ゴルフクラブ試打日記。          

テーラーメイド TP MB アイアン スモーク

テーラーメイド TP MB アイアン スモーク 
今日はこのゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは テーラーメイド TP MB アイアン スモーク の7番 です。
Dynamic Gold

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは36度、クラブ長さは36.5インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、トルクは1.7、バランスはD2、キックポイントは手元調子 です。
正面
テーラーメイドのカッコいいアイアンです。
この独特の黒さと艶消しな感じがとてもいい感じです。
すごくいい雰囲気がどんどん伝わってきます。
ZTP

写真では見えにくいですが、トゥ側に『ZTP』と刻印されています。
どういった意味があるのでしょうか?
彫りの深さ

キャビティ部分の凹みはしっかりとありますが、ヒットポイント後方はしっかりと肉厚がキープされています。
マッスルバックのような風格がありますが、私の感じでは、やはりキャビティアイアンといった感じがします。
ソール幅

ソール幅は、ごく標準的といったところでしょうか?
最近のアイアンの中では細いほうかもしれませんが、私はこのソール幅を見ていて、昔のような細くて高重心をイメージさせるほどでもありませんでした。
ソール幅が広すぎないので、上手く球を拾っていけそうで、打ちやすそうだな・・・・。と思いました。
ネック長さ

ホーゼルも、しっかりと長さが保たれ、好感がもてます。
操作性がすごく良さそうです。
『顔』を見る前から、ずいぶんと『美人』なアイアンだな・・・。と思いました。
振り感

素振りをしてみても、すごくいい感じがしました。
あらゆるゴルフ用品の中でおそらくナンバーワンであろう、ロングセラーを誇る『ダイナミックゴールド』が、とても心地良く振らせてくれます。
全く何の不安も感じさせない、『普段着感覚』のまま振っていくことができました。
こうして振っているだけで、これから打つ球のいいイメージがどんどん湧いてきます。
これまで色々なアイアンを試打してきて、中には不安に感じながら振っているものも少なくありませんでしたが、今日はすごく安心して振っていくことが出来ました。
余計なことを考えず、クラブに任せておけばいいという感覚が一定のリズムを刻んでいけます。
構え感

ボールを前にして構えてみて、すごく安心しました。
色々なアイアンを試打してきて、ここまで安心感を感じたことは、あまりなかったような気がします。
どこにその安心感を感じたのかといいますと、その『顔の良さ』は勿論ですが、それ以上に『ロフトの寝具合(ねぐあい)』です。
何とも言えない、いい具合にロフトが寝てくれているのが、こうして構えてみてもすごくよく解りました。
店員さんに、このアイアンのロフトが36度だと聞いて、納得しました。
やはり、それだから安心したのか・・・。と思いました。
クラブに安心感を感じる・・・。ということに、おそらく多くの方が『ヘッドの大きさ』を挙げられると思いますが、私は逆に大きすぎると打点がブレたりミスショットが出てしまうので、難しく感じることのほうが多いです。
適度な大きさは勿論ですが、その形の美しさと同時に、今日はかなりロフトが寝ているところに、私は安心感を感じました。
私が普段愛用しているアイアンのロフトと同じです。
おそらく殆どの方が『ロングアイアン』よりも、『ショートアイアン』や『ウェッジ』のほうが安心感を持たれると思います。
それはクラブの長さなども影響してくると思いますが、その多くが『ロフトが寝ている』ことに起因するのではないでしょうか?
ロフトが寝ているクラブのほうが、飛距離は出にくくなりますが、ボールとの接触時間も長くコントロールしやすく、距離感も出していきやすいので、よりアグレッシブなゴルフをすることが出来ます。
今日はそんな安心感を、このアイアンに感じていました。
最近は、形の美しいアイアンがすごく増えてきて、それは私にとっても、すごく嬉しいことなのですが、その殆どが少しロフトが立っていることが、少し残念に感じていたところでもあります。
ロフトが寝ている物でも『34度』くらいあり、なかなか昔のようなロフトのアイアンに出会うことがありませんでした。
もう『36度』くらいの7番アイアンに出会うことはないのかな・・・?と思いながら、色々なアイアンを探していました。
今日は、その『待ってました』といった感じです。
具体的にいいますと、私は今のような寒い時期に時々サウナに入って、その後水風呂に浸かって、またサウナに入り・・・。といったことを繰り返し、喉がカラカラになったらサウナから出て、冷たい水を一気に飲み干すのですが、その美味しくて冷たい水を今まで待っていたような感じです。
ちょっと表現が適当ではなかったかもしれませんが、そう感じるくらい、今日は『待ってました』とつぶやくほどテンションが上がってしまいました。
TaylorMade TP MB SMOKE IRON

私はロフト『37度』の7番アイアンでゴルフを憶えました。
そのアイアンをずっと10年以上使い続けました。
それが年月と共に、少しずつロフトが立ったアイアンが登場してきました。
『36度』のアイアンでも、最初のうちは、少しロフトが立ったアイアンなんだな・・・。という認識がありました。
距離感はそれほど狂うことなく、すぐに慣れていくことが出来たので、それほど大きな変化は感じなかったのですが、まさか今のように『30度以下』の7番アイアンが登場してくるとは思いもしませんでした。
これまで、何度も書いてきましたが、私はアイアンでロフトが立ちすぎているところに、不安や難しさを感じますし、なかなか馴染むことが出来ません。
自分のイメージよりも、飛び過ぎるアイアンは、実戦で使っていて、とても怖いものです。
練習場ならば球を打っていくことができますが、コースではかなり怖く感じます。
テーラーメイド TP MB アイアン スモーク

おそらく多くの方が、ドライバーなどウッドのロフトは気にしても、アイアンのロフトはそれほど気にはしておられないのではないでしょうか?
今でこそ『ストロングロフト』が主流となって、アイアンのロフトにも関心を持たれている方が多いと思いますが、その関心の高さはドライバーの比ではないような気がします。
私のようにロフトが寝ていることに安心感を持たれる方は、はっきりいって少数派だと思いますし、今の流れには乗っていないのかもしれません。
これからもアイアンを購入する時に『軟鉄鍛造』と『ダイナミックゴールド』は絶対外せませんが、なかなか『ロフト36度』がないので、『34度』くらいで妥協しなければならないのかな・・・?と、ずっと考えていました。
私にとって、購入する7番アイアンのロフトは『34度』までが『デッドライン』です。
それ以上ロフトが立っているアイアンは、いくら顔や打感が良くても、購入したい・・・。という気にはなりません。
このアイアンの『ロフトの寝具合』も、すごくいいですが、こうして構えてみても、『包み込んでいける』感じが、すごく簡単にイメージできます。
それも私に安心感を与えてくれる要素です。
これから打つショットの内容がとても満足度の高いものになることを予感できました。
『テーラーメイド』『キャロウェイ』『タイトリスト』の3つが、今の海外メーカーのトップ3だと思うのですが、どのメーカーも、とても日本的で美しいアイアンを発表してくれるので、私はすごく嬉しく思っています。
クラブはやはり美しくないと興味が持てないですし、今日のように打つ前からかなり気分を盛り上げてくれるクラブには、ある意味『尊さ』さえ感じます。
飽きずに永く付き合っていけるクラブというのは、こういうクラブのことを言うんだな・・・。と、これまでの経験から感じます。
試打を開始しました。
フェース面

『打感の良さ』は、やはりさすが・・・。といった感じでした。
軟鉄鍛造の良さを充分に感じ取ることができます。
ボールを打っていてもすごく楽しいです。
この卓越したヘッドと、素晴らしいシャフトがショットを単純化させ簡単にしてくれたのか、打点がブレることがありませんでした。
ずっと一点に揃えていくことが出来ました。
この軟鉄ヘッドと、『ウィークロフト』(ストロングロフトの反対)といったらいいのでしょうか?
このボールとの絶妙な『接触感』がたまりませんし、ある意味『インパクトで調整できるアイアン』だと思います。
一球打ったら、またすぐ次を打ちたくなるアイアンです。
フィーリングの合いづらいアイアンだと、ほんの数球で試打を止めてしまうこともありますし、あまりにも良くないと、せっかく試打をしても、こうして記事に書かないことも、たまにあります。
これまでもそんなクラブに何本か出会ってきました。
しかし、今日はまるで違います。
すごく楽しませてくれるアイアンです。
ヘッド後方に肉厚部分が、すごくよく効いていて、形状的にはキャビティだと私は思うのですが、マッスルバックの肉厚感を充分に楽しむことが出来ました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点でも、すごく自然な感じがして、好感が持てました。
このようにロフトが寝ているので、かなり球が上がりやすいのだろう・・・。と思っておられる方もいらっしゃると思いますが、実際にはそれほど上がりやすく感じられない方もいらっしゃるかもしれません。
これまでそのような方にたくさん出会ってきました。
このようなタイプのアイアンは、いわゆる『ノーマルアイアン』といっていいのだと思いますし、球を上がりやすくする為に低重心にしたりする工夫がそれほど施されてはいないように思います。
色々な角度から、このアイアンを見回してみたのですが、『タングステン』などの異材が組み込まれているようには見えませんでした。
それほど幅広い層をターゲットにはしていないのだと思いますし、人によってはタフに感じられるかもしれません。
誰が使っても、球がよく上がる、上がりすぎる・・・。といったタイプのアイアンではないと思います。
そういった意味では、決して『売れ筋』とはいえないのかもしれませんが、このようなアイアンを好まれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
バックフェース

『安定性』という点でも、『キャビティ』の特長がよく出ていて、見た目ほどシビアな感じはしませんでした。
『マッスルバック』に近い形状ではありますが、マッスルバックのようなシビアさは感じませんでした。
決して大きなミスを容認してくれるアイアンだとは思いませんでしたが、今日はずっと『ハイテンション』だったせいか、難しいという感じは全くしませんでした。
ゴルフをする時は、いつも落ち着かなければならない・・・。と自分自身に言い聞かせているのですが、これまでの経験上、今日のような『ハイテンション』は、すごくいい方向に導いてくれます。
やはりゴルフを始めスポーツは、つくづく『メンタル』な部分が大切だな・・・・。と至極当たり前のことを、このアイアンで球を打ちながら感じていました。
操作性

『操作性』という点では、見た目通り、抜群の扱いやすさです。
イメージしたラインに上手く乗せていくことが出来ました。
『グース』もキツくないので、つかまり過ぎず、安心して振り抜いていくことが出来ました。
左右どちらにもインテンショナルなショットが打ちやすいアイアンだと思います。
軟鉄鍛造アイアンの長所は、その独特の『打感の柔らかさ』や『ライ角』や『ロフト角』を微調整できるところは勿論ですが、この『球のくっつき感』による、コントロール性能の高さが秀でているところだと思います。
それに加え、私には感覚が体に染みこんでいる『ダイナミックゴールド』という素晴らしいシャフトが装着されていることが、上手く『相乗効果』となって表れていることは、疑う余地もありません。
寒さも忘れ、予定よりも多く球数を打っていました。
時間があれば、もっとこのアイアンを楽しんでいたいと思いました。
飛距離性能
 
『飛距離性能』という点では、やはり一般的にはそれほど大きな飛距離は望みにくいのかもしれません。
アイアンの性能を『飛距離が第1』と考えておられる方には、あまりマッチしていないのかもしれません。
スインガータイプの方にも、やや合いづらいかもしれません。
ある程度のヘッドスピードも求められるのかもしれません。
最近主流の『飛びアイアン』ではないので、飛距離ということに関してはそれほどメリットはないのかもしれませんが、距離感を大切にしていきたい方には、とても易しく感じられるのではないでしょうか?
私はこのアイアンの『飛びすぎないところ』に魅力を感じていますし、目標に対して『落として』いけるので、すごく扱いやすい感じがします。
私のホームコースは『砲台グリーン』が多いので、こういったアイアンだと、すごく頼もしく感じます。
『ラン』を極力抑えていって、『止め』にいけるアイアンだと思います。
ヒール側

今日は、このアイアンをひと目見てから、返却するまで、ずっと楽しい時間を過ごすことが出来ました。
私にとっては、かなり『ど真ん中』のアイアンでした。
店員さんの説明によると、このアイアンは昨年の10月に発売されたのだそうですが、今年出会ったアイアンの中で、間違いなく強く印象に残るアイアンだと思います。
今年も、これから数多くの素晴らしいアイアンが発表されるとは思いますが、私はこのアイアンをきっと忘れないだろうと思いました。
私は10年以上前に、アイアンは勿論、ドライバー、フェアウェイウッド、キャディバッグ、ウェア、キャップ、ソックスをテーラーメイドで揃えていた時期があり、なるべく同じメーカーで揃えていきたい・・・。という願望があります。
これまでも、『ホンマ』『ミズノ』『ブリヂストン』『ダンロップ』と、『テーラーメイド』など、なるべく同じメーカーで揃えていた時期があります。
今の私のキャディバッグの中身は、メーカーがバラバラなのですが、今日、この素晴らしいアイアンに出会えたおかげで、またテーラーメイドで揃えてみるのもアリかな・・・。と思いました。