今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストン ツアーステージ X-FW の5番 です。
シャフトは 三菱レイヨン Diamana B60 です。
ロフトは18度、クラブ長さは42インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は64g、トルクは3.6、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は332gです。
ツアーステージらしい、シンプルでカッコいいデザインのニューモデルです。
やはり、ツアーステージはこういった外観が似合います。
ツアーステージ創生期からのファンである私は、こういった『Xシリーズ』こそが、本来のツアーステージのように思えてなりません。
ツアーステージは、このXシリーズとGRシリーズの2つだけで充分なのではないか?と思っています。
『ViQ』や『PHYZ』もいいですが、それぞれ独立して、ツアーステージの名前がついていないほうが私は好感がもてます。
ツアーステージのイメージに、鮮明さが失われたような気がしてなりません。
その点、今回のこのニューモデルは、とてもシンプルでカッコいいので、魅力的に見えます。
昨年のモデルはソール部分にウェイトのようなものが見えましたが、今年のモデルには見られません。
実際には組み込まれているのかもしれませんが、こうして見る限り見当たりません。
今回は、どういった進化が見られるのでしょうか?
あまりハイテク感は感じられませんが、見えないところに大きな機能が組み込まれているのは間違いないと思います。
まず目に付いたのが、この独特なフェース面です。
これまででも珍しい『艶消し』な感じのフェース面です。
あまり記憶がありません。
これはどういった効果が期待できるのでしょうか?
ブリヂストンのクラブなので、きっと大きな理由があるのだと思います。
このソール部分の独特な形状も、よく目立っていました。
これにより、いい重心位置が実現されているのでしょうか?
こうして見ていても、振り抜きが良さそうです。
トゥ側には『ULTIMATE STORONG METAL』と記されていました。
つまり『究極に強いメタル』ということでいいと思うのですが、これはそれだけ、このヘッド全体の金属の強度が高いということなのでしょうか?
『究極』という言葉は特別な言葉だと思いますが、それだけにメーカーの自信が伺えます。
ネックの長さは、やや長めといったところでしょうか?
極端に長いとは思いませんが、短いモデルもたくさんあるので長く見えますし、今は本当にネックの長さについてバリエーションが豊富になったように思います。
今はFWでも、いわゆる『調整機能』が付いているものが増えてきましたが、このニューモデルには付いていないようで、とてもシンプルです。
『ごちゃごちゃ感』が無いので、シュッとしていて美しいです。
調整機能付きへ流れている、今の流れとは逆行していそうな感じもしますが、あまり便利になり過ぎてしまうと、新たな迷いが生まれるのかもしれません。
まずまずのシャローバックです。
こういったところは、今のクラブらしいところです。
球もあがりやすそうな印象を受けます。
『顔』はツアステらしい、硬派な感じの男前でした。
すごくいい顔をしています。
こうして見ていても、あまりシャロー感は感じませんでした。
むしろ、ややディープな形状にも見えました。
これまでのツアステらしい顔に、思わず笑みがこぼれてしまいました。
素振りをしてみても、いい感じです。
クセがないので、気分よく振っていけます。
それほどハードなシャフトではありませんが、しっかりと付いてきてくれます。
タイミングがとりやすくて、いい感じでした。
ボールを前にして構えてみても、とてもいい印象をもちました。
それほど尖った感じのシャープな感じではありませんが、ツアステらしい整った形状です。
クリークだからでしょうか?
適度な小顔感もいいです。
これがもしスプーンだったら、もう少し大きくなるのでしょうか?
いずれにしても、すごくいい形状だと思います。
あまりシャロー感が強く伝わってこなかったので、普段通りの感覚で打っていけそうな予感がしました。
高すぎる弾道ではなく、ある程度高さを抑えたライナー系のイメージが強くでました。
これまで、ツアステのFWばかり使ってこられて、『ツアステクラブの顔』にこだわりがある方も、このFWの構え感に好感をもたれる方はとても多いのではないでしょうか?
左右にはどちらも対応してくれそうだな・・・。と思いました。
どちらか一方に偏ったクセのある感じがしませんでした。
すごくリラックスして構えることができました。
集中力も増していきました。
試打を開始しました。
『打感』はソフトで、好感がもてました。
予想していた以上に柔らかい打感です。
トゥ側の『ULTIMATE STORONG METAL』という言葉を見て、多少硬めの打感を予想していたのですが、実際はソフトでいい感触でした。
あくまでも『硬い』のではなく、『強い』メタルということなのだと思いました。
つまり強さにも、『何物も寄せ付けない反発力のある強さ』と『どんなものでも受け流す強さ』の2種類があるような気がします。
例えば、『柳の枝』のような『しなやかさをもった強さ』なのかな?と、このソフトな打感を手に感じながら思っていました。
北斗の拳でいえば、『ラオウ』と『トキ』のような強さの違い・・・。といったらいいでしょうか?
『音』は、やや高めで小気味いい音が優しく耳に届いてきました。
この金属音はとても好感がもてます。
インパクトが緩むこともありません。
『球のあがりやすさ』という点では、ややシャロー感もあったのですが、結構タフなFWだと思います。
5Wではありますが、誰にでも球が浮きやすくなっているようなタイプではないと思います。
ある程度HSがあったほうが、易しく感じられるような気がします。
高い弾道というよりは、ややライナー系の球が打ちやすいクリークだと思います。
こういった決して幅広い層を狙っていない、敷居の高さは、いかにも『いい頃のツアステ』のイメージと重なります。
『安定性』という点では、まずまず・・・。だと思いました。
ごく標準レベルだと思います。
特に強い直進性・・・。だとか、ミスヒットにシビア過ぎる感じはしませんでした。
構えたときに、いいイメージを描いていくことができたせいなのか、ラインを出しやすく、ボールがあちこちに散らばる感じがしませんでした。
振りやすさ、タイミングの取りやすさが、この安定感を生んでいるような気がしました。
『飛距離性能』という点では、これはもうはっきりと好みの分かれるところだと思います。
先ほども書きましたが、ある程度HSがある方に、高い性能を発揮してくれるクラブだと思います。
今日試打したのが5Wですが、今の5Wの中でも、飛距離性能に長けた感じがします。
スピンが掛かり過ぎることなく、ライナー系のいわゆる『棒球』に近い感じ・・・。といったらいいでしょうか?
ボールが『上へ』というよりは、明らかに『前へ前へ』と進んでいっているように感じます。
ただ、その分、このクラブが合いづらい方も、結構いらっしゃるような気もします。
球があがりきらずにドロップ感を感じられる方も多いかもしれません。
性能が尖っている分、幅広い層に受け入れられる感じはしませんが、合う方にはとても離しがたい魅力のつまったクラブだといえるのではないでしょうか?
今日は主に、マットからの『直打ち』で試してみたのですが、ティアップして打ってみても、すごく強い球を打つことができました。
『操作性』という点では、やや球離れが速いタイプのFWだと思いますが、左右に曲げることも何の問題もなくできました。
形状美通りの扱いやすさ・・・。といったらいいでしょうか?
イメージした通りに対応してくれる反応の良さを感じました。
打つ前は、少しシャロー感も感じられたことから、どちらかというと『セミ・オートマチック系』のクラブかと思っていたのですが、実際はツアステらしい『マニュアルタイプ』のクラブだと思いました。
いい意味でツアステらしいクラブだと思いました。
最近のツアステのクラブは、いい意味で『丸くなった』といいますか、『尖った感じがしない』印象がありました。
『易しさ』に向かいすぎていたような気がします。
かといって、このFWが難し過ぎるクラブではないのですが、ツアステらしい『格の高さ』を感じました。
クラブがプレイヤーに求めるものも、結構大きいようのかもしれません。
ブリヂストンのツアーステージは、今でもすごく魅力的ですし、いいクラブを発表し続けてくれています。
しかし正直、私は少し興味が薄れていました。
それはクラブが良くない・・・。というのではありませんが、先ほども書きました通り、ブリヂストンのクラブが全て『TOURSTAGE』という名前が付いていて、ブランドイメージが少し濁ってしまっていたからだと思います。
それと、表現は良くないかもしれませんが、『マンネリ感』があったのも、大きな理由だと思っています。
私の周りにも、たくさんのツアステファンがいますが、彼らの中にも違うメーカーのクラブに替えた人もいます。
特に昨年のスリクソンの充実度は目を見張るものがありました。
スリクソンのほうが、ブランド戦略が上手くいっているように思いますし、存在感が大きくなっています。
試打した数も、ツアステよりもスリクソンのほうが、圧倒的に多いです。
このクラブの試打を終えて、昔ながらの『いいツアーステージ』に戻ったような気がしました。
『親しみやすいツアーステージ』ではなく、あくまでも昔ながらの『使い手を選ぶツアーステージ』といっていいクラブだと思います。
確かに多くのゴルファーの支持を集めにくい部分はあるかもしれませんが、これまでのツアステファンには受け入れられやすいのではないでしょうか?
ツアステのクラブを使いこなせるようになりたいから、練習に励む・・・。ということは昔からずっとありました。
昔のツアステクラブのおかげで、技量を上げていったゴルファーはたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
クラブには確かに『親しみやすさ』も大切ですが、『憧れ』をいつまでも持ち続けていたいですし、練習するモチベーションを高めていって欲しい気がします。
手にすることが楽しいクラブというのは、とても気分を高めてくれますし、練習が楽しくなります。
ミスショットが出たら、クラブのせいにするのではなく、スイングのどこがいけなかったんだろう?と思えるところがいいですし、それがスイングレベルを上げていける要因になったような気がします。
それがここ数年、あまりにも多様化し過ぎてしまって、これが本当に『ツアステのクラブ』なのだろうか?と疑問に思うことがよくありました。
そんなモヤモヤした感じが、私の中でしばらく続いていました。
しかし、今日出会った、このFWはすごく爽やかでいい印象をもちました。
難しければいい・・・。性格が尖っているほうがいい・・・。というのではありませんが、ツアーステージは、いつまでも私たちゴルファーの憧れの存在のクラブであってほしいと思っています。
機能性が目に見えてわかるほど、今のクラブは進化していますが、このFWはとてもシンプルです。
しかし、きっと目に見えないところで大きな進化が実現できているのだと思います。
このクラブのもつ、高い飛距離性能がそれを物語っています。
こういった高い飛距離性能をもったFWは、このツアステが初めてではないですし、特に昨年のテーラーメイドの『RBZ』が印象的ですが、今年はドライバーよりもFWの飛距離性能が争われるようになるのでしょうか?
これからも、どんなクラブが登場するのか、とても楽しみです。
ブリヂストン ツアーステージ X-FW
- 2013年2月8日
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