今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは 三浦技研 MB-5000WC ウェッジ です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは52度、クラブ長さは35インチ、シャフトフレックスはS200、クラブ総重量は468gです。
とても美しい、三浦技研のウェッジです。
ひと目見て、このあまりのシンプルで美しい形状に見惚れてしまいました。
シンプルな形状のクラブは、とても魅力的です。
曲でいえば、名曲やヒット曲といわれるものはメロディラインやコード進行がシンプルで覚えやすいものが多いのと共通しているところではないかな?と思いました。
メロディやコードを複雑にしてしまうと、あまり印象に残らなかったり、逆に不協和音を発生してしまうこともあります。
耳に優しく聞き心地のいい音楽というのは、心を穏やかにしてくれます。
後世にまで歌い継がれていく歌の多くが、シンプルなメロディになっていて、覚えやすいです。
ゴルフと音楽は直接的な結びつきはあまりないのかもしれませんが、このウェッジのあまりにもシンプルで美しい形状を見ていたら、ふとそんなことを考えてしまいました。
まさに『シンプル イズ ベスト』といったところでしょうか?
見ているだけで、心が和みます。
なだらかな曲線と全体的な形状の美しさの調和が上手くとれています。
形状はとても均整がとれていますが、尖った感じは全くしません。
『曲線の美』があります。
このサテン仕上げも、すごくいいです。
ミラー仕上げも高級感があっていいですが、私はサテン仕上げのほうが好きです。
光を強烈に反射しないので、ヘッド全体が柔らかく感じます。
アイアンやウェッジを選ぶ基準のひとつにもなっています。
いずれスチールシャフトも、サテン仕上げのようなものがでてきたら面白いな・・・。と思いました。
このバックフェースの丸みがとても美しくて、珍しいです。
かなり個性的ですし、三浦技研のクラブなので、きっと大きな理由があるのだろうと思いました。
メーカーのこだわりが充分に感じられます。
こうして見ていても、本当に美しいです。
球を打つ道具というカテゴリーに収まらず、工芸品といった感じがします。
もし、私がクラブデザイナーになったら、このような美しいクラブを造ってみたいと思います。
物理的な性能も大切ですが、まずは『目で楽しめる』クラブでないと、魅力が半減してしまいます。
ソール幅は、やや広めに見えました。
トゥからヒールにかけて、テーパーもあまり感じず、むしろ平行に近い感じに見えました。
それにしても、『A』の表示がいいな・・・。と思いました。
このウェッジのロフトは52度なので、他のメーカーのウェッジだったら、ほとんどが『52』という表示だと思います。
そういった表示にも慣れましたが、このウェッジのようにバックフェースにロフトが表示されていて、ソールには『A』という表示があるのが、すごくいいと思いました。
ウェッジを呼ぶときもロフトで呼ぶのではなく、私は昔ながらの『A』や『PS』『サンド』『ロブ』といった感じで呼びたいと思っています。
ネックも長いです。
こういったところは三浦技研らしいところだと思います。
こうして見ても、やはりある程度ネックが長いほうがバランスが取れているように思います。
あまりネックが短すぎると、『頭でっかち』に見えてしまうことがあります。
アイアンよりも、よりスピンを掛けていきたいウェッジは、やはりある程度ネックの長さがキープされていたほうが易しそうに感じます。
『首長(くびなが)美人』で、とても魅了的です。
『和の雰囲気』をもった美しさ・・・。といったらいいでしょうか?
この三浦技研オリジナルグリップも、なかなかいい感じでした。
細かすぎて写真ではよく見えないのですが、白い『MIURA』の文字以外にも、握る部分に細かく『MIURA』の文字が記されていました。
とてもオシャレだと思いました。
グリップの握り心地は、ややしっかりめ・・・。という感じで、ソフトな感じはあまりしませんでしたが、特に大きな不満はありませんでした。
フェース面には、今はやりの『ミーリング』があるのかな?と思い、近くでよく見てみたのですが、ありませんでした。
すごくノーマルなフェース面です。
ミーリングがあれば、必ずしもスピン性能がアップするのか、私にはよく解りませんが、多くのメーカーが採用しているところを見ると、やはりそれなりの効果があるのだと思います。
新溝ルールによって、角溝が禁止になった以上、ルールの範囲内で、スピン性能を高めていって欲しいと思っています。
以前も書きましたが、私はフライヤーを軽減してくれる工夫がしてあると、すごく魅力を感じます。
クラブに頼り過ぎず、私自身がもっと技量を上げていくべきだとは思うのですが・・・。
ボールを前にして構えてみても三浦技研なので、かなり期待していましたが、その期待通りの『極上の構え感』です。
ホーッ。と思わずため息が出てしまいました。
目で楽しませてくれるクラブです。
ヘッドの据わりが良くて、アドレスがすぐに決まりました。
三浦技研の名器『CB-1007』の流れで使っていけるウェッジなのではないかな?と思いました。
すごくいいイメージが出せました。
このウェッジの顔を見ただけで、目尻が下がってしまいました。
今の季節に見られる『新緑(しんりょく)の美しさ』と、このウェッジの美しさがリンクしてしまいました。
ウキウキした気分になってきました。
試打を開始しました。
『打感』は超ソフトです。
すごく柔らかいです。
軟鉄鍛造なので、この打感の良さは打つ前から予想していましたが、予想以上です。
『三浦技研独特のグッドフィーリング』といったらいいでしょうか?
吸い付くような打感です。
軟鉄鍛造が今はとても多いと思いますし、ひとくちに軟鉄鍛造といっても、その素材の選び方や製造方法などによって、色々とあるのだと思います。
そういった点で考えてみても、この三浦技研のウェッジはすごくいいです。
昨年CB-1007を試打したときの極上の打感を思い出しました。
三浦技研の高い鍛造技術が活きているのでしょうか?
軟鉄鍛造の打感の良さに加え、独特の柔らかさがプラスされているように感じました。
何と言いますか、上手く表現できないのですが、ビールやジュースなどの『アルミ缶』を指で押す時の、あの心地いい感触を思い出しました。
もちろん、このウェッジを指で押してみても、実際はかなり硬いのですが、球を打つと柔らかく感じさせてくれるマジックにすっかり魅了されてしまいました。
『球のあがりやすさ』という点でも、すごく標準的といいますか、『当たり前の易しさ』を感じました。
この『ごくノーマルな感じ』に、安心感があります。
グースが弱いので、球を拾いやすいです。
何から何まで『至れり尽くせり』といった感じがします。
ロフトが52度ということで、アプローチウェッジでは標準的なロフトだと思います。
『100ヤード以内』がすごく楽しくなりそうなウェッジです。
『安定性』という点でも、特にシビアな感じもしなかったですし、この外観の美しさに見合う、易しさです。
構えやすくて、打感がいいと、ここまで打点が揃うのか・・・。と思えるほど、ほぼ一点に集中していました。
構えやすさと打感の良さ、そして軽すぎず適度な重量感のおかげで、集中力も増していったように思います。
構えてイメージしたラインにボールを効率よく運んでいくことができました。
『スピン性能』という点では、それほど強烈にスピンが掛かる・・・。という感じはしませんでした。
『激スピン』という感じではなく、『ノーマルスピン』といったほうがいいかもしれません。
フェース面の『食いつき感』も、それほど強くは感じませんでしたが、『計算しやすいスピン性能』だと思いました。
いい意味で、押していける感じがします。
強烈なスピン性能は感じなかったのですが、極上の構え感と打感のおかげで、次はどんな球を打っていこうか・・・?と、色々なアイデアが浮かんできました。
『距離感』も、かなり出しやすいです。
『100Y』『50Y』『30Y』といった『節目の距離』に、高確率で易しく運んでいくことができました。
飛び過ぎないところや、ある程度のスピンを計算できるところに安心感がありますし、勇気を与えてくれます。
ウェッジでも、とにかく飛距離を出していきたい・・・。という方には、あまり適してはいないのかもしれませんが、私はこういった『標準タイプ』に魅力を感じます。
先日も書きましたが、ウェッジは基本的に『攻めのクラブ』です。
攻めるときには『飛び過ぎない』ということがすごく重要になってくると思います。
イメージよりも飛び過ぎてしまうクラブは、インパクトを緩めたり、スイングが縮こまってしまいやすくなります。
微妙な距離を打つのが怖くなってしまいます。
ボールが、糸の切れた凧のように飛んでいってしまっては、スコアは全くつくれません。
そういった意味でも、このウェッジはしっかりとした頑強な凧糸で、ボール(凧)を操っていけるように感じました。
よりアグレッシブにいくには、このウェッジのように『計算しやすい』クラブのほうが易しく感じます。
もしコースで使うとしたら、この形状的なシンプルさを感じながら、できるだけシンプルにわかりやすく攻めていきたいと思いました。
『操作性』も、すごくいいです。
こちらの思いを敏感に感じ取ってくれます。
プレイヤーとクラブの間に言葉は無くても、『以心伝心』ができるといった感じでしょうか?
こういったクラブが『名器』と呼ばれるようになるんじゃないかな?と思いました。
色々な球で遊ぶことができました。
最近はウェッジもメーカーによって、かなりの工夫が施されていて、個性的な物が増えてきました。
特に最近では エスヤードのウェッジ が強烈に印象に残っています。
エスヤードのウェッジは、かなり個性的でしたし、性能も素晴らしいとは思いましたが、もし私がどちらかを購入するとするならば、このシンプルな三浦技研のウェッジを購入するだろうと思います。
長く使っても飽きないと思いますし、シンプルさがあるからこそ、色々な球を打っていくことができるように思いました。
クラブの機能性が目立ちすぎてしまうと、打てる球が限定されるような気がすることもあるのですが、そういった意味では、このウェッジはショットのバリエーションを広げていけそうな予感がしました。
先ほども書きましたが、このウェッジのスピン性能は標準的で、それほど傑出してはいないと思います。
ウェッジにはスピン性能を何よりも求めていきたい・・・。という方はとても多いと思います。
そういった方には、やや合いづらいかもしれません。
このウェッジのスピン性能が劣っているとは思わないですし、標準レベル以上のものがあると思います。
『激スピン』というよりも『計算しやすいスピン』といったほうがいいのかもしれません。
他のメーカーの高スピンウェッジと比べると、スピン性能が特別秀でているとは感じませんでした。
あくまでも私の感覚的なことなのですが、ボールが少し『ゆっくり回る』ような感じがしました。
しかし、それでも私はこのウェッジに魅力を感じました。
この全体的な美しさと打感の良さは秀逸です。
このウェッジを試打していたら、CB-1007をまた試打したくなりました。
あの名アイアンと、このウェッジをキャディバッグの中に入れておくことができたら、ゴルフがすごく楽しくなるだろうな・・・。と思いました。
とても扱いやすかったので、色々なバリエーションに合わせた練習を行うことができたのですが、オートマチック的な感じもしていました。
『マニュアル感』と『オートマチック感』の間(はざま)にいるように感じ、不思議な感じもしていました。
球を打てば打つほど、魅力を感じることのできるウェッジでした。
このウェッジのおかげで、今日はとても楽しく試打することができました。
練習場のマットの上からしか打てなかったのが残念ではありますが、また何度でも試打したいです。
『スピン性能』以外は、全体的にかなりバランスよく秀でています。
すごく気に入ったので、仲間たちにも勧めたくなりました。
三浦技研 MB-5000WC ウェッジ
- 2013年5月6日
- 三浦技研
