先日、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは METALFACTORY T3 アイアン の8番 です。
シャフトは MURAKUMO-KANATA です。
ロフトは33度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、バランスC9、トルクは4.2、クラブ総重量は382g です。
メタルファクトリーの新しいアイアンです。
メタルファクトリーのアイアンといえば、前回試打したJF FORGEDのように、鉄の質感を楽しめるタイプのアイアンもありますが、このように全く異なるタイプのアイアンもあります。
同じアイアンではありますが、カテゴリーは全く別なのかもしれません。
艶消しの黒がとてもシブく、カッコいいです。
小ぶりではなく、面長なタイプで大らかそうな雰囲気があります。
独特なプクッとした膨らみがあるので、ひと目で中空だと分かりました。
メタルファクトリーに中空のイメージは無かったのですが、これも時代の流れなのでしょうか?
今は多くのメーカーが中空を採用しています。
トゥ側にウェイトがあり、これはもうお馴染みで、他のメーカーのクラブでも見てきました。
それ以外にも、大きなパーツがあります。
おそらくウェイトだと思いますが、かなり大きくて、ここまで大きいのは他のメーカーでも見たことがありません。
普段、ラージサイズのアイアンを使っていて、トゥ側にウェイトがあるけど、まだまだ物足りないんだよなぁ・・・。もっと大きいのが欲しいんだよ・・・。という方は少なからずいらっしゃると思いますし、そういった方には、この大きさに魅力を感じられるのではないでしょうか?
『ダブルウェイト』で、徹底しています。
このほぼフラットなバックフェースも中空の特徴です。
今は中空でありながら、キャビティバックタイプの物も見られるようになりましたが、このアイアンはオーソドックスで見慣れた感じがします。
トップラインは少し厚めではありますが、これくらいであれば、特に構えづらくはないような気がします。
幅は一定ではなく、ヒール側にいくほどワイドに見えました。
ヒール側にプレートのようなものがあり、『METALFACTORY -T3-』という文字がありました。
ソール幅はワイドですが、中空ということで考えると、標準的といったところでしょうか?
こうして見ていると、このアイアンが普通のアイアンではなく、『ユーティリティアイアン』のように感じられます。
私はアイアンを『ダウンブロー』で打ちたいのですが、このソールを見ていると、『上から』ではなく、『横から』払うようなイメージが浮かんできました。
ソールを着地させて、滑らせるイメージです。
ソールは平らに近いですが、少し丸みを帯びています。
このようなタイプはもっと丸みが強調されているものが多いので、少し意外でした。
丸みを帯びるよりも、このほうが良いという判断なのでしょうか?
リーディングエッジは少し丸みを帯びていて、抜けが良さそうです。
トレーリングエッジはさらに大きく削られています。
最近はこのようなタイプが多くなりました。
トレーリングエッジを大きく削るほうが、抜けが良くなるのでしょうか?
ネックはやや短めですが、重心を低くするにはちょうどいい長さなのかもしれません。
思っていたよりも太くなく、そして『頭でっかち感』もないので、好感が持てます。
これまで、このようなタイプは、かなりクセの強いものが多く、苦手意識をもっていたからです。
少しグースが利いているのが分かりましたが、極端ではありません。
全体的に自然な流れになっています。
美しいクラブとは、ただ顔がいいというだけでなく、そのクラブの『輪郭』に表れます。
どういうことかといいますと、クラブの輪郭に一滴の水を垂らしたとイメージして、クラブを動かすことによって、その水が綺麗に流れるといいますか動き、それが何周も続くような形状です。
美しくないクラブだと、どこか途中で引っかかるといいますか、止まってしまいます。
『流動系』あるいは『流線型』といったらいいでしょうか?
『流れるような美しさ』があります。
定規を使って真っ直ぐ線を引くのではなく、フリーハンドで描く曲線の美しさ・・・。といったらいいでしょうか?
1本の線で綺麗に描けるような外観です。
そういった意味でも、このクラブは好感が持てました。
輪郭に不自然さが無いからです。
フェース面にミーリングは無く、特に変わった工夫は見られません。
装着されているグリップはシンプルなタイプで、これまでも出会ってきました。
素振りをしてみた感じはまずまず・・・。
軽量タイプでありながら、特にクセのようなものは感じません。
これまでだと、このようなタイプは、振っていて『頭でっかち感』といいますか、ヘッドの存在感が大きすぎることが多かったのですが、このアイアンにはそれを感じませんでした。
ラージサイズではありますが、それほど主張してこないところがいいです。
ボールを前にして構えた感じは、まずまずで、よく見られます。
大顔でオーソドックスなグース顔ですがきつくありません。
ヘッドを大きくしながら、つかまりを良くするには、このようにするしかないのでしょうか?
ドライバーでいえば『フックフェース』。
アイアンでいえば『グース』。
今はこれが最適解なのでしょうか?
試打を開始しました
『打感』は、予想していたよりも良くて、いい意味で意外でした。
中空らしい『ペチャッと』した感じはあったのですが、それが薄まっていて、適度な重さ(球の重さ)を感じられ、キリッと引き締まっているように感じました。
鋭さが伝わってきます。
中空アイアンを試打するとき、私は打感に関しては期待しないことが多いですが、タイトリストやスリクソン。
そして、先日試打したEMILLID BAHAMA CV-10 アイアンのように、好感が持てるものも出会えるようになりました。
とはいっても、好感が持てないもののほうが圧倒的に多いのですが・・・。
球はとてもよくあがってくれました。
8番アイアンを試打することはめったに無いのですが、今回は運良く試打することができ、いつもとは少し違う感覚でした。
しかしロフトが33度ということで、私の感覚では完全に『6番アイアン』です。
かなりロフトが立っていますが、それを全く感じさせない『球の浮きやすさ』と『弾道の高さ』です。
軽いクラブなので軽く打ったのですが、それが良かったのかもしれません。
比較的シンプルな外見ではありますが、球があがりやすくなるように、様々な工夫がされているのではないでしょうか?
ヘッドが黒くシブいデザインなので、ハードそうに感じられる方がいらっしゃるかもしれませんが、実際はかなりハードルが低く、親しみやすさを強く感じられるアイアンなので、幅広い層に受け入れられると思います。
『安定性』も高く、少々にミスヒットには動じません。
ラージサイズ+中空の大らかさが強く感じられました。
良い意味での『曖昧さ』といったらいいでしょうか?
アバウトな感じで打っていけるアイアンです。
深く考えず、狙いすぎず、クラブに任せて、構えたときの『ライン取り』さえ、しっかり出来ていればあとはクラブが勝手にボールをターゲットまで運んでくれます。
ボールが途中で曲がることもなく、真っ直ぐ飛んでいきました。
トゥ側に配置されている大きなウェイトがよく仕事をしてくれているのではないでしょうか?
ミスヒットしても、ヘッドがブレる感じがしません。
完全にオートマチックタイプのアイアンです。
同じオートマチックタイプのアイアンでも、これまでと違い『ゴツくなく、すっきりした』ところに魅力を感じます。
『飛距離性能』は、かなり優れています。
ロフト的には6番なのですが、5番に近いくらい遠くに飛んでいきました。
『約3番手以上の飛び』です。
球の乗っかり感は無く、弾き感が強く、軽めの弾道です。
飛距離にも、かなりこだわって開発されたのではないでしょうか?
アイアンに飛距離性能を求めておられる方はたくさんいらっしゃると思いますが、『より手軽』に飛ばしていきたい・・・。という方に、是非試していただきたいクラブです。
『操作性』という点では、『曲げづらさ』が勝ってしまい、思うような曲線を描くことはできませんでした。
結構極端にやってみたのですが、打ち出し方向から大きく逸れることはなく、『頑固さ』を感じるほど、一定の球筋を描いて飛んでいきました。
曲げたいと思ってもそれを受け入れてくれないところがありますが、そういった頑固さも、今のアイアンの特徴で、多くの支持を集めているのかもしれません。
試打後の感想
外見はシンプルですが、持っているものはとても大きいと感じました。
主張してこないのが、また魅力的です。
まさに『能ある鷹は爪を隠す』といったところでしょうか?
ラージサイズではありますが、ヘッドが黒で、しかも『艶消し』タイプなので、大きさを緩和しているところもいいです。
大きさをアピールしているアイアンはたくさんありましたが、アピールせず、むしろそれを感じさせないようにしているのかもしれません。
私はラージサイズや強いグースネックは苦手に感じることが多いのですが、今回はそれほど苦手意識は芽生えませんでした。
かなり飛距離性能に優れているので、『飛びすぎ』と感じる方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか?
私もこのアイアンは飛びすぎるので、コースで使うのは怖いです。
もし、このアイアンでラウンドしたら、いつも以上にプレッシャーを感じるだろうな・・・。と思いました。
方向性への不安はあまりありませんが、飛びすぎることへの不安といいますか、恐怖感はなかなか拭えません。
アイアンは飛ばすクラブではなく、正確に距離を刻むクラブであり、ラウンド中、距離の計算を間違えてグリーンを大きくオーバーして、返しの難しいアプローチを失敗し、スコアを大きく崩したことが何度もあるからです。
飛ばないことよりも、飛び過ぎることのペナルティのほうが大きいと感じています。
特に日本のゴルフ場のグリーンは手前に受けていることが多いので、飛びすぎは禁物です。
しかし、それもこのアイアンの特長で、このアイアンの飛びに魅力を感じられる方はたくさんいらっしゃると思います。
これだけ飛びに優れたアイアンで、距離感を正確に出せたら『鬼に金棒』どころか『無敵』といっていいのかもしれません。
中空でありながら、打感が良かったのも印象的でした。
もちろんベーシックタイプのアイアンには敵いませんが、中空アイアンのなかでは、間違いなくトップクラスの打感といっていいと思います。
中空アイアンは打感を求めてはいけない・・・。と思っていましたが、このようなアイアンが少しずつ出てきたことで、これからもっとたくさん良いフィーリングの中空が出てくるのではないか・・・。と期待しています。
やはり打感が良くないと、球を打っていても楽しくないですね。
『飛距離』と『打感』。
それに加え、『大船のような安定感』も、このアイアンの特長です。
先ほども書きましたが、ノーマルなアイアンではなく、ユーティリティアイアンという認識をもったほうがいいのかもしれません。
フェースセンターではなく、どうしてもトゥ側に外してしまう・・・。という方は多いかもしれませんが、トゥ側に外しても当たり負けせずに、力強く安定して運んでくれるのが魅力です。
中・上級者の方はもちろん、とても大らかなので、ビギナーの方にも試していただきたいアイアンです。
中空には、まだまだ明るい未来が待っているな・・・。と思いましたし、メタルファクトリーには、これからも期待したいです。
個性があって、いいクラブが多いメーカーだと感じました。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆☆☆☆
安定性・・・・・☆☆☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
感謝しています。
※追記
このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
METALFACTORY T3 アイアン:飛距離と操作性を両立した革新的なアイアン
「アイアンは、ただ飛べばいいってもんじゃない。狙ったところに、イメージした弾道で、ピタッと止まってくれないと意味がないんだ。」
これは、私がこれまで数多くのゴルファーを見てきた中で、もっとも多く耳にした言葉の一つです。
特に、中級者から上級者にかけてのゴルファーは、飛距離だけでなく、操作性や打感、そして何よりも「自分のイメージ通りにボールを操れるか」という点を重視します。
そんな彼らの心を掴むアイアンが、METALFACTORYから登場しました。
METALFACTORY T3 アイアンとは
METALFACTORY T3 アイアンは、飛びと操作性を両立させた中空構造のアイアンです。
従来のアイアンの概念を覆し、飛距離性能と優れた操作性を両立させた、まさに革新的なアイアンと言えるでしょう。
METALFACTORY T3 アイアンの長所
圧倒的な飛距離性能
T3 アイアンの最大の魅力は、なんといってもその飛距離性能です。
中空構造とL型マレージングフェースの組み合わせにより、ボール初速が大幅に向上。
これにより、従来のアイアンでは考えられないほどの飛距離を実現しました。
「最近、飛距離が落ちてきたなぁ」
と感じているゴルファーには、ぜひ一度試していただきたいアイアンです。
優れた操作性
飛距離性能だけでなく、操作性も抜群です。
中空構造でありながら、ヘッド内部の重量配分を最適化することで、優れた操作性を実現しました。
これにより、ドローやフェード、高低差など、自分のイメージ通りの弾道を打つことができます。
「アイアンは、ただ真っ直ぐ飛べばいいんじゃない。自分のイメージ通りにボールを操りたいんだ。」
そんな風に考えているゴルファーには、ぴったりのアイアンと言えるでしょう。
心地よい打感と打音
アイアンに求めるものは、飛距離や操作性だけではありません。
打感や打音も、ゴルファーにとっては重要な要素の一つです。
T3 アイアンは、中空構造ながらも、心地よい打感と打音を実現しました。
「やっぱり、アイアンは打ってて気持ちよくないとね。」
そんな風に考えているゴルファーにも、きっと満足していただけるはずです。
美しいデザイン
T3 アイアンは、性能だけでなく、デザインも非常に美しいです。
シャープでスタイリッシュなデザインは、所有欲を満たしてくれること間違いありません。
「どうせ持つなら、カッコいいアイアンがいい。」
そんな風に考えているゴルファーには、ぜひおすすめしたいアイアンです。
METALFACTORY T3 アイアンの短所
価格
T3 アイアンは、高性能であるがゆえに、価格も比較的高めです。
「もう少し安ければなぁ」
と感じるゴルファーもいるかもしれません。
上級者向け
T3 アイアンは、操作性が高い分、ある程度ゴルフの経験がある上級者向けのアイアンと言えます。
「初心者にはちょっと難しいかな」
と感じるゴルファーもいるかもしれません。
METALFACTORY T3 アイアンはどんなゴルファーにおすすめ?
METALFACTORY T3 アイアンは、以下のようなゴルファーにおすすめです。
飛距離を伸ばしたい中級者〜上級者
操作性の高いアイアンを使いたいゴルファー
打感や打音にもこだわりたいゴルファー
美しいデザインのアイアンを持ちたいゴルファー
まとめ
METALFACTORY T3 アイアンは、飛距離性能と操作性を両立させた、革新的なアイアンです。
多少のデメリットはあるものの、それを上回る魅力的な長所を数多く持っています。
「アイアン選びで迷っている」
そんなゴルファーは、ぜひ一度T3 アイアンを試してみてはいかがでしょうか。
きっと、あなたのゴルフが変わるはずです。