今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは 三浦技研 MG-S01 tour ウェッジ です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは56度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200 です。
久しぶりに出会った、三浦技研のウェッジです。
派手さは無いものの、シンプルで美しい仕上がりに一瞬で惹かれました。
三浦技研はアイアンが素晴らしいですが、ウェッジも秀作揃いです。
このシンプルさがカッコいいです。
今はウェッジもキャビティタイプであったり、ウェイトが付いていたりと、色々な工夫がされていますが、このウェッジにはそういったものは見られません。
しかし、ただ単にシンプルなだけのウェッジではないと思います。
ハイテク感を感じさせないハイテクさ・・・。といったらいいでしょうか?
三浦技研は違う視点で工夫されているように感じます。
この丸みを帯びたバックフェースも三浦技研らしい特徴です。
この丸みを見ただけで、三浦技研のウェッジだと判ります。
バックフェースには『99.3 pure FORGED』と表示されていました。
これは以前試打したウェッジにも見られました。
99.3%という純度の高い鉄を使った鍛造ウェッジということでいいのでしょうか?
三浦技研やミズノなど、アイアンのトップメーカーは製法だけでなく、素材にもこだわり抜いています。
ひとくちに軟鉄といっても様々で、不純物の含有量もいろいろとあるようです。
こういった素材にこだわることができるということは、三浦技研の他のメーカーには無い、大きな長所といえるように思います。
こうして見ても、とても美しいです。
全体的に小ぶりでシャープなウェッジですが、丸みを帯びていて、どこかまろやかな感じもあります。
この独特な雰囲気・仕上げも、三浦技研らしいです。
ピカピカ光るタイプではないのも魅力的です。
トップラインは標準的です。
特別薄くもなく、厚くもありませんでした。
フェース面にミーリングは見られませんでした。
三浦技研らしい、美しいフェース面です。
三浦技研のアイアンやウェッジで、チープな感じのフェース面に出会ったことはありません。
こうして見ているだけで、打感が柔らかそうな感じがしてきますし、丁寧に仕上げられているのがわかります。
フェース面の仕上げが雑であったり、チープな感じがすると、そのクラブに対しての興味も半減してしまいます。
ソール幅は、今のウェッジの中では標準的といっていいと思います。
テーパータイプではなく、ストレートに近いタイプです。
完全なストレートではなく、カーブを描いていて、中央部が一番狭くなっています。
とはいっても、ごく僅かな違いなのですが・・・。
ネックは適度な長さがありました。
ウェッジには維持して欲しい長さがきちんとありました。
特別ロングだとは思いませんが、今はこれくらいの長さが多くなったような気がします。
ボールを前にして構えてみても、普通に構えやすくて、いい感じでした。
いい感じではありますが、これまでの三浦ウェッジのように見とれるようなことはありませんでした。
これまでの物とはちょっと違った印象をもちました。
ヒール側は絞り込まれているのではなく、少し膨らんでいて、やや『出っ歯』なタイプです。
この顔はちょっと意外ではありましたが、メーカーもいろいろな『顔のバリエーション』をもたせてあるのだろうと思いました。
グースタイプを好まれる方は、構えづらいかもしれません。
最近は『つかまえ顔』のアイアンやウェッジが増えてきましたが、このウェッジは『逃がし顔』のウェッジです。
開き気味にして、カットに打つイメージが出しやすい顔をしています。
フェースを開いてみたのですが、なかなかいい感じでした。
開いたときに邪魔に感じるところはありませんでした。
試打を開始しました。
最高の打感でした。
三浦技研らしいといいますか、これぞ『三浦フィーリング』といったらいいでしょうか?
フィーリングの前にメーカー名をつけたくなるほどの、極上のフィーリングです。
フェースが球を押し込むのではなく、逆に硬いはずの鉄がボールに押し返されるように感じられるほどの『当たりのソフト』な打感です。
衝撃吸収性の高い打感といったらいいでしょうか?
色々なウェッジをこれまでも試打してきましたが、ここまで感じられるのは、ほとんどありません。
『柔らかさの中にもランク』があるのだと感じました。
ウェッジ好きの私にはたまらないフィーリングです。
『スピン性能』は、なかなかいい感じでした。
フェースが強烈にボールに食いついてスピンが掛かるというタイプではありませんが、ボールの乗っかりがいいので、その分ボールがよく止まる感じがします。
乗っかり感があるので、なんといいますか、『インパクトで味が出せる』感じがします。
バーンと弾く感じでは、この味は出せませんが、これだけ乗っかりがいいと、味付けが濃厚になります。
その濃厚さがアプローチでの成功率を高めてくれるように感じます。
球も拾いやすくて、出球の高さもイメージ通りでした。
少し出っ歯になっているので、少々薄く当たっても、いい感じであげやすいのも魅力です。
グースタイプのように、やや上からヒットして低く出していく・・・。というタイプではありません。
フワッとした球が打ちやすいです。
『安定性』という点では、決して難しいタイプだとは思いませんが、小顔感もありますし、今のやや大きめのキャビティタイプのウェッジを使い慣れておられる方には、多少シビアに感じられるところがあるかもしれません。
ウェッジのようなロフトの寝ているクラブはキャビティすると、アイアンよりも、かなり寛容さが増すように感じています。
このウェッジはキャビティタイプではなく、普通のフラットタイプなので、そういった易しさは感じませんが、イメージの出しやすさ・拾いやすさが大きなセールスポイントです。
『距離感』も出しやすく、微妙なニュアンスが出しやすいです。
フェースを開きやすいので、同じ振り幅でも、距離を抑えていきやすいのがすごくいいです。
高くあげてフワッと寄せるのが易しいウェッジです。
ロブ系のショットを多用される方には、頼もしいウェッジといえるのではないでしょうか?
『操作性』も高いです。
高低をつけて、色々な球で遊ぶことができました。
最高のフィーリングによる、絶妙なアプローチが可能となる『寄せ職人』の為のウェッジといえるでしょうか?
三浦技研らしい、フィーリングの良さと美しさが印象的なウェッジです。
先ほども書きましたが、今はいろいろなパーツが組み合わさった『ハイテク』ウェッジがあります。
このウェッジはそれらとは違うシンプルなタイプですが、素材の純度にこだわっているところなど、かなりの『ハイテク』だと思いました。
素材は、『クラブの根幹』といえるのではないでしょうか?
ゴルフクラブに限ったことではないですが、その製品の素材が基本中の基本といえるような気がします。
そういった基本的で最も重要なところに、三浦技研やミズノなどトップメーカーは真摯に向き合っているように思います。
見た目は似ていても、実際は『似て非なるもの』も多いと思います。
色々なクラブを試打していると、外見は結構いいんだけど、何というか『スカスカな感じ』だな・・・。と思うことは、昔に限らず今でもあります。
打感だけで、そのクラブに興味がもてなくなることもありますが、このウェッジは違いました。
すごく『主張している打感』だな・・・。と思いました。
極上の柔らかさと、乗っかりの良さは他にはなかなか見られない大きな長所です。
球を打つのが楽しくなり、自然と球数をこなすようになるので、自然とアプローチが上達するのではないでしょうか?
すごく美しい仕上がりなので、バンカーで試すのがちょっと怖いな・・・。と思ったのですが、今度試打するときはバンカーでも試してみたいと思いました。
このウェッジのおかげで、気分よく練習場を後にすることができました。
先日の西日本豪雨で被災された方々に、心よりお見舞い申し上げます。
被災地の一日も早い復旧を願っています。
三浦技研 MG-S01 tour ウェッジ
- 2018年7月11日
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