今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは SYB VESPO FC-714 フェアウェイウッド の5番 です。
シャフトは G700J です。
ロフトは18度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は76g、トルクは3.6、クラブ総重量は336g です。
SYBのフェアウェイウッドです。
SYBのクラブは、それほどたくさん試打しているわけではないのですが、私の周りにもファンは多くて人気が高いです。
何と言いますか『派手さ』や、『見た目のインパクト感』などは、それほどないようにも思いますが、とても『実用的』でいいクラブを作るメーカーという認識が私にはあります。
今日は、このSYBのフェアウェイウッドを試打する機会に恵まれました。
丸っこい形状に好感がもてます。
すごく打ちやすそうです。
SYB=フォーティーンといっていいのだそうですが、こうして見ていても、やはりとても似通ったところがあるように思います。
この角度から見ていても、結構シャローな感じがします。
最近はかなりシャローなウッドも多いので、このクラブが特別シャローだとは思いませんでしたが、やはり薄い感じがします。
『セミシャロー』といっていいのではないでしょうか?
球がとてもよくあがりそうです。
このマークは何と書かれているのかな?と思っていたのですが、よく見てみると『714』ということに気づきました。
真ん中の『1』だけ色が違うのは、何か意味があるのでしょうか?
それとも単なるデザインに過ぎないのでしょうか?
そして『714』という数字にもどんな意味があるのだろう?と考えていました。
ソールのややトゥ寄りのところに『STRATEGIC SHOT』と刻印されていました。
STRATEGICとは『戦略的な』という意味なので、そのまま訳すと『戦略的なショット』ということになり、コースによって様々なショットが打てるクラブということなのかな?と思いました。
今はドライバーだけでなく、アイアンやフェアウェイウッドなどにも、直進性が高いクラブがもてはやされていると思うのですが、こういった操作性の良さそうなクラブには、私はすごく魅力を感じます。
クラブの力を借りて絶対に曲げない・・・。というよりも、ある程度の操作性の高さがありながら、自分の得意なショットで味付けをしていったほうが、スコアメイクが容易になるように思います。
『曲がらない』『球があがりやすい』が、必ずしもゴルフを易しくしてくれるものではないように思います。
融通が利かないクラブというのは、実戦では持て余してしまうこともありますし、結構難しいものだということを私は何度も実感しています。
そういったことを考えても、こういったタイプのクラブには、より親近感が増してきました。
ネックの長さは、まずまず標準的な感じです。
最近は、かなりショートなクラブも多いですが、このクラブはそれほど短すぎる感じはしません。
むしろ、『ある程度の扱いやすさ』を残しているように感じられます。
これまで『名器』と呼ばれたフェアウェイウッドには、こういった特徴があったように思いますし、そのイメージがこのクラブといい具合にダブってきました。
素振りをしてみた感じは、正直ちょっと物足りないな・・・。と思いました。
ヘッドというよりも、シャフトが少し物足りない感じがしました。
少しグラつく感じがしましたし、気持ちよく振っていくには、違ったスペックか違ったモデルのほうが私には合いやすいように思いました。
ソフトスペック過ぎるものが多い、大手有名メーカーのクラブならば、こういったことはたくさんあるので、半ば諦めているようなところもあるのですが、SYBのような実用性の高いクラブではどうしても、こちらの要求も高くなります。
そういった点で、少し残念に思いました。
ただ、それほど難し過ぎるほどでもなく、手におえない感じはしませんでした。
ボールを前にして構えてみても、とてもいいです。
すごく男前のヘッドです。
それほどディープ感は感じず、むしろややシャローな感じがしたのですが、それでもシャロー過ぎる感じがしません。
とても『いい頃合い』に治まっているような気がします。
球もあがりやすそうですし、シャロー過ぎて『ダルマ落とし』的な感覚もありません。
結構打ち込んでいけそうな感じがしました。
このクラブはクリークということで、まずはティアップせずに、マットの上からの直打ちで打ってみよう・・・。と思いました。
球も曲げていけそうですが、どちらかというと真っ直ぐに近いラインがイメージできました。
呼吸も深く、肩の力も抜け、いい状態のまま、構えることができました。
試打を開始しました。
『打感』は柔らかくて、とても良いと思いました。
球を打っていて、すごくいい気分になれます。
球をしっかりと押し出してくれる感じがしますし、手に心地良い感触が残りました。
『音』は少し高めでしたが、とても好感のもてる音でした。
この音には爽快感が感じられますし、毎日の蒸し暑さを吹き飛ばしてくれそうです。
しっかりとしたインパクトを迎えることができ、ボヤける感じがしません。
音でもショットを整えていけそうな感じがしました。
ずっと打っていたくなります。
『構え感』『打感』『音』の『フィーリング三大要素』が、かなり優れているフェアウェイウッドだと思いました。
『球のあがりやすさ』という点でも、とてもイージーで、タフな感じは全くしません。
ティアップせずに直打ちでも、しっかりと球を浮かせてくれます。
すごく親しみやすいフェアウェイウッドです。
シャロー過ぎるフェアウェイウッドの多くは、確かに球は浮きやすいけれど、球が途中で失速して急激に落ちていく感じの弾道を何度も目にしてきましたが、このクラブだと、しっかりと高さを出していきながらも前に進む推進力を感じることができました。
『タフ過ぎず、あがり過ぎず』といった感じのフェアウェイウッドではないかな?と思いました。
ただ、どちらかというとスインガータイプの方よりはヒッタータイプの方にマッチしやすいような気がします。
『安定性』という点では、最近のフェアウェイウッドの中では、比較的標準的な部類に属するのではないでしょうか?
ヘッド全体を見回してみても、ウェイトなども組み込まれていないようですし、昔からのオーソドックスなクリークという感じがしないでもありません。
『オートマチック系』というよりは、明らかに『マニュアル系』に近いのではないかな?と思いました。
しかし、それほどシビアな感じはしなかったですし、余計なことをしないで普通に打っていく限り、大きなケガにはつながりにくいように思いました。
『飛距離性能』という点では、なかなかいい感じでした。
クリークのなかでは、結構飛ぶほうだと思います。
ただ、それほど『ぶっ飛びクリーク』という感じでもなく、むしろいい意味で『置きにいける』クラブだと思いました。
ある程度の飛距離を期待できながら、コースの状況などにおいて、色々なことにも対応してくれそうなクラブなのではないかな?と思いました。
いわゆる『以心伝心』しやすいクラブといえるのではないでしょうか?
パー5のセカンドショットや狭いホールのティショットなどでも、勇気を与えてくれそうです。
『操作性』という点では、とても扱いやすくて、左右へのインテンショナルなショットも打ちやすいクラブだと思いました。
何球も球を曲げて楽しむことができました。
ただ、先ほども書きましたが、この装着されている緑色のシャフトが、私にはちょっと難しく感じられました。
タイミングも少しずれる感じがしましたし、曲がり幅もイメージよりは少し大きかったので、もっと球数を時間をかけて馴染んでいかないとコースでは使いづらいと思いました。
しかし、やはり私は手っ取り早く、違うシャフトにするような気がします。
SYBの珍しいフェアウェイウッドに出会うことができて、今日はとても有意義な時間を過ごすことができました。
やはり、日本には私たちゴルファーをワクワクさせてくれるクラブを作るメーカーが、まだまだたくさんあるのだと思いましたし、もっともっとたくさんのメーカーのクラブに出会いたいと思いました。
フォーティーンは『大手有名メーカー』といっていいと思いますし、SYBも自動的にそのカテゴリーに入るのかもしれません。
それほどたくさん見かけることはないのですが、『地クラブメーカー』とはいえないのかもしれません。
フォーティーンはプロやトップアマなど競技ゴルファーからビギナーの方まで、幅広く対応しているように思いますが、SYBはどちらかというと競技ゴルファーに人気があるメーカーといえるのかもしれません。
このクラブもどちらかといえば、競技志向の方に人気が出そうな予感がします。
この『顔の良さ』『扱いやすさ』『球のいい感じでのあがりやすさ』は、コースではとても頼りになりそうです。
シャフトに少し扱いづらさを感じましたが、ヘッド自体にはすごく魅力を感じましたし、違うシャフトならば、かなり購買意欲が刺激されると思いました。
驚くような飛距離性能などはないかもしれませんが、全体的にフィーリングが良くて扱いやすく、『自分の意図した範囲内』にボールを置いていけそうで、『自分の片腕』となってくれそうなクラブだな・・・。と思いました。
使い続ければ使い続けるほど、信頼感は増していくような気がします。
また何度でも試打してみたいと思いましたし、今度は違う番手でも試してみたいと思いました。
SYBらしく素晴らしい、極上のフェアウェイウッドです。
コンセプト SYB VESPO FC-714 フェアウェイウッド
- 2012年7月16日
- コンセプト(SYB)