今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは KAMUI 神威雷 Driver Silver です。
シャフトは FUJIKURA Double Kick シャフト です。
ロフトは9度、クラブ長さは45.5インチ、シャフトフレックスはS、バランスはD3、クラブ総重量は303gです。
カムイワークスのニュードライバーです。
今年の2月と3月に、久しぶりにカムイワークスのドライバーに出会ったのですが、ずいぶんと前のような気がします。
それだけ今年は色々なドライバーに出会ってきてるのだと思いますし、すごく強いインパクトが残っているドライバーが何本かあります。
カムイワークスの前のモデルにとてもいい印象が残っているせいか、今回のモデルにも自然と期待感が高まってきました。
全体的に見ても、形状的には前のモデルの『456』と、それほど大きな違いはないような気がします。
やはりコンセプトそのものは、それほど大きく変わっていないのでしょうか?
しかし、このドライバーには『神威雷』という漢字が表記されていました。
『かむいかみなり』と読むのでしょうか?
それとも『かむいらい』と読むのでしょうか?
ゴルフクラブには、殆ど英語が表記されていて、日本語などを目にすることは殆どないですが、私は日本語が表記されるのはとてもカッコいいと思っていますし、愛着も湧きやすいです。
ただ、こういった表記がこれから流行るとは、なかなか思えない部分もありますが、私個人的にはとても好感がもてます。
やはりクラブには個性が大切です。
『見た目のインパクト』という点も、物理的な性能以外に重要だと考えています。
ただ、それが違和感や苦手意識をもたせるようだと、問題があるように思うのですが・・・。
ソール中央にある『雷様』がとても個性的で面白いと思いました。
こういったクラブは初めて見たような気がします。
稲妻のような速くて鋭い打球が飛び出す・・・。ということなのでしょうか?
ちょっと意味合いが変わってしまうのですが、ゴルファーにとって雷はとても注意しなければならないものの一つだと思います。
プロゴルファーで落雷の被害に遭った選手といえば、やはり、リー・トレビノ選手を思い出しますし、毎年、ゴルフ中に落雷の被害に遭われる方が少なくないそうです。
私は、少々の雨や風や雪では、プレーや外での練習も止めませんが、さすがに雷だけは中断します。
この雷様を見て、ふとこのようなことを考えていました。
こうして見ていても、あまり『厚み』を感じることもなく、とても球があがりそうです。
今はこれくらいの形状のドライバーが多いですが、やはり私の中では『シャロー』な部類に入ります。
ネックも短めな感じで、低重心を感じさせます。
こういったタイプのドライバーは、これまでもたくさん出会ってきました。
今回もヘッド後方のトゥ側とヒール側にひとつずつウェイトのようなものがあり、とても直進性に優れていそうです。
それほど立体的なヘッドには見えないですし、やはり『操作性』よりは『安定性』が重視されているのでしょうか?
六角レンチがあれば、取り外しができそうです。
『顔』は、とても美しいと思いました。
ややトライアングルっぽい形状だと思いましたし、そこに直進性が高そうな印象を受けました。
ちょっとだけフェースが被っているかな?と思っていたのですが、聞くところによると、このドライバーのフェースアングルは『+0.5度』なのだそうです。
素振りをしてみた感じは、予想以上に軽く、シャフトも軟らかい感じがしました。
フレックスは一応『S』ということだったのですが、この『S』や軟らかい部類の『S』だと思いました。
ヘッドがもう少し効いていてもいいかな?と思いました。
前のモデルもそうでしたが、このドライバーも見た目はいかにもアスリート用っぽいところがありますが、実際はそれほどタフな印象はもちませんでした。
ボールを前にして構えてみても、なかなかいい感じでした。
球もあがりそうな感じがしましたし、強い弾道が打てそうな予感がしました。
しかし、少し左方向への警戒が必要だと思いました。
ボールを巻いてしまわないように、注意していこうと思いました。
ただ、それほど強い違和感は感じなかったですし、これくらいのフックフェースでは、もう『お手上げ』というほどでもないので、普通に構えることができました。
左右へのイメージでいえば、やはり左へのイメージが強いのですが、右へ曲げたくない方には、これくらいの『つかまり顔』に安心感をもたれる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
試打を開始しました。
私が思っていた以上に球が上がりやすく、弾道が高いことに少し驚きました。
振ったときの印象と同じで、見た目は本格的でカッコいいドライバーですが、意外なほどタフさが感じられませんでした。
ロフトが9度ということですが、それ以上の弾道の高さを感じました。
シャフトもよくしなりますし、とても球があがりやすい感じがしました。
この弾道では、私にはやや高すぎるので、違うシャフトを選択してみたいと思いました。
『打感』は、正直もうひとつだと思いました。
決して硬いとか、嫌な衝撃が残るという感じでもなかったのですが、心地よい感触を得ることができませんでした。
フェースのどこでヒットしているのかも、解りづらい感じがしました。
『もったり感』といったらいいでしょうか?
何かこう、はっきりしない感じがしました。
やや消化不良な感じが残りました。
このフェース面は、カムイワークスのお馴染みのデザインだと思うのですが、もう少しカッコいいデザインにしてもいいのではないかな?と思いました。
もちろん意味があって、このようなデザインになっていると思うのですが、もうひとつ魅力を感じることができませんでした。
『フェース』ということなので、文字通り『顔』といえる部分だと思うのですが、もう少し『おしゃれ感』若しくは『スタンダード感』があってもいいように思いました。
『音』も、大きすぎないので、特に違和感は感じなかったのですが、聞きごたえのある音だとは思いませんでした。
『安定性』という点では、なかなか高いと思いました。
やはりこの適度な『シャロー感』や2つのウェイトがよく効いているのでしょうか?
直進性が高いドライバーだと思いました。
ただ、私が普通に打っていくと、どうしてもつかまり過ぎな感じがしたので、もう少しフェースが被っていないほうが易しいのではないか?と思いました。
しかし、スライサーの方には、逆にそこが易しく感じられる部分といえるのではないでしょうか?
それほど極端なフックフェースではありませんし、むしろすごく『おとなしめ』な感じがするのですが、『球のつかまり』はとてもいいと思いました。
『飛距離性能』という点では、なかなかのハイレベルだと思いました。
こういったところは、カムイらしさが感じられました。
『球のつかまりの良さ』と『弾道の高さ』で飛ばしていけるドライバーだと思いました。
どちらかというと、ヒッター向けだと思うのですが、決して『ヒッター限定』というわけでもなく、幅広い層に受け入れられやすいドライバーだと思いました。
『操作性』という点では、まずまずだと思いました。
やはりどちらかというとあまり敏感に反応してくれるタイプではないと思います。
適度な大らかさを武器に戦っていけるドライバーといったらいいでしょうか?
直進性で勝負していける感じがしました。
とりあえず、フックもスライスも打つことはできましたが、あまりコントロールする自信はもてませんでした。
そうして球を打ち続けていて、だんだんとフックの度合いが強くなってしまいました。
もっともっと球数をこなしていかないと、なかなかこちらの思いが届きにくい感じがしました。
なかなか出会う機会のない、カムイワークスのドライバーですし、昔からすごくいい印象がありますが、今回は、私は正直あまり魅力を感じませんでした。
もちろん『飛び』ということに関しては、なかなかのハイレベルなところがあるのですが、フィーリング面であまり好感をもつことができませんでした。
球を打っていても、もう一球、もう一球・・・。という感じで、エンドレスな感じで続くことはありませんでした。
きっちりと予定の球数で終えることができました。
私はその試打したドライバーが気に入ると、なかなか予定通りに終えることができないのですが、今日は最初の予定通りの球数で終えることができました。
とても『ドライ』な感じのまま終わってしまいました。
後ろ髪を引かれるような思いをすることもありませんでした。
雷のあの『爆音』といったらいいでしょうか?
今年も季節の変わり目などで、たくさんの雷の音を聞きましたが、このドライバーはそんな爆音を連想させるような音ではありませんでした。
私はドライバーでもインパクトの音が大きいほうだと思うのですが、このドライバーはそれほど大きな音ではなかったので、インパクトも緩むこともなかったですし、最後まで『雷』の意味が解りませんでした。
単なるデザインだけのことなのでしょうか?
パッティングの時には、その傾斜などから『スネークライン』というものがありますが、ドライバーショットには『イナズマライン』というのはありません。
もし打てたら、とてもカッコいいと思うのですが、漫画でもない限り無理だと思います。
いくら風に流されても、最初右に曲がり途中から左へ曲がって・・・。またその逆はありえません。
このドライバーは以外なほど『直線』を描きやすいドライバーだと思いました。
左右にブレやすいドライバーだとは思いませんでした。
そういった意味でも、あまり雷を連想させる感じはしませんでした。
今のドライバーらしい、とてもオーソドックスな印象が残りました。
フィーリング的に、私には馴染みにくい部分もあったのですが、このフィーリングがいい・・・。と感じられる方もたくさんいらっしゃると思います。
物理的な性能が優れていることは明白なので、そういった方々には、とても大きなメリットがあるのではないでしょうか?
1.球のつかまりがいいドライバーが欲しいけど、あまり極端なフックフェースは嫌だ・・・。
2.操作性は多少抑えても、直進力の強いドライバーが欲しい・・・。
3.球のあがりやすいドライバーが欲しい・・・。
という方には、このドライバーはとても魅力的に感じられるのではないでしょうか?
地クラブは、その生産数が少ないことなどもあって、どうしても価格が高くなってしまうこともありますが、生産数が少ないからこそ、ひとつひとつの製品に対しての検査などがしっかりと行き届いているところがあって、結果的に飛距離性能が優れているクラブが多いように思います。
そういった意味でも、このドライバーも多少価格は高めのようですが、それに見合う性能をじゅうぶん持ち合わせています。
正直、私は購買意欲が湧かなかったのですが、また違うスペックで出会うことがあれば、ぜひ試打してみたいです。
KAMUI 神威雷 Driver Silver
- 2011年10月10日
- カムイ ワークス