今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは テーラーメイド R9 アイアン の7番です。
シャフトはNS PRO950GHです。
ロフトは35度、クラブ長さは36.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、トルクは1.9、バランスはD1、キックポイントは中調子です。
テーラーメイドのニューアイアンです。
最近見慣れた感じの『アンダーカットキャビティ』です。
テーラーメイドのアイアンは、もうこの形状が殆ど・・・・。といってもいいような感じもしますし、他のメーカーからも発売されているので、このアイアンの高性能は何度も実感しています。
膨らみが大きくなりすぎて、構えづらくなるような『ポケットキャビティ』よりは、このようなすっきりとした感じの『アンダーカットキャビティ』の方が私は好きです。
様々はハイテクや創意工夫が施されていても、それを構えたときに感じさせない工夫のあるクラブの方が私は使いやすい感じがします。
色々な工夫が施されていても、却ってそれが『構えづらさ』を助長しているようならば、『プラス面』よりも『マイナス面』の方が大きいと思います。
『バックフェース面』には『INVERTED CONE TECHNOLOGY』と表示されています。
『INVERTED』という言葉を辞書で探してみると『反転』という言葉が出てきました。
『CONE』という言葉を探してみると『円すい』という言葉が出てきました。
『反転』と『円すい』という言葉の関連づけがなかなか難しいように思っていたのですが、店員さんの説明によると、
「この『INVERTED CONE TECHNOLOGY』という工夫がフェース面に施されていて、それがミスヒットした時の初速低下を防ぐ・・・・。」
というのだそうです。
なるほど・・・。と思いつつも見た目には全く解りませんでしたし、こういった類の工夫はこれまでもたくさん見られたような気がします。
このアイアンは見た目は結構『オーソドックス』な感じもしますし、結構『シャープ』な感じもするのですが、見た目の印象以上に『易しさ』『ミスの許容性』を重視して開発されているのでしょうか?
素振りをしてみても、これまで通りの『軽量スチール』の『振り感』です。
こういったタイプのアイアンにはずいぶんと出会ってきましたし、好不調の波はありますが、決して手に負えない感じではないので、比較的楽な気分で振っていくことができました。
決して、すごく自然体で振っていける・・・。最高の振り心地・・・。というわけではないのですが、自分さえミスをしなければいいのだ・・・。と思いながら素振りを繰り返していきました。
『R9』といえば、これまでのドライバーやフェアウェイウッドに見られた『FCT(フェース・コントロール・テクノロジー)というシステムにより『フェースアングル』や『ロフト』が変えられる画期的な『調整機能』が付いていましたが、このアイアンはそのような物は見あたらず、これまでの『ノーマル』な感じです。
やはりアイアンにそのような工夫を施すのは、今の技術では難しいのでしょうか?
以前も書きましたが、アイアンの『ライ角』をプレーヤー自らが簡単に自分に合うように調整できれば、かなりの数の『アイアン名人』が誕生すると思うのですが・・・・。
『ライ角』が合わないまま使っていて、迷路に迷い込んでしまっている人をこれまでたくさん見てきました。
本当は『シングル』に手が届く実力を持ちながらも、微妙な『クラブのずれ』で、それを逃していたり、『足踏み』を続けている人が実はすごく多いのではないでしょうか?
『マッスルバック』は確かに『キャビティ』に比べると『シビア』な一面はありますが、『ライ角の合ったマッスルバック』は『ライ角の合わないキャビティ』よりは、格段に打ちやすいと思いますし、ミスが軽減されるとこれまでの経験上強く感じます。
いつか、素晴らしい『技術革命』によって、このような不具合が無くなっていけば、すごくいいことだと思うのですが・・・・。
幸い、私には信頼できる『クラフトマン』がいて、彼らにいつもお世話になっているのですが、そうはいかない方々もきっと多いのだと思います。
だから尚更、こういった工夫が導入されれば、ゴルファー全体のレベルアップにつながるような気がします。
様々な『クラブ改革』を行ってきた『テーラーメイド』です。
実績があります。
きっとこれから先、素晴らしい工夫で私たちゴルファーを喜ばせてくれるだろう・・・・。と期待しているのですが・・・・。
ボールを前にして構えてみると、すごくいいです。
変なクセもなく、とてもすっきりとしています。
『ヘッドの大きさ』も適正ですし、『グース』の度合いもいい感じで抑えていけてます。
『トップライン』も厚すぎませんし、とても楽に構えていけました。
『シャープさ』というよりは『マイルドさ』を感じた『構え感』ですし、全く『シビア』な感じはしません。
包丁に例えると、『鋭い切れ味を持った研ぎ澄まされた包丁』というのではなく、誰にでも使いやすい『オールマイティな家庭用の包丁』といったところでしょうか?
『垣根の低さ』と『親しみやすさ』を感じます。
包丁というのは、切れ味が良ければ良いほどいいのではなく、『程良い加減』が必要なのだそうです。
もうずいぶん前ですが私は学生時代、某有名ホテルのレストランで『皿洗い』のアルバイトをしていたことがあり、そのレストランのシェフが厨房である時、
「包丁っていうのはよく切れれば切れるほどいい・・・。ていうものじゃなく、切れすぎると、却って使いづらくなるんだよ・・・・。適度な切れ味が一番使いやすいし、リズムも出てくるんだよ・・・・。」
と言っていたのをよく覚えています。
よく切れれば切れるほどいいんじゃないか・・・・?
と、これまでの私の考えとは全く違った言葉でしたし、その一流シェフの言葉には含蓄があり、とても印象的だったので、今でも強く心に残っています。
『包丁』と『ゴルフクラブ』とは全く違ったものかもしれませんが、どこかに共通点があるのではないでしょうか?
このアイアンの『マイルドな構え感』に、ふと、そのような昔の記憶が蘇ってきました。
試打を開始しました。
『打感』はとてもいい感じでした。
とてもいい感触です。
『軟鉄鍛造』とはまた違った感じですが、すごく好感をもてました。
『ソフト』でありながら『ライト』な感じ・・・・。とでもいうのでしょうか?
『球の重さ』を感じられる感触ではなく、手に余分な負担をかけない感じ・・・・。とでもいう感じの『ソフト』な感じの打感です。
この感触はこれまでの『テーラーメイド』のアイアンにも感じられたような記憶がありますし、『コブラ』など海外メーカーのアイアンの一部にも感じられた打感だと思いました。
すごく心地良い感触で、打っていても楽しめるのですが、まだそれほど慣れていないせいか、『距離感』や『方向感覚』を出していくには、もっと球数が必要だと思いました。
喫茶店で飲む、『クリームソーダ』を例にして例えると、上に浮いているアイスクリームをまだ全然かき混ぜていない、透明なままのソーダの色が『軟鉄鍛造』で、ほんの少し混ぜてアイスクリームがソーダに溶け出した感じの『R9』といったところでしょうか?
私は濁るのが嫌で、あまり混ぜたくないので、アイスクリームをかき回さずに先に食べてしまいたいタイプなのですが、食べる前にかき回す方もいらっしゃると思います。
それはやはり人それぞれだと思いますし、好みでいいのだと思います。
ちょっと話がそれてしまいましたが、何故かそんな感じかな・・・・?などと考えていました。
私はどちらかというと、先日試打したツアー プリファード フォージド アイアンの方が好みなのですが、このアイアンの打感もとても好感をもつことが出来ました。
『球のあがりやすさ』は、すごくあがりやすい・・・。と思いました。
最近ではあまり見られないこの『ロフト』(35度)ということもあり、『NS PRO』がそれをさらに増長させているような気がします。
ものすごい『あがりやすさ』『浮きやすさ』『拾いやすさ』です。
今日は1球目からいい感じで球を打つことができた『ラッキーデー』なのですが、この弾道の高さは目を見張るものがあります。
『プロ・上級者モデル』・・・・・・・・・・・・・・ロフトが寝ている
『アベレージ』『飛距離優先モデル』・・・・ロフトが立っている
という構図が今は出来上がっているのかもしれませんし、『ストロングロフト』が大半の今ではやはりこの『R9アイアン』は、どちらかというと『プロ・上級者用』に位置するのかもしれません。
しかし、全く『難しい』とか『シビア』な感じはしませんでしたし、このアイアンの打感のように『ライトさ』と『マイルドさ』を合わせ持つ『ソフトなアイアン』といった感じです。
いい意味で『肩の力』を抜いていけて『楽な気持ち』で打っていけるアイアンだと思いました。
『ソール幅』も広すぎませんし、『程良い頃合い』だと思います。
『ソール幅』が広すぎると、私は球を拾いづらい感じがして、とても難しく感じてしまうことが多いのですが、このアイアンにはそれが全く感じられませんでした。
『ソールの滑り』もいい感じですし、障害となるようなものは全く見あたりません。
日頃、『ワイドソールアイアン』を使っておられ、その上がりやすさには満足しつつも、そろそろもう『ワンステップ』したアイアンを使ってみたい・・・・。と感じておられる方には是非試してみられる価値があるのではないでしょうか?
この『広すぎないソール幅』に不安を感じられる方もいらっしゃるでしょうし、難しそうな印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、見た目以上に易しいアイアンだと思いました。
最近は、『本間』や『ミズノ』『三浦技研』といった、私にとっての『プレミアムアイアン』に接してきたから、余計そう感じられるのかもしれませんが、おそらくそうでなくても、このアイアンはかなり打ちやすい・・・・。と感じたと思います。
とても楽に球があがりますし、ミスにも比較的寛容だと思います。
私には正直もっと低く抑えていきたい感じもするのですが、このシャフト『NS PRO』だと、私にはやや難しく感じられてしまいました。
上げたくなくても自然と上がっていく・・・・・。といった感じです。
『手元調子』で『重量感』のあるシャフトだと、もっといい感じで抑えていけるんだろうなぁ・・・・。と思っていました。
『安定性』という点でも、見た目以上に易しい感じがします。
全くハードな感じが伝わってきません。
先ほどの『INVERTED CONE TECHNOLOGY』の効果が発揮されているのかは解りませんでしたが、けっこうな『ワイドスイートエリア』だと思いました。
最初の2、3球は、やや『トゥ寄り』に当たってしまったのですが、それをあまり感じさせない『打感』と『安定性』です。
球も弱々しく右へ『逃げ気味』に飛んでしまう『フケ球』ではなく、まずまずの『直進性』と『高弾道』な打球だと思いました。
やはり『バックスピン』が多いと、少々の球の曲がりは抑えられそれが高い『直進性』につながっていくのかもしれません。
私にはやや多すぎる感じもしたのですで、もっと『薄目』に当てていこう・・・・。と思っていました。
私にはこういった『軽量感』だと、どうしても私のスイングの悪い所が出てしまい、それが『安定性』を欠く原因となってしまうようにも思うのですが、日頃『NS PRO』を使い慣れておられる方にはすごく高い安定性を感じることができるのではないでしょうか?
見た目、本格的でカッコいいデザインのアイアンではありますが、かなり『打ちやすさ』にもこだわって開発されているのではないでしょうか?
『INVERTED CONE TECHNOLOGY』の効果は私には強く実感できなかったのですが、『アンダーカットキャビティ』の易しさのようなものは感じられたような気がします。
『操作性』という点でも、まずまず・・・・・。です。
ややバラついてしまうところもあったのですが、比較的曲げていきやすいアイアンだと思いました。
自分のイメージに乗せて操作するには、適度な『安定性』と、それに伴う『重量感』『ねばり感』が必要だと思っているのですが、このアイアンはなかなかいい感じだと思いました。
私にはやはり日頃使い慣れたシャフトの方が、より操作性が高まると思い、『ダイナミックゴールド装着モデル』の試打クラブを探してみたのですが、『カーボンシャフト』か、この『NS PRO』しか見あたらなかったので、また今度探してみたい・・・。と思いました。
やや曲がり幅は予想よりも大きすぎる感じもしましたが、比較的楽に『フック』『スライス』を打っていくことができました。
私にとってはやや軽いアイアンではあるのですが、このアイアンが持つ『構えやすさ』が『操作性の良さ』を引き出してくれているような気がします。
『飛距離性能』については、やはり『適正の範囲』といいますか、『標準レベル』なのだと思います。
最近は、こういった『ロフトが寝たモデル』も少しずつ増えてきているような気がしますし、やはり『ストロングロフト』との『二極化』が進んでいるのかもしれません。
『距離感』がつかみやすいので、私はやはりこのような『ロフトが寝たモデル』を選んでしまいますが、『飛距離性能』に重点を置いておられる方には、あまり合わないのかもしれません。
決して飛ばない・・・。とは思いませんでしたし、『NS PRO』は、私の中では『距離の出るスチールシャフト』という認識がありますし、マイクラブよりは確実に飛距離が稼いでいけていると思いました。
最近、ようやく『テーラーメイド』のニュークラブに出会えるようになってきました。
ちょっと前までは、テーラーメイドの新製品の出るサイクルがすごく早かったのですが、最近は『やや待たされ気味』でした。
少し首が長くなりすぎてしまったような気がします。
毎年のことではありますが、やはり『秋以降』が一番メインの『変革期』なのかもしれませんし、各メーカー、それぞれの戦略があるのだと思います。
私としては、なるべく一年中新しいクラブに出会っていきたいと思っているのですが、これから嬉しいシーズンの到来です。
練習やラウンドにも最も適した季節になってきましたし、ニュークラブにも出会えるので、秋は一番好きな季節です。
といっても真冬の寒い日や真夏の炎天下の中でも、私はゴルフを止められませんが、やはり秋は格別です。
私の友人の中にも『テーラーメイドファン』は多いので、このアイアンも人気が出そうです。
特に『R9ドライバー』がすごく流行っているので、そのドライバーに合わせてこのアイアンセットにシフトしていく人も増えるだろうなあ・・・・。と思いました。
そしてコースや練習場で、このアイアンが活躍していくのだろうと思いました。
先ほども書きましたが、このアイアンは見た目以上に易しいので、かなり多くの方にお薦めできるアイアンです。
『打ちやすさ』をアイアンを選ぶ時の『第一条件』に挙げておられる方もたくさんいらっしゃると思いますが、それでいて尚かつ『見た目の良さ・カッコ良さ』『打感の良さ』を求めておられる方は、是非一度試してみてはいかがでしょうか?
これまで『テーラーメイド』のクラブには憧れていたけれども、どうしても『二の足』を踏んでいた方にも『テーラーメイドデビュー』のいいきっかけになってくれるアイアンといってもいいような気がします。
私はまた見かけることがあれば、是非試打したいです。
テーラーメイド R9 アイアン
- 2009年9月11日
- テーラーメイド