ゴルフクラブ試打日記。          

ピン ANSER アイアン

PING ANSER IRON 
今日はこのゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは PING ANSER アイアン の7番 です。
AWT

シャフトは AWT です。
ロフトは32.5度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、トルクは1.6、シャフト重量は108g、バランスはD3、キックポイントは中調子です。
PING ANSER IRON 正面

久し振りに出会った、『PING』のアイアンです。
『アンサー』といえば、これまでのピンアイアンの代表的な存在であり、『名器』と呼ばれるアイアンでした。
そのアイアンは、私にはちょっと難しいタイプのアイアンでしたが、『アンサー2』というパターを私は数年間愛用していて、とても懐かしく思いました。
新品の時よりも、使い込んでいったほうが色が変色していって、カッコ良くなる・・・。という素晴らしいパターです。
新品の時はカッコよくても、時が経つにつれカッコ悪くなるクラブもありますが、それとは逆にカッコ良くなっていくので、ずっと長く使っていけますし、愛着が湧いてきます。
昔の『クラシッククラブ』には、そんな素晴らしいクラブがたくさんありました。
PINGは老舗メーカーであり、これまで数々の名器を世に生み出してきました。
PING ANSER IRON 彫りの深さ

『彫りの深さ』は、標準的といったところでしょうか?
それほど深い感じもしなかったですし、最近よく見られるような感じがしました。
PING ANSER IRON ネック部分の凹み

ネックの部分が凹んでいます。
これはとても珍しいと思いました。
スイング中、ネック部分はとても負荷がかかるところであり、少しでも頑丈にしておきたい・・・。と私は思っているのですが、敢えてこのような形状にしているのには、大きな理由があるのだと思います。
『重量配分』などを考えて、このような形状になっているのでしょうか?
強度さえしっかりと保たれていれば、それでもいいとは思うのですが、少し謎が残ったような気がしました。
PING ANSER IRON ソール幅

『ソールの幅』も、少しワイドな感じがしました。
しかし、扱いづらそうな感じのワイドソールではありません。
これくらいならば、上手く抜けてくれそうな予感がしましたし、『トップ』や『ダフリ』といったミスの原因にはならないと思いました。
このアイアンは見るからに『易しさ』を感じさせるのですが、それが度を超していないところに好感を持つことができました。
ソール幅が広すぎると、私は難しさを感じてしまいます。
PING ANSER IRON ソール部分のウェイト

しかし、このソール部分全体にわたる『ウェイト』のような物が目に飛びこんできて、かなり珍しい感じがしました。
これまでの経験上、これはおそらく『タングステン』に間違いないと思ったのですが、これほどまで広い範囲に充填されているものは、ちょっと記憶にありません。
それくらい、かなりの広範囲にこのウェイトが組み込まれています。
ソール幅はそれほど広くはありませんが、かなり重心が低いアイアンなのだろうと思いました。
PING ANSER IRON ホーゼル長さ

ホーゼルの長さも、少し短いくらいかな?と思ったのですが、それほど極端な感じはしませんでした。
すごく打ちやすそうで、それでいながら、扱いやすさも感じることが出来ました。
『ネックの凹み』以外、特に違和感を感じるところはありませんでした。
ピン アンサー アイアン 振り感

これくらいたくさんタングステンがヘッドに組み込まれていたら、さぞかし重くなるだろうと思いましたが、素振りをしていて、特にそんな感じはしませんでした。
これまでのアイアンと同じような感覚で振っていくことが出来ました。
久し振りの『PING』のアイアンであり、軟鉄鍛造なので、次第にボルテージが上がってきました。
PING ANSER IRON 構え感

ボールを前にして構えてみると、それほど『シャープさ』は感じなかったのですが、すごく打ちやすそうな雰囲気が伝わってきました。
『PING』のアイアンといえば、昔から海外メーカーらしい、その独特な形状が特徴のひとつですが、このアイアンは、少し『日本風』といいますか、親しみやすい感じがしました。
私は洋風のアイアンの形状を苦手としていて、これまでも目にすることはあっても、あまり試打はしてこなかったような気がします。
見た目だけで判断するのではなく、実際に打ってみないとそのクラブの良さも解らないですが、何度か打ってみても、やはりどうも『しっくり』こないことが多くありました。
しかし、このアイアンには好感を持ちながらも、違和感を全く感じませんでした。
『セミラージサイズ』といっていいのでしょうか?
少しフェースの面積が大きく見えました。
『小顔』のアイアンに苦手意識を持たれる方には、これくらいの大きさは、かなり構えやすいのではないでしょうか?
大き過ぎるヘッドに苦手意識を持たれる方もたくさんいらっしゃると思いますが、この大きさだとその心配も無いのではないでしょうか?
『小顔』を好む私ですが、このアイアンには、とても好印象を持ちました。
このアイアンは、いわゆる『一目惚れ』する感じの形状では無かったのですが、すごく構えやすいですし、『イメージライン』も描きやすくて落ち着いて構えることが出来ました。
肩の力が抜け、下半身が『どっしり』と構えられているときは、『ナイスショット』の確率が高いのですが、今日はそんな感じが一球目からしていました。
逆に構えづらいクラブの時は、肩に力が入り、体の重心が上のほうにあり、両足が踏ん張れていないことが多いような気がします。
そういった時の一球目は、私の場合、大抵『ミスショット』です。
『打点』もバラバラです。
しかし、今日はすごくいい予感を持ちながら構えることが出来ました。
全く不安は感じません。
こうして構えていても、番手を表す刻印を目にすることが出来るので、番手間違いでショットしてしまう危険が減るような気がしました。
このような工夫は、『構えやすさ』を全く邪魔しないので、とてもいいことだと思いました。
試打を開始しました。
PING ANSER IRON フェース面

まず感じたのが、その軟鉄鍛造アイアンが持つ、素晴らしい感触です。
1球目からすごくいい感触を楽しむことが出来ました。
やはり軟鉄アイアンの打感は、練習を楽しくさせてくれます。
練習していても、全く飽きることがありません。
ついつい球数を多く打ってしまいます。
マイアイアンは『マッスルバック』なのですが、このアイアンの打感もすごく好印象でした。
これだけのたくさんの『創意工夫』が施されていて、『人間の手』が加えられていながら、『打感』はとてもナチュラルな感じがしました。
『セミラージサイズアイアン』でありながら、『大味』なところは全くありませんでした。
すごく繊細な打感を楽しむことが出来ました。
こういった形状なので、おそらく『スイートエリア』も、ある程度広そうなのですが、それによる『反応の鈍さ』といいますか、『曖昧さ』のようなものは感じられませんでした。
すごく『クリアな感触』といったらいいのでしょうか?
ある意味『透明感』を感じさせてくれました。
このアイアンの打感は、すごく気に入りました。
PING ANSER IRON トゥ側

『球のあがりやすさ』という点でも、かなり優れています。
やはりこの『タングステン』が効いているのでしょうか?
高重心アイアンでスイングを覚えた私はどうしても『上から潰して』いきたいのですが、今日はこのアイアンの形状から、ボールの手前から薄く拾っていくイメージで打っていったのですが、球がすごく上がりやすかったですし、弾道がかなり高く上がりました。
自分では、それほど高く打っているつもりはなかったのですが、予想よりもかなり高く上がっているので、もう少し抑えていこう・・・・。と思うほどでした。
このアイアンも、私にとってはいわゆる『ストロングロフトアイアン』なのですが、そんなロフトが立っていることさえ忘れさせるほどの、『高弾道』『球の浮きやすさ』でした。
少々薄めにヒットしても、上手く拾ってくれる感じがしたので、日頃アイアンの高さ不足を感じておられる方にも好印象が得られやすいのではないでしょうか?
PING ANSER IRON バックフェース

『安定性』が高いことも、このアイアンの大きな特長だと思いました。
全く『シビア』な感じがしません。
今は、『易しい軟鉄鍛造アイアン』を数多く見かけるようになりましたが、この『PING ANSERアイアン』は、それらの中でも、間違いなくトップクラスに入るのでしょうか?
すごくイージーなアイアンだと思います。
『軟鉄鍛造アイアン』は、難しい・・・。パワーがないと上がらない・・・。スイートエリアが狭い・・・・。などとマイナスイメージを持っておられる方がいらっしゃるのは承知していますが、そういった方々にも是非このアイアンを試して頂きたいと思いました。
かなり『軟鉄鍛造アイアン』に対するイメージが変わるのではないでしょうか?
確かに昔は、ある程度シビアな物が多かったかもしれませんが、今はそんなことはありません。
すごく親しみやすくて高性能な物がたくさん登場しています。
その中でも、このアイアンは、かなり好感度が高いです。
これだけの易しさを持っていながら打感がいいので、この好感触を味わうことなく敬遠するのは、とても勿体無いことのように思えてきました。
自分の決めたラインの通り、気持ちよくクラブを振り抜いていきさえすれば、クラブが勝手にボールをそのライン上に浮かせてくれるアイアンだと思います。
何球打っても、全くシビアな感じがしません。
こういった『高フィーリング』『イージーアイアン』を使ってみるのもいいな・・・・。
と、またいつもの私の購入意欲が芽生えてしまいました。
PING ANSER IRON 操作性

『操作性』という点でも、なかなかいい感じでした。
何球ボールを打っていても、変なクセが全く感じられず、素直に曲げていくことが出来ました。
『スライス』も『フック』も、それほど難しく感じることなく打っていくことが出来ました。
しかし、このようなタイプのアイアンを求めておられる方や、このアイアンの特性などからして、それほど『インテンショナル』なショットを打っていくタイプのアイアンではないような気がしました。
『大きなフック』を『ドロー』へ・・・。『大きなスライス』を『フェード』へ・・・。
そんなタイプのアイアンだと思います。
車に例えると、間違いなく『セダンタイプ』だと思いますが、かなり高級で安心感が得られる『高性能セダン』だと思いました。
この高性能を活かしながら、ゴルフをプレーするのも、とても意義のあることだと思いました。
PING ANSER IRON 飛距離性能

『飛距離性能』という点では、やはり私の感覚では『6番以上』飛んでいく感じがあるのですが、今ではこれくらいがやはり標準なのではないでしょうか?
今ではどのメーカーも、これくらいのロフトにしていますし、この適度な『低重心』や『慣性モーメントの大きさ』などが、ロフトが立ったことによるデメリットをうまく消してくれているような気がします。
スイートエリアが狭くて、ちゃんと当たるだろうか・・・?といった不安がないので、気持ちよく振り抜いていけると思いますし、それがこの飛距離性能につながっていくような気がします。
それほど『超・ストロングロフト』でもないので、アイアンにもドライバー同様、『飛距離性能』をまず第一に求め、他の誰よりも飛ばしていきたい・・・・。と思っておられる方には、あまり適してはいないのかもしれません。
しかし、アイアンのロフトが立ちすぎると、メリットよりもデメリットのほうが大きくなる・・・。と感じておられる方には、これくらいまでがちょうどいいのではないでしょうか?
しかし、それでもやはりある程度の飛距離を求めていきたい方が多いと思いますし、このアイアンはそういった方々の要求にもきちんと応えてくれるところがあると思います。
PING ANSER IRON ヒール側

1.優れたフィーリング性能。
2.敷居の低さ
3.飛距離性能
4.適度な操作性
の4つが秀でているアイアンだと思いました。
ピン アンサー アイアン

かなり久し振りに出会った『ピン』のアイアンでしたが、とても楽しむことが出来ました。
なかなか試打を止めることが出来ませんでした。
こういったとても打ちやすくて、素晴らしい感触を一人でも多くの方に味わって頂きたいと思いました。
最近は、この数ヶ月にポッカリと空いた穴を埋める為に練習場に来ているような感じなのですが、この素晴らしいアイアンを紹介してくれた店員さんに感謝したいと思いました。
私も早速仲間達に知らせてあげようと思いました。
PING ANSER IRON
 
今日は思いも掛けずに、このピンのアイアンに出会うことが出来たのですが、ずっと魅了されてしまいました。
最後まで『ネックの凹み』の謎は解けませんでしたが、構えたときに目に入らないですし、それほど気にする必要もないと思いました。
これまでいい印象を持ちながらも、それほど強く記憶に残らないクラブも数多くありましたが、このアイアンはずっと記憶の中に残るような気がしました。
易しい軟鉄鍛造アイアンを探しておられる方には、是非お薦めしたいアイアンです。
今年の『アイアン・オブ・ザ・イヤー』の候補の一角として、間違いなくノミネートされるであろう、素晴らしいアイアンでした。
これからも数多くのピンのクラブに接していきたいです。