今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド M5 ドライバー です。
シャフトは KUROKAGE TM5 です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は56g、トルクは4.1、バランスはD3、キックポイントは中調子、クラブ総重量は308g です。
テーラーメイドのニュードライバーです。
先日、M6を試打しましたが、今日は姉妹モデルのM5を試打する機会に恵まれました。
今回のテーラーメイドのニューモデルは私の周りでも話題になっていて、その人気の高さが伺えます。
私は、ゴルフクラブに『鮮度』を感じることがあります。
どういうことかといいますと、食料品のように、ゴルフクラブにも鮮度といいますか『旬』のようなものがあって、早く食べなければ(使わなければ)、腐らせるというと表現が良くないですが、最も美味しい時期を逃してしまう・・・。ということです。(それは性能や品質の劣化ということではありません。)
そういった意味でも、テーラーメイドのクラブは、生鮮食料品で魚や野菜に近いところがあるかもしれません。
もちろん、長く使おうと思えば問題なく使えますが、鮮度といいますか、流行に敏感なところがあるように思います。
対して地クラブメーカーと呼ばれるクラブの多くは、何年も同じモデルが発売されていて、それが色褪せることはありません。
いいものはいつまで経ってもいいです。
食料品でいえば、長く保存がきくように作られた、燻製や漬物・干し柿・・・etcといったところでしょうか?
燻製や漬物・干し柿などは、その素材を長持ちさせるだけでなく、そうすることでその素材の美味しさをさらに引き出すという大きな長所があります。
昔冷蔵庫が無くて、貴重な食料品の保存をどうするかということについて、先人の知恵は素晴らしいですし有り難いです。
渋柿も干してしまえば、甘みが増します。
生鮮食料品と燻製・・・etc。どちらがいい悪いではなく、常に新たな発想で、しかも早いサイクルで私たちゴルファーを楽しませてくれるテーラーメイドにはいつも感謝しています。
ちょっと話が横に逸れてしまいましたが、このドライバーは、形状的にはシャロー系のラージサイズドライバーです。
これまでのモデルと変わらないような感じがします。
しかし、ソールにはウェイトが配置されていて、それが色々なポジションへ移動できるようになっています。
こういったウェイトを移動させるのはテーラーメイドのドライバーでは、ごく普通のことだと思いますが、M6には無かったので、姉妹モデルであっても、特徴を大きく変えてきているのが分かります。
まずは買ったときの状態から試してみて、それから色々な位置にウェイトを移動させて、自分に合うように調整していくのはメリットも大きいですし、とても楽しいことではないでしょうか?
ソールのフェース寄りには『SPEED INJECTED』の文字がありました。
これはM6と同じです。
M5とM6では、機能性に違いをもたせているけれど、基本的なコンセプトは同じなのだということが分かります。
ネックは少し短いですが、見慣れた長さです。
おそらくM6と同じ長さではないでしょうか?
M6同様、ネックには調整システムが搭載されています。
このフェース面もM6と同じです。
これまでのモデルよりも、フェース面の質感が良くなりました。
このビスのような物も同じです。
ゴルフクラブの中で、フェース面は色々なルールで規制されている部分でもありますし、強度的なことなどからも、とてもデリケートな部分だと思うのですが、それにあえて手を加えているのが凄いです。
これまでに無い発想ですし、こういったことができるのが、テーラーメイドの強みでもあります。
まさに『コロンブスの卵』的メーカーといったところでしょうか?
テーラーメイドがいくつもの流行を生み出したといっても過言ではありません。
テーラーメイドというメーカーが存在しなかったら、まだまだパーシモンの時代は長く続いたような気もしますし、メタルやチタンの登場が遅れていたかもしれません。
テーラーメイドの功績はとても大きいです。
見慣れた感じのシャローです。
今ではこういったタイプが一番多いような気がします。
シャローではありますが、シャロー過ぎないところがいいです。
先日も書きましたが、『スタンダードシャロー』といっていいのではないでしょうか?
ディープタイプは敬遠してしまうけど、かといって薄すぎるのもなあ・・・。という方にも、この形状は親しみやすく感じられるのではないでしょうか?
顔の印象は、M6と少し変わりました。
M6と同じような感じではあるのですが、このM5のほうが、若干ヘッド後方が膨らんでいて、フック系をイメージさせます。
極端な違いではないのですが、異なるタイプだということが分かりました。
今度同時に打ち比べてみる機会があれば、まずはこの顔の違いを見比べてみたいです。
このカーボンクラウンはM6と同じです。
素材も大きさも統一してあるように見えます。
装着されているグリップも、これまで同様、シンプルなタイプです。
ヘッドにすごくたくさんの工夫がされているので、少し味気ないような感じがしないでもないですが、あえてこういうシンプルなタイプにしてあるのだと思いますし、これもいいものです。
素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
最近のテーラーメイドのドライバーの中では、結構重量感があるように感じました。
このKUROKAGEが標準シャフトなのでしょうか?
それとも、カスタムシャフトという扱いになっているのでしょうか?
おそらく、違うシャフトも用意されているんだろう・・・。と、先日M6を試打したときに違うシャフトだったので思いました。
ここ数年のテーラーメイドの弱点といえば、あくまでも私なりの考えですが、シャフトにあったように思います。
せっかくヘッドがいいのに、シャフトとのバランスが取れていないといいますか、シャフトが負けてしまっている・・・。と感じるドライバーがいくつかあり、その度に勿体ないなぁ・・・。と思うこともありました。
しかし今年のニューモデルである、このM5とM6には、そういったことを感じませんでした。
タイミングも取りやすいです。
ボールを前にして構えてみた感じは、まずまずでした。
ちょっとクセがあり、かなり前に試打し、強烈なインパクトを残したドライバー『バーナードロー』というドライバーとイメージが少し被りました。
一度だけしか試打していないのですが、私は全く打てずお手上げになってしまったドライバーです。
ボールが左にしか行きませんでした。
このドライバーはそこまで極端ではないですが、少し似ているところがありました。
フェード系というよりは、明らかにドロー系をイメージしやすいドライバーです。
『顔』として見たときはあまり気にならなかったのですが、こうしてボールを前にして構えてみると、フェースが少し被っているように見えました。
やはりラージサイズでは、これくらいが標準といいますか、当たり前のことなのかな?と思いました。
姉妹モデルで似ているのは当然ですが、顔という点では、私は先日試打したM6のほうが好きです。
試打を開始しました。
打感は好感が持てました。
M6を試打して、まだ間もないので、このような打感を予想していました。
しっかりしていますが、硬いということはなく、適度な手応えを楽しめます。
フェースに乗るというよりは、完全に弾く感じが強いですが、これも今のドライバーの特徴といっていいように思います。
右に滑る感じは無く、しっかりとつかまえてくれているのが弾道を目で追わなくてもわかる打感です。
『音』もはっきりしていて、こちらに伝わってくるものがありました。
高すぎず大きすぎず、インパクトを邪魔しません。
テーラーメイドはどちらかというと、『フィーリング重視』というよりは、『機能性重視』『合理性重視』といった印象もありますが、今回のニューモデルのフィーリングは『ど真ん中』というわけではありませんが、好感が持てました。
『球のあがりやすさ』という点ではM6同様、普通だと思いました。
タフなタイプではないですが、かといって特別あがりやすくなっているような感じはしませんでした。
このドライバーのロフトは一桁ですが、昔のドライバーのようなハードルの高さは感じません。
今のドライバーの中でも標準的だと思いますが、どちらかといえばヒッター向けなのかな?と思いました。
もちろん、これは2つのウェイトを移動させれば、その印象もかなり違ってくるのは間違いありません。
専用の工具が無かったので、このまま試打したのですが、このポジションがノーマルなのでしょうか?
テーラーメイドは、これまでも色々なパターンでウェイトを移動させてきました。
今回も違うパターンできましたが、その効果は、これまでと大きく変わらないような気がします。
『安定性』は、かなり高いです。
しっかりとつかまった球が、ブレることなく飛んでいきました。
私にはつかまる感じがして、ややドロー系になったのですが、それでも大きくは曲がりませんでした。
私は左側へのミスを嫌うのですが、このドライバーは気になりません。
先日試打したM6も、かなり安定性が高いと感じましたが、このドライバーも同様です。
しかし、このドライバーのほうがつかまりがいいように感じますし、何よりウェイトを移動させて自分に合うようにカスタマイズできるという大きな長所をもっているので、このM5のほうが好きだという方も多いのではないでしょうか?
『飛距離性能』も優れていました。
予想していたといいますか、期待していたところまで、安定して運んでくれました。
今は初速の速いドライバーがたくさんあります。
しかし、テーラーメイドのドライバーはそれらと比べると、若干緩めかな?と思うことがよくありました。
今年のモデルは、そういったことが感じられません。
ルールギリギリまで反発係数を高めているということで、メーカーの本気度が伺えます。
ただ、たくさんのロットの反発係数を厳密に計測すると、そこにはある程度のバラつきがあるような気がします。
日本の地クラブメーカーはその点を、かなり厳密にといいますか、シビアに作っているものが多いですが、テーラーメイドはそういった点に少し『大らか』なところがあるので、個体差も出てくるのではないか?と思いました。
『操作性』という点ではM6同様、安定性が勝ってしまって、なかなか思うようには曲げられませんでした。
私はフッカーだということもあるせいか、どちらかといえばフック系のほうが易しく感じられましたが、それでも大きく曲げるのは難しく感じました。
今日は練習場でしたが、もしコースで使うのであれば、ほんの少し右を向いてそこから小さく戻していく感じがちょうどいいかな?と、試打しながら感じていました。
実際に打ち比べてみないと分かりませんが、M6よりはこのM5のほうがつかまりやすい設計になっているのではないでしょうか?
とはいっても、先ほどから書いている通り、このドライバーにはウェイトを移動させる機能が付いているので、かなり性能を変えられます。
ウェイト移動システムは、ひとつのクラブに色々な顔をもたせてくれます。
私はこのままのポジションが一番いいように思うのですが、球がつかまりすぎる・・・。とか、もっと弾道を高くしたい、低く抑えたい・・・。といった感じで調整できるのが、このドライバーのM6にはない魅力です。
M5とM6を試打してみて、おそらくこのM5のほうが、M6よりは多くの支持を集めるのではないかな?と思いました。
球もつかまりやすいですし、ウェイト移動システムが大きく効いています。
ただ私は、調整機能を重視していないですし、顔の好みなどからも、どちらかひとつを選ぶとするならば、迷わずM6を選びます。
これはすぐに判断できました。
テーラーメイドらしい、斬新で柔軟な発想力。
そして、それを形にしていく技術力。
私たちユーザーは、簡単にこういった高機能なクラブを手にすることができますが、作る側としては、色々なアイデアを出していき、それだけでも大変なのに、それを実際に形にするのに、すごくたくさんの努力や苦労があるのは間違いありません。
変わったドライバーを作っても、飛ばなければ売れないですし、それにプラス今は安定性も強く求められています。
それらをクリアするのはとても大変なことだと思いますが、テーラーメイドは常に時代の最先端を走っていて、私たちゴルファーを楽しませてくれているメーカーです。
このM5とM6は、何度も試打をして楽しみたいです。
テーラーメイド M5 ドライバー
- 2019年2月8日
- テーラーメイド
- 前の記事へ
素振り用ドライバー
- 次の記事へ
バルド TTX FORGED アイアン