今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは アキラプロダクツ PROTOTYPE ユーティリティ Mi121 です。
シャフトは N.S.PRO MODUS3 です。
ロフトは21度、シャフトフレックスはS、キックポイントは中元調子、クラブ総重量は404gです。
初めて手にする、アキラのユーティリティクラブです。
アキラのクラブに出会う機会は、それほど多くないのですが、このクラブがプロトタイプということで、余計に珍しく感じました。
最近では珍しい『アイアン型ユーティリティ』です。
ちょっと前まで、よく見かけていたように思うのですが、最近はあまり見なくなりました。
私はドライバーとスプーン以外は、基本的に『グリーンを狙うクラブ』だと思っているので、こういったアイアン型のユーティリティには好感がもてます。
ソール幅は、やや広い感じがします。
3番ということは、立派な『ロングアイアン』だと思うのですが、やはり球をあげやすくする為に、このようなワイドソールが採用されているのでしょうか?
しかし、今は『ワイドソール』が全盛なので、そういった意味では、このソール幅は『適正』といえるのかもしれません。
ネックの長さは、今のアイアンの主流といっていいくらいの長さだと思います。
特に短いとは思いませんでした。
『彫り』は結構浅く、この『浅さ』と『やや軽い感じ』から、おそらく中空構造なのだろうと思いました。
バックフェースに組み込まれている、この金属のようなものは、打感を良くするための物なのでしょうか?
それとも単にデザインの一部に過ぎないのでしょうか?
トゥ側
ヒール側
しかし、何と言っても、このクラブの一番の大きな特徴は、このトゥ側とヒール側にひとつずつ組み込まれているウェイトです。
ドライバーではすっかりポピュラーになった感じのする、この工夫ですが、ついにユーティリティにも組み込まれるようになったのか・・・。と思いました。
これによって、おそらくかなり『慣性モーメント』が高くなっているのではないでしょうか?
ウェイトを近くで見ても、好感できそうな感じがします。
微調整をするならば、鉛が一番簡単で手頃だと思うのですが、鉛ではカバーしきれない重量を調整するのであれば、このウェイトシステムはとても有効だと思います。
今は、昔のように鉛を何重にも重ねて貼る必要がなくなりました。
素振りをしてみても、なかなかいい感じです。
あまり軽すぎない、適度な重量のスチールシャフトが挿してあるので、アイアンの感覚で振っていくことができました。
やはりアイアンとして振っていくのであれば、適度な重量感がどうしても欲しいところです。
『狙う』のであれば、『暴れる』クラブだと怖くてアグレッシブな気持ちにはなれません。
このモーダスというシャフトも、私の周りでも少しずつ愛用者が増えてきています。
DGだとタフ過ぎるけど、軽量スチールではちょっと物足りない・・・。という方には、とてもマッチしているシャフトといえるのではないでしょうか?
ボールを前にして構えてみても、好感が持てました。
これまでたくさんのアイアン型ユーティリティを試打してきましたが、このクラブはそれらの中でも、かなりハイレベルな構えやすさだと思います。
多少グースが効いているところや、トップラインが厚いところは、この番手で打ちやすくするには仕方のないことなのかもしれない・・・。と思いました。
思わず見惚れてしまうような美しさではなかったのですが、『ロングアイアン』のイメージで構えてみても、特に違和感はありませんでした。
いつか、惚れ惚れするようなアイアン型ユーティリティに出会いたい・・・。と数年前から思っているのですが、なかなか実現しません。
このクラブはアイアンの形状をひたすら追求しているので好感がもてるのですが、できれば『軟鉄テイスト』が感じられると、もっと良かったように思います。
できるだけシンプルで、すごく打ちやすい・・・。
そんなクラブを私はずっと待ち続けています。
試打を開始しました。
『打感』は、なかなかいい感じでした。
先ほども書きましたが、おそらく『中空構造』ではないか?と思うのですが、これまでたくさん出会ってきた中空アイアン独特の物足りなさはあまり感じませんでした。
どちらかというと、馴染みやすいフィーリングだと思いました。
『球のあがりやすさ』という点でも、良い感じだと思いました。
誰にでも球が浮きやすいようなタイプではなく、敷居が低いとは思わなかったのですが、ヒッタータイプの方の中で、ユーティリティをあくまでも『アイアンの延長』として使っていきたい方には、かなりいいのではないでしょうか?
タフ過ぎて、『ハードヒッター限定』というクラブではありません。
『安定性』という点では、まずまずだと思いました。
特にシビア過ぎる感じもしなかったですし、イージー過ぎて曖昧な感じになることもありませんでした。
『見た目通りの性能』だと思いました。
しかし、このトゥ側とヒール側の2つのウェイトを交換することにより、さらなる性能アップが期待できるのではないでしょうか?
この画期的なシステムによって、大きなメリットを生んでくれるように思います。
ロングアイアンの感覚でグリーンを狙っていきたいけど、ある程度の寛容さが欲しいし、できればそれを自分で調整してみたい・・・。という方には、このクラブはとても使い勝手がいいのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点では、比較的標準的な部類に入ると思いました。
ロフトが21度ということは、私の感覚ではやはり『3番アイアン』なのですが、今日はその3番アイアンの感覚で打っていくことができました。
ストロングロフトアイアンが全盛の今としては、このクラブは『4番』くらいになるのではないか?と思うのですが、今は昔と比べても明らかに『番手の感覚』が曖昧になってきました。
ストロングロフトアイアンを日頃使っておられる方には、このクラブはそれほど大きな飛距離性能は期待できないのかもしれません。
普段使っておられる4番アイアンのほうが、ひょっとしたら距離が稼ぎやすいかもしれません。
私はこれまでたくさん球を打ってきたノーマルな3番アイアンの感覚で打っていけるので、安心できるのですが、物足りないと感じられる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
『操作性』という点では、まずまずという感じでした。
正直、あまり『繊細さ』を感じさせない顔だったので、いつものように色々な球を打ってみたい・・・。という思いが乏しかったように思います。
何と言いますか、とりあえず無難に打っていこう・・・。と思っていました。
一応左右に曲げてみたりもしたのですが、実戦だとややリスキーな感じもしました。
どちらかといえば、インテンショナルなショットよりも、直進性を求めていきたいタイプのクラブだと思いました。
アキラのユーティリティということで、いったいどんなクラブなのだろう?と思っていたのですが、『難し過ぎず、易し過ぎず』といった感じで親しみやすさを感じました。
こういった『やや面長』なユーティリティは、フェースがターンしづらく、球がつかまりづらい・・・。という物が昔からたくさんありました。
このクラブもどちらかといえば、そういった感じがしないでもありません。
しかし、そういった場合に、このウェイトが威力を発揮するのではないでしょうか?
ヒール側に重めのウェイトを装着することによって、重心距離が短くなり球がつかまりやすくなるのではないでしょうか?
これからはユーティリティも、ウェイトを交換するタイプが増えてくるのかもしれませんが、アイアンではおそらく難しいのではないかな?と思っています。
あまりごちゃごちゃした機能が付きすぎてしまうと却って難しくなってしまうアイアンは、やはり昔ながらの『鉛』が一番いいのかもしれません。
しかし、テーラーメイドから、フェース面を交換できるタイプのウェッジも登場しているので、これからどのように変化していくのかが、全く解りません。
しかし、色々なアイデアで私たちゴルファーを楽しませて欲しいと思います。
今回のこのユーティリティは、とても面白いクラブだとは思いましたが、正直『購買意欲』は刺激されませんでした。
それは、このクラブの『質』や『性能』が悪いというのではなく、あくまでも今の私には不必要なタイプのクラブだからです。
それと『全体的な質感』も、もうひとつのように感じました。
思わず見惚れてしまうようなクラブを購入したいと考えています。
アキラのクラブには、なかなか出会うチャンスがないですし、今日はとても貴重な体験ができました。
これからもアキラには、高性能で素晴らしいクラブを世に送り出して欲しいです。
アキラプロダクツ PROTOTYPE ユーティリティ Mi121
- 2012年4月8日
- アキラプロダクツ
- 前の記事へ
ドライバー最強トリオ