ゴルフクラブ試打日記。          

ピン S56 アイアン

PING S56 アイアン 
今日はこのゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは PING S56 アイアン の7番 です。
AWT

シャフトは AWT です。
ロフトは34.25度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.6、シャフト重量は108g、キックポイントは中調子です。
正面

ピンのカッコいいアイアンです。
ピンのクラブには、あまり出会う機会がないのですが、今日は幸運にも試打する機会に恵まれました。
『PING』といえば、やはりパターを思い浮かべますが、ドライバーを始めとしてアイアンなども優れたクラブが多いので、もっと出会う機会が増えればいいな・・・。と、いつも思っています。
彫りの深さ

『彫りの深さ』は、最近のアイアンの中では、やや浅めといったところでしょうか?
しかし、こうして見ていても、色々な機能が組み込まれているようです。
この真ん中の物は、一体何なのでしょうか?
ひょっとすると『アンダーカットキャビティ』や『ポケットキャビティ』に共通する『ゴミの入りやすさ』を防ぐ為のものなのだろうか?それとも打ちやすくする為に組み込まれているのだろうか?などと考えていました。
いずれにせよ、もしアンダーカットキャビティで、このようにゴミなどが入らないものが登場してくれば、私は大いに購入意欲を刺激されます。
アイアンの性能の高さも大いに求めていきたいですが、私はこういった『メンテナンスのしやすさ』のような物も求めています。
コースは勿論、練習場に行った後でも、クラブを磨かずにはいられない私の性分なのでそう感じてしまうのですが、おそらく多くの方が私のようには感じておられないと思いますし、普通のアンダーカットキャビティアイアンは、今とても人気のあるアイアンです。
しかし、私はおそらく今の主流のアンダーカットキャビティでは、購入しないような気がします。
クラブの性能とは直接関係ないことかもしれませんが、この角度から見ていて、そのようなことを考えていました。
ソール幅

『ソール幅』は、標準的といったところでしょうか?
それほど薄いとは感じなかったですし、ワイドソールではありません。
ワイドソール過ぎると、私は『跳ねやすい』『ダフリやすそう』といったイメージを持ってしまうこともあるのですが、これくらいの幅で抑えられていると、上手くボールを拾っていけそうな気がします。
最近は、他社のプロモデルの本格的なアイアンでも、結構ソール幅が広いものが多いので、これくらいの幅は希少な気がしました。
しかし、いずれにせよ、とても親しみやすい感じがしました。
国内メーカーのあの、『シャープさ』のようなものはあまり感じられませんでしたし、何となく海外メーカーらしい形状だと思ったのですが、打ちやすそうな印象を持ちました。
ホーゼル長さ

『ホーゼルの長さ』も標準的といった感じがします。
それほど長いとは思わなかったですし、短すぎないので、上手く扱っていけそうな気がします。
このネックの部分は、プレイヤーの意思をフェースに伝えていく、とても大切なところなので、決して軽視できません。
そういった意味では、このアイアンはとても伝えやすそうな感じがします。
昔のような『ロングネック』は、今では全くといっていいほど見かけなくなりましたが、このようにホーゼルがきっちりと付いているアイアンを見るとホッとします。
『スルーボア』や『ショートホーゼル』は、私は少しコントロールしづらい感じがして難しく感じてしまうことがあるのですが、このアイアンはとても打ちやすそうです。
このアイアンも『ANSERアイアン』と同様、凹みがあります。
これについては以前、私の記事を読んで下さっている『ゴルフ好き太郎様』から理由を教えて頂いたので、納得できますし、不安に感じることはなくなりました。
こういった工夫をしているメーカーは他には見当たらないのですが、各メーカーの独自性が垣間見えるところがとてもいいと思います。
今はあまりにも『脱・個性』的なクラブが多くなったような気がします。
構え感

ボールを前にして構えた感じは、とてもすっきりしていて構えやすいと思いました。
先日試打した『ANSERアイアン』もいい顔をしていて好感をもてましたが、このアイアンは明らかに異なる『顔つき』です。
どちらかというと、私はこちらのほうが構えやすくて好きです。
少し『グース』かな?と思ったのですが、全くといっていいほど構えづらくはありません。
引っかかるイメージも湧いてきませんし、いい感じのイメージラインを頭に描いていくことが出来ました。
『フェース高』をあまり感じなかったからでしょうか?
こうして構えていても、それほど『高重心』を感じなかったのですが、『トップライン』も、やや薄めですし、シャープに振っていけそうな感じがしました。
いい位置に『ヘッドを落として』いけそうだな・・・。と思いました。
振り感

素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
私が普段振り慣れているアイアンよりは、若干軽い感じがしますが、タイミングも合いやすいですし、特に不満のようなものは感じません。
私は今年、腰を痛めたのですが、そういった体調が万全ではないときは、こういった少し軽めのクラブもいいのかな?と思いました。
しかし、普段はやはり振り慣れた『重さ』『粘り』『コントロールしやすさ』に長けたシャフトでいきたいと思っています。
そのほうが、皮膚感覚で馴染んでいるので、ゴルフがシンプルになり、私には合っているような気がします。
このアイアンの振りやすさを感じながらも、ふとこのようなことを考えていました。
いいフィーリングを感じながら、試打を開始しました。
操作性

まず感じたのが、その『高い操作性』です。
これには少し驚きました。
こういった形状のアイアンなので、『操作性』というよりはどちらかというと『安定性』に長けたアイアンなのではないか?と予想していたのですが、全くの逆でした。
左右どちらにも、すごく曲げていきやすいアイアンです。
高さも不自然な感じがしないので、とてもコントロールしやすいです。
これまでもたくさん出会ってきた『高慣性モーメントアイアン』の中には、その安定性が高すぎて、どうしてもこちらのイメージを伝えづらいものがたくさんありましたが、このアイアンは全く違います。
PING S56
 
すごく敏感にこちらの意図を汲み取ってくれます。
以前も書きましたが、私は練習場ではボールを曲げて楽しんでいることが多いので、今日はすごく楽しい時間を過ごすことが出来ました。
おそらく多くの方が、『ボールの曲げやすさ』よりも、『安定性』や『ある程度のミスに対する寛容さ』をもったアイアンのほうが安心感を持たれると思いますが、私は少し違っていて、このようなプレイヤーの意図をしっかりと汲み取ってくれるアイアンのほうが、安心できる部分があります。
それでいながら、『マッスルバック』のようなシビアさはあまり感じられなかったので、神経質になることもありません。
アイアンは『左右の曲げ幅』もそうですが、『距離感』がより求められるので、こういった扱いやすいアイアンはすごく実戦的な感じがします。
見た目から、このアイアンはどちらかというと『オートマチック』的なアイアンかと思っていたのですが、実際はとても優れた『マニュアルタイプ』のアイアンだと思いました。
フェース面

『打感』は予想通り、すごくいい感じがしました。
とてもソフトな感じで、見た目の美しさとマッチしている感じがします。
『左右のライン』もそうですが、『縦の距離感』を少ない球数ですぐにつかむことが出来ました。
この感触の良さは、とても楽しい気分にさせてくれますし、それ以上に『安心感』を与えてくれます。
何と言いますか、上手く表現できないのですが、『ライフル』で狙ったようにターゲットに正確に球を運んでいけるタイプのアイアンなのではないか?思いました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、私はノーマルな感じがしました。
見たところ、それほど低重心にこだわって作られているようにも見えなかったですし、実際に打ってみても不自然な上がり方はしないアイアンだと思いました。
店員さんの説明によると、このアイアンにも『タングステン』が充填されているそうなのですが、実際に打ってみても、それをはっきりと感じることはありませんでした。
日頃低重心アイアンで慣れておられる方には、やや高さを出していきづらく感じられるかもしれませんが、それほど『タフ』なアイアンだとは思いませんでした。
スインガータイプの方には、やや扱いづらく感じられるかもしれませんが、このようなアイアンのほうが、『ナチュラル』に感じられる方も多いのではないでしょうか?
バックフェース

『安定性』という点では、先ほども書きましたが、私が打つ前に思っていたよりは、少し『シビア』な感じもします。
明らかに『大きなミス』を見逃してくれるタイプのアイアンではありません。
そういった意味では、最近のアイアンの中では、少し難しい部類に入ってしまうのかもしれません。
最近のアイアンは、とても易しいものが多いので、このアイアンを少し難しく感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、日頃『マッスルバック』は勿論、『ノーマルキャビティ』を使い慣れておられる方には、何の問題もないと思います。
『マッスルバック』ほどのシビアさはありませんが、ある程度の『ミート率』と『ヘッドスピード』が要求されるのかもしれません。
飛距離性能

『飛距離性能』という点では、最近のアイアンの中では、やや飛ばない部類に属するような気がしました。
しかし私が愛用しているアイアンよりは明らかによく飛びますし、そういった意味では優れているといえるのかもしれません。
しかし、これくらいまでの飛びならば、比較的少ない球数で距離感を出していけるので、ちょうどいいかな?と思います。
アイアンはドライバーのように『1ヤードでも飛ばす』というものではなく、『正確に距離を刻む』クラブなので、こういったアイアンが本来の仕事をしてくれるのだと思います。
アイアンにもっと飛距離を求めていきたい方は、先日試打した『ANSERアイアン』のほうが明らかに優れていると思いますが、私がもしどちらかとコースで使うとするならば、やはりこういったノーマルな感じのアイアンを選択するような気がします。
実戦では、少しでも不安に感じる部分を排除しておきたいので、自分の感覚よりは飛びすぎないアイアンを私は求めています。
ヒール側

あまり出会う機会が多くない『PING』のアイアンですが、とても好印象のまま試打を終えることが出来ました。
最初のほうでも書きましたが、私はこのアイアンを『安定性重視』のアイアンだと思っていたのですが、実際は『操作性重視』のアイアンだと感じました。
私はそういったアイアンが大好きなので、今日もとても楽しく試打をすることが出来ました。
ついつい球数も多くなってしまいました。
ピン S56 アイアン

決して『易しさ重視』のアイアンではないと思いますが、難しすぎないアイアンなので、このようなアイアンでショットを磨いていかれるのもいいのではないでしょうか?
『構えやすさ』『打感』『扱いやすさ』が、とても優れたハイレベルなアイアンです。
またしても私の購入意欲を刺激するアイアンが登場したな・・・。と思いました。
毎年感じているような気もするのですが、今年もすごくいいアイアンに出会えているので、とても幸せな感じがしながらも、どれを選ぶか迷ってしまうので、贅沢な悩みなのかもしれません。
今日はとても印象深く残ったので、この『S56アイアン』は、間違いなく『今年下半期の印象深いアイアン 2010』に入るな・・・。と思いました。
すごく気に入ったので、今度機会があれば、前回試打してとても好印象だった『ANSERアイアン』と同時に試打してみたいです。