ゴルフクラブ試打日記。          

エスヤード T.388 ドライバー

エスヤード T.388 ドライバー 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは エスヤード T.388 ドライバー です。
GRAPHITE DESIGN TourAD S-YARD オリジナルシャフト

シャフトは GRAPHITE DESIGN TourAD S-YARD オリジナルシャフト です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45.25インチ、シャフトフレックスはS、トルクは4.5、シャフト重量は65g、バランスはD2、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は312gです。
正面

久しぶりに出会ったエスヤードのドライバーです。
高級感を感じるのは昔から共通していえることですが、かなりシャープになってカッコよくなった感じがします。
これまでのエスヤードのドライバーで、ここまでの雰囲気をもった物があったでしょうか?
側面

シャロー感を感じるドライバーが多い中で、このドライバーはしっかりと厚みを感じ取ることができます。
こういったところは、すごく好感がもてますし、他のメーカーからも登場してきているように思います。
シャロー・・・易しい
ディープ・・・難しい
とは一概に言えませんが、やはりこういった立体的で叩けそうな形状のドライバーには魅力があり、バランスの良さを感じます。
ネックの長さ

厚み感のあるヘッドではありますが、ネックはそれほど長くはありません。
こういったところは、今のドライバーの特徴といえるような気がします。
ヒール側の溝

ヒール側
トゥ側の溝

トゥ側
ヒール側とトゥ側には、溝のようなものがありました。
こういった工夫は、他のメーカーでもよく見られることですし、やはり『空気抵抗』などを減らす効果が期待できるのでしょうか?
それにしても、この微妙な曲線がとても品があるな・・・。と思いました。
『美』を追求しているクラブだと思いました。
やはり、こういった美しいクラブを目にしているだけで、こちらの気分もすごく良くなってきます。
ヘッド後方のアクセサリーのような物

ヘッド後方に、アクセサリーのような物が見られました。
この位置に見られるということは、やはりウェイトの役目を担っているのでしょうか?
それにしても、最近はこのようにオシャレになっている物が多いですし、とてもいいことだと思います。
こうして見ている限り、交換はできないようですが、見た目のインパクトがあります。
こういったところにも、クラブデザイナーのセンスの良さが伺えます。
ディープバック

この微妙なディープバックがたまりません。
それほど厚過ぎる感じはしないのですが、適度な厚みがキープされているように感じます。
フォーティーンのドライバーのように『ハイバック』にはなっていなくて、あくまでもオーソドックスなディープバックといった感じです。
こういった形状は、これまでもたくさん見てきましたし、いい印象が残っています。
こうして見ていると、ゴルフクラブというアイテムは、改めて『曲線の美しさ』を感じさせるものなのだな・・・。と思いました。
CENTRALIZED POWER ZONE

ヘッド後方のちょうどバックフェースのところに、『CENTRALIZED POWER ZONE』と記されていました。
つまり、パワーゾーンを集中させた・・・。ということでいいのでしょうか?
どういった工夫が施されているのでしょうか?
スイートエリアを広くして、力の『分散』が起きるのではなく、あくまでも多少『芯』は小さくなってしまうけど、その芯でとらえたときのパワーは凄い・・・。ということなのでしょうか?
昔のパーシモンのような、あのナイスショットとミスショットの大きな違いが感じられるドライバーなのでしょうか?
今のドライバーは易しくなり過ぎている一面もあって、ミスショットを把握しづらくなっているように思います。
打つショット全てがナイスショットであれば、それが一番いいのですが、実際にはあり得ないので、ミスをしたら、それを知らせてくれるクラブのほうが、私は安心できますし永く付き合っていきたいと思っています。
そういった点で考えてみても、このドライバーには打つ前から魅力が感じられました。
T.388

T.388の『388』って、どういう意味なんだろう?と思っていたのですが、店員さんの話によると、ヘッド体積のことだそうです。
なるほど・・・。それなら解りやすいな・・・。と思いました。
私が今、愛用しているドライバーは『435』という数字があるのですが、ヘッド体積は435ccではないので、どういった意味があるんだろう?としばらく考えたことがありますが、やはりこのドライバーのように単純明快な名前がついていると解りやすいのでいいです。
『400cc未満』のヘッドを小さい・・・。と感じられる方も多いかもしれません。
ヘッドが大きいほうがミスヒットに強くて有利だ・・・。と考えておられる方も多いかもしれません。
ただ、最初から『ミスありき』で考えるのではなく、もっとナイスショットを前提にして考えてみてもいいんじゃないかな?と思うことはあります。
勿論、ゴルフのショットに100%完璧ということは稀で、その殆どがミスショットなわけですが、その中にはヘッドが大きいがゆえに起こりうるミスもあるように思います。
あくまでも私の感覚なのですが、ヘッドがある程度コンパクトなほうが打点のブレは小さいです。
ヘッドが大きくて、シャロー感の強いドライバーだと、どうしても打点があちこちにブレ易くなってしまいます。
そういった点で考えてみても、このドライバーの『適度な大きさ』には魅力を感じます。
顔

顔もすごくいいです。
かなりの男前です。
贅肉のない、引き締まった顔をしています。
それと、この絶妙な『艶消し感」がたまりませんでした。
『極上のマットブラック』といったらいいのでしょうか?
すごく品があるな・・・。と思いました。
私はこのクラウン部分は艶消しでも、艶ありでもどちらもいいのですが、このドライバーにはすごく魅力を感じました。
最近のドライバーで艶消しといえば、『MIZUNO MP クラフトH4 パワーバージョン ドライバー』を思い出すのですが、あくまでも私の好みとしては、あのミズノのドライバーよりも、こちらのエスヤードの艶消し感のほうが圧倒的に好感がもてます。
光の反射具合

打席は日陰だったので、ヘッドを日光に照らしてみたら、どのようになるんだろう?と思い、照らしてみました。
やはり、光を反射することなく、眩しくありません。
これならば、天候や晴天の日のティイングランドの向きなどに影響されることもありません。
とてもいい感じです。
シャフトの光の反射具合

ヘッドだけでなく、シャフトも艶消しな感じだったので、同じように照らしてみました。
やはり光ることなく、上手く吸収してくれている感じがします。
ヘッドだけでなく、シャフトにも光沢感が出ないように最初からデザインされているのでしょうか?
こういったタイプのシャフトはとても珍しく思います。
オリジナルグリップ

このエスヤードのオリジナルグリップも、なかなかいい感じです。
ラバータイプではありますが、やや凹凸がはっきり感じられます。
ツアーベルベットを『しっとり』だとすると、このグリップは『しっかり』といった感じかな?と思いました。
最近はコード入りのグリップが少なくなったように思いますが、その分、ラバータイプのバリエーションが増えてきたように思います。
振り感

素振りをしてみると、ヘッドの雰囲気から感じたようなタフさは感じませんでした。
少し軽く感じましたが、これには個人差もあると思います。
もう少し重量感があってもいいかな?と思ったのですが、今の多くのドライバーの『標準値』といえるスペックなのかもしれません。
300g以上あるドライバーを重く感じられる方もいらっしゃると思いますし、そういった意味では、やはり好みが分かれるのかもしれません。
ただ、大手有名メーカーのアスリートモデルと呼ばれるドライバーを普段から愛用しておられる方には、特にタフには感じられないのではないでしょうか?
構え感

ボールを前にして構えてみても、すごくいいです。
形がとても整っていて、楽にセットアップできました。
頭の中で、いいイメージがどんどん湧き出てきました。
ロフトは9.5度ということで、実際はそれよりも少し寝ているようにも見えたのですが、特に大きな不満はありませんでした。
先日試打したドライバーと違い、あくまでも『ドライバー』という認識をもって構えることができました。
これだけ構えやすいドライバーなので、どうしてももっと欲が出てしまい、できればもう少しライナー系をイメージしたいな・・・。などと考えていたのですが、それはすごく贅沢なことなのかもしれない・・・。と思いました。
とにかく、このドライバーの試打を楽しむことにしました。
試打を開始しました。
フェース面

打感は一言でいって『ソフト』で、とても心地いいです。
手に嫌な衝撃は全く残りません。
柔らかいのですが、ボヤけた感じは無く、フェース面のどこでヒットしているかが解りやすかったので、安心できました。
この打感ならば、何球でも試打を楽しんでいたくなります。
打球音

音も、すごくいい感じです。
『ビシィッ』という締まった音が耳を優しく刺激してきます。
とても心地いいので、ついつい球数が多くなってしまいます。
『構えやすさ』『打感』『音』は、フィーリングの三要素だと私は思っていますし、ここが上手く揃っていると、そのクラブに品格を感じるのですが、今日はまさにそんな品格を感じるドライバーに出会いました。
ドライバーには構え感や打感、音などよりも、まず何と言っても『飛距離』だ・・・。という方もいらっしゃると思います。
確かにドライバーは飛距離を追求していくクラブなので、そういったことも正しいとは思うのですが、私は構えづらかったり、打感や音が合わなかったりすると、そのクラブに興味が持てず深く知ろうとは思えません。
球を打っていても楽しくありません。
年に何回かは予定よりも早く切り上げてしまうようなクラブに出会うこともあります。
しかし、今日は全く違います。
とても楽しくハイテンションで試打をしていました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、ある程度のHSは要すると思います。
メーカーもヘッドスピードが速めの方を想定して、このドライバーを開発したのではないでしょうか?
シャフトも結構しっかりしていましたが、ヘッド自体も叩けるように設計されているように思います。
私は強く叩いていきたいタイプなので、こういった叩きやすいドライバーにはすごく魅力を感じます。
しかし、ヘッドもシャフトも決してタフ過ぎるタイプではなく、誰も寄せ付けないような近寄りがたい印象はありませんでした。
シャロー形状の高弾道で球が浮きやすいドライバーを好まれる方には、やや合いづらい部分があるかもしれませんが、ディープ系ドライバーを好まれる方は試してみられる価値が大いにあるのではないでしょうか?
バックフェース

『安定性』という点では、顔が整っているので、ライン出しがすごく易しく感じられました。
しかし、ミスヒットにはある程度のシビアさは持ち合わせているように思います。
今の多くのドライバーの中では、スイートエリアは狭いほうかもしれません。
打点がブレると、方向性もそうですが、飛距離がガクンと落ちてしまうので、そこがシビアに感じられる方は多いかもしれません。
それほど『お助け機能』がたくさん付いているようには思えませんでした。
しかし、こういったシビアなドライバーを安定して打てるようになれば、かなりスイングの精度も上がっているのではないかな?と思いました。
誰にでも易しく打てるタイプではないかもしれませんが、日頃から素振りなどの質の高い練習をしておられる方にはそれほど手強い感じはしないのではないでしょうか?
物理的な性能・・・。つまりワイドスイートエリアをまず第一にドライバーに対して求めておられる方には、合いづらいかもしれません。
しかし、スイートエリアの広さよりも、構えやすさ、顔の良さなどを重要視される方には、とても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
私は大型で、特に面長なヘッドのドライバーやアイアンだと、打点は散らばりやすい傾向にあるのですが、このドライバーのように適度な小顔で締まっていると、打点をまとめやすく感じます。
今日も、普通に打っている限り、打点も散らばることなく、球筋も大きく乱れることはありませんでした。
私は極端すぎるワイドスイートエリアよりも、構えやすさを求めていきたい・・・。と改めて感じました。
操作性

『操作性』という点では、すごく良いと思いました。
最近のドライバーの中でも、重心距離が結構短いのではないでしょうか?
ヘッドもターンしやすいので、とても扱いやすく感じます。
私はフェースローテーションを多く使うタイプなので、こういったドライバーは易しく感じます。
私と同じくフッカーの方の中には、重心距離が長めでフェースが返りづらいタイプのドライバーを好まれる方はとても多いと思います。
それはすごくよく解ります。
しかし、私は昔からこのような重心距離の短めなクラブが好きです。
左へのつかまり過ぎにはいつも警戒しながらも、しっかりとボールをつかまえていきたい・・・。と思っています。
フェースアングルがきついドライバーは意識的に逃がしていきたくなりますが、このドライバーはそんな小細工をすることなく、自然に気持ちよく振り抜いていくことができました。
今は、こういったタイプのドライバーでも、ほんの少しだけフェースが被っている物も少なくないですが、このドライバーは全くの『ニュートラル』といいますか『スクエア』に見えました。
なので、左右どちらにもとても易しく対応してくれたように思います。
私が日頃から追い求めている球筋のフェードボールがすごく打ちやすく感じました。
構えたときのラインに乗せやすいドライバーだと思いました。
この扱いやすさならば、コースでも勇気をもってフェードボールでコースを攻めていけそうです。
いわゆる『直進性』は、今のドライバーの中でも、それほど強くないですし、スライスに悩んでおられる方には難しく感じられるかもしれません。
こういったニュートラルなタイプのドライバーでスイングを修正していってスライスを克服していきたい・・・。と思っておられる方には、上達の手助けをしてくれるドライバーといえるのかもしれません。
しかし、あくまでもクラブのお助け機能を最大限に使っていきたい・・・。という方には、合いづらいような気もします。
飛距離性能

『飛距離性能』という点でも、なかなかいい感じでした。
私はこれまでたくさんの高性能ドライバーに出会ってきているので、どうしても少しハードルが上がってしまうのですが、そういったことを考えてみても、このドライバーは上のレベルに属していると思います。
明らかに『振れる』『叩ける』方にお勧めしたいドライバーです。
弾く性能も高いと思いますが、あくまでもプレイヤーのポテンシャルが、より大きく求められるような気がします。
ヘッドスピードでいえば、『40後半以上』の方にとって、とても大きなパフォーマンスが期待できるのではないでしょうか?
ヒール側

試打するのがとても楽しいドライバーでした。
時間を忘れ、夢中で打ち続けていました。
球数も、予定していたよりもたくさん打ってしまいました。
時間に余裕があれば、いくらでも球を打っていたくなるドライバーです。
エスヤード T.388 ドライバー

エスヤードのドライバーは、これまでも高級感溢れる物が多かったですが、このT.388というドライバーはそういったイメージもありながら、間違いなく『極上』と呼べるハイセンスなドライバーです。
エスヤードといえば、私はやはり芹澤信雄選手を思い出しますし、このブランドが立ちあがったときは品切れがしばらく続くほどの大人気でした。
高価なドライバーでしたが、すごく売れていましたし、コースや練習場でよく見かけました。
高価だったということもありますし、クラブのタイプ的にも私には合いづらいブランドだな・・・。と思っていたこともあり、それほど親近感が湧かなかったこともあるのですが、このドライバーにはすごく魅力を感じました。
S-YARD T.388 DRIVER

これまでのエスヤードのイメージを大きく覆す画期的なドライバーです。
このT.388によって、ブランドイメージが一新されそうです。
エスヤードなので、やはりある程度高価なことは間違いないだろう・・・。と思い、一応値段を聞いてみたのですが、やはり9万円以上するとのことでした。
性能やフィーリング的には親近感をもちましたが、価格的には敷居の高さを感じてしまいました。
特に、もし購入するとするならば、間違いなくリシャフトをすると思うので、価格はもっと高くなってしまいます。
それでも、このドライバーをバッグに入れておきたいと思いましたし、今日一日だけでお別れするのは残念な気持ちでいっぱいでした。
S-YARD T.388 ドライバー
 
あくまでも私の中でのことですが、『エスヤード史上、最高のドライバー』です。
この完璧なまでの美しさとフィーリングの良さ、操作性の良さは深く私の心に突き刺さりました。
すごく印象深いドライバーです。
まだ1月というのに、早くも強烈なインパクトを残すドライバーに出会ったような気がします。
『ワイドスイートエリアなど、物理的な有利さ』というよりも、視覚や聴覚、触覚などの『五感』で楽しませてくれ、それがプレイヤーのモチベーションを上げてくれ、物理的な易しさを凌駕しているように感じました。
勿論、このドライバーの物理的な高性能も高いと思うのですが、今日はそういったことよりも、このドライバーのもつ圧倒的な美しさや独特の雰囲気に包みこまれていたような気がします。
あと1球・・・。いやあと5球・・・。というように、なかなか試打を終える踏ん切りがつきませんでした。
『試打』ということを忘れ、後半は完全に楽しんでいたように思います。
このドライバーの美しさやフィーリングの良さ、飛びの確かさ、操作性の良さを、多くの方に実感していただきたいと思いましたし、私も機会があれば、また何度でも試打を楽しみたいです。
当然のことながら、購買意欲が強く刺激されましたし、このドライバーのことがなかなか頭から離れずに寝付けない夜になってしまうな・・・。と思いました。
とても楽しい気分のまま練習場を後にすることができました。