今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE 909 アイアン< の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは35度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は447gです。
『問答無用』といった感じのマッスルバックです。
これぞツアーステージといえるクラブです。
ツアーステージは、こうでなくてはいけません。
マッスルバックが敬遠される中、ブリヂストンはずっとマッスルバックを発売してくれている、数少ないメーカーです。
『易しさ志向』に進んでいる中で、売れづらいというところはどうしてもあるのかもしれませんが、こういった『フィーリング重視』『カッコ良さ重視』のクラブは、いつまでも存在し続けて欲しいと思います。
爆発的に売れるとは思えないので、『限定発売』しているメーカーが増えてきました。
このマッスルバックも、限定発売なのだそうです。
エポン パーソナル アイアンやヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアンなどは『限定発売』で人気を博しています。
限定だと、メーカーも在庫を多く抱えなくていいので、メリットはあるのではないでしょうか?
エポンパーソナルが売り切れになったことは、だいぶ前に聞きました。
できれば購入したいと考えていたので、とても残念でした。
今は、易しくて高機能なアイアンがたくさんあるので、敢えてマッスルバックのような難しいアイアンを手にする必要性は無いのかもしれません。
ただ、このカッコ良さを目にすると、手に取ってみたくなりますし、球を打ちたくなります。
自分自身の今の技量を測るうえでも、こういった『シビア系』のアイアンで球を打つことがとても有効です。
こうして見ていても、すっごくシャープで切れ味が良さそうです。
アイアンに持っていて欲しい、『外観の良さ』を全て持ち合わせています。
全体的に厚ぼったくて大きなヘッドだと、打ちづらそうな印象をもってしまうこともあるのですが、こういったすっきりとした形状であれば、心も曇りません。
澄み渡った青空のようです。
フルキャビティやポケキャビなどに慣れておられる方には、こういった形状は敬遠されるかもしれません。
確かに、イージーさが全面に感じられるアイアンではありませんが、こういったタイプのアイアンを打ちこなせるようになることも、ゴルフの楽しさの一部といえるのではないでしょうか?
『易しさ』ばかりを求めるのではなく、時にはこういった難しいアイアンでスイングを確かめてみるということも有効なのではないでしょうか?
普段使い慣れているアイアンでは見えなかったことが、見えてくることもあるように思います。
一番怖いのは、大きなミスをしても、それを感じさせないクラブです。
それを使い続けるのは、かなりリスクが大きいような気がします。
ミスをしたら、それをすぐに解らせてくれるクラブでないと、私は永く付き合っていけません。
このアイアンはニューモデルではありますが、既に大よその性能は解るような気がします。
ソール幅は今のアイアンの中では、比較的狭い感じがしますが、マッスルバックらしいソール幅だといえます。
同じマッスルバックでも、『ヤマハ インプレスX V FORGED TOURMODEL アイアン』のほうがワイドに感じられます。
こういった違いは面白いですし、メーカーの考え方も違うのだと思います。
歴代のツアステマッスルバックは、このアイアンのようなタフな設計になっているように思います。
ネックの長さは結構ありますが、それほど長いとは思いません。
今のアイアンでも、よく見かける長さだと思います。
『首長(くびなが)系』の、とても美しいアイアンだと思いました。
思わず、目尻が下がってしまいます。
素振りをしてみても、いい感じです。
この『いつもの感覚』といったらいいでしょうか?
重力を味方につけて、下ろしていけるので、すごく楽に感じますし、リズムが整いやすいです。
手で下すのではなく、あくまでも重力に引っ張ってもらう感覚・・・。といったらいいでしょうか?
こういう『楽』ができるのは、ある程度重量のあるクラブの大きな利点だと思います。
ボールを前にして構えてみて、この構えやすさは予想していましたし、その予想通りの顔に思わずニンマリとしてしまいました。
かなり笑みがこぼれていたように思います。
両肩の力が一気に抜けました。
マッスルバックというシビアであることが解っているアイアンは、『構えやすさが命』といえるところがあります。
こういったシビアなクラブだからこそ、余計『構えやすさ』が重要になってきます。
これがもし、構えづらかったら、難易度がすごく上がってしまいます。
この構えやすさは、私に勇気をくれました。
ミスショットなど、マイナス的な要素が全く出てきませんでした。
『物理的な性能』を追い求めるのもいいですが、こういった『構えやすさ』という大切な性能が、難易度を下げているのだと思います。
すごくすごくいいイメージが出せました。
色々なグッドイメージが次から次へと泉のように湧き上がってくるような感じです。
テンションが上がり、心がフワフワした気持ちになりました。
いい『目の保養』ができているなあ・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は『ワンダフル』の一語に尽きます。
『軟鉄鍛造』+『マッスルバック』という『最強の組み合わせ』による、このフィーリングはたまりません。
柔らかさがありながら、『ズシン』とくる厚みと重さが感じられる打感は最高です。
『薄いアイアン』や『寛容性の大きすぎる』アイアンでは、なかなかこうはいきません。
こういった打感を感じる度に、幸せだなあ・・・。と思いますし、このフィーリングを両手に貯金しておきたくなります。
今はドライバーに限らず、アイアンでも『反発力のある』フェースがありますが、そういったアイアンも確かにいいとは思いますが、このクラシカルな感じのアイアンが持つ『くっつき感』は一度味わってしまうとやめられません。
ゴルフというスポーツをするうえでの大きな喜びだと思います。
次に感じたのが、この『秀逸な操作性の高さ』です。
マッスルバックなので、このような扱いやすさや反応の良さは、打つ前から解っていたことですが、実際に打ってみても、すごく楽しむことができました。
私は練習場でも球を曲げて楽しみたいほうなので、こういったアイアンはたまりません、
逆に球を曲げようと思っても、なかなか大きく曲がりづらいクラブも最近は増えてきました。
どちらがいい・・・。というものでもないのかもしれませんし、好みによるところが大きいのかもしれませんが、私はこういったタイプのアイアンが大好きです。
すごく敏感にこちらのイメージ通りに左右にカーブを描いていけるので、何となく『ラジコン』で操作しているような感覚をもちました。
私は小学生から中学生の頃、ラジコンにハマっていたことがあり、その頃の記憶が蘇ってきました。
ラジコンの醍醐味は、『直進』『後退』という『直線運動』ではなく、『コーナリング』です。
緩やかなカーブもあれば、ヘアピンカーブのようなきついところで、上手くコントロールしながら、車を走らせていくことが難しいですし、楽しいところでもあります。
ハンドル操作を誤ったり、上手く減速できていないと、カーブを曲がりきれずコースアウトしてしまったり、ラジコンカーがバランスを崩してしまってひっくり返ることもあります。
しかし、それを上手く克服できた時にはすごく大きな喜びがあります。
このアイアンでボールを左右にすごく楽しく曲げることができて、そういった昔味わった楽しみを思い出しました。
ボールが車で、このツアステアイアンがデジタルプロポのような感覚をもちました。
クラブとボールが無線でつながっているんじゃないか?と思えるほど、ボールを敏感に操らせてくれるアイアンだと思いました。
『球のあがりやすさ』という点では、こういったマッスルバックですし、しっかりとしたスチールシャフトが挿してあるので、誰でも球があがりやすい・・・。という感じではありません。
ある程度のHSなどは必要になってくるのかもしれません。
ただ、店員さんの話によると、このアイアンは『モーダス』もラインアップされているそうなので、DGが苦手な方は、モーダスを選択することも有効なのだと思います。
アイアンに球のあがりやすさを期待するのではなく、あくまでもプレイヤーのスイングで上げていくべきなのかもしれません。
ただ、今のマッスルバックは昔に比べて、易しくなっていると思いますし、敬遠したくなるようなタフさはないように思います。
ボールもすごく拾いやすくて、易しく感じました。
『安定性』という点では、マッスルバックなので、ミスに対する寛容性は大きくないのかもしれません。
打点のブレにはシビアなところもあると思います。
ただ、今日は構えたときに、このクラブからすごく大きなエネルギーを貰えたからなのか、打点がブレる感じが一切しませんでした。
左右に極端に曲げてみたり、結構遊んでみたりしたのですが、打点は一点にとどまってくれていました。
このアイアンの『顔の良さ』と高性能スチールシャフトである『ダイナミックゴールド』のおかげだな・・・。と思いました。
先日、同じシリーズの『CB』を試打したときに、私は4球続けてダフってしまったのですが、今日は1球目から、すごくいい感じでボールを拾っていくことができました。
物理的な性能では明らかに『CB』のほうが易しくなっているとは思うのですが、このようになることが不思議です。
ただひとついえることは、物理的な性能が必ずしも全てではない・・・。ということです。
『飛距離性能』という点では、こういった本格的なロフトですし、ダイナミックゴールドが挿してあるので、飛距離を求めるアイアンではないことは明らかです。
ただ、やはり『距離感』を求めていくうえでは、すごく頼りになります。
ボールの落としどころと、そこから止まるイメージがすごく簡単に出せました。
今は飛び過ぎるアイアンが多いですし、そういったアイアンは私は難しく感じます。
いくらミスに易しくても、こちらのイメージが出せないクラブは、やはり難しいです。
しかし、このマッスルバックは違います。
これが本来の『7番アイアンの易しさ』なんじゃないかな?と思いました。
今の『距離系アイアン』は、いわゆる『番手ピッチ』が曖昧に感じるところもあり、番手の信頼度が薄くなっているように感じることもあります。
アバウト感が強くなり過ぎて、一体何番で打ったらいいのかも、よく解りません。
『出たとこ勝負』になってしまうこともあるので、難しく感じます。
ドライバーに限らず、アイアンでも少しでも飛ばしたいから、ストロングロフトによる『飛距離』をとるか、飛距離よりも正確に距離を刻んでいきたいから、『縦の距離感』をとるか、プレイヤーの好みによるところなのかもしれません。
私は距離感を大切にしたいので、このような『自分自身の勘』が届きやすいアイアンが好きです。
試打するのをなかなか止められませんでした。
時間を忘れて、夢中になって打ち続けていました。
途中から試打していることも忘れ、ゲーム感覚で楽しんでいました。
自分のイメージが伝わりやすいクラブというのは、本当に楽しいものだと思いました。
練習場ではいつも、コースをイメージして、本番に備えた練習をしているつもりでしたが、今日はそういったことも一旦横に置いといて、ひたすらボールを操ることに夢中になって楽しんでいました。
コースでは、まず打たないようなショットにも挑戦していました。
白いボールが描く曲線がとても美しいと思いました。
先ほども書きましたが、このアイアンはニューモデルでありながら、それをあまり強く感じさせない『クラシカル感』があります。
これまでのツアステマッスルバックと、どこが違うんだろう?と思えるほど似通っています。
おそらくバックフェースのデザインを少しだけ変えているだけのような気がします。
しかし、それがいいのだと思います。
いいところは変えなくていいですし、変えてしまうと今度は別物になってしまいます。
アイアンには『距離感』よりも『飛距離性能』を求めたい方。
『操作性』よりも『安定感』を求めたい方には、このアイアンは合いづらいかもしれません。
ただ、このアイアンのような『軟鉄鍛造』と『マッスルバックの厚み』のある打感を多くの方に楽しんで頂きたいと思いました。
ボールが真っ直ぐ飛んだ飛ばない・・・。といったことよりも、ボールが芯を喰ったら、こんなにもいい感触を味わうことができるのか・・・。ということを体感していただきたいと思います。
今日はすごくテンションが上がってしまい、このアイアンだけで練習時間が終わってしまいました。
今日はFWの打ち込みをする予定でしたが、こういったアイアンに出会ってしまうと、予定変更もやむを得ません。
こうして記事を書いている今も、なかなかテンションが下がりません。
今日は、このアイアンのおかげで楽しい時間を過ごすことができ、有意義な一日となりました。
ツアーステージのブランドイメージにピッタリと合う、カッコ良さとグッドフィーリングが両立したアイアンです。
ブリヂストン ツアーステージ X-BLADE 909 アイアン
- 2013年3月3日
- ブリヂストン
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