ゴルフクラブ試打日記。          

タイトリスト MB アイアン 714

タイトリスト MB  アイアン 714 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは タイトリスト MB アイアン 714 の7番 です。
ダイナミックゴールド

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは35度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は442gです。
正面

タイトリストらしい、とてもシンプルでカッコいいアイアンです。
前のモデル同様、サテン仕上げになっているところも、すごくいいです。
側面

とてもシャープでカッコいいですが、前のモデルよりも少し工夫が見られます。
前のモデルはかなり『平面感』が強かったですが、このニューモデルは少しアレンジされているようです。
バックフェースの溝

一番感じたのが、このバックフェースにある浅くて小さい溝です。
こうすることで、どんな効果が期待できるのかな?と思ったのですが、おそらく性能には大きな違いは無いだろう・・・。と思いました。
714

2年ぶりのニューモデルということもあって、前回は『712』でしたが、今回は『714』です。
次のモデルは『716』でしょうか?
オリジナルグリップ

このオリジナルグリップも、しっとりとした感じがして、好感がもてます。
色が黒というのも、タイトリストらしいところだと思います。
今はグリップもすごくカラフルになってきましたが、私はオーソドックスな黒が一番好きです。
ソール幅

ソール幅は、かなり狭い感じがします。
マイアイアンもそうですし、最近はマッスルバックでも、結構広くなっている物もありますが、このタイトリストのニューアイアンは昔ながらの『ナローソール』です。
しかし、これがタイトリストMBのスタンダードといえるのではないでしょうか?
ネック長さ

ネックの長さはしっかりとキープされていますが、それほど長いとは思いません。
こういったところは、今の流れのような気がします。
構え感

ボールを前にして構えて見ても、これまで通りとてもいいです。
球が大きく見えるので、イメージラインを太く描いていけますし、こう感じられるときはナイスショットの確率がグンと高まります。
マッスルバックにも『MP顔』『ツアステ顔』『三浦顔』『ヤマハ顔』『ロイコレ顔』・・・。などありますが、このアイアンはまさに『タイトリスト顔』です。
適度に小振りで、ほんの少しグースも効いているように見えますが、全体的な印象としては『逃がし系』です。
左へのミスを連想させない安心感があります。
球筋についても『ご自由にどうぞ』といっているように見えます。
抜群の構えやすさに笑みがこぼれなから、しばらく見つめていました。
気持ちがすごく穏やかになりました。
試打を開始しました。
フェース面

『打感』は予想通り、とても素晴らしいです。
軟鉄の柔らかさとマッスルバックの厚み感が合わさると、こうもいいハーモニーを奏でるのか・・・。と思えるほど絶妙なバランスです。
飛んでいっているボールにもし意思があるとしたら、どのように感じているんだろう?と思いました。
プレイヤーが、これだけグッドフィーリングを感じているのだから、きっとボールも喜んでいるに違いない・・・。と思いました。
心地よい感触がしばらく手に残ります。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、『ノーマルロフト』によるあがりやすさはあるものの、球が上がりやすくなるような様々な工夫が施されているようには思えませんし、ある意味『アナログ』的な感じもします。
ハイテク系ではありませんが、これが本来の姿なのかもしれません。
これまでのタイトリストのMBと同じく、ある程度の敷居の高さはあるのかもしれません。
バックフェース

『安定性』という点でも、スイートエリアもかなり狭い感じがしますが、これまでのMBを体感しておられる方であれば、特に変わった感じはしないのではないでしょうか?
通常のMBらしい、シビアさだと思います。
飛距離性能

『飛距離性能』という点でも、それほど秀でているとは思えません。
最近はアスリートモデルと呼ばれるアイアンでも、少しずつロフトが立ってきていますが、このアイアンは『本当のノーマル』です。
『リアルノーマル』といっていいでしょうか?
こういったタイプのアイアンで、ロフトを立ててしまえば、それこそ難易度が増してしまうだけですし、あまりメリットはないのかもしれません。
最近はアイアンの『番手表示』も、かなり幅広くなっているように感じますが、このアイアンは『基準』といっていいと思います。
アイアンに飛びを求めておられる方には、合いづらいかもしれません。
操作性

『打感』と並ぶ、マッスルバックの最大の長所といってもいい『操作性』が秀逸です。
かなり反応のいいアイアンです。
色々と曲げて楽しむことができました。
最近はドライバーに限らずアイアンでも、あまり大きく曲げにくいタイプが増えてきたので、このアイアンのように素直に対応してくれるクラブに出会うと、楽しくなって、ついつい球数が増えてしまいます。
変なクセがなく、『純なアイアン』といっていいと思います。
左右に均等に対応してくれました。
ヒール側

昔から存在し続けているマッスルバックですが、敬遠しておられる方も多いと思います。
最近は少しずつ、各メーカーからも発表されていますが、その多くが『限定モデル』ですし、ユーザー層も限られているのは間違いないところだと思います。
このアイアンは限定モデルなのかどうか解りませんが、タイトリストは昔からマッスルバックを発表し続けてくれている数少ないメーカーです。
昔からタイトリストのクラブには魅了され続けてきました。
ボールだけでなく、クラブでもいいイメージが浸透しているように思います。
Titleist MB 714 IRON

スイングは『アドレス』が大事・・・。だということはプロ・アマ問わず、共通した意見だと思います。
スイング理論は人によって、色々とあるようですが、アドレスをないがしろにする理論は皆無だと思います。
それくらい、アドレスが重要なのだと思います。
そういった『アドレス力』を磨いていくにも、このような『シビア系』のクラブが威力を発揮してくれるのではないでしょうか?
アドレスは大事だと解っていても、疎かにしてしまう・・・。とまではいかなくても、どちらかというとクラブや体の動きばかりに意識がいっておられる方も多いのではないでしょうか?
タイトリスト MB  アイアン 714

アドレスが良くないと、こういったタイプのクラブはそれにすぐに反応しますし、ミスが出てしまいます。
いくら他のところで調整しようとしても、打つ前から既にミスすることが決まってしまいます。
いいイメージをもったり、バランスのいいアドレスをとったり・・・。と『打つ前が大事』だとゴルフは言われますが、まさにそれを体感させてくれるのが、マッスルバックアイアンだと思います。
悪いイメージが出れば、それが球筋に表れやすいです。
打つ前から、既に勝負は始まっているのだと、私は思います。
タイトリスト MB  アイアン 714

であれば、何も難しいマッスルバックを使わなくても、最初から大顔フルキャビティのイージー系のアイアンを使えばいいんじゃないか?と思ってしまいますが、そうともいえないのがゴルフのおもしろいところなのかもしれません。
難しすぎるクラブを使う必要はないのかもしれませんが、こういった『正直な』クラブを使うことで、色々なことが感じ取れるようになるのではないでしょうか?
自分がどのようなアドレスをとればナイスショットの確率があがるのか・・・。どうすればフック・スライスが打てるようになるのか・・・。など体で感じ取れるようになるような気がします。
シビアで難しい分だけ、私たちゴルファーに伝えてくれるものは大きいような気がします。
イージー系のクラブは確かに便利で気楽な気分になれるかもしれませんが、曖昧さが残るように感じることが多いです。
どのようにアドレスしていいのかも解らないですし、こちらのイメージなども伝えづらいです。
実際に球を打ってみても、どこでヒットしたのか、解りづらいことが多いです。
フェース面の打痕を見て、こんなところでヒットしてしまったのか・・・。と思っても、球は真っ直ぐ高く上がっているのを見ると、私は不思議を通り超して怖く感じることがあります。
そういったクラブは試打だけでとどめておいて、コースで使ってみたいとは思えません。
その点、マッスルバックは色々な意思の疎通もとりやすいですし、たとえ調子を落としたとしても、それが長く続きにくいような気がします。
勿論、こういった難しいアイアンが全ての人に適しているとは思いませんが、この素晴らしい構え感や打感。
そして、クラブから伝わってくるものを感じ取ることも、上達につながるんじゃないかな?と思っています。
Titleist MB 714 IRON
 
機会があれば是非打ち比べてみたいと思いますが、前回のモデルである『712』と、大きな性能の変化は無いように思います。
あくまでもバックフェースのデザインをちょっとだけ変えてみた・・・。というところなのではないでしょうか?
それくらいマッスルバックというアイアンは完成形に近づいているのだと思いますし、あまり大きく変えてはいけないのかもしれません。
この大きな変化が見られないところが、また魅力的でしたし、これからも何度でも試打を楽しみたいです。