ゴルフクラブ試打日記。          

ミズノ MP THE CRAFT611 ドライバー

ミズノ MP THE CRAFT611 ドライバー 
今日は、このゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは ミズノ MP THE CRAFT611 ドライバー です。
QUAD for 611 カーボンシャフト

シャフトは クワッド for 611 カーボンシャフト です。
ロフトは9度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは3.6、バランスはD1、キックポイントは中調子、クラブ総重量は315gです。
正面

ミズノらしい、とてもシンプルで美しいドライバーです。
最近は、いかにも『高機能』を謳ったクラブが多いなか、こういったシンプルなドライバーを新発売するということは、それだけこのドライバーにメーカーとしても自信があるからではないでしょうか?
いい意味で、とても個性的だと思いましたし、『MP』の名にふさわしい、気品が感じられるドライバーです。
数年前のチタンドライバーがとても美しかった頃にタイムスリップしたような感じです。
最近は他のメーカーからも、同じように感じるクラブに数多く出会うようになってきました。
やはり『大きさ』だけを競う時代は終わったのでしょうか?
コンパクトになれば、なった分だけ、またメリットも発生してくると思います。
側面

どの角度から見ても、『シンプル』『美しい』という表現ばかりが浮かんできます。
『クラシカル』という言葉も思い出しました。
これまでMPのドライバーは、いわゆる『艶消し』な感じが多かったのですが、このドライバーは、はっきりとした『ミラー仕上げ』になっています。
正直、私はこういったミラー仕上げよりは、『艶消し』タイプを好むのですが、これは人によって好みが分かれるところだと思いますし、こういった風合いのほうがいい・・・。という方もたくさんいらっしゃると思います。
こうして見ていても、やはり『正統派』だな・・・。と思ってしまいます。
奇をてらっていない・・・。といいますか、『王道』を歩んでる気がいつもMPにはします。
ネック長さ

こうして見ていても、最近のドライバーには珍しく『ネック』もしっかりとついていますし、ヘッド自体もかなりディープです。
最近は少しずつディープヘッドも復活してきていますが、今回のこの『MP THE CRAFT611』というドライバーは、前のモデルの『MP CRAFT 425+』よりも、ディープさが増してきているような気がします。
今度機会があれば、同時に試打して比較してみたいと思いました。
叩けそうなヘッドなので、自然とワクワク感が増してきました。
顔

『顔』は、やはりといいますか、MPドライバーらしい、とても整った美しい顔をしています。
『CRAFT』とは、『手腕』などという意味があるのだそうですが、その名にふさわしい美しさをもったドライバーだと思いました。
まさに養老工場のクラブ職人さんたちの情熱が注ぎ込まれている・・・。といったところでしょうか?
クラブ(ヘッド)自体は金属ではありますが、何となく『あたたかみ』を感じさせてくれるドライバーだと思いました。
MPは期待を裏切らないところが安心できますし、大きな魅力のひとつだと思います。
振り感

素振りをしてみても、結構しっかりとした印象を持ちました。
手に負えないようなタフさなどは感じなかったのですが、前のモデルの『MP CRAFT 425+』や、その前のモデルの『MP CRAFT 425』は、それほどタフな印象は残っていないので、少し変わった印象を持ちました。
少しだけ目先を変えて、難易度を上げているのでしょうか?
構え感

ボールを前にして構えてみても予想通り、すごく構えやすくていい印象を持ちました。
目の保養が充分できましたし、肩の力が抜けてきます。
構えていても、すごく安心できます。
『安心感』には、『ヘッドの大きさ』が必要だと感じておられる方もたくさんいらっしゃると思いますが、私はヘッドの大きさよりも『弾道のイメージのしやすさ』や『据わりの良さ』などで感じます。
おまけにこのドライバーは、いわゆる『逃がし顔』なので、左へ引っ掛けそうなイメージが湧いてこないところがまたすごく気に入りました。
『つかまえ顔』を好まれる方には、やや不安に感じられるかもしれません。
最近は『430cc未満』のヘッド体積のドライバーにもたくさん出会うようになり、このドライバーもそれほど小さい顔だとは思わなかったのですが、一応店員さんに、このドライバーのヘッド体積を訪ねたところ『410cc』という答えが返ってきました。
これだけヘッドが小さくなったから、球がつかまりやすくなって(ヘッドが返りやすくなって)、フックフェースにしなくてもいいのでしょうか?
とにかく、いい弾道のイメージがどんどん浮かんできましたし、楽な気分で引っぱたいていけそうな予感がしました。
思わず目尻が下がってしまっていたような気がします。
試打を開始しました。
フェース面

『打感』は、とてもソフトな感触で、すごく気に入りました。
やはり・・・。といいますか、MPドライバーらしい、ハイレベルな打感です。
この『光沢感』と『打感』を感じていたら、ひょっとして、このドライバーもあのメーカーが造っているのかな?と思いました。
打点のブレには結構シビアで、変なところで打つと打感も変わってきますが、いいところでヒットできたときの感触はまた格別です。
これだからゴルフクラブの試打はやめられません。
こういった素晴らしい感触を楽しませてくれる、このドライバーやメーカーやショップにはとても感謝したいと思いました。
日頃の疲れなど、一気にどこかへ吹き飛んで行ってしまいます。
打球音

『音』もすごくいい感じで、程よい金属音が耳に優しく感じられました。
何と言いますか、自然とインパクトが揃ってしまう音だと思いました。
ショットの再現性を高めてくれる感じがしたので、なかなか大きなミスはしないように感じました。
この音を聞いているだけで、今の自分が打った打球の方向性や高さが感じられます。
どこへ飛んでいくか全く解らないドライバーだと私の場合、ついついヘッドアップが早くなってしまうのですが、こういった音を耳にしていると、しっかりと頭を残すことができます。
『音』のおかげで気分もいいですし、フィニッシュまで気持ちよく振りきることができました。
トゥ側

『球のあがりやすさ』という点では、はっきり言って『タフ』な部類に入ると思います。
このディープヘッドそのままの弾道だと思います。
ある程度ヘッドスピードが無いと、いわゆる『ドロップ感』を感じられるかもしれません。
決して敷居の低いドライバーではないと思いました。
最近はこういった『タフさ』が少しずつ戻ってきているように思いますが、このドライバーもその流れに乗ったしっかりとしたドライバーといえるのではないでしょうか?
前のモデルの『MP CRAFT 425+』は、ここまでタフではなかったような気がします。
このドライバーは、はっきりと叩いていきたい方の為のドライバーといえるのではないでしょうか?
『ウェイト』や、様々な形状など、『球のあがりやすさ』を演出してくれる物が見当たりませんが、その通りの性能だと思います。
できるだけたくさんのゴルファーを対象にして開発された・・・。というタイプのドライバーではないと思いますし、ある程度ユーザー層が限られてくるような気もしますが、ヒッタータイプの方には、かなり魅力的に見えるのではないでしょうか?
ある意味、とても『MPらしい』と思いました。
難しいと解ってはいても、思わず挑戦したくなるのが『MP』だと思います。
それでブランドイメージが保たれるのだと思います。
バックフェース

『安定性』という点でも、決してイージーさが全面に感じられるドライバーではありません。
ヘッドスピードと同時に、ある程度の『ミート率』も要求してくると思います。
『打感』のところでも書きましたが、『打点のブレ』には、結構シビアな感じがしますし、『スイートエリア』も、それほど広いとは思いませんでした。
あまりごまかしが効かないので、『スイングの正直さ』が求められているような気がします。
『ミスに対しての寛容さ』をクラブに求めておられる方には、やや合いづらいところがあるかもしれません。
イージーなクラブは確かに魅力的なのですが、クラブから伝わってくるものが、どうしても曖昧な感じがして、もうひとつ物足りない・・・。と感じておられる方には、こういったはっきりと明確に答えてくれるドライバーはとても好印象をもたれるのではないでしょうか?
飛距離性能
 
『飛距離性能』という点では、明らかに『叩いていくべき』ドライバーだと思います。
ヒッタータイプの方にぜひ試していただきたいクラブです。
『高弾道』と『強弾道』のボーダーラインが私には今一つ解らないのですが、明らかに『高弾道タイプ』ではないと思います。
叩いていけば、充分キャリーを稼いていくことができますが、どちらかというと『ライナー系』を打ちやすいドライバーだと思いました。
ライナー系の打球は、ラインも出しやすいので、方向性も安定してきます。
このドライバーは、そんな練習にもピッタリのドライバーだと思いました。
このドライバーの持っている『操作性』や『飛距離性能』は素晴らしいと思いましたが、これまでのMPドライバーの性能もすごくハイレベルなので、正直驚くことはありませんでした。
この『MP THE CRAFT611』というドライバーは最新モデルではありますが、正直いって、これまでのMPドライバーの飛距離を大きく凌駕している・・・。とは正直思いませんでした。
それはこのドライバーの性能が劣っているのではなく、これまで通りずっと『ハイレベルを維持している』ということです。
そんなハイレベルな過去の名ドライバーに、このドライバーがまたひとつ仲間に加わった・・・。というところだと思います。
操作性

『操作性』という点では、すごくいい印象をもちました。
一球目から、ややフック系の球が出てしまったのですが、すぐにスライス系の球も打つことができました。
真ん中に一本のラインをイメージして、そこにボールを乗せていく・・・。というよりは、様々なラインを頭に描いて色々な球筋を打ち分けさせてくれるドライバーだと思いました。
明らかに『直進性』よりは『操作性』で勝負できるドライバーだと思います。
今はドライバーに『操作性』よりも『直進性』を求めておられる方がたくさんいらっしゃると思いますが、そういった方々には、少し苦手に感じられるかもしれません。
ただ、左右どちらにもすごく敏感に反応してくれるドライバーだと思いますし、自分の持ち球の精度を上げたり、逆の球筋を練習するには、『もってこい』のドライバーだと思いました。
球筋が安定している上級者の方は勿論、これから自分球筋を作っていきたい『上昇過程』にある方には、ぜひ試していただきたいと思いました。
ヒール側

最近は、このようなディープヘッドであっても、意外と易しく感じるドライバーがいくつかありますが、このドライバーは『見たままの性能』だと思いました。
敷居の低い『イージードライバー』だとは思いませんでしたが、その『美しさ』『打感の良さ』『音の良さ』・・・。といった高フィーリングを楽しめるドライバーだと思いました。
何球打っても飽きることがありませんでした。
MIZUNO MP THE CRAFT611 DRIVER

これまでMPのドライバーは、やや易しめの物が多かったように思いますし、このドライバーもその流れを汲んでいるように思っていたのですが、実際に試打してみると違った印象を持ちましたし、少し意外でした。
しかし、フィーリング性能やカッコ良さは、これまで通りのハイレベルで、最後までいい印象を持ち続けることができました。
ただ、ひとつだけ不安なことがあります。
それは、こういったいいドライバーに出会った後に、自分自身の購買意欲と常に戦わなければならない・・・。ということです。
毎年、常に戦っているように思います。
今年も既にたくさんの購買意欲を刺激するドライバーに出会ってきました。
私の『欲しい欲しい病』は全く治りません。
コースや練習場などで使うのもいいのですが、使い終わった後に自分の部屋に飾ったり、磨いているときがすごく幸せな時です。
このとても綺麗なドライバーを磨いているのを想像するだけで、テンションが上がってしまいます。
MIZUNO MP THE CRAFT611 ドライバー

勿論、これまで通り、こういった素晴らしいドライバーを諦めなければならないことのほうが多いのですが、またチャンスがある限り、何度でも試打を楽しみたいと思いました。
最新モデルなので、おそらく最新の技術が組み込まれているのだろうと思うのですが、私の中では『真新しさ』というよりは『外見も含めたフィーリングの良さ』と『懐かしさ』が強く感じられたドライバーでした。
一般に市販されているモデルとしては、タフな部類に入るドライバーだと思いますが、そのタフさ以上に打感の良さを楽しむことができました。
とても印象深いドライバーでした。
明日、早速友人たちにも勧めてみたいです。