JP Golf CAMBER Raw ウェッジ 雨の中の試打レビュー

先日、雨の降る日に高性能ウェッジをアプローチ練習場で楽しみました。
使用したウェッジは JP Golf CAMBER Raw ウェッジ です。

シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、フレックスはS200、バランスはD2.1、キックポイントは手元調子、クラブ総重量は461g です。

練習場の打席は満席になることがあっても、アプローチグリーンやバンカー練習場には、あまり人がいないことが多いです。
ましてや、雨や雪が降ったら、誰もいません。
私一人です。
しかし、そういった時こそ、私は『貸し切り状態』を堪能します。
晴天の日でも外に出て練習しますが、雨や雪が降っても基本変わりません。
周りの人たちからは、「ホント好きだねぇ~。」と呆れられることもありますが、私は小技の練習が一番好きです。
グリーン周りの練習はスコアメイクにおいて、最重要課題といえますが、それもありながら、ゲームをするように一球一球、ボールとの対話を楽しんでいます。
小技の練習はすぐに答えがでてくるのがいいですね。

季節にもよりますが、少々の雨ならレインウェアを着ないこともあります。
しかし今回はしっかりと着用しました。
中嶋常幸選手が若かりし頃、わざわざホースで自分に水をかけて濡れながら練習していたのは有名な話ですね。
あらゆる状況を想定しながら、常に準備を怠らない・・・。
こういったことはプロの世界では当たり前なのかもしれませんが、私はとても感銘を受けました。
プロアマ含め、『日本』というタイトルを全て獲っている唯一の選手で、まさにプロの鑑だな・・・。と思いました。
スイング・オブ・ザ・イヤーにも輝いた伝説のプレイヤーです。
雨の日は練習日和で、晴れの日にはできない練習ができます。

雨が降っているので、当然クラブは濡れてしまいます。
『水もしたたるいい男』だな・・・。と思いながら見ていました。
ただ、このクラブはノーメッキなので、錆びないよう、メッキタイプよりも気を遣います。
練習の後は常にクラブ磨きをしますが、このクラブも練習後、念入りに掃除をしました。

綺麗な窪みです。
普通、クラブは最初から『キャビティありき』や『フラットバックありき』で設計されていると思うのですが、このウェッジは違うように感じました。
最適な形を追求したら、このような形になっているような気がします。
ナチュラルキャビティといったところでしょうか?
不自然さがありません。

トップラインもいい感じです。
ただ単に厚いとか狭いということではなく、何ともいえない、いい雰囲気を醸し出しています。

ソールにある、この独特な工夫が目を引きますし、全体的にいい雰囲気を醸し出しています。
アプローチでは、フェース面のタッチも大切ですが、それ以上に『ソールのタッチ』が重要で、そういった意味でも、このウェッジにはいいインスピレーションをもらいました。
ソール形状

この丸っこいソール形状に安心感を覚えます。
いかにも芝の抵抗を受け流し、しっかりと抜けてくれそうだからです。
雨の日は水滴がついて結構滑りやすくなりそうな感じもしますが、意外と水滴の抵抗は大きく、抜けのスピードが落ちてしまうことがあります。
こういったことは経験を積んでいくしかないのかもしれないですが、それ以外にも優秀なウェッジは欠かせません。


過去に経験しているとはいえ、この丸っこいリーディングエッジとトレーリングエッジが安心感を与えてくれます。
この丸っこさを見ているだけで、芝につっかかるマイナスイメージは浮かんできません。
順目のライだとウェッジの差は見えにくいですが、逆目のライや、こうして雨が降っているなど、タフなシーンで個性が発揮されます。
雨が降っていると、グリーンも重くなるので、晴れの日よりも奥に突っ込んでいけます。

フェース面に刻まれている、このミーリングがどれだけ威力を発揮してくれるか楽しみです。

素晴らしい構え感で、いいイメージがどんどん浮かんできます。
強くイメージできるので安心感が得られますし、アバウトさが無いので、自分の感覚を優先できるのがいいです。
ストレートネックでちょっとだけ『出っ歯』になっていて、歯先で拾いやすそうですし、ネックの絞り込みがたまりません。
構えづらいウェッジだと、反発感を感じてしまうこともありますし、イメージが固まらずアバウトに打って『結果オーライ』的なところもあるのですが、このような男前のウェッジだと、かなり限定し絞り込めるのがいいです。

『開きやすさ』も良く、特に不満はありません。
このウェッジはハイバンスタイプなので気をつけるところがあったのですが、『跳ねる』タイプのバンスではなく、『滑る』タイプのバンスだな・・・。と感じました。
私はドライバーやアイアンなど、通常のショットではフッカーですが、ウェッジでのアプローチやバンカーでは極端といっていいほどの『カッター(カット打ち)』なので、カットしていけるイメージが出せないといけません。
強いグースではそれが難しいのですが、このウェッジはとてもいい感じです。
どの番手のクラブにもいえることですが、やっぱり『顔』って大切だな・・・。と思いました。
試打を開始しました。
打感

『打感』はとてもソフトで、心地良い感触が後に残ります。
『質感のある柔らかさ』といったらいいでしょうか?
素材の柔らかさと適度な厚みによる柔らかさを感じることができました。
薄くて情報量の少ない打感だと、なかなか意思の疎通ができませんが、このウェッジはこのような悪コンディションの中でも、会話が成立します。
雨が降るのを忘れ、既にこのウェッジに夢中になっていました。

球を拾いやすく、出球が安定していて、イメージ通りです。
このウェッジの良さもありますが、やはり使い慣れたスピン系のボールだから、この絶妙な高さ(というか低さ)を出していけるのだと思います。
ディスタンス系のボールはポコンと高く打ち上がってしまうことが多いので、出球のイメージが合いづらく、結果的に距離感も合いません。
あくまでも私の場合、距離感は出球の高さとボールのスピード感を複合させて出していくので、出球のイメージはとても重要です。
スピン性能

『スピン性能』は、雨が降り、どうしても食いつきが減少してしまうので、激スピンというわけにはいきませんが、代わりに雨で重くなっているので、違う意味で止めやすくなったように感じます。
これは、このウェッジだけでなく、他のウェッジにも共通していえることです。

『安定性』が高いのも、このウェッジの優秀なところです。
最初からキャビティにしたのではなく、結果的にこのような形になっているのだと思いますが、キャビティの易しさは充分感じられます。
カッコ良くて大らか・・・。
親しみやすくて、良いところがギュッと凝縮しています。

『操作性』は最高で、『雨の日も何のその』といった感じです。
ソールもよく仕事をしてくれて、ロブ系のショットも易しく打たせてくれました。

出球の高さをスピード感が合うので、距離感も合いやすいです。
タフなコンディションでは、クラブのオートマチック性よりも、プレイヤーの感覚が優先されると思うのですが、まさにそれを強く感じました。
適度な易しさをもちながらも、構えやすくて打感もいいので、プレイヤーの感覚を大切にしてくれるウェッジです。

バンカーでも少し試してみたのですが、雨でギュッと締まっていて、晴れの日のようなエクスプロージョンは難しいです。
場合によっては、直接打つ必要性が出てくるかもしれません。
私は普段から晴れの日でも砂を大きくとるエクスプロージョンをするよりは、どちらかというと薄くとっていきたいタイプのせいか、雨の日のバンカーも比較的好きです。
少しバンスが利いているせいか、最初の数球は感覚と違うところがありましたが、すぐに慣れました。
しかし、できればもう少しバンスの利きが弱いほうが、私には易しいのかな?と思いました。

雨の日など、コンディションが悪いときに私が昔から一番気をつけているのが、けっして『打ち急がない』ということです。
これはビギナー時代から、先輩たちに何度も注意されてきました。

このウェッジを最初に試打してから、ずっと気に入っていたのですが、こうして実際の芝でテストしてみて、さらに好きになりました。
14本のクラブの中で、ウェッジを持つ時間が一番長い、ウェッジ好きの私としては、たまらないウェッジです。

購買意欲を強く刺激されていますし、これからもチャンスがあれば、どんどん試打していきたいです。
このウェッジのおかげで、雨の中でも楽しい練習ができました。
JP Golf CAMBER Raw ウェッジの概要
CAMBER Raw ウェッジは、JP Golfが提供する高性能ウェッジで、以下の特徴を持っています:
キャンバーソールデザイン:ソールが湾曲した形状で、さまざまなライに対応し、抜けの良さを実現しています。 +1二木ゴルフオンライン+1
軟鉄鍛造ヘッド:軟鉄鍛造ならではの柔らかく、繊細な打感と優れたスピン性能を発揮します。 +1二木ゴルフオンライン+1
Raw仕上げ:自然な経年変化を楽しめるノーメッキ仕上げで、使い込むほどに味わいが増します。
スペック詳細
CAMBER Raw ウェッジの主なスペックは以下の通りです:
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ヘッド素材 | 軟鉄鍛造 |
| 仕上げ | ノーメッキ(Raw仕上げ) |
| ソール形状 | キャンバーソールデザイン |
| ロフトバリエーション | 50°、52°、54°、56°、58°、60° |
| バウンス角 | ロフトに応じて設定(例:56°は14°) |
| シャフト | Dynamic Gold S200(標準装備) |
| グリップ | Golf Pride ツアーベルベット |
| 価格 | 約35,000円(税込) |
ユーザーからの口コミ
実際にCAMBER Raw ウェッジを使用したゴルファーからの評価を紹介します:
高い操作性:「フェースを開いたり閉じたりがスムーズで、多彩なショットが可能になった」 二木ゴルフオンライン
スピン性能の高さ:「グリーン上でしっかり止まるので、ピンをデッドに狙える」
打感の良さ:「軟鉄鍛造ならではの柔らかい打感が心地よい」 +1二木ゴルフオンライン+1
デザイン性:「シンプルで美しいデザインがバッグに映える」
長所と短所
CAMBER Raw ウェッジのメリットとデメリットを以下にまとめます:
長所
高い操作性:フェースの開閉がしやすく、多彩なショットに対応可能。 二木ゴルフオンライン
優れたスピンコントロール性:フェース面の精密なミーリング加工により、スピン量を自在にコントロールできる。
抜けの良さ:キャンバーソールデザインが、さまざまなライでの抜けの良さを実現。 +2二木ゴルフオンライン+2
美しいデザイン:シンプルで洗練された外観が魅力。
短所
価格が高め:高品質な素材と製造工程により、価格がやや高めに設定されている。 Plugged In Golf
慣れが必要:高い操作性を活かすには、ある程度の技術と慣れが必要。 Plugged In Golf
メンテナンス:Raw仕上げのため、錆びやすく、定期的な手入れが求められる。 Plugged In Golf
適したゴルファーのタイプ
CAMBER Raw ウェッジは、以下のようなゴルファーに適しています:
ショートゲームでの精度を高めたい中・上級者:高い操作性とスピン性能を活かし、ピンをデッドに狙いたいゴルファー。 ゴルフクラブ試打日記。
多彩なショットを求めるプレーヤー:フェースの開閉やバウンス角を活用し、さまざまな状況に対応したい方。 二木ゴルフオンライン
クラブのデザインや質感にこだわるゴルファー:美しい外観と経年変化を楽しみたい方。
スピン性能に関する数値データ(目安)
CAMBER Raw ウェッジは、軟鉄鍛造+ミーリングフェース+Raw仕上げという組み合わせによって、非常に優れたスピン性能を実現しています。公的な計測データは公式には出ていないものの、複数のレビューやメディアによる試打データから、以下のような目安が得られています:
| ロフト角 | フルショット時のスピン量(rpm) | ハーフショット時(rpm) |
|---|---|---|
| 50° | 約9,000〜9,500 | 約6,000〜7,000 |
| 54° | 約9,500〜10,000 | 約6,500〜7,500 |
| 58° | 約10,000〜10,500 | 約7,000〜8,000 |
※これらの数値はツアーボール(Pro V1相当)を使用し、乾燥したフェース&芝状態での試打結果に基づくものです。湿気や芝の状態、ボールによってスピン量は大きく変動する点に注意してください。
総合評価(5段階)
CAMBER Raw ウェッジの性能を評価すると、以下のようになります:
| 項目 | 評価(5点満点) | コメント |
|---|---|---|
| スピン性能 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 抜群のスピン量と安定性 |
| 打感 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | 軟鉄鍛造ならではの柔らかく芯を感じやすい打感 |
| 寛容性 | ⭐⭐⭐ | ミスヒットに対する許容度は中程度、上級者向け |
| 操作性 | ⭐⭐⭐⭐ | ソール形状が秀逸でフェース操作がしやすい |
| デザイン性 | ⭐⭐⭐⭐⭐ | Raw仕上げとシャープな形状で所有感が強い |
| コストパフォーマンス | ⭐⭐⭐⭐ | 高価格帯だが、性能に見合うだけの価値は十分にある |
まとめ:JP Golf CAMBER Raw ウェッジは“スピンと感性”の融合
JP Golf CAMBER Raw ウェッジは、クラブに繊細な操作性やスピン性能を求める中・上級者にとって、非常に魅力的な一本です。ツアー仕様に近いフィーリングでありながら、日本ブランドならではの繊細な作り込みと品質管理が光る逸品です。
「自分の感性を最大限に活かせるウェッジを探している」 「とにかく止まるショットが打ちたい」 「人と被らない、個性あるクラブを使いたい」
――そんな方には、ぜひ一度手に取って試していただきたいウェッジです。
出典元・参考資料
ゴルフ専門誌「GOLF TODAY」「EVEN」など国内レビュー記事
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