今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロマロ アルコバッサ ウェッジ です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、クラブ長さは35.25インチ、バランスはD3、シャフトフレックスはS200、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は470gです。
ロマロのとてもカッコいいウェッジです。
ロマロのクラブに初めて出会ったのはアイアンだったのですが、その時の鮮烈なイメージはとても強く残っています。
それからドライバーやUTなども試打しましたが、その殆どが名品と呼べるほどのカッコ良さと性能の高さを保持していると思います。
このウェッジも、とてもシブい感じの黒で、ロマロのカッコ良さを上手く引き継いでいるようです。
やはり、黒という色はとても締まって見え、改めてウェッジに適した色だと思いました。
光を反射しても眩しくならないところが、すごくいいです。
これは実戦でもとても大切なところです。
このウェッジの名前である『アルコバッサ』とは、どんな意味なのだろう?と思っていたのですが、店員さんの説明によると、ヨーロッパのポルトガルの地名で、修道院が有名なのだそうです。
クラブの名前に地名が使われていることは、とても珍しいことだと思いますが、このポルトガルの地域にロマロは何か特別な思い入れがあるのでしょうか?
いずれ『TOKYO』とか『YOKOHAMA』『SAPPORO』『OSAKA』などの名前のクラブも出てくるのかな?と、ふと考えてしまいました。
私はまだポルトガルには行ったことが無いのですが、是非行ってみたいと思っています。
すごくシンプルで美しいウェッジです。
どのクラブにも言えることだと思うのですが、特にウェッジは、この『シンプルさ』が『高性能の証しの一部』といっていいような気がしています。
プレイヤーの意思をそのまま汲んでくれるには、あまりゴチャゴチャしたものがないほうがいいように感じることが多いです。
シャープに見えるところが、このウェッジの扱いやすさを物語っているような気がします。
『ソール幅』は、ごく標準的な部類に属するように思います。
このドライバーのロフトは『56度』ということで、『SW』というカテゴリーに入れていいと思うのですが、SWにしてはややソールが狭いほうかな?とも少し思いました。
ヒールからトゥにかけて、それほど広さが変わっている感じもなく、ほぼストレートに近い感じでした。
こういったところを見ると『AW』に近い感じかな?と思いました。
『バンス』が12度ということだったのですが、それほど気にはなりませんでした。
ただ、それよりも『ソールの窪み』にすぐ目がいきました。
こういった形状はなかなか見かけないところです。
こうすることによって、おそらく振り抜きが良くなっているのではないかな?という予想は容易に立ちました。
ネックも長さがしっかりとキープされていて、とても美しいです。
何と言いますか、頼もしく見えてしまいます。
シビアな距離感を出していきたいウェッジは、ある程度『抑えていける』といいますか、『球の勢いを殺していける』感じがどうしても欲しくなります。
そういったときに、このようなロングネックだと、それが易しく感じるので、こうして見ていても、とても勇気がもらえます。
『高重心=難しい』『低重心=易しい』という風潮がずっとあるとは思うのですが、ウェッジのようにロフトが寝ているクラブにはある程度重心が高いほうが易しく感じますし、低重心過ぎると却って難しくなってしまうように感じます。
私は昔から、こういった『首長(くびなが)ウェッジ』が大好きです。
ロマロのグリップといえば、『香り付き』なので、このグリップの匂いも嗅いでみたのですが、ほんのわずか何の香りかよく解らなかったのですが、いい香りがしました。
こういった工夫はとても斬新ですし、いいことだと思います。
香りには、とても大きな効果が期待できますし、香りを嗅ぐことによって、プレイヤーがリラックスできれば、すごくいいことだと思います。
ただ、思ったよりも香りが強くないので、かなりグリップに顔を近づけて嗅いでみないといけないのですが・・・。
そして、この香りがいったいどれくらい長くもつのかも気になりました。
トゥ側には『D.a.S』と記されていました。
どういった意味なのだろう?と思いました。
おそらく、ロマロ独自の新しい工夫が施されているのだと思います。
ホーゼルに『CF-FORGED』と記されていました。
普通のフォージドとは違うのでしょうか?
かなり最先端な技術が組み込まれているようです。
フェース面には、しっかりとミーリングが施されていました。
今のウェッジでは、もはや『スタンダード』ともいえる工夫です。
たくさんのメーカーで体験してきたので、おおよその効果はつかめるような気がします。
一口に『ミーリング』といっても、その形状はメーカーによっても異なる部分がありますが、このウェッジは『円』のように丸みを帯びていました。
ボールを前にして構えてみても、かなりいい感じでした。
グースの効きが弱いので、私好みの構え感です。
すごくいいイメージがどんどん出せました。
昔はたくさんありましたが、最近ではちょっと少なくなってきているように思うのですが、『やや出っ歯』であることも、好印象のひとつでした。
とても球を拾いやすそうに感じますし、余計な細工をしなくても、球が『フワッ』と上がってくれそうです。
グースネックを好まれる方には、やや構えづらく感じられるかもしれません。
これはやはり『好み』によるものが大きいので、どちらかがいいというものでもなく、上手く『共存』していくのがベストなのだと思います。
最近は『ストレート系』と『グース系』とが、はっきりと分かれているように思いますし、クラブの個性がはっきりとしているということは、それだけプレイヤーが選びやすくなっているということなので、いい傾向だと思いました。
この黒いヘッドと、『艶を感じさせないところ』が何と言いますか、『いい感じで枯れた感じ』がして、とてもスピンが効きそうです。
昔の『ノーメッキウェッジ』と似たような雰囲気があります。
フェース面がしっかりとボールをキャッチしてくれそうだな・・・。と思いながら、しばらく見つめていました。
すごくリラックスすることができました。
試打を開始しました。
『打感』はやや『しっかり目』といいますか、『食いつき感』を感じました。
打つ前はもうちょっと柔らかい感じを予想していたのですが、実際に打ってみると『しっかり感』のほうが強く感じられました。
勿論、『硬い』とか『繊細さがない』というフィーリングではなく、ある程度の柔らかさも感じたのですが、フォージドウェッジのなかでは、わりとしっかり目の打感だと思いました。
私はこの打感には、とても好感がもてます。
最近のウェッジはミーリングが主流になってきたからなのか、『食いつき感』の良い物が増えてきましたが、このロマロのウェッジも、そのような喰いつき感の良いウェッジだと思いました。
『ボールを切っていく』イメージもすごく出しやすいです。
球もあがりやすくて、いい感じで拾っていけるので、自然と浮いてくれます。
見かけはとても『マニュアルタイプ』のウェッジに見えていたのですが、この『あがりやすさ』ということに関して言えば『オートマチック』的な部分も感じられました。
グースネックのウェッジでボールを低く出して、スピンを掛けていきたい・・・。という方には、やや合いづらいかもしれませんが、特にグースネックにこだわっておられない方であれば、かなり易しく感じられるのではないでしょうか?
サンドウェッジにも、色々なロフトがありますが、私はこの『56度』がノーマルなロフトではないか?と思っております。
もちろん、『57度』や『58度』もありますが、『56度』がセッティングという意味でも、一番バランスが取れているように思います。
とはいっても、私はこれまで色々なロフトのサンドウェッジを使ってきたのですが・・・。
ラインも出しやすくて、まるで初対面とは思えないほどの『敷居の低さ』です。
すぐにでもコースで試してみたいですし、練習場だけでは勿体ないと感じてしまいます。
ロマロのクラブに出会って、私はまだそれほど年月が経っていないのですが、『奇をてらっていない』といいますか、『スタンダード』な感じで、『王道を突き進んでいっている』という印象をもちます。
こちらが余計な気を使いすぎることなく、自然とボールを運んでいってくれるウェッジです。
『JAPANESE MAKER』の『品の良さ』を感じました。
距離感も出しやすくて、本当に『ノーマルなサンドウェッジ』だという印象をもちました。
勿論、色々な創意工夫が施されているのは、外見からもよく解るのですが、その工夫が全く邪魔になっていない、とても親しみやすいウェッジだと思いました。
ウェッジのようにシビアな距離感を求めていきたいクラブを使う状況では『飛び過ぎ』がとても怖いですし、スコアメイクにおいても重要なことだと思いますが、このシンプルでありながら、ハイテクなヘッドと、高性能で信頼性抜群のDGとの相性も抜群だと思いました。
いくら高性能なヘッドであっても、そのヘッドを動かせすぎるシャフトでは、なかなか信頼関係が築けません。
どうしてもある程度ターゲットを広げて、『保険』をかけていかなくてはなりません。
そういった点で考えてみても、このウェッジとシャフトはとても素晴らしいマッチングだと思いました。
自分のイメージよりも『飛び過ぎない』ということが、いかに大切であるかは、ある程度キャリアを積んだ方ならば、誰もが実感しておられることだと思います。
スピンは予想通り、かなり効いてくれている感じがしました。
他のメーカーの『ミーリングウェッジ』と、ほぼ同等のハイレベルなスピン性能だと思います。
ミーリングがあることによって、スピン性能が『すごく増す』というよりは、『安定したスピン』が得られやすいのかな?と思っています。
勿論、この性能には『耐久性』も求めていきたいと思っています。
購入したてではスピンがよく効くけど、使っていくうちにスピンがほどけやすい・・・。というウェッジだと、なかなか信頼感は得られないのかもしれません。
クラブに対する信頼感は、そのクラブを永く使っていけばいくほど増していくものだと思うのですが、そこにはやはり『使い減り(つかいべり)』しない、タフさを持っていて欲しいと思っています。
そういった点で、このウェッジはどうなのかな?と思いました。
『操作性』という点では、打つ前の予想通り、とてもハイレベルでした。
私は開いて使うことが多いので、どうしても『抜け』のよいウェッジが好きですが、このウェッジはつっかかる感じもなく、とてもいい感じです。
『12度』というバンスも、今日は邪魔に感じることはありませんでした。
色々な球を楽しむことができました。
ただ、今日は練習場のマットの上からだったので、今度アプローチグリーンなどで試してみたいと思いました。
アイアンやウェッジはドライバーなどの『ウッド系』と比べて、その『見た目』で大よその性能やフィーリングをつかみやすいところがあります。
このウェッジは第一印象からすごくいい感じだったのですが、実際に球を打ってみても、そのいい印象のまま楽しい時間を過ごすことができました。
ドライバーなどでは、最初の印象と実際に試打したときの印象が違うことも決して少なくないのですが、アイアンやウェッジ(特にウェッジ)には、そういったことは殆どありません。
この『当たり前感』がいいのかもしれません。
メーカーによる『個性』を出しづらいクラブだとは思いますが、そういった中で、このウェッジはソール形状など、他のメーカーのウェッジではあまり見られないような工夫が施してありました。
『D.a.S』や『CF FORGED』といったことも、おそらく画期的な工夫なのだと思います。
そういった工夫を、今度は是非実際の芝やラフの上で試してみたいと思いました。
ライが良すぎて草が絡むこともない、マットの上からでは、なかなか解りづらいことも多くあります。
特にドライバーなのですが数年前に比べ、今は強い違和感を感じさせるクラブが少なくなってきています。
特にウェッジでは違和感を感じて、全く打てない・・・。ということは今はありません。
多少の『グースの違い』などはあっても、強い苦手意識をもってしまうことはなくなりました。
顔が合わないクラブがすごく苦手な私は、こういった最近の傾向はすごく嬉しく思っているのですが、それは同時に欲しいクラブがたくさんあるということにもなってしまいます。
毎回毎回、私は自分自身の『購買意欲』と戦わなくてはなりません。
すごく気に入ったクラブに出会ってしまうと、その日の夜はずっとそのクラブのことを考えてしまい、なかなか寝付けないこともあります。
そんな日は、また素振りをしたり、腕立てや腹筋、スクワットをしたりして、何とか身体に心地いい疲労感を与えて眠ろうとします。
特に今のような蒸し暑い日が続く日は、またシャワーを浴び直さなければなりませんが、そんな手間も『いいクラブに出会えたときの喜び』に比べると大したことはありません。
今日は明らかにそんな日になるな・・・。と思いながら、試打クラブを返却しました。
私はまだロマロのクラブを所有してはいないのですが、欲しいクラブがたくさんあります。
特にドライバーと、このウェッジにはすごく魅力を感じています。
価格設定も、やや高めなので、それほどすぐに購入はできないと思いますが、是非自分のキャディバッグに入れておきたいメーカーです。
色々なメーカーで、見た目や感性を全く無視したようなクラブも数年前は見られましたが、やはりクラブはカッコよくなくてはなりません。
カッコ良くて魅力を感じるからこそ、そのクラブを手にとって使ってみたい・・・。と思うようになるのだと思います。
いくら『ミスに寛容』とか『真っ直ぐ飛ぶ』といっても、構えづらかったり、そのクラブで球を打っても楽しくなければ、購買意欲は全く湧きません。
予定よりも球数が少なく返却した試打クラブはたくさんあります。
そういった意味でも、このウェッジにはとても魅力を感じましたし、特に私はウェッジだと他の番手のクラブよりも長く楽しみながら試打をしてしまうので、今日もたっぷりと球を打たせてもらいました。
今の季節、球を打つだけでもすごく暑いですが、今日はとても心地よい汗をかくことができ、満足感でいっぱいです。
ルンルン気分で練習場を後にしました。
ロマロ アルコバッサ ウェッジ
- 2012年8月9日
- ロマロ
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P-tune フェアウェイウッド