今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは タイトリスト MB アイアン 716 の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールドAMT です。
ロフトは35度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、バランスはD2、クラブ総重量は433gです。
タイトリストのマッスルバックアイアンです。
2年に一度、出会えるのをいつも楽しみにしています。
今年も出会うことができて、とても嬉しく思いました。
最近はマッスルバックを発表しているメーカーも増えてきましたし、昔よりも敷居が低くなった感じがして、親しみやすさが増しています。
かなり薄くてシャープなアイアンです。
マッスルバックらしい、贅肉の無さが特徴的です。
かなりソール幅が狭いです。
最近では珍しいです。
私がゴルフを始めた頃のアイアンを思い出しました。
今はマッスルバックも増えてきましたが、ここまで狭いのは珍しいです。
この『ナローソール』に、親しみづらさのようなものを感じられる方もいらっしゃるかもしれません。
もっと広いほうが、球があがりやすくて易しそうだ・・・。と感じられる方は多いかもしれません。
しかし、昔からこのようなソール幅のアイアンを使ってきた私は、それなりにいいことがあることも経験則として解っているつもりです。
それはどういうことかといいますと、『悪いライに強い』ということです。
ラウンドしていると、絶好のライで打てることはとても少ないです。
ディボット跡やベアグランドなど、難しい場面で打たなければならないことは多いです。
いいライで打てるほうが圧倒的に少ないです。
傾斜などもありますし、そういったことが練習場との大きな違いだと思います。
ライが悪いので、100%のショットは難しいですが、それでも70点・80点のショットは打てる気がします。
ソールが広すぎないと、何とか拾っていくこともできます。
なので、大きなミスにはつながりにくく、カバーしていくことができます。
いいライだと、ワイドソールのイージー系アイアンは威力を発揮しやすいですが、難しい場面での対応力という点では、『ノーマル幅』に分があるように思います。
なので、私はこのソール幅を見て、今どき珍しいな・・・。と思いながらも、懐かしいな・・・。という思いもありました。
ただ、一般的には、このソール幅は敬遠されるかもしれない・・・。と思いました。
他のメーカーのマッスルバックと比べても、この狭さは群を抜いています。
ソール部分をよく見ると、異材がコンポジットされているように見えました。
『単一素材』ではなく、『複合素材』なのでしょうか?
ソール幅を狭くしても重心が高くなりすぎないように、タングステンが組み込まれているのかな?と思いました。
CBはタングステンが組み込まれていたので、その流れで、このMBもそうなっているのかな?と思いました。
先日試打した『AP2』や『CB』には、『TUNGSTEN』の文字がありましたが、このアイアンにはありませんでした。
しかし、実際は組み込まれているのではないかな?と思いました。
ネックの長さは平均的です。
特にロングネックだとは思いませんでした。
トップラインは薄くてシャープです。
鋭利な感じがして、イメージを鮮明に描けそうです。
アイアン本来の形状をしています。
丸くて太いタイプだと、イメージがボヤッとしてしまうことがありますが、このアイアンにはそういったことにはなりにくいだろう・・・。と思いました。
フェース面にミーリングはありませんでした。
ノーマルなタイプです。
タイトリストらしい、柔らかさを感じさせるフェース面です。
ボールを前にしてみると、そのシャープさに少し驚きました。
まるで、昔のアイアンを構えているようです。
最新のアイアンを構えているようには見えませんでした。
このシャープな構え感は、今どき珍しい『個性』といっていいと思います。
昔はよく目にしていましたが、今では全く見られません。
712から714に変わったとき、それほど大きな変化は無いな・・・。と思ったことをよく覚えているのですが、今回のこの714から716への変化は大きいな・・・。と思いました。
変化が感じられるので、こうして構えているだけで、ワクワクしてきます。
小顔タイプで、ボールも大きく見えます。
ボールを操るイメージがすごく出ました。
『集中力が出やすい顔』といったらいいでしょうか?
余計なことが頭に浮かぶこと無く、このシャープな顔に見とれていました。
『CB』もシャープなタイプですが、このアイアンのほうがさらにシャープさが増しています。
試打を開始しました。
『打感』は、かなりソフトです。
予想していた通りのグッドフィーリングでした。
軟鉄の柔らかさと適度な厚みのある『押して』いける感触です。
当たり負けすることなく、厚みで押していけるタイプです。
最近は『反発力』を感じさせるアイアンも増えてきましたが、このアイアンは昔ながらの『乗っかり』のいいタイプです。
コントロール性を高められるフィーリングです。
『球のあがりやすさ』という点では、ナチュラルな感じでした。
本来の7番アイアンらしいロフトで、自然な高さです。
『浮きやすい』というのではなく、どちらかというと『食い付いてスピンが適度に掛かり』上がっていく感じといったらいいでしょうか?
グリーンを横からではなく、上から攻めていけるタイプです。
飛び系アイアンでは出しづらい感覚です。
『安定性』という点では、マッスルバックらしいシビアさがありました。
『芯』は、それほど広くはないと思いますが、その芯で捉えられたときの打感は格別でした。
『ナチュラル系』のアイアンなので、高機能タイプのアイアンとはまた違った特性をもっていますが、こういったアイアンはやはりいいものだと思いました。
『曖昧さ』のないアイアンなので、この打感と音だけで、ボールの方向性を把握しやすいのも長所です。
『飛距離性能』という点では、今のアイアンの中でも、はっきり飛ばないほうだと思います。
『飛ばない』というよりは、『適正な飛距離』というほうが正解だと思うのですが、今は飛びに優れたアイアンがたくさんあって、『番手感覚』が出しづらいように思います。
『刻む』『距離をコントロールする』『飛びすぎない』というタイプのアイアンです。
飛びを求めておられる方には、やや物足りない部分があるかもしれません。
『操作性の高さ』は、最高レベルでした。
どうしてこうも自由に球を曲げていけるのだろう・・・。と、最近の曲げにくいアイアンをたくさん試打していると思ってしまいます。
左右に曲線を描いていけるので、ボールが活き活きとしているように見えました。
ボール自身が意思を持って飛んでいるように見えました。
変なクセは無いので、ドローヒッターの方も、フェードヒッターの方も、とても扱いやすいタイプのアイアンだと思います。
ソールの狭さと、シャープな構え感が強く印象に残りました。
打感の良さや、操作性の高さは、特に変わった感じはしませんでした。
しかし、それはとてもいい意味で変わっていないということです。
かなり昔に戻ったような感じのするアイアンでした。
懐かしさは感じましたが、昔のアイアンよりはイージーではないかな?という思いもありました。
タイトリストのアイアンは、他の海外メーカーと比べてみても、すごく日本的な感じがするのですが、訊くところによると、やはりメイドインジャパンなのだそうです。
ならば、ぜひ『MADE IN JAPAN』の文字を入れておいて欲しいな・・・。と思いました。
マッスルバックは易しさや飛距離を求めていくタイプのアイアンではありませんが、こうして目にしてしまうと、どうしても手にとって球を打ってみたくなる魅力があります。
マッスルバックやハーフキャビティを敬遠しておられる方には、ひょっとしたら敷居が高く感じられるかもしれません。
しかし、このシャープな顔つきや、打感の良さを多くの方に感じとっていただきたいと思いました。
球を操る喜びも味わえるアイアンです。
タイトリスト MB アイアン 716
- 2015年11月27日
- タイトリスト
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