今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ホンマ TOUR WORLD TW717 V アイアン の7番 です。
シャフトは MODUS3 です。
ロフトは32度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は431gです。
ホンマらしい、とてもいい雰囲気のあるアイアンです。
『アイアンといえば、ホンマ』と言われていましたし、私にとっては特別なメーカーです。
3月にマッスルバックを試打する機会に恵まれたのですが、今日はこのキャビティアイアンを手にすることができました。
オーソドックスでとてもカッコいいです。
『和のテイスト』を感じさせてくれます。
今は海外製のクラブのほうが圧倒的に多いですが、日本製にこだわるのであれば、メーカーは限られてくるように思います。
その中にホンマはあります。
彫りの深さは、しっかりとあります。
『ノーマルキャビティ』といっていいでしょうか?
『ハーフキャビティ』とは、ちょっと違うような気もしますが、そのあたりの線引きも曖昧な感じなので、『ノーマル』でいいのではないかな?と思っています。
かなり彫りの深い『フルキャビティ』とは違うような気もします。
キャビティでありながらも、ヒッティングポイント後方がしっかりと『肉厚』になっているところが打感にもこだわっているように見えます。
今は、こういったキャビティアイアンが増えてきました。
ソール幅は標準的に見えました。
ネックの長さも標準的です。
こうして見ていても、とても美しいです。
何とも言えない雰囲気があります。
艶っぽいアイアンだと思いました。
文字が薄すぎて写真ではよく見えないのですが、ホーゼル部分に『MADE IN JAPAN SAKATA』と記されていました。
私はこの文字に胸が高まります。
ホンマのクラブだから当然といえば当然なのですが、やはりこの文字を見るだけで信頼性が高まります。
『自社生産』している『本当のメーカー』といえる数少ないメーカーだと思います。
自社で生産して、検品などもしっかりと行っているメーカーのクラブは『質の均一化』がとれているように思います。
こういったメーカーがもっと増えてきて欲しいと思っています。
最近、アイアンやウェッジを試打するときに半ばクセのようになってしまったのですが、『ミーリング』があるか無いかよく見てみました。
このアイアンにはミーリングは見当たりませんでした。
昔ながらのホンマらしいオーソドックスなフェース面です。
『新溝規制』が始まって、各メーカーとも『フェース面の扱い』にはすごく神経を使っているように思います。
ドライバー(厳密にいえばロフト15度以下のクラブ)の『反発係数』などと同じように一度規制値をオーバーしてしまったら、その同じモデルを全て回収しなければならなくなるので、確実にルールに適合したモデルでないとなりません。
そういった『ルールギリギリ』のクラブを造るには、OEMに頼るよりも、自社製品であったり、『地クラブ』と呼ばれるメーカーの『少数生産』が適しているのかもしれません。
大量生産だとコストは確かに安くなりますが、『品質』を保つには難しくなることもあるように思います。
素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
今、大人気のモーダスが挿してあります。
DGだと重すぎる・・・。だけどNS950では軽すぎる・・・。という方にはとても合いやすいシャフトではないでしょうか?
今は重量級のカーボンシャフトも見かけるようになりましたが、スチールから変更するメリットがあまり見いだせません。
ただ、スチールでは長く使い続けることによって金属疲労を起こし、いわゆる『へたる』ことも考慮しなくてはなりませんし、外観では解りにくい『内部の錆び』が発生していることも多いです。
多くの場合は使用するにあたり差し支えない錆びではありますが、気になるポイントではあります。
そういった点でいえば、カーボンの優位性を感じます。
ただ、私はそれでも昔から同じスチールシャフトを愛用しています。
おそらく、私はこのシャフトで自分自身のゴルフのキャリアを終了するのではないかな?と思っています。
まだずっと先のことなので、今の段階ではよく解りませんが、それくらい今のアイアン用シャフトに信頼を置いています。
この試打アイアンも、できればDGを・・・。と思ったのですが、モーダスが標準装備ということで、DGが挿してあるモデルは見当たりませんでした。
ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
構えやすいです。
『ジャパニーズアイアン』といいますか、『ホンマのアイアン』らしく、ヒール側に高さを感じます。
キャビティアイアンですが、小顔感があるので、とても楽に構えられます。
面長感のあるアイアンを好まれる方には、少し不安に感じられるかもしれませんが、私はこれくらいがちょうどいいように感じました。
色々な球筋をイメージすることができました。
試打を開始しました。
『打感』は軟鉄らしい独特の柔らかさがあって、とてもいい印象をもちました。
外見の美しさに見合う、打感の良さです。
柔らかい感じではありますが、どちらかというと少ししっかりとした印象も持ちました。
『球のあがりやすさ』という点では、まずまずだな・・・。と思いました。
ある程度予想していましたし、特にイメージと大きく異なる感じはしませんでした。
タフなアイアンだとは思いませんでしたが、できればある程度HSがあったほうが楽なのかもしれません。
このアイアンはロフトが立っているモデルではありますが、今はアスリートモデルと呼ばれるアイアンでも、同様の物が増えてきました。
実際に打ってみても、ロフトが立っていることによる『球のあがりにくさ』とか『弾道の低さ』などは感じませんでした。
タングステンなどの異材がコンポジットされているようには見えなかったのですが、見えないところに色々な工夫が組み込まれているのでしょうか?
ただ、全体的な印象として、これまでも何度も出会ってきたタイプのアイアンと同等に感じられました。
『ここがこれまでのモデルよりも大きく変わった』というところを私は見出せませんでした。
『安定性』という点では、キャビティらしい易しさが感じられました。
見た目とてもシャープですが、シビアな感じはしませんでした。
スイートエリアが広く、易しいアイアンだと思いました。
私は今、マッスルバックを愛用しているのですが、マッスルバックを使っていると、このアイアンがすごくイージーに感じられます。
少々のミスヒットには目をつぶっていてくれる寛容な部分があるように感じられました。
ただ、極端に直進性が高いとは思わなかったですし、ミスの程度によってはそれらしい『正直な弾道』が出るので、曖昧さが無いところにも好感がもてました。
ある程度易しいアイアンを使いながら、確実にレベルアップしていきたい・・・。という方には、このように『易し過ぎず難し過ぎず』というアイアンがいいのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点では、私の感覚ではやや秀でている感じがしますが、今はこれくらいが標準的なのかもしれません。
番手も何も見ないで、そのまま打っていたら、おそらく『6番アイアン』くらいだろう・・・。と思ってしまうほど、キャリーが違います。
球の高さはそれほど大きく違わないような気もしたのですが、やはり『球の着地地点』が違います。
アイアンが飛ぶということはとても便利なことなのかもしれませんが、私はこういった感覚にあまり慣れたくはないので、少しセーブして打っていきたい・・・。と思いました。
いつもよりも指一本分短く持って『7割スイング』を心がけました。
そうしてだんだんと距離感が合ってくるようになりました。
『操作性』という点では、いい感じでした。
『オールマイティ』に近い・・・。といいますか、左右どちらにもまんべんなく対応してくれました。
比較的易しいアイアンだとは思いましたが、『易しさ一辺倒』でないところが気に入りました。
多少『味付け』したいときには、それに応えてくれる『懐の深さ』のようなものを感じました。
グースがきつ過ぎなかったので、球をとらえるタイミングが揃いやすかったところにも、扱いやすさを感じた要因のひとつのような気がします。
全体的な印象として、クセの無いところが良かった・・・。と思いました。
打つ前からの『予想の範囲内』で動いてくれたアイアンでした。
距離だけは思っていたよりも飛んでしまいましたが、これも今のニーズに合わせたところなのだと思います。
軽く振っていつも以上の距離が出るのだから、この感覚が身に付けばコントロールしやすくなるのかもしれません。
ホンマはしばらく『BERES』が続いていましたが、今は『TW』が主流のようです。
イメージチェンジが着々と進んでいるように思います。
昔からのホンマファンでもある私はとても嬉しく思っているのですが、正直今回のモデルはとりあえず置いといてしばらく様子を見ようかな?と思っています。
今のモデルにもすごく魅力を感じているのですが、何故か次のモデルが気になります。
その次のモデルを見ることにより、ホンマの方向性が見出されるような気がします。
ずっとホンマファンでいて、しばらく馴染みにくいクラブばかりが続いたので、親しみづらい印象が未だに抜け切れていません。
『ブランドイメージ』が定着するには、もう少し時間が掛かるのではないかな?と思っています。
今日試打した、この『TW717V』というアイアンも、すごくいいアイアンだとは思いましたが、正直購買意欲が刺激されることはありませんでした。
とはいっても、私は今年アイアンを新調したばかりなので、購買意欲が湧かないのも当然ではあるのですが・・・。
いいアイアンですし、また試打してみたいと思いましたが、何と言いますか『斬新さ』が感じられませんでした。
『既視感』をずっと感じていました。
ただアイアンは、あまり奇抜なことをしてしまうと構えづらくなってしまったり、フィーリングが悪くなったりするので、難しいところだとは思うのですが・・・。
20年以上前の、ホンマに夢中になっていた頃の心を取り戻すには、もう少し時間が掛かるような気がしています。
以前も書きましたが、昔は『ホンマでなければ』というのがありましたが、今は『ホンマでなくても』という思いが私にはあります。
それくらい、ホンマに対して心が離れていったのかもしれません。
もちろん、こうして見ていても、昔ながらのホンマのロゴは健在ですし、それ以外にも『美しさ』というものが感じられます。
しかし、老舗メーカーであるからこそ、他のメーカーがやらないことをやって欲しいです。
このアイアンもいいアイアンですが、他のメーカーのアイアンと差別化することができないくらい、性能などに大きな差が見出せません。
今は海外メーカーの『新たな視点』によるクラブ開発が目覚ましいですが、ホンマにはそういったメーカーに負けないような私たちゴルファーをあっと言わせるクラブを開発して欲しいです。
『伝統』を守りながらも、新たな技術を取り込んで欲しいと思いました。
これからもホンマを見守り続けていきたいです。
ホンマ TOUR WORLD TW717 V アイアン
- 2013年6月9日
- ホンマ
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