今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは KAMUI KT-01 ドライバー です。
シャフトは Fujikura KAMUI Double Kick Shaft です。
ロフトは10度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、クラブ総重量は304gです。
カムイワークスのニュードライバーです。
派手さは無く、落ち着いたデザインですが、とても高級感があって、品質の高さを伺わせます。
カムイワークスのイメージに合う、カッコ良さが際立っています。
落ち着いている感じがします。
カムイワークスのドライバーといえば、一昨年出会った神威雷という個性的な名前のドライバーがとても印象深いです。
とてもシンプルなデザインです。
今はハイテクなドライバーがたくさんあるせいか、ウェイトが付いているだけだと、すごくシンプルに感じられます。
しかし、最新のドライバーということで、こうすることにメリットをメーカーが見出しているのだと思います。
必要最低限の物を搭載して、あとはプレイヤーの技量に任せる・・・。という感じのクラブは昔から好きです。
このドライバーも、そんな感じがしました。
ネックの長さは、標準的といっていいでしょうか?
こうして見ても、とても風格があるように感じられました。
ヘッド自体はシャロー感が感じられるのですが、このドライバーは今のドライバーの中では『セミディープ』といえる感じでしょうか?
私にはディープというよりもシャローに見えるのですが、最近はもっと薄い物がたくさんあるので、少しディープに入れてもいいのかな?と思いました。
ヒール側
トゥ側
ヒール側とトゥ側にウェイトが組み込まれています。
これは六角レンチで簡単に取り外しができそうです。
様々な重さのウェイトが用意されているのでしょうか?
顔は、ヘッド後方が少しだけ伸びているようにも見えたのですが、極端ではないので違和感はありませんでした。
ここ数年、同じような顔をしたドライバーが増えてきました。
違和感を感じさせない、ギリギリの形状なのかもしれません。
これ以上伸びてしまうと、振りづらそうに感じられるような気もします。
ドライバーに限らずアイアンなどでもそうですが、私は『フェースターン』をしやすそうな顔をしているクラブに魅力を感じます。
振ってみた感じはやや軽めで、ちょっと物足りない感じがしました。
第一印象よりも軽くて、もう少ししっかりしていてもいいんじゃないかな?と思いました。
ドライバーの重量には『300g以下』『300~310』『310以上』という段階があるように感じることもあるのですが、このドライバーはイメージよりも、ちょっと軽すぎる感じがしました。
シャフトも軽く感じたので、違うシャフトにすると、また印象も違っているように感じます。
『50~60g台』のシャフトが易しくて『70g以上』は難しい、上級者用。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。
適度な重量があったほうが、易しいです。
軽すぎるクラブは却って難しくなるものです。
重力を味方にしたほうが安定感が出しやすいですし、飛んでいくボールの勢いも増していきます。
ボールを前にして構えてみると、変なクセがないので、好感がもてました。
両肩に変な力が入ることもなく、楽な気分で構えることができました。
呼吸も深く、しっかりと行えました。
左右に意図的に曲げる・・・。というよりは、ある程度の高い直進性を活かしながら、強く叩いていけそうなドライバーだな・・・。と思いました。
私は曲線をイメージして構えたくなることも多いのですが、このドライバーはどちらかというと直線をイメージしたほうがスムーズにテークバックを開始できそうだと思いました。
こちらが色々とクラブにアプローチしていくのではなく、まずはクラブの機能を探ってみよう・・・。と思いました。
試打を開始しました。
『打感』は柔らかくていい感じです。
やや軽めの打感だと思いました。
『ズシーン』とくる感じはしません。
手に衝撃が残ることはありませんでした。
ボールを弾いてくれているのが伝わりました。
『音』は大きすぎず、小気味いい感じでとても良いと思いました。
こもった感じの音ではないので、爽快感があります。
ハードヒットしても、しっかりとついてきてくれる感じがしました。
暑い日が続くときは、せめていい音を耳にしていたくなります。
音の感じは全く違いますが、夏に風鈴の音を聞きたくなるのと似ているでしょうか?
『球のあがりやすさ』は標準的だと思いました。
10度らしい球の浮きやすさがありました。
タフな感じは全くしませんでした。
『安定性』という点でも、比較的普通かな・・・?と思いました。
構えた通りの印象でした。
特にシビアに感じることもなかったですし、イージー過ぎて曖昧さが残る感じでもありませんでした。
こちらが極端なことをしない限り、しっかりとラインを出していくことができるドライバーだと思いました。
『飛距離性能』という点では、なかなかいい感じでした。
これまでのカムイワークスらしい、レベルの高さがあります。
しかし、これまでのモデルよりも大きく進化した飛び・・・。だとは思いませんでした。
ある程度予想の範囲内にありました。
前のモデルの性能が高いので、それを超えることは容易ではないと思いますし、ある程度限界に近づいているのかもしれません。
『操作性』という点では、思っていたよりもいい感じでした。
構えたときにヘッド後方の伸びを感じたせいか、直進性の高さを感じていたのですが、実際は曲げることも難しくはありませんでした。
フェースは被っているようには見えなかったのですが、球のつかまりがいいドライバーだと思いました。
時間の許す限り、いくらでも打っていたくなるドライバーでした。
『ライトショット』といいますか、軽めのショットを楽しむことができました。
マイドライバーでは『ヘビーショット』といいますか、気持ちよく叩いて重めの球を打って楽しんでいるのですが、このドライバーはマイドライバーとはちょっと性格が異なる感じがしました。
ハードヒットには、ちょっと物足りない感じもしたのですが、軽めに打つとすごくいい感じでした。
シャフトにもう少し『しっかり感』が欲しいな・・・。と思ったのですが、結構スイングについてきてくれました。
色々なシャフトで試してみたいな・・・。と思わせてくれるドライバーでした。
多くのドライバーのロフトが『リアル』と『表示』の2つが存在していて、これらが一致する物のほうが圧倒的に少ないのが現実だと思います。
このドライバーは10度というロフト表示がされていたのですが、実際はもう少し寝ているかな?と思いました。
しかし、それは大きな違いではないように思います。
弾道の高さも、高すぎることなく、『10度らしい』感じで飛んでいってくれたので、弾道の高すぎによる違和感のようなものは感じられませんでした。
ニューモデルということで、どんな機能が追加されていたり、飛距離性能がアップしているのだろう・・・?と思っていましたが、正直大きく驚くようなことはなく、淡々とした感じで試打を繰り返していました。
ただ、それは高いレベルで維持されているということにもなるのだと思いました。
色々なメーカーのドライバーを試打していると、時々残念に思ったり、失望にも似た思いをもってしまうこともあるのですが、このドライバーにはそういったマイナス的な印象はありませんでした。
『革新的な性能アップ』だとは思いませんでしたが、高いレベルで維持されているように思えました。
前のモデルの『神威雷』は高性能なので、それを凌駕しているようには思えませんでした。
どちらを選ぶか?とするならば、私はちょっと迷いますが、『神威雷(シルバー)』を選ぶような気がします。
できるだけはっきりさせたいので今度、もし同時に試打する機会があれば、比較してみたいと思いました。
『豊富な調整機能』とか『白いヘッド』という他のメーカーを追随するのではなく、あくまでもメーカーのポリシーでクラブ作りが行われているように感じられました。
今は大手メーカーだけでなく、地クラブメーカーでも白いヘッドや調整機能が付いたドライバーが発売されていますが、これからどうなるのでしょうか?
カムイワークスも、その流れに乗るのでしょうか?
私たちゴルファーには『飛ぶクラブ』『曲がらないクラブ』『カッコいいクラブ』・・・。などがいいクラブの条件になると思うのですが、メーカーやショップ側からすると、ただ一つ『売れるクラブ』がいいクラブといえるのだと思います。
なので、その時の流行を追うのは仕方のないことなのかもしれません。
そういった思いがありながらも、このドライバーのようなシンプルな構造で、黒くてシブイデザインのクラブには魅力を感じずにはいられません。
私は白いヘッドや、複雑な調整機能付きのドライバーを購入したことがないのですが、これからも色々なクラブが登場してきそうです。
そういった『流行の発信源』が『日本のメーカー』であって欲しい・・・。と、ずっと思っています。
カムイワークスをはじめ、これからも日本の優秀な地クラブメーカーには注目していきたいです。
KAMUI KT-01 ドライバー
- 2013年8月3日
- カムイ ワークス