ロイヤルコレクション TM-X フェアウェイウッドを試打レビュー

今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ロイヤルコレクション TM-X フェアウェイウッド の3番 です。

シャフトは Royal Collection TT-5 です。
ロフトは14度、クラブ長さは42.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は53g、バランスはD2、トルクは5.1、クラブ総重量は322g です。

ロイヤルコレクションのフェアウェイウッドは特別な存在です。
どちらかといえば、ドライバーに脚光が浴びせられる状況の中、フェアウェイウッドの地位をグッとあげてくれたのは間違いなくロイコレだと思います。
ロイコレ全盛時代をご存じない方も今はたくさんいらっしゃると思いますが、昔は本当に凄くて、人気がありました。
ドライバーは違うメーカーだけど、フェアウェイウッドだけはロイコレを使う・・・。という人が多くて、よく見かけましたし、私もロイコレフェアウェイウッドでいい思い出がたくさんあります。
もちろん、ロイコレのドライバーもいいのですが、フェアウェイウッドの人気はその何倍もありました。
フェアウェイウッドの『ステータス』をあげてくれたメーカーなのは疑いようのない事実です。

ドライバー同様、このRCのロゴに笑みがこぼれます。
RCというと、『ラジコン』を思い浮かべる方が多いと思いますが、私はやはり『ロイコレ』です。

ROYAL COLLECTIONは、やはり無くてはならないクラブだな・・・。と思います。

重厚感にあふれ、ロイコレらしいです。
先日試打したドライバーもすごくいいですが、このフェアウェイウッドもいい雰囲気があります。
今は『軽量感』をイメージさせるクラブもたくさんありますが、私は昔からこのような『重さ』を感じさせるクラブが好きです。
ドライバーはソールが立体的だったのに対し、このクラブは平らに近い感じで、フェアウェイウッドの特徴が見られます。
今のクラブらしく、いろいろなパーツが組み込まれています。

キャビティソールも健在です。

キャビティといっても、ほとんど凹みはありません。
研究と技術が進んで、キャビティソールにする必要がなくなったということでしょうか?

ドライバー同様、ウェイトが組み込まれています。
フェース寄りが『2』で、バックフェースよりが『6』となっているのも同じです。

トゥ側

ヒール側
こちらは数字が無いので、重さは分かりません。
キャビティソールにあるウェイトは替えられそうですが、このウェイトはおそらく交換式ではないと思います。

ネックに調整システムが搭載されているのも、ドライバーと同じです。

試打するのは、この『STD LOFT』です。
他には、

RIGHT

FLAT

LEFT
となっていて、どのように球筋や弾道が変化するのか興味があります。
これまで、私がこのような『可変式』ドライバーを試打してきて、ポジションを替えたことがありますが、球筋や弾道が変わるというよりも、『違和感が増す』ことのほうが多かったです。
なので、『STD』とか、『N』ポジションのままが最高のような気がします。

ノーマルシャローといっていいでしょうか?
よく見かけるシャローですが、薄すぎないのがいいです。

コンパクトで、いい顔をしています。
スプーンにしては、かなり小顔で、クリークに見える方がいらっしゃるかもしれません。
ディープでこの小顔は分かるのですが、シャローでこの小顔にしているということは、ヘッド体積はそれほど大きくはないのかな・・・?などと思っていました。

カーボンクラウンもドライバーと同じで、あらゆる面において、ドライバーをそのままサイズダウンさせたようなFWです。
メーカーによっては同じシリーズのクラブでも、ドライバーとFWでは相違点も多いことがありますが、このクラブは限りなく似せています。


クラウンにある、この赤い模様もドライバーと変わりません。
どのような効果が期待できるのでしょうか?

フェース面のデザインだけは、ドライバーと違っていました。
スコアラインは全て『溝』になっていて、フラットフェースではありません。

トゥ側には『TITANIUM』の文字が刻印されています。
チタンフェースということなのでしょか?
それともヘッド全体がチタンということでしょうか?

素振りをしてみると、なかなかいい感じです。
シャフトは結構しっかりしていて、タイミングも取りやすいです。
できれば、もうちょっと重量が欲しいな・・・。と思いましたが、こればかりは仕方ありません。
もし、私がこのクラブを購入したら、もっと重量のあるシャフトに替えるのは間違いありません。
最近のドライバーのシャフトは60g台はもちろん、50g台も多くなりました。
絶対ではないですが、フェアウェイウッドのシャフトはドライバーよりも10g以上は重くするのが一般的だったのですが、最近はそういったことがなくなりました。
フェアウェイウッドのシャフトでも50g台が増えてきていて、これは果たして良いことなのでしょうか?
私だけでなく、『軽すぎる』と感じておられる方は多いような気がします。
とにかく飛べばいい・・・。曲がらなければいい・・・。球があがってくれればいい・・・。というように、クラブの重さにあまり関心を持っておられない方は少なくないかもしれませんが、とても重要な項目です。

ボールを前にして構えてみると、好感を持つことができました。
形が整っているということはもちろんですが、ドライバー同様『艶消し』になっているのがいいです。
カーボンの模様が見えますが、それほど気になりません。
カーボンクラウンにすると、質感が落ちてチープに見えてしまったことが少なくないのですが、昨年試打したBALDOのFW同様、艶消しになると、高級感が出てくるのがいいな・・・。と思いました。
先日試打したドライバーと共通点は多いですが、こうして構えた感じはドライバーよりも、このスプーンのほうが私は好きです。
試打を開始しました

『打感』はソフトで良いです。
フェース面を見たときは、ちょっと硬めのフィーリングを予想していたのですが、そうではありませんでした。

『音』も、おとなしめで良いです。
インパクトが緩むことなく、気持ちよく打っていくことができました。

『球の上がりやすさ』という点では、このロフト(14度)もあり、結構タフな部類に入るのは間違いありません。
ヘッドの大きさや形状を見ても、あがりやすさを最優先して作られたFWではないと思います。
明らかにヒッター向けのクラブですが、番手を変えれば、また違った印象をもつかもしれません。
クリークだと、もっとあがりやすくて、幅広い層に受け入れられるかもしれませんが、このクラブはターゲットを絞り込んでいるように感じます。
最近のスプーンは直打ちでも充分あげてくれるものが多いですが、このクラブはそれらとは明らかに違います。

『安定性』は普通です。
特別シビアな感じはしないですし、気難しいタイプではないと思いますが、高い直進性・曲がりにくさというものはあまり無いような気がします。

『操作性』は良いです。
ストレートはもちろん、フック系も易しく打てましたし、右にも曲げることができました。
最近のフェアウェイウッドもドライバーのように直進性があがって、『頑固』に感じられるほど曲げにくいクラブも多いのですが、このクラブはそれらとは違います。
このままでもいいですし、ネックの調整システムを使って、自分の持ち球を高確率で打てるようにするのもいいのではないでしょうか?
左右自在に、そしてその曲げ幅までを完全にコントロールできるのが理想ですが、実際はそうもいかず、ホールのレイアウトに関係無く、自分の持ち球で攻めていくことになることが多いと思いますが、調整システムを使って、ワンパターンな球筋を磨き上げていくことが求められるのではないでしょうか?
小ぶりヘッドならではの、反応の良さがあります。

『飛距離性能』という点では、明らかにヒッター向けなので、人によってかなり好みが分かれるかもしれません。
クラブがプレイヤーに要求するものは結構高いような気がします。
それはHSであったり、ミート率であったり・・・。
試打後の感想

ロイコレらしく、カッコ良くて硬派なFWです。
昔のロイコレFWと比べると、かなり『ハイテク化』していますが、基本の部分は変わっていないような気がします。

骨太でプレイヤーを甘やかさず、そのポテンシャルを引き出してくれる・・・。
使っていけばいくほど、プレイヤーのスキルもあがっていくような気がしました。

これらかもロイヤルコレクションのクラブにたくさん出会っていきたいですし、多くの方に試していただきたいです。
☆
構えやすさ・・・☆☆☆☆
打感・・・・・・☆☆☆☆
音・・・・・・☆☆☆☆
あがりやすさ・・☆☆
安定性・・・・・☆☆☆
飛距離性能・・・☆☆☆☆
操作性・・・・・☆☆☆☆
※(100P満点)
☆1つ=0~20P
☆2つ=21~40P
☆3つ=41~60P
☆4つ=61~90P
☆5つ=91~100P
※追記 このクラブの紹介文(記事を書いた後、このクラブについて、調べてみました)
ロイヤルコレクション TM-X フェアウェイウッド 完全解説 | 名門復活の最新テクノロジーを徹底分析
概要:TM-Xが示す新時代のフェアウェイウッドとは
ロイヤルコレクション TM-X フェアウェイウッドは、かつてニック・プライスなどツアープロに愛された名門ブランドが復活を果たした記念碑的なモデルです。コンポジットヘッド構造による低重心化と操作性の両立を実現し、現代のゴルファーが求める高い技術要求に応えています。
本モデルは3W、5W、7Wの3機種をラインナップし、それぞれ異なる素材構成により最適化された性能を提供します。特に注目すべきは、クラウンに軽量カーボンを採用したコンポジットヘッド技術により、従来のフェアウェイウッドでは困難だった低重心化と操作性の同時実現を果たしている点です。
技術仕様とスペック詳細
ヘッド素材・構造
3W
- ボディ:Ti811鋳造チタン
- フェース:6-4チタン
- クラウン:カーボン
- ソール:アルミプレート搭載
- 体積:145㎝³
- ロフト角:14°
- ライ角:59.5°
5W
- ボディ:17-4ph鋳造ステンレス
- フェース:HT1770M ステンレス
- クラウン:カーボン
- ソール:アルミプレート搭載
- 体積:130㎝³
- ロフト角:18°
- ライ角:60.5°
7W
- ボディ:17-4ph鋳造ステンレス
- フェース:HT1770M ステンレス
- クラウン:カーボン
- ソール:アルミプレート搭載
- 体積:120㎝³
- ロフト角:21°
- ライ角:61.5°
アジャスタブル機能
TM-Xシリーズは全番手で高精度な調整機能を搭載:
- ロフト角調整:±1.5°
- ライ角調整:標準~3°フラット
- 調整パターン:全8通り
この調整機能により、個々のゴルファーのスイングに最適化されたセッティングが可能です。
シャフト・グリップ仕様
標準シャフト:Royal Collection TT-5
- R:49g(トルク5.3)
- SR:50g(トルク5.2)
- S:53g(トルク5.1)
専用設計シャフトは、評価の高いコンポジットテクノ社製でダブルキックポイント設計を採用。ヘッドの走りとボールの拾いやすさを両立しています。
グリップ 高級感と機能性を持つカーボンテクスチャー採用のエラストマーグリップにより、握りやすさと滑りにくさを両立した新デザインです。
重量・バランス仕様
| 番手 | フレックス | 長さ | 総重量 | バランス |
|---|---|---|---|---|
| 3W | R | 42.75″ | 317g | D0 |
| 3W | SR | 42.75″ | 319g | D1 |
| 3W | S | 42.75″ | 322g | D2 |
| 5W | R | 42.25″ | 321g | D0 |
| 5W | SR | 42.25″ | 323g | D1 |
| 5W | S | 42.25″ | 326g | D2 |
| 7W | R | 41.75″ | 325g | D0 |
| 7W | SR | 41.75″ | 327g | D1 |
| 7W | S | 41.75″ | 330g | D2 |
※総重量は計算上の数値となります。
性能分析と特徴
コンポジットヘッドによる技術革新
TM-Xの最大の特徴は、クラウンに軽量カーボンを採用したコンポジットヘッド構造です。この設計により実現される主要な性能向上は以下の通りです:
低重心化による恩恵
- 適正なバックスピン量での強弾道実現
- フェース下部でのミスヒット時の初速維持
- 高打出し角での安定した飛距離
重心設計の最適化 余剰重量を活用した最適な重心配置により、振りやすさと方向安定性を両立しています。
小ぶりなヘッド形状の意図
TM-Xは意図的に小ぶりなヘッド形状を採用しており、これにより以下の利点を実現しています:
- 高い操作性とコントロール性
- 風の影響を受けにくいシャープな振り抜き
- アドレス時の集中力向上
- 様々なライからの対応力
試打評価と口コミ分析
プロフェッショナルによる評価
みんなのゴルフダイジェストの試打レポートでは、ヘッドスピード42m/sで初速60m/s、打ち出し角14.2度、キャリー228ヤード、トータル253ヤードという優秀なデータを記録しています。
この結果から分析できる性能特性:
- 初速性能:1.43の高いスマッシュファクター
- 適正な打出し角による最適弾道
- 実用的な飛距離性能
打感と操作性の評価
「かつて一世を風靡したBBDタイプHを彷彿とさせるような打感」との評価があり、ロイヤルコレクション伝統の打感を現代技術で再現していることが確認されています。
操作性について 「パー5のセカンドショットで使うときにグリーンを狙っても飛び過ぎは要注意。ピンの位置によってはフェードを打ったり、ドローを打たねばならないこともあります。そんなときのコントロール性を求められるのが5Wだと思うのですが、そういう意味ではまさしく高い性能を持ち合わせています」との評価により、実戦での高い対応力が確認されています。
ヘッドスピード別の適合性と飛距離目安
ヘッドスピード40-45m/s のゴルファー
推奨番手:5W、7W
- 5W キャリー目安:220-240ヤード
- 7W キャリー目安:200-220ヤード
- 特徴:適正なスピン量で安定した弾道
- 利点:コントロール性と飛距離のバランス
ヘッドスピード35-40m/s のゴルファー
推奨番手:5W、7W(Rフレックス推奨)
- 5W キャリー目安:200-220ヤード
- 7W キャリー目安:180-200ヤード
- 特徴:高打出し角での安定飛行
- 利点:やさしさと方向安定性
ヘッドスピード45m/s以上のゴルファー
推奨番手:3W、5W(Sフレックス推奨)
- 3W キャリー目安:240-260ヤード
- 5W キャリー目安:230-250ヤード
- 特徴:強弾道での最大飛距離
- 利点:操作性と飛距離性能の最大化
長所と短所の詳細分析
主要な長所
1. 技術的優位性
- コンポジットヘッドによる低重心化
- 8通りの調整機能による最適化可能性
- 小ぶりながら高い慣性モーメント
2. 操作性の高さ
- 意図的なフェード・ドローの打ち分け容易
- 様々なライからの対応力
- 風に負けない強弾道
3. 品質と仕上げ
- 日本製による高品質
- 伝統的な打感の継承
- 高級感のある外観仕上げ
4. 実戦性
- セカンドショットでの高いコントロール性
- グリーンを狙う攻めのゴルフに最適
- プロ仕様の性能を一般ゴルファーにも提供
考慮すべき短所
1. ターゲット層の限定性
- 上級者向けの設計思想
- 小ぶりヘッドによる心理的不安感(初心者)
- 操作技術を要する場面での要求レベル
2. 価格設定
- 3W:79,200円(税込)
- 5W/7W:63,800円(税込)
- プレミアム価格帯での位置づけ
3. やさしさの限界
- 大型ヘッドモデルと比較した寛容性
- ミスヒット時の飛距離ロス
- スイートスポットの精度要求
適合するゴルファー・しないゴルファー
TM-Xが最適なゴルファー
技術レベル:中級者以上
- ヘッドスピード:35m/s以上
- ハンディキャップ:20以下
- 特徴:操作性を重視し、コントロールショットを多用
ゲームスタイル:攻撃的なゴルフ
- セカンドショットでグリーンを積極的に狙う
- フェアウェイウッドでの距離のコントロールを重視
- 風の中でも安定した弾道を求める
技術的要求に応えられるゴルファー
- 正確なインパクトが可能
- 番手ごとの飛距離管理ができる
- コースマネジメント能力が高い
TM-Xが不向きなゴルファー
初心者・高ハンディキャッパー
- ヘッドスピード:35m/s未満
- ハンディキャップ:25以上
- 理由:小ぶりヘッドによる心理的プレッシャー
やさしさ重視のゴルファー
- 大きなヘッドでの安心感を求める
- ミスに対する寛容性を最重視
- 飛距離よりも方向安定性を優先
カジュアルゴルファー
- 月1-2回程度のプレー頻度
- 技術向上への意識が低い
- コストパフォーマンスを重視
まとめ:TM-Xが示すフェアウェイウッドの新基準
ロイヤルコレクション TM-X フェアウェイウッドは、伝統と革新の融合により現代のフェアウェイウッドに新たな基準を示しています。コンポジットヘッド技術による低重心化と小ぶりながら高い慣性モーメントの実現は、技術的に高い水準にあるゴルファーにとって理想的な選択肢となります。
特に、「ロイコレ独自のFWのキャラクターに、カーボンクラウン、適正な重心設計と抜けの良さを演出するキャビティソール、といった先進技術がうまく融合している」点は、同ブランドの復活を印象づける重要な要素です。
価格的には決して安価ではありませんが、その性能と品質を考慮すれば適正な価格設定と評価できます。中級者以上のゴルファーで、特にセカンドショットでの精密性と飛距離を両立したい方には、強く推奨できるフェアウェイウッドです。
ただし、その高い性能を活かすためには相応の技術レベルが必要であり、購入前の試打による適合性確認は必須といえるでしょう。ロイヤルコレクションの復活第一弾として、TM-Xは確実にその存在価値を証明したモデルと評価できます。
出典・Reference
- ロイヤルコレクション公式サイト TM-X製品ページ
- みんなのゴルフダイジェスト 試打レポート – 2023年8月3日
この記事の英語のページ



