ゴルフクラブ試打日記。          

タイトリスト VG3 アイアン

タイトリスト VG3 アイアン 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは タイトリスト VG3 アイアン の7番 です。
タイトリストVGi60

シャフトは タイトリストVGi60 です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはR、キックポイントは中調子、クラブ総重量は374gです。
正面

タイトリストのとてもカッコいいニューアイアンです。
タイトリストらしく、派手さは無いですが、高級感溢れる仕上がりになっています。
私はこういった落ち着いたデザインに魅力を感じます。
側面

整った形でありながら、丸みも帯びていて、それほど尖っている印象は受けません。
むしろ、とてもやさしい感じに仕上がっているように見えます。
美しいアイアンだな・・・。と思いながら見つめていたのですが、店員さんの説明によると、このアイアンは軟鉄鍛造なのだそうです。
昔は『軟鉄鍛造=シンプルなワンピース構造』のイメージが強かったのですが、今は製法技術も上がったのでしょうか?
様々な形状であったり、色々な付属物が付いていることも珍しくなくなりました。
一口に『鍛造』といっても、色々な方法があるのだそうです。
私はどうしても、あのカチンカチンと高音に熱し真っ赤な刀をたたき上げる『刀鍛冶』さんのイメージが消えないのですが、今は機械で大量に『鍛造』できるのだそうです。
ポケットの大きさ

ポケットもしっかりとあって、アンダーカットも入っているようです。
こういったタイプのアイアンの特長は、アイアン全体の形を崩さなくても、寛容性がとても大きいことだと思います。
いくら理論的に易しくても、構えづらかったら全てが台無しですが、こういったタイプのアイアンは、構え感が犠牲になっていません。
この新しいVG3アイアンも、そういったタイプのアイアンなのだろう・・・。と思いました。
ソール幅

『ソール幅』は、ごく標準的な感じに見えました。
特に狭くも広くも見えません。
今のアイアンでも、よく見かけるようなソール幅だと思います。
私はワイドソール過ぎるアイアンが苦手で、いわゆる『着地』が難しそうだな・・・。と、見ただけで思ってしまうのですが、このアイアンの幅だと、着地が上手く決まりそうです。
トゥ側とヒール側にウェイト

ソールのトゥ側とヒール側にウェイトがコンポジットされているのが、一目で解りました。
これによって、慣性モーメントも大きくなっているのでしょうか?
こういった工夫は、これまでもたくさん見かけてきましたし、タイトリストでいえば、私の大好きな『AP2』などがそうだと思います。
ネックの長さ

ネックは、やや短めといったところで、今のアイアンの主流といっていい長さだと思います。
今はこれくらいの長さがスタンダードになってきたような気がします。
全体的な形状などからも、かなり敷居の低そうなアイアンだと思いました。
構え感

ボールを前にして構えてみても、タイトリストらしい美顔です。
独特の光沢感のある顔だと思いました。
こういったところも、AP2と共通するところだと思いました。
トップラインはやや厚めで、グースも効いています。
あくまでも私の好みでいえば、もっとグースが弱いほうがいいのですが、これくらいのグースがちょうどいいと感じておられる方はとても多いのではないでしょうか?
今は様々なグースネックのアイアンがありますが、このアイアンはそれほどきつ過ぎないので、『セミグース』といったところでしょうか?
特に苦手意識も芽生えることなく、落ち着いた気分で構えることができました。
ただひとつ不安材料があるとすれば、装着されているシャフトがカーボンであり、かなり軽量であるということです。
このアイアンはスチールシャフトもラインアップされているのだそうですが、見当たらなかったので、このままカーボンシャフトでトライすることにしました。
軽すぎたり、軟らかすぎるクラブは、ゴルファーのスイングの弱点を教えてくれることも多いので、今日はこのアイアンにスイングを診てもらおう・・・。と思うことにしました。
試打を開始しました。
Titleist VG3 IRON

『打感』は、とてもいい感じでした。
軟鉄鍛造なので、このグッドフィーリングはある程度予想できていたところではありますが、とても好印象でした。
柔らかいことは柔らかいのですが、それよりも『軽い』という印象を受けました。
『球の抵抗感』が極端に少ない・・・。という感じがしました。
一球目から、割といい感じで打つことができ、このアイアンの高いフィーリンス性能を楽しむことができました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、かなりレベルが高いアイアンだと思いました。
ソールが薄くてネックも長い高重心なアイアンは、昔から『上から潰す』感じで、スピンを掛けて球を上げていたのですが、このような計算され尽くした低重心アイアンは、そういったスイングをしなくても、自然と球が勢い良く上がってしまいます。
下からしゃくり上げるような感じだと球は上がりませんが、普通にボールとフェースをコンタクトさせるだけに自然と上がってくれるので、かなりイージーに感じられると思います。
ヘッドの形状プラス、装着されているカーボンシャフトもあがりやすくなっている大きな要因だと思います。
タイトリストの『VG3シリーズ』は、まだ歴史の浅いブランドだと思いますが、タイトリストらしい、上質な感じと、とても親しみやすい性能が上手く融合した高性能なクラブばかりだという印象があります。
バックフェース

『安定性』という点でも、かなりレベルが高くて、見た目のカッコ良さの印象以上に易しいアイアンだと思います。
寛容性が高く、シビアな感じは全くしません。
『フルキャビティの易しさ』に加え、『アンダーカット構造』による直進性の強さが感じられるアイアンだと思います。
アイアンに『ミスに対する許容度の大きさ』と求めておられる方にも、かなり魅力的に見えるのではないでしょうか?
ただ、私はやはり『軽さによる不安』をずっと感じていましたし、いつも通りの感覚でなく、『よそ行きのスイング』をしていました。
気持ちよく振りきっていくには、正直重量感が全く足りないと思いました。
軽いクラブというのは、予想以上に難しいものです。
これまで体に染みついた感覚が通用しないからなのかもしれません。
飛距離性能
 
『飛距離性能』が優れているということは、一部のアイアンを除いた、今のアイアンの『必須条件』といったところだと思いますし、このアイアンもその条件を充分に満たしていると思います
このようなロフトの立ったアイアンを私自身がコースで使うのであれば、敬遠したいと思っているのですが、私の考えはもはや時代遅れなのかもしれません。
7番アイアンでロフトが30度ということも、今ではごく普通のことなのかもしれません。
ロフトが34度以上寝ている7番アイアンを探すほうが難しいことのように思います。
ただ、私はやはりこれまでのノーマルなアイアンを、たとえ時代遅れであっても、使い続けていきたいと思っています。
ストロングロフトに頼る必要性を、今のところ私は感じていません。
操作性

『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
形状的にも、実際の性能でも、『セミオートマチック系』のアイアンといえると思います。
左右に曲げてみることも難しくはありませんでしたが、できるだけ曲がり幅を抑えてコントロールしていきたいタイプのアイアンだと思います。
マッスルバックを『ミリの操作性』
ラージサイズのフルキャビティを『10センチ単位の操作性』
とするならば、このアイアンは
『センチの操作性』
といったところかな?と思いました。
ヒール側

全体的な雰囲気も良く、タイトリストらしい、カッコいいアイアンでした。
フィーリングも良く、顔もなかなかいい感じなので、特に欠点が見当たりません。
敢えていうならば飛び過ぎるところですが、これは逆に今の時代は長所といえるのだと思います。
タイトリストのアイアンで、この美しい外見から、ある程度予想はしていたのですが、やはり『日本製』ということで、好感度がもっとアップしました。
タイトリスト VG3 アイアン

繊細なフィーリングと、イージーさ、飛距離性能の優れたアイアンだと思います。
今の多くのゴルファーがアイアンに求める性能が、このアイアンにギュっと凝縮されているといっても過言ではないような気がしました。
タイトリスト VG3 アイアン

こういったタイプのアイアンは、このVG3が初めてではないですし、それほど斬新な感じがしなかったのも事実ですが、とてもバランスのとれたアイアンであることに違いありません。
タイトリストファンの方はもちろん、易しくてフィーリングも良くて、飛距離も出せるアイアンを探しておられる方は是非一度試してみられてはいかがでしょうか?
このアイアンは、これからもたくさん出会う機会があると思うので、また何度でも試打を楽しみたいです。