違う呼び方でもいいような気もします。
ヘッドが暴れることもなく、気持ちよく振っていくことができました。
すぐにタイミングが合いました。
このフェース面を見ていたら、先日試打した ヤマハ インプレスX RMX ドライバー 思い出しました。
ボールを前にして構えてみても、すごくいい感じです。
この何とも言えない『艶消し感』がたまりません。
白いヘッドには感じられない、『重厚感』といいますか、『重量感』を感じさせます。
ヘッドは軽く見えたほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思いますが、私はどちらかというと、こういった重量感の感じられるヘッドが好きです。
しかし白いヘッドは今、たくさんのメーカーが採用していますし、ホンマもいずれ採用するのではないかな?と思っています。
ヘッドも適度な大きさで、いいイメージが出せました。
バルジも適度に効いていて美しいと思いました。
やはり操作性の良いドライバーは、適度にバルジが効いている物が多いように思います。
エスヤードT.388と同じ艶消しタイプではありますが、同じような構え感ではありませんでした。
ちょっと形状的に違うような気がしました。
ただ、どちらも甲乙つけがたく、当然ながら、このドライバーもすごくいいイメージを出していくことができました。
今度チャンスがあれば、同時に試打して比較してみたいと思っています。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その『独特な弾道』といいますか『飛び具合』です。
一球目から、まるでマイドライバーで打ったような弾道でした。
『高~いキャリー』というよりは、明らかにライナー系の弾道です。
色々なドライバーを試打していて、マイドライバーとイメージが重なる物に出会うことは殆ど無いのですが、このドライバーはすごく似ている感じがしました。
今年出会ったドライバーの中でも、間違いなく一番タフなドライバーだと思います。
ある程度のヘッドスピードが無いと、球が浮ききらないかもしれません。
そういった意味では、プレイヤーによる好みがはっきりと分かれるドライバーといえるような気がします。
『打感』はとても良いです。
ソフトな感じで、強く叩いていっても、嫌な衝撃が残りません。
やはり叩けるドライバーというのは、こういったフィーリングが合っています。
いくら叩ける設定のハードなドライバーでも、打感が良くないと、自然とインパクトを合わせにいってしまうこともあるので、こういったソフトさは是非持っていて欲しいと思います。
先日試打した455タイプと同様、打感は好印象でした。
『音』は静かめで、小気味いい感じです。
すごく気分よく振らせてくれました。
インパクトが詰まったりすることもありません。
叩けるドライバーには適した音だと思いました。
『安定性』という点では、球が自然とつかまるタイプではないので、スライサーの方には厳しいかもしれません。
今はアスリートタイプのドライバーでも、調整機能が付いている物もありますが、このドライバーはフェースアングルなども変えられないようですし、かなり難しく感じられるかもしれません。
しかし、私のようなフッカーには左が怖くないので、安心して叩くことができました。
『飛距離性能』という点でも、かなり好みが分かれると思います。
私は高~い弾道よりも、やや低めでライナー系の弾道を好むので、このドライバーの弾道を魅力的に感じるのですが、そう感じない方もたくさんいらっしゃると思います。
キャリー不足を感じられる方も多いかもしれません。
しかし、今回試打したドライバーはロフトが立っているモデルなので、違うロフトを選べばまた違った印象になると思います。
10.5度までラインアップされているのだそうですが、どれくらい球が浮きやすくなるのか、とても興味があります。
ランが期待できそうなので、充分なキャリーを稼いでいかれる方には、飛距離も期待できるのではないでしょうか?
『操作性』という点では、球を自然と逃がしていけるので、フェード系が打ち易いと思いました。
しかし、プレイヤー自身がしっかりと球をつかまえていかないといけないような気がしました。
逃がそうと思えばいくらでも逃がすことができました。
大きなスライスは簡単でした。
直進性が高いドライバーではありません。
構えたときに、少しヘッド後方が伸びているように見えたので、ある程度直進性の高いドライバーなのかな?と思ったのですが、実際はそうでもありませんでした。
けっこう敏感に反応してくる感じがありました。
打つ前に、しっかりとイメージを出していかないと球筋が乱れやすいシビアさがあると思いました。
今は、多くのドライバーのソールに凹凸があります。
それは微妙な重心の位置や深さを計算されていることもあると思いますし、空気抵抗などを考慮されていることもあると思います。
しかし、このドライバーはすごく『浅い』といいますか、フラットに感じられます。
まさに『彫りの浅い』ドライバーだと思いました。
おそらくヘッド内部など、外からは見えないところに大きな工夫などが施されているのだろうと思うのですが、外見はとてもシンプルでした。
スペック的にもハードでしたし、調整機能も付いていないので、いわゆる『お助け機能』は付いていないドライバーです。
ヘッドの色なども含め、先日試打した テーラーメイド R1ドライバー とは『対極』といっていいドライバーなのかもしれません。
今は、ハードヒッターの方に対応できるシャロー系のドライバーもたくさんあるので、このドライバーがどれだけの支持を集めるのか、興味があります。
今年に入って、ホンマのクラブがすごくカッコよくなりました。
『TOUR WORLD』というニューブランドはとてもいいです。
私はホンマのクラブを購入しなくなって、もうかなりの年月が経ちました。
昔は『ホンマでなければ』という思いがありましたが、今は『ホンマでなくても』という思いのほうが強いのかもしれません。
ホンマは確かに数少ない有名老舗メーカーですが、ホンマがイージー系のクラブばかり作っているときに、他のメーカーがどんどん台頭してきたような気がします。
このドライバーもすごく魅力的に思えたのですが、『少し遅かったな・・・。』という思いがあります。
既に同様のドライバーに、たくさん出会っているように感じるからです。
ホンマのイメージチェンジはいい方向に進んだように思いますが、『個性』は感じられません。
このドライバーを試打しながら、他のメーカーのドライバーとイメージが重なっていました。
このドライバー(特にこの試打クラブのスペック)は、正直いって、幅広い支持を集めるようには思えません。
かなり使えるゴルファーが限られていると思います。
明らかに『455』のほうが多くの支持を集めると思います。
このドライバーは『タフなモデル』なので、いわゆる『限定発売』なのかどうか解りませんが、爆発的に売れるとは思えませんでした。
ただ、こういったタイプのクラブを発表してくれることは、私個人的にはすごく嬉しく思っています。
今日はとても試打した甲斐があったな・・・。と思いました。
多くのゴルファーの支持は集められないかもしれませんが、久しぶりに『骨のあるドライバー』に出会ったような気がします。
ちょっと前までのホンマとは大きくイメージが変わりました。
これからホンマがどのようなクラブを発表してくるのか解りませんが、このようなカッコいいクラブにも出会っていきたいと思っています。
『ベテランゴルファーの方』向けのブランドも大切にしながら、アスリートモデルもどんどん進化していって欲しいです。
ホンマ TOUR WORLD TW717 430 ドライバー
- 2013年4月14日
- ホンマ