今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ピン i500 アイアン の7番 です。
シャフトは N.S.PRO ZELOS 7 です。
ロフトは29度、長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は77.5g、トルクは2.6、キックポイントは先調子 です。
PINGの新しいアイアンです。
とてもシンプルですが、ただシンプルなだけではないと思うので、どんな技術が使われているのだろう?と興味津々です。
いい意味で『PINGらしくない』アイアンですが、このシンプルで美しい形状に、思わず笑みがこぼれてしまいました。
大きさも標準的です。
ピンのアイアンはラージサイズのイメージがありますが、このアイアンは違いました。
フラットバック構造で、ついにピンもマッスルバックを発売したのかな?と思いました。
しかし、中空構造であることがすぐに分かりました。
これまでの中空アイアンはボテッとした感じの物が多かったのですが、このアイアンは違います。
シュッとしていて、カッコいいです。
このパーツが無いと、マッスルバックと勘違いしそうです。
以前試打したモデルもそうでしたし、最近のPINGは中空構造に力を入れているようです。
『歴史は繰り返す』ではありませんが、かなり前に中空が流行って、次第に見なくなり、また流行りだしているように感じます。
ゴルフクラブにもファッションなどと同じように『流行り』というものがありますが、いいものはずっといいので、一度ブームが去っても、また復活するように思います。
最近のドライバーのカーボンクラウンも同じようなことかもしれません。
トップラインの厚みはノーマルです。
丸っこくなく、厚すぎないので好感が持てます。
ピンのアイアンは大味な感じのものが多く、苦手に感じることもあったのですが、このアイアンにはそれが全くありません。
『日本市場向け』なのかな?と思いました。
ソール幅もノーマルです。
意外といえるほどの幅です。
ワイドソールを予想していましたが、違いました。
ソール幅はノーマルですが、形状はピンらしいです。
この形状を見ているだけで、ピンだとわかるほど個性的です。
ソールの形状にも、メーカーの個性が表れます。
見とれるようなソール形状ではないのですが、ここの部分にもピンらしさが見て取れます。
もし、自分がクラブデザイナーだったら、ここの部分をもうちょっと削りたいな・・・。ここの部分をもう少し足したいな・・・。などと考えていました。
リーディングエッジは微妙に削られているように見えました。
トレーリングエッジには、特に工夫は見られませんでした。
ネックの長さは標準的です。
ロングでもショートでもありません。
ネックの凹みも、PINGだけに見られる工夫です。
以前、読者の方から、この凹みはライ角やロフト角を調整するためのものだということを教えていただき、疑問が解決しました。
普通の軟鉄アイアンならば、この凹みが無くても簡単に調整できますが、ステンレスだから、この凹みが必要になってくるのでしょうか?
PINGはずっとステンレスにこだわっているように感じます。
バックフェースのヒール側には『FORGED』の文字があったので、ひょっとしたら、このアイアンは軟鉄鍛造アイアンなのかな?と思い、店員さんに確認してみたら、いつも通りステンレスという返事が返ってきました。
ステンレスの鍛造なのでしょうか?
珍しいですが、これもメーカーのこだわりなのだと思います。
フェース面にミーリングはありません。
見慣れた感じの、ごく普通のフェース面です。
装着されているグリップはツアーベルベットで、とてもいいです。
ソフトなフィーリングでアイアンには最適なグリップです。
微妙な距離感や方向性も、このグリップでは感じ取りやすいです。
ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
意外なほどといっては語弊がありますが、昔のPINGの面影はありません。
オーソドックスでとても構えやすいです。
ラージサイズでもなく、グースが強いわけでもなく、シュッとしています。
こうして構えてみていても、PINGのアイアンには思えませんでした。
グースは少し効いてはいますが、セミグースといっていいと思いますし、これくらいであれば、全く問題ありません。
ボールとの『大きさの対比』も適正です。
試打を開始しました。
『打感』は、なかなかいい感じでした。
硬くなく、適度なソフト感もありました。
球の『乗っかり感』はあまり感じなかったのですが、こういう打感は今とても多いですし、それだけ支持されているのかもしれません。
中空タイプのアイアンで、あまり好感を持てない打感もありますが、このアイアンは好感が持てました。
構えやすさと打感がリンクしているようでした。
『球のあがりやすさ』は、いい感じです。
外見や構えた感じなどから、もっとタフなタイプかな?と思っていたのですが、実際に打ってみると、そんなことはありませんでした。
球はしっかりとあがってくれ、タフさはありませんでした。
いい意味での、見た目とのギャップがあります。
こういったところは中空構造の長所といっていいと思います。
キャビティ構造にも色々とあって、普通のキャビティやポケキャビなどは外見から見て分かるので、『外キャビティ』。
対して、このように中空構造のアイアンはヘッドの内側に工夫がされていて、外からは見えないので、『内キャビティ』といっていいのかもしれません。
外見の違いはありますが、共通しているのは『易しさ』です。
中空は外見がすっきりしているという、大きなメリットがありますし、ポケキャビと違い、使用後の掃除も簡単なので、そういったところにも魅力を感じます。
『安定性』も、好感を持ちました。
見た目はマッスルバックのようで、いかにも気難しそうな感じもしますが、実際は大らかさもあり、親しみやすい性格をしています。
外からは見えない、易しさの為の工夫がたくさんヘッド内部に施されているのではないでしょうか?
構えやすいのでラインも出しやすいですし、そこから大きくブレていかないので、大きなトラブルにはなりにくいように感じます。
『飛距離性能』は優れていました。
見た目とてもシンプルで落ち着いた感じですが、飛距離性能にも長けています。
落ち着いた感じのディスタンス系アイアンといっていいでしょうか?
キャリーもしっかり出せましたし、2番手近い距離の違いを感じました。
すっきりしたデザインで、この飛距離性能をもっているので、多くのゴルファーから支持されるのではないでしょうか?
『操作性』も、なかなかいい感じでした。
クセがないので、左右へも対応してくれました。
右に抜けることもなく、つかまりやすいです。
外見はマッスルバックのようなシンプルで骨太なところがありながら、実際はとても優しくて親しみやすいアイアンです。
ネックも適度にありますし、ソールもワイドではないので、球が浮きづらいのでは?と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、とてもあがりやすくてイージーな性格をしているので、多くの方に試していただきたいです。
色々なシャフトが用意されているようですが、装着されているN.S.PRO ZELOS 7は球を上げやすいので、さらにハードルを下げているように感じました。
ドライバーなどに比べ、アイアンは設計自由度が高くないので、『見た目がそのまま性能』というところがありますが、このような中空タイプは、いい意味での『見た目とのギャップ』があるので面白いです。
易しいアイアンを使いたいけど、ごちゃごちゃしたのは嫌だ・・・。
ラージサイズでグースがきついタイプも苦手だ・・・。という方には、好感をもちやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
このような形状なので、『ユーティリティアイアン』のような雰囲気もあったのですが、ごく普通のディスタンス系アイアンという認識をもちました。
易しく飛ばしていけるのも、このアイアンの特長です。
私はアイアンに飛距離性能を求めていないですし、軟鉄しか買わないと決めているので、このアイアンを購入することはないですが、素材にこだわらない方も多いと思いますし、このアイアンのもつ易しく飛ばしていけるところに魅力を感じる方は多くいらっしゃるのではないでしょうか?
また試打してみたいですし、他のメーカーのアイアンとも打ち比べてみたいと思いました。
ピン i500 アイアン
- 2018年8月31日
- ピン
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