今日はこのゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ブリヂストン ツアーステージ PHYZ ドライバー です。
シャフトは PZ-501W です。
ロフトは10.5度、クラブ長さは46.25インチ、シャフトフレックスはSR、シャフト重量は52g、トルクは4.4、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は285gです。
ブリヂストンの新しいドライバーです。
以前から友人に、ブリヂストンから新しいブランドのクラブが発売されるそうだよ・・・。と聞かされていたので、私はずっと楽しみにしていました。
TOURSTAGE以外にも、昔のように『レイグランデ』や『レクスター』のようなブランドが誕生するのだと思っていました。
新しい名前は『PHYZ』で、『ファイズ』と読むのだそうです。
どういった意味があるのでしょうか?
それとも特に意味はなく、アルファベットを並べただけなのでしょうか?
しかし、おそらくは何かしらの深い意味が込められているのだと思います。
よく見てみると、トゥ側のところに『TOURSTAGE』のマークがありました。
『???』
私は何だかよく分かりませんでした。
聞くところによると、ツアーステージの中での新ブランドだということでした。
私はちょっと拍子抜けしてしまいました。
ツアーステージとは全く異なる、新たなブランドだと思っていたからです。
ツアーステージの名前がつくということは、今の『ViQシリーズ』と同等の並びなのでしょうか?
ツアーステージには『Xシリーズ』があって、今はなくなりましたが『Vシリーズ』があって、その他に『GRシリーズ』がラインアップされています。
それから『ViQシリーズ』というブランドが新たに加わりましたが、この『ViQシリーズ』も、昔からのツアステファンの私としては、ツアーステージとは全然別のブランドであって欲しかったというのが本音でした。
ブリヂストンのクラブが一番売れていた時代、1990年代に『J’s』というブランドが一世を風靡して、私も『J’sメタル』など色々なクラブやシューズなどを使っていました。
その後、尾崎将司選手が他のメーカー(WOSS)と契約をして、事実上『J’s』は無くなってしまいました。
その次の年(確か1998年)に発表されたのが、『TOURSTAGE』というブランドで、前のブランドの『J’s WORLDSTAGE』から、うまくイメージが継承されていたので、私は違和感なくツアーステージへ移行することができました。
誕生したばかりのツアーステージのクラブは、どれもが『ツアープロモデル』といいますか、かなり敷居の高い物ばかりで、それがまた一種のステータスを感じさせ、憧れを生んでいました。
日々練習を積んで、このクラブを使いこなせて見せるぞ・・・。
といった気概を生みました。
しかし年月とともに、段々とクラブの様子が変わってきて、少しブランドイメージとは異なるような印象を私は持っていました。
勿論、その品質や性能は高いものばかりでしたが、どうも『TOURSTAGE』という名にあまり相応しくないようなクラブを少しずつ見かけるようになってきました。
あくまでも私の勝手なイメージなのですが、ツアーステージは敷居の高さを感じさせながらも、どこか『武骨』といいますか、男性的で常に憧れの存在であってほしいと思っています。
最初の頃と比べるとややブランドイメージが変わってきたような気がします。
『Xシリーズ』とか『GRシリーズ』などと分けないで、ツアーステージは『Xシリーズ』だけにして欲しいと思っています。
その点、ダンロップの『スリクソン』と『ゼクシオ』や、ミズノの『MP』と『JPX』は、いい感じで『住み分け』ができているように思うのですが、ブリヂストンはこれからも『ツアーステージ』一本でいくのでしょうか?
『ブリヂストンゴルフ』=『ツアーステージ』
ということに、これからもなるのでしょうか?
品質や性能の高ささえ維持されていれば、クラブやブランドの名前などはどうでもいい・・・。と仰る方もたくさんいらっしゃると思いますし、今のままでいい・・・。と思っておられる方も多いとは思うのですが・・・。
私は素振りをしてみる前に必ずグリップのフィーリングを確かめながら、ヘッドを揺らしてみて、そのシャフトの感じをつかんでいくのですが、今日はこのドライバーのシャフトが、かなり軟らかく感じました。
上手く打てるだろうか?
と不安を感じるほどの軟らかさです。
このシャフトのフレックスは『SR』ということですが、とてもそんな感じはしませんでした。
『SR」とは、文字通り『S』と『R』の間ということで、幾分か『硬さ』を示す言葉だとは思うのですが、このシャフトはどう考えても、『硬い』という感じはしませんでした。
むしろ、かなり軟らかい感じがします。
『R』だとしても軟らかいと思いました。
勿論、この『硬さ』に関する感じ方は、人それぞれだと思いますし、メーカーやそのブランドなどによって、その表記の仕方はバラバラだとは思いますが、こうも違ってくるとあまり意味をなさないような気がします。
他のメーカーでは『振動数』を表記しているところもありますし、『インターナショナル・フレックス・コード』というものを採用しているところもあります。
様々な事情があるとは思うのですが、この表記の方法について、いつか統一されたら、よりいいような気がします。
このシャフトの軟らかさや、長さなどを見ても、このドライバーの対象となるゴルファーがいわゆるベテランゴルファーの方になると思うのですが、数年前には同じような感じの『TOURSTAGE EXE』というブランドがありました。
私はそのブランドのドライバーやフェアウェイウッド、アイアンを試打をしたことがあるのですが、いつの間にか見かけなくなりました。
とても高級感があって印象的だったのですが、今は廃番となっているようです。
この『PHYZ』というブランドがこれからどのように進化していくのか分かりませんが、同じ道を歩んでしまうのではないかな?と思いました。
何かこう方向性が見えにくい感じがしました。
勿論、品質や性能はブリヂストンのクラブなので、安心して使っていくことができますが、ちょっと乱暴な表現をすれば、目先を変えただけのような気もします。
『HUMAN HARMONIZED DESIGN』とあります。
『HUMAN』は人間ということは分かっているので、『HARMONIZED』という単語の意味を辞書で調べてみると、『調和』とか『一致』という意味が出てきました。
つまり人間の感性・感覚に調和したように作られている・・・。ということなのでしょうか?
ちょっと前までは、『感性』は置き去りにされていて、あくまでも『物理的な性能』ばかりが追求されていたような時代もありました。
そういった意味では、最近は多くのメーカーが『感性』というものを重視してクラブ開発をしてくれているので、私はとても嬉しく思っています。
クラブを使うのは、あくまでも人間なので、その人間の感覚に合わないクラブは、いくら物理的性能が良くても、あまり使われないような気がします。
何より、打っていても楽しくありません。
ヘッド後方に『HARMONIC METAL』とあります。
このドライバーは見るからに『チタン素材』だと思っていたのですが、『METAL』という言葉があるということは、ひょっとしてメタルドライバーなのかな?と思いました。
どういった意味なのか、店員さんに尋ねてみると、
この金属の部品のような物が、ヘッドの余分な振動を抑えてくれる・・・。という初期の『ViQシリーズ』にあったような、いわゆる『ターボラバー』のような役割をしてくれるのだと説明を受けました。
なるほど、よく考えられているな・・・。
と思いました。
『顔』は、とても大きくて真ん丸で、何と言いますか『大らかさ』を感じました。
細かいことはあまり気にせずに、自由に打っていいよ・・・。
と、このヘッドが言っているような気がします。
素振りをしてみると、不安と焦りを感じてしまいました。
重量的にもかなり軽いですし、やはりこのシャフトが軟らかすぎて、かなりタイミングが取りづらい感じがしました。
私にはあまりにも難しいスペックに感じられたので、違うスペックの物を探したのですが、あいにくこのドライバー一本しかありませんでした。
私は迷いました。
このまま試打を続けるか・・・。それとも中止するか・・・。
しかし、せっかくこうして出会ったのも、何かの縁だと思いましたし、私は普段からクラブとの縁を大切に思っているので、今日はこのドライバーにトライしてみようと思いました。
『長さ』もかなり感じましたし、私にとってかなり厳しいタイプのドライバーだと思いました。
ボールを前にして構えた時は、さすがに高級感を感じました。
いわゆるエグゼクティブゴルファーの方が好みそうな構え感だと思いました。
こういったタイプのドライバーなので、予め予想はしていましたが、『フックフェース』もはっきりとしています。
私には苦手な『顔』をしたドライバーですが、昔に比べ今はフックフェースもかなり市民権を得てきていると思いますし、それほど驚く感じもしません。
ただ、スライサーの方の中にもフックフェースに構えづらさを感じておられる方がたくさんいらっしゃるのも事実だと思いますし、できればスクエアフェースで球のつかまりの良さが維持されているようなドライバーが開発されたら、より嬉しく思います。
現実的には、こうしてフックフェースにするのが一番手っ取り早いのだと思いますが、技術の進歩は『無限』です。
いつか、もっといいフィーリングのドライバーが誕生するような気がします。
私はこうして構えたときに、とてもいい顔をしているドライバーだとすぐにテークバックにはいれるのですが、今日は少し時間が掛かってしまいました。
しかし、時間を掛ければ掛けるほど、身体は硬直してくるので、無理やりにでもテークバックを開始しました。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その何ともいえない心地よい『打感の良さ』です。
『構え感』や『振り感』が、私にとってかなり厳しいドライバーなので、最初の数球はミスを覚悟していたので、最初の一球目からいいところでヒットできたことに少し驚きましたし、この感触の良さにすっかり魅了されてしまいました。
『HUMAN HARMONIZED DESIGN』というのは、嘘ではないな・・・。
と思いました。
この感触は何球でも打っていたくなるほど、好感を持ちました。
『音』という点でも、すごく聞きごたえがあるといいますか、『耳に優しい音』です。
このドライバーは、明らかに『スインガータイプ』の方用だと思いますが、これまでそういったタイプのドライバーの音には違和感を感じるものが少なくありませんでした。
というより、かなり苦手に感じるものがたくさんありました。
私は、そのドライバーがいくら飛距離を稼いでも、また高い直進性を発揮しても、打感や音に苦手意識を持つと、すぐに試打を止めてしまうことが多いです。
『打感』や『音』というのは、決して妥協できませんし、譲りたくはありません。
そういった意味でも、このドライバーの打感や音にはとてもいい印象を持ちました。
『安定性』という点でも、このドライバーは本来はとても大らかで、『ミスに対する許容度』も、かなり高いと思います。
ヘッドの大きさが、そのまま易しさに直結しているような感じがします。
このヘッド形状、クラブ重量、シャフト重量、シャフトフレックス・・・。などが合う方には、かなり高いパフォーマンスを発揮してくれるのではないでしょうか?
明らかにシビアなドライバーには属さないと思います。
ただ、私にとってはかなり難しいドライバーで、いいところでヒットしていい感触を得ることができても、球は大きく曲がってしまいました。
しかも一方向ではなく、あちこちに散らばっていきました。
なかなかタイミングが取りづらいですし、使いこなしていくことができませんでした。
やはりこういったタイプのクラブは、私自身の日頃の『スイングの質』が問われているような気がします。
練習場の大鏡の前で、素振りをしてみたのですが、かなりタイミングがバラバラでしたし、私の悪いところがどんどん出てきました。
まだまだ練習が足りないのだと、このドライバーから言われたような気がしました。
『球のあがりやすさ』という点でも、見た目通り、かなり高性能です。
『超・高弾道ドライバー』です。
私は叩いていきたいタイプなので、どうしても強くいきたいのですが、そういった打ち方は明らかに合わないですし、かなり吹き上がって上へ上がりすぎてしまうので、いいパフォーマンスは期待できないと思いました。
ヒッタータイプには合わないドライバーだというのは、百も承知なのですが、何とか合わせていきたいな・・・。と思いました。
それは、やはり『打感』や『音』がいいからだと思います。
球の方向などは、とりあえず置いといて、このフィーリングだけでも味わっていたくなります。
『操作性』という点では、最近のドライバーの中ではかなり難しいほうだと思いました。
こういったスペックのドライバーなので、あまりわざと曲げたくはなかったのですが、とりあえずやってみよう・・・。と思って実行したら、ミスショットのオンパレードでした。
特に大きなフックを打とうとしたら、『チョロ』なども出てしまいました。
それでなくても普通に打っているだけでフックが出やすいのですが、今日は極端なフック打ちは、かなり難しい感じがしました。
それよりも、カット打ちのほうが、易しく感じました。
『フックフェース』や『軽量感』『軟らかさ』などにも難しさを感じましたが、それに加え、今日は『シャフトの長さ』も、はっきりと感じました。
あらゆる面から見ても、かなり手ごわいドライバーでした。
『飛距離性能』という点でも、この長尺ですし、本来はかなり優れていると思います。
私が実際に打つと、球が高く上がり過ぎたり、左右に散らばったりして、なかなかこのドライバーの持つ高い性能を発揮させることはできませんでしたが、このドライバーのスペックが合う方には、かなり高いパフォーマンスが発揮できるのではないでしょうか?
日頃、『球のつかまりの弱さ』や『キャリー不足』などに悩んでおられる方にも、じゅうぶん力を貸してくれるドライバーだと思いますし、何よりも『長い』というのは、とても大きなアドバンテージにつながると思います。
何年か前の長尺ドライバーは、『球のつかまり』が弱い物も多く、いわゆる『コスリ球』で、思っていたよりも飛距離が稼げなかった・・・。という方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
しかし、このドライバーはかなり球が自然とつかまってくれるので、そういった昔の欠点も解消されているような気がします。
『46.25インチ』という長さは、今の私ではとても対応できない長さですが、いずれこれくらいの長さが『スタンダード』になってくるのかもしれません。
そうなる前に、もっと練習を積んで対応できるようになっていたい・・・。と思いました。
最初のほうでも書きましたが、私はこういったタイプのドライバーは、『ツアーステージ』という名前とは別に発売して欲しかった気がします。
『ツアーステージ』とは、その名の通り、『ツアーの舞台』ということなので、『ツアープロ』や『トーナメント』を連想させる言葉です。
このドライバー(特に今日試打したこのスペック)をツアープロが使うとはとても思えません。
勿論、一般的に売られている市販品と、実際にプロが使うクラブとは、見た目が似ていても実際はかなり違うことは承知しています。
なので、できれば別の名前で考えてみるのもいいのではないかな?と思いました。
このドライバーを試打していて、スペック的には私には難しいドライバーでしたが、品質の高さや基本的な性能の高さは充分に感じられるクラブでした。
ブリヂストンのクラブらしい、高い信頼を寄せることができるクラブだと思います。
ただ、これから『PHYZ』がどういった方向に進むのかは未知数ですし、今の感じですと『EXE』のように、いつの間にか見なくなってしまうのではないかな?と思えなくもありませんでした。
ブリヂストンのクラブには、私がまだビギナーの頃から慣れ親しんでいたので、ある複数のメーカーを除いて他のメーカーよりも強い親近感を持っているせいか、今日はちょっと否定的な感じの記事になってしまいました。
しかし、いつも通り、私が感じたことをそのままストレートに書かせていただきました。
『J’s』もそうでしたが『レクスター』や『レイグランデ』のクラブやボールなどにもたくさんのいい思い出があります。
あまり昔の思い出に浸りすぎても良くないのかもしれませんが、今日は何故か昔の良さを考えていました。
久しぶりのブリヂストンのニューブランドのクラブでありながら、今日は苦戦することが多かったので、また日を改めてチャレンジしたいと思いましたし、違うスペックのドライバーを試打してみたいです。
スペック的に、私にはかなり難しいドライバーでしたが、この『フィーリングの良さ』は、とても強く印象に残りました。
また手にして楽しみたいです。
ブリヂストン ツアーステージ PHYZ ドライバー
- 2011年2月21日
- ブリヂストン
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テーラーメイド R11 ドライバー