テーラーメイド R9 アイアン

テーラーメイド R9 アイアンを試打評価

テーラーメイド R9 アイアン 画像

今日は、このゴルフクラブ試打しました。

試打クラブは テーラーメイド R9 アイアン の7番です。


NS950GH

シャフトはNS PRO950GHです。

ロフトは35度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、トルクは1.9、バランスはD1、キックポイントは中調子です。


テーラーメイド R9 アイアン 正面画像

テーラーメイドのニューアイアンは、最近よく見かける「アンダーカットキャビティ」形状を採用しています。

テーラーメイドのアイアンは、もはやこの形状が主流になっていると言っても違和感はありません。他メーカーからも同様の構造が多く発売されており、その高い性能については、これまで何度も実感してきました。

膨らみが過度に強く、構えたときに違和感を覚えやすい「ポケットキャビティ」と比べると、今回のようなすっきりした印象の「アンダーカットキャビティ」のほうが、個人的には好印象です。

さまざまなハイテク技術や工夫が盛り込まれていても、構えた瞬間にそれを意識させないクラブのほうが、結果的に使いやすいと感じます。

多くの工夫が施されていても、それが構えづらさにつながってしまうのであれば、得られるメリットよりもデメリットのほうが大きくなってしまうと考えています。


INVERTED CONE TECHNOLOGY

バックフェースには「INVERTED CONE TECHNOLOGY」という表示があります。

「INVERTED」という言葉を辞書で調べてみると、「反転」という意味が出てきました。

続いて「CONE」を調べると、「円すい」という意味になります。

この「反転」と「円すい」という言葉をどう結び付けるのか、正直なところ少し分かりにくく感じました。

そこで店員さんに説明を聞いてみると、
「フェース面に施された INVERTED CONE TECHNOLOGY によって、ミスヒット時でも初速の低下を抑えてくれる構造です」
とのことでした。

なるほどと思いながらも、外観からはその工夫を確認することはできませんでしたし、こうしたアプローチ自体は、これまでも数多く見てきた気がします。

このアイアンは見た目こそ比較的オーソドックスで、シャープな印象も受けます。

しかし実際には、その外観以上に「やさしさ」や「ミスへの寛容性」を重視して設計されているのではないか、という印象を受けました。


テーラーメイド R9 アイアン 素振り

素振りをしてみると、これまでと同じ軽量スチールらしい振り感が伝わってきます。

このタイプのアイアンにはこれまで何度も触れてきましたし、好不調の波はあるものの、扱いきれないと感じることはありません。無理をする必要もなく、比較的リラックスした気持ちで振っていくことができました。

決して、自然体のまま振り抜ける最高のフィーリング、というわけではありません。

ただし、「自分がミスをしなければ大丈夫だろう」と思える安心感があり、その感覚を確かめるように、何度も素振りを繰り返していきました。


TaylorMade R9 IRON

「R9」といえば、これまでのドライバーやフェアウェイウッドに採用されてきた「FCT(フェース・コントロール・テクノロジー)」が印象に残っています。フェースアングルやロフトを調整できる、当時としては画期的なシステムでした。

しかし、このアイアンにはそうした調整機能は見当たらず、あくまで従来通りのノーマルな設計という印象を受けます。

やはり、アイアンにドライバーのような調整機構を組み込むのは、現時点の技術では簡単ではないのでしょうか。

以前にも触れましたが、もしアイアンのライ角をプレーヤー自身が簡単に調整できるようになれば、「アイアン名人」と呼べるゴルファーは相当数増えるのではないかと感じています。

実際に、ライ角が合わないままクラブを使い続け、出口の見えない迷路に入り込んでしまっている人を、これまで何人も見てきました。

本来であればシングルハンディに手が届く実力を持っていながら、わずかなクラブのズレによって結果が出ず、足踏みを続けているゴルファーは、実は想像以上に多いのではないでしょうか。


キャビティアイアン

マッスルバックは、キャビティアイアンと比べると、確かにシビアな一面を持っています。

ただし、ライ角が適正に合ったマッスルバックであれば、ライ角の合わないキャビティよりも、はるかに打ちやすいと感じます。実体験としても、ミスは明らかに減少しました。

将来的に、優れた技術革新によって、こうした不具合が解消されていけば、それはゴルファーにとって理想的な環境と言えるでしょう。

幸いなことに、私の周囲には信頼できるクラフトマンが存在し、調整面で困ることはありません。しかし、同じ条件でクラブと向き合えるゴルファーばかりではないはずです。

だからこそ、調整に頼らずとも性能を引き出せる工夫がクラブ側に組み込まれれば、ゴルファー全体の底上げにつながる可能性があります。

数々のクラブ改革を行ってきたテーラーメイドは、その点で十分な実績を持つメーカーです。

これから先も、斬新で現実的な工夫によって、私たちゴルファーを楽しませてくれる存在であり続けることを期待しています。

テーラーメイド R9 アイアン 構えた感じ

ボールを前にして構えてみると、第一印象はとても良好でした。

変なクセは感じられず、全体として非常にすっきりしています。

ヘッドサイズは大きすぎず小さすぎず、ちょうど適正と感じられるバランスです。グースの度合いも過度ではなく、自然に抑えられている印象を受けます。

トップラインも必要以上に厚くなく、構えた瞬間に違和感を覚えることはありません。結果として、かなり楽な気持ちでアドレスに入ることができました。

いわゆる「シャープさ」が前面に出るタイプではなく、どちらかといえばマイルドな構え感です。そのため、シビアさを意識させられる場面は一切ありませんでした。


海外メーカー アイアン

包丁に例えると、『鋭い切れ味を持った研ぎ澄まされた包丁』というのではなく、誰にでも使いやすい『オールマイティな家庭用の包丁』といったところでしょうか?

『垣根の低さ』と『親しみやすさ』を感じます。

包丁というのは、切れ味が良ければ良いほどいいのではなく、『程良い加減』が必要なのだそうです。

もうずいぶん前ですが私は学生時代、某有名ホテルのレストランで皿洗いのアルバイトをしていたことがあり、そのレストランのシェフが厨房である時、

「包丁っていうのはよく切れれば切れるほどいい・・・。ていうものじゃなく、切れすぎると、却って使いづらくなるんだよ・・・・。適度な切れ味が一番使いやすいし、リズムも出てくるんだよ・・・・。」
と言っていたのをよく覚えています。

よく切れれば切れるほどいいんじゃないか・・・・?
と、これまでの私の考えとは全く違った言葉でしたし、その一流シェフの言葉には含蓄があり、とても印象的だったので、今でも強く心に残っています。

『包丁』と『ゴルフクラブ』とは全く違ったものかもしれませんが、どこかに共通点があるのではないでしょうか?

このアイアンの『マイルドな構え感』に、ふと、そのような昔の記憶が蘇ってきました。


試打を開始しました。
テーラーメイド R9 アイアン 打感

打感は、とても好印象でした。

一言で表すなら、非常に心地よい感触です。

いわゆる軟鉄鍛造とは少し異なるものの、違和感はなく、むしろ素直に好感が持てました。ソフトでありながらライトな感覚、と表現すると近いかもしれません。

ボールの重さを強く手に伝えるタイプではなく、インパクト時に余計な負担を感じさせない、やさしい打感です。

この感触は、これまでのテーラーメイドのアイアンでも感じた記憶がありますし、コブラなど海外メーカーの一部モデルにも通じるものがあるように思えました。

打っていて楽しく、フィーリング自体はとても良好です。ただ、まだ慣れていないこともあり、距離感や方向性を安定させるには、もう少し球数を重ねる必要がありそうです。

喫茶店で飲むクリームソーダに例えると、上に浮いたアイスクリームをまだ混ぜていない、透明感のある状態が軟鉄鍛造だとすれば、R9 はほんの少しだけ混ぜて、アイスが溶け始めた段階といった印象でしょうか。

私は濁るのがあまり好きではなく、アイスクリームはかき回さずに先に食べてしまうタイプです。ただ、最初から混ぜて楽しむ方がいるのも自然なことだと思います。

結局のところ、これは完全に好みの問題なのでしょう。

少し話がそれましたが、このアイアンの打感を表現すると、なぜかそんなイメージが浮かんできました。

個人的には、先日試打したツアープリファード フォージド アイアンのほうが好みではあります。ただし、このR9 アイアンの打感も、十分に魅力的だと感じています。

 

09091107

球の上がりやすさは、かなり際立っています。

最近ではあまり見かけなくなったロフト35度という設定もあり、そこにNS PROの特性が重なって、さらに弾道の高さを後押ししているように感じました。

とにかく、上がりやすく、浮きやすく、ボールを拾いやすい。そう表現したくなるほどの印象です。

この日は1球目から良い感触で打ち出せた、いわばラッキーデーでもありました。ただ、それを差し引いても、この弾道の高さには思わず目を引かれるものがあります。

一般的に、
プロ・上級者向けモデルはロフトが寝ていて、
アベレージ向けや飛距離重視モデルはロフトが立っている、
という構図が、今の主流なのかもしれません。

その意味では、ストロングロフトが当たり前になった現在、このR9アイアンは、どちらかといえばプロや上級者寄りの位置付けになるのでしょう。

ただし、難しさやシビアさを感じる場面はほとんどありませんでした。打感でも触れたように、ライトさとマイルドさを併せ持った、非常にソフトな印象のアイアンです。

良い意味で肩の力を抜くことができ、終始リラックスした気持ちで打っていける。そんな余裕を感じさせてくれる一本だと思いました。


ソール幅

『ソール幅』は決して広すぎず、個人的にはちょうどいいバランスに感じられました。

ソール幅が過度に広いと、球を拾いにくくなり、途端に難しく感じてしまうことがあります。
その点、このアイアンではそうした違和感は一切ありません。

ソールの滑りも自然で、引っかかるような要素は見当たらず、安心して振っていけます。

普段はワイドソールアイアンを使い、その上がりやすさには満足しているものの、
そろそろ次の段階のアイアンを試してみたい、と感じている方には、十分に試す価値がある一本だと思います。

一方で、この「広すぎないソール幅」に不安を覚える方や、
見た目から難しそうだという印象を持たれる方もいるかもしれません。

ただ、実際に打ってみると、想像以上にやさしいアイアンだという印象を受けました。

最近は『本間』『ミズノ』『三浦技研』といった、いわゆるプレミアムアイアンに触れる機会が多かったため、
その反動で余計にそう感じた部分もあるのかもしれません。
それを差し引いたとしても、このアイアンはかなり打ちやすい部類に入ると感じます。

球は非常に楽に上がりますし、ミスに対しても比較的寛容です。

正直なところ、私自身はもう少し弾道を低く抑えたい気持ちもありましたが、
この『NS PRO』シャフトでは、その点がやや難しく感じられました。

抑えようとしても、自然と球が上がっていく。
そんな印象です。

手元調子で、もう少し重量感のあるシャフトを組み合わせれば、
よりイメージ通りの弾道にコントロールできるのではないか。
そんなことを考えながら試打していました。

テーラーメイド R9 アイアン バックフェース画像

『安定性』という点でも、見た目から想像する以上にやさしさを感じさせます。

ハードさやシビアさはほとんど伝わってきません。

先ほど触れた『INVERTED CONE TECHNOLOGY』の効果を明確に体感できたかと言われると、正直なところ断言はできません。
ただ、スイートエリアはかなり広く感じられ、その恩恵は十分に受けている印象です。

最初の2〜3球は、ややトゥ寄りにヒットしてしまいました。
それでも、打感が極端に悪くなることはなく、安定感のあるフィーリングが残ります。

打球も、右に弱々しく逃げていくようなフケ球ではありません。
直進性が高く、高さもしっかり出た、まずまず力強い弾道という印象でした。

やはりバックスピン量が多いことで、多少の打点ズレがあっても曲がりが抑えられ、
結果として高い直進性につながっているのかもしれません。

私自身には、ややスピン量が多すぎると感じる場面もあり、
もう少し薄めに当てていこう、と意識するようになっていました。

こうした軽量感のあるフィーリングだと、どうしても自分のスイングの悪い部分が顔を出し、
それが安定性を欠く原因になることもあります。
ただ、日頃から『NS PRO』を使い慣れている方であれば、
このアイアンの高い安定性を、より強く実感できるのではないでしょうか。

見た目は本格的で、シャープさもあり、いかにも上級者向けといった雰囲気があります。
しかし実際には、打ちやすさにも相当な配慮をして開発されているように感じました。

『INVERTED CONE TECHNOLOGY』の効果を強く意識することはできなかったものの、
アンダーカットキャビティならではのやさしさは、確かに感じ取ることができた気がします。


外国メーカーのアイアン

『操作性』という点でも、全体的にはまずまずといった印象です。

多少バラつく場面は見られましたが、ボールを曲げていくイメージは比較的出しやすく、操作性の高いアイアンだと感じました。

自分のイメージ通りに球を操るためには、適度な『安定性』に加えて、『重量感』や『ねばり感』が重要だと私は考えています。
その点、このアイアンはバランスが良く、なかなか好印象でした。

私自身は、やはり使い慣れたシャフトの方が操作性は高まるだろうと思い、『ダイナミックゴールド装着モデル』の試打クラブを探してみました。

しかし、用意されていたのは『カーボンシャフト』か、この『NS PRO』のみで、今回は試すことができませんでした。

機会があれば、次回はぜひ別シャフトでも打ってみたいところです。

曲がり幅に関しては、やや予想以上に大きく感じる場面もありましたが、それでも『フック』『スライス』を比較的楽に打ち分けることができました。

私にとってはやや軽量に感じるアイアンではあります。
ただ、このアイアンが持つ『構えやすさ』が、結果として『操作性の良さ』を引き出しているように思えました。

09091115

『飛距離性能』については、やはり『適正の範囲』といいますか、『標準レベル』なのだと思います。

最近は、こういった『ロフトが寝たモデル』も少しずつ増えてきているような気がしますし、やはり『ストロングロフト』との『二極化』が進んでいるのかもしれません。

『距離感』がつかみやすいので、私はやはりこのような『ロフトが寝たモデル』を選んでしまいますが、『飛距離性能』に重点を置いておられる方には、あまり合わない可能性もあると思いました。

決して飛ばない……という印象ではありませんでした。
『NS PRO』は、私の中では『距離の出るスチールシャフト』という認識がありますし、マイクラブよりは、確実に飛距離が稼げていると感じられました。

09091110

最近、ようやく『テーラーメイド』のニュークラブに出会えるようになってきました。

少し前までは、テーラーメイドの新製品が出るサイクルはとても早かったのですが、
ここ最近は、どちらかというと『やや待たされ気味』だったように感じます。

少し首が長くなりすぎてしまったような気もします。

毎年のことではありますが、やはり『秋以降』が一番メインとなる『変革期』なのかもしれませんし、
各メーカーには、それぞれの戦略があるのだと思います。

私としては、なるべく一年を通して新しいクラブに出会っていきたいと思っているのですが、
これからは、そんな意味でも嬉しいシーズンの到来です。

練習やラウンドにも最も適した季節になってきましたし、
ニュークラブにも出会えるということで、秋は一番好きな季節でもあります。

とはいえ、真冬の寒い日でも、真夏の炎天下でも、
私はゴルフを止められませんが、やはり秋は格別だと感じます。

09091111

私の友人の中にも『テーラーメイドファン』は多いので、このアイアンも人気が出そうです。

特に『R9ドライバー』がすごく流行っているので、そのドライバーに合わせて、このアイアンセットへシフトしていく人も増えるのではないか・・・。と思います。

そして、コースや練習場で、このアイアンが活躍していく場面を、これからよく目にするのだろうと感じました。

先ほども書きましたが、このアイアンは見た目以上に易しく、かなり多くの方にお薦めできるアイアンだと思います。

アイアンを選ぶ際に『打ちやすさ』を『第一条件』に挙げておられる方も多いと思いますが、それでいて、なおかつ『見た目の良さ・カッコ良さ』『打感の良さ』を求めておられる方には、ぜひ一度試していただきたいアイアンです。

これまで『テーラーメイド』のクラブに憧れはあったものの、どうしても『二の足』を踏んでいた方にとっても、『テーラーメイドデビュー』の良いきっかけになってくれるアイアンだと感じました。

また機会があれば、ぜひ改めて試打してみたいです。

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