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2019年01月31日
テーラーメイド M6 ドライバー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド M6 ドライバー です。

シャフトは FUBUKI TM5 です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは45.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は54g、トルクは4.6、バランスはD2.5、キックポイントは中調子、クラブ総重量は299g です。

テーラーメイドのニュードライバーです。
この寒さが厳しいときにニューモデルが発売されるのは異例な感じもするのですが、テーラーメイドはいつも不定期でニューモデルを発表してきましたし、特別珍しいことではありません。
数か月後の本格的なゴルフシーズンに向けて、しっかりと使い込んで、備えていて欲しいというメーカーの願いもあるのかもしれません。
昨年試打したM3やM4の印象がとても強いのですが、早くも後継モデルの登場です。
テーラーメイドは世界一ニューモデルが登場する頻度が高いメーカーではありましたが、ここ最近変わってきました。
しかし、この時期にあえて発表してくるということは、それだけ自信作ということではないでしょうか?
カラーリングなどもあると思うのですが、何となく『ウルトラマン』を連想しました。

テーラーメイドらしい、メカニカルなラージサイズのドライバーです。
色々な工夫が見られますが、これまでのモデルと比べると、少しすっきりしたようにも見えます。

バックフェースには小さなウェイトがひとつだけ配置されています。
数字が刻印されていなかったので、重さは分かりません。
これだけ小さいウェイトなので、交換式ではないのかもしれません。

ネックは少し短く見えましたが、今のドライバーの中では平均的なほうだと思います。

ネックには調整システムが搭載されています。
これはテーラーメイドのドライバーなので、『常識』といっていいのかもしれません。
この調整システムが無いと不満だという方も、多くいらっしゃるのではないでしょうか?

試打するのは、この『STD LOFT』のポジションです。

ソールには大きな溝があります。
これは前のモデルから継承されている特徴です。

溝のそばには、『SPEED INJECTED』と表記されています。
これはどういったことなのでしょうか?

フェース面のデザインが変わりました。
前のモデル(M3&M4)も変わりましたが、さらに変わった感じがします。
質感が良くなったといったほうがいいかもしれません。
これまでのテーラーメイドのフェース面ではなく、弾きの良い地クラブメーカーの、ドライバーのフェース面に近い感じがします。
『あのメーカー』のフェース面にちょっとだけ似ているな・・・。と、フェース面を指で触れながら思っていました。
今までテーラーメイドのニューモデルはたくさん試打してきましたが、ここ数年はバックフェースやクラウン・ソールなどは大きな工夫が見られても、肝心のフェース面がずっと同じで変わらないな・・・。と思っていました。
あまりいい表現ではないかもしれませんが、正直チープに見えてしまうこともありました。
なので、ニューモデルに出会っても、これまで心が動くことは少なかったです。
いつも淡々と見ていました。
しかし、今回は大きく変わっています。
ここまで変えるのは久しぶりのような気がします。
フェース面のソール付近に、2つの丸いビスのような物が見えたので、これはウェイトの役目を果たしているのかな?と思いましたが、ここの位置にするのは不自然ですし、ウェイトを組み込むならソールだろう・・・。と思っていました。
しかし、実際は違っていました。
このドライバーのフェース面は、弾きが良くなるように最初から、かなり薄く作られていて、それだと高反発になって、ルール不適合になってしまうので、反発力を落とす為に、ジェルのようなものが充填されているのだと聞きました。
その為のパーツなのだそうです。
なるほど・・・。それは画期的なことだな・・・。と思いました。
これまでのドライバーは、反発係数を超えないように、いつも『ギリギリ』に削られていて、そこに神経をとがらせていたと思うのですが、このドライバーは最初から薄くしておいて、あとからルールに適合するように改良されているということで、逆転の発想だな・・・。と思いましたし、そういった柔軟な発想ができるところが、テーラーメイドの凄いところです。
だんだんとマイナスにする(削る)のではなく、最初から大きくマイナスにしておいて、あとからプラスにして、ちょうどいいところまでもっていく・・・。というのは、とても合理的だと思います。
ただ、どのくらい異材(樹脂のようなもの)が充填されているのか分かりませんが、フェースが最初からかなり薄く作られているということで、強度が気になりました。
今まで、高反発ドライバーでフェース面が凹んでしまったり、ヘッドが割れてしまったものをいくつか見てきたので、このテーラーメイドのニュードライバーはどうなのだろう?と気になりました。
しかし世界的なメーカーですし、多くの契約プロも使うので、そういったところはきちんとクリアになっているのだと思います。
最初から薄くしていて、あとから足していくほうが、ルールギリギリまでもっていくのが易しいのは間違いありません。
極端な話、全部組み終わってからでも、充分調整ができそうです。

フェース面のトゥ側には『TWIST FACE』の文字がありました。
これは前のモデルのM3とM4にも見られました。
このツイストフェースは、しっかりと継承されているようです。

ヘッドの大きさは充分ありますし、フェース高もありますが、シャローバックタイプになっています。
しかし、今はこれくらいが一番多いので、『スタンダードシャロー』といえるでしょうか?
見慣れた形状です。
今はディープバックタイプを探すほうが難しいです。

顔は予想していたよりも、いい感じでした。
もっとクセがあるのかと思っていましたが、そうではありませんでした。
前のモデルと同じような顔なので、前のモデルを使っておられる方も、そのままシフトしていきやすいのではないでしょうか?
これが新たな『テーラー顔』といっていいのかもしれません。

クラウンには、カーボンがコンポジットされています。
最初はM1からでしたが、その面積がどんどん大きくなってきているような気がします。
テーラーメイドは『ホワイトヘッドブームの立役者』といった印象がありますし、多くのメーカーが追随してきましたが、今はすっかりカーボンコンポジットが主流になりました。
私は白いヘッドも好きですが、どちらかというと黒いヘッドのほうが好きです。
しかし、白いヘッドを好まれる方もたくさんいらっしゃると思いますし、白いヘッドのニューモデルを待ち焦がれている方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
こうして見ていると、一口にカーボンコンポジットと言っても、色々な質感があるものだと気づかされます。
このドライバーの場合は、『量産型』といった質感です。
高級感はそれほど感じないですし、近くでよく見てみると、クラウンとカーボンの接合部分に、ちょっとだけムラがありました。
しかし、それは目立つものではないですし、強度的にも問題ないと思うので、あまり気にしないようにしました。
それと、たまたま私が手にした試打クラブがそうなっていただけなのかもしれません。
ただラウンド中、このカーボンが何処かへ飛んで行ってしまったら、大きなショックを受けるだろうな・・・。と思いました。
正しい使い方をして、保証期間内であれば、おそらくメーカーも補償してくれるだろうけど、自分ならそんなクラブはもう使いたくないな・・・。ということも思っていました。

装着されているグリップはシンプルなタイプです。
これまでもよく見てきました。
テーラーメイドはようやくフェース面の工夫に取り組みましたが、グリップはまだまだ気を配っていないようです。
とはいっても、特に不満のあるグリップではないですし、普通に使えます。
色々な工夫がされている機能的なヘッドには、このようなシンプルなグリップのほうが、相性がいいのかもしれません。

素振りをしてみると、なかなかいい感じでした。
今のドライバーは、かなりソフトスペックなものが多いですが、このドライバーはソフトスペック過ぎない感じがしました。
ハードなタイプではなく、シャフトもよくしなってくれますが、頼りない感じはありませんでした。
数回素振りを繰り返して、タイミングを整えることができました。

ボールを前にして構えてみると、いい感じでした。
クセは感じられず、ラインもイメージしやすいです。
今のドライバーはちょっとクセのあるもののほうが多いですが、このドライバーは違いました。
前のモデルの構え感とよく似ています。
今度機会があれば、見比べてみたいです。
ヘッドが大きく見えたので、安心感をもたれる方も多いのではないでしょうか?
私はもう少しコンパクト感があったほうが、いいイメージが描きやすいのですが、それは贅沢なことかもしれません。
今風(いまふう)の、大らかそうなドライバーだな・・・。と思いながら見ていました。
左方向へのミスが気にならないので、リラックスして構えることができました。
試打を開始しました。

まず感じたのが、この『安定性の高さ』といいますか、イメージしたラインを忠実に沿って描いていく『描写力の高さ』といったらいいでしょうか?
一球目から、かなりいい球を打たせてくれました。
ボールは白いので、白い絵の具で真っ直ぐ線を描いていくような感覚といったらいいでしょうか?
かなり力強いストレートボールです。
最近は曲がりづらいドライバーが多いですが、ここまで直進力が高いのは珍しいような気もします。
前のモデルも曲がりにくいドライバーですが、このニューモデルはそれに『ナチュラルさ』が加わったような印象をもちました。
それはヘッドの工夫もそうですし、装着されているシャフトFUBUKIの性能もあると思います。
元々FUBUKIはラインを出しやすいシャフトですが、それは今でも健在で、この最新ドライバーとの相性もバッチリなようです。
それから続けて打っていったのですが、まるで再現VTRを見ているように、同じような軌道を描いていきました。
なかなかブレる気配がありません。
球もしっかりつかまっていて、コスる感じはありませんでした。

『打感』は前のモデルと似ているところもあるのですが、少しクリアになったといいますか、『芯』のようなものを感じることができました。
これまでのモデルの打感を『分散型』とするならば、このドライバーはそれに少し『集中』が加わった感じ・・・。といったらいいでしょうか?
力の伝達効率もいいように感じました。
これまでのモデルも良かったですが、このドライバーも弾きの良さがあります。
ただ、私はこれまでたくさんの優れた地クラブドライバーを試打していますし、それとは別に高反発ドライバーも試打しています。
なので、このドライバーの反発力がルールギリギリに設定されているといっても、正直それほど強く感じませんでした。
弾きが弱いというのではなく、『特別感』は無いということです。
しかし、とても優れているのは間違いないですし、前のモデルよりも、明らかにパフォーマンス力が上がっています。

『音』は、はっきりとしていますが、大きすぎず高すぎないので、好感が持てます。
これまでも耳にしてきましたし、気になることはありませんでした。
インパクトが緩むこともなく、しっかりと振り抜くことができました。

『球のあがりやすさ』という点では、普通だと思いました。
タフなタイプではありませんが、どちらかというとヒッター向けです。
ロフトが10.5度ということもあり、しっかりとした打ち出しをキープしていけましたが、『あがりやすさ最優先』ではなく、しっかりと叩いていきたい方に合いやすいように作られているように感じました。
しっかりと速く強く振っていけるからこそ、この新たなフェースの弾き性能が活かされるような気もします。

『飛距離性能』は優れていました。
これくらいは飛んで欲しいな・・・。というところまで、充分過ぎるほどクリアしていました。
前のモデルのM3やM4も優れていると思いますが、私はこのM6のほうが好きです。
すごく大きく飛距離が伸びたとか、驚くような飛びということは正直感じませんでしたが、高いポテンシャルを発揮してくれました。
飛び性能の優れたドライバーにも、『ホットな性格』をしたタイプと、『クールな性格』をしたタイプがあるとするならば、このドライバーは後者のクールなタイプだな・・・。と思いました。
これまではクラブの性能や個性が、『足踏み状態』だと感じることは多くありましたが、このドライバーは確実に一歩前に進んでいるような気がします。
メーカーの工夫がちゃんと活きているドライバーです。
キャリーもしっかり稼げましたし、弾道も力強く、頼もしさがあります。

『操作性』という点では、かなり直進性が高いので、曲げることに苦労しました。
小さくは曲げられたのですが、大きく曲げるのはとても難しく感じました。
かなり極端にやったらどうだろうか?と思ったのですが、それは全く実戦的ではないので、やめました。
私はフッカーですが、このドライバーは易しく感じましたし、フェードボールヒッターの方にも、易しく感じられる『中立的なタイプ』です。
最近はこういうドライバーも増えてきました。
ネックにある調整機能を使えば、もっと色々な顔を見せてくれそうです。

寒さが厳しい今の時期に、こんな楽しいドライバーに出会うことができ、心も体も暖まりました。
あまり好感が持てないドライバーだと、数球で試打を終えることもありますが、今日は気づけば100球近く打ってしまいました。
このドライバーの魅力にハマり、夢中になってしまったのかもしれません。

色々なハイテクが搭載されているのはテーラーメイドらしいところですが、前のモデルの優れたところがしっかり継承されています、
高い機能性がありながら、それが邪魔に感じさせないところがすごくいいな・・・。と思いました。

ドライバーに限らず、アイアンなど他の番手のクラブでも、メーカーとしては、『フェース面』が一番気を遣うところといっていいのではないでしょうか?
スコアラインなどもそうですし、常に『反発係数』を気にしなければならないので、制限が多いパーツだと思います。
テーラーメイドは海外メーカーらしく、いつも『合理的』という印象をもっています。
日本の地クラブメーカーには『合理的』とは真逆の『緻密さ』『繊細さ』を感じることもあり、かなり気を配って作られているのが分かるときがあります。
こういったところは海外メーカーではあまり感じられないのですが、テーラーメイドがあえて、そのフェース面に独自の工夫を施してきたということで、メーカーの本気度が伺えます。
テーラーメイドはいつも『時代の先駆者』で『流行の担い手』といったところがありますが、今回も斬新なアイデアでクラブを私たちに届けてくれました。

このテーラーメイドのニュードライバーはとてもいいので、ライバルメーカーである、キャロウェイやタイトリストのドライバーとの打ち比べもしてみたいです。
どれも素晴らしいドライバーでポテンシャルが高いですが、『直進性の高さ』『ラインの正確さ』では、おそらくこのドライバーに軍配が挙がるだろうな・・・。と思いました。
それくらい、方向性に長けたドライバーです。
このドライバーもいいですが、私には弾道が高すぎたので、違うロフトでも試してみたいですし、せっかく調整機能が付いているので、色々なポジションでも試してみたいです。
今年は早くも一か月が経とうとしていますが、いいドライバーに出会うことができました。
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