今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ MP クラフトH4 パワーバージョン ドライバー です。
シャフトは QUAD H4 カーボンシャフト です。
ロフトは9.5度、クラブ長さは45インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は63g、トルクは3.6、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は317gです。
MPドライバーの新製品です。
これまでのMPドライバー同様、とても落ち着いたデザインになっています。
同じような雰囲気のあるドライバーには、名器と呼ぶに相応しいドライバーがたくさんありました。
昨年出会った MP THE CRAFT611 ドライバー は、かなりピカピカしていましたが、元々MPドライバーといえば、やはりこの『艶消し感』の印象が強いです。
ピカピカのミラー仕上げのドライバーも好きですが、私はどちらかというと『艶消し仕上げ』のドライバーのほうが好きです。
MP THE CRAFT611 ドライバーは、かなりディープで立体的な印象がありましたが、このドライバーはシャロー感が強いです。
MPドライバーでは、ちょっと珍しく感じます。
立体的なドライバーは、かなりユーザーが限定されるところもあると思うので、より幅広い層をターゲットにしようと思えば、ある程度シャローであるほうが『販売戦略』という点でも有効なのだと思います。
ちょっと前までシャローなヘッドは敬遠されてきましたが、今では全く逆転していると思います。
それだけ『球のあがりやすさ』を多くのゴルファーが求めているのだと思いますし、シャローで高性能なドライバーが増えてきたのも大きな要因だと思います。
シャローヘッドのドライバーは、どちらかというと『最大の飛び』というよりは、『平均的な飛び』という印象が強くあったのですが、最近は本当にハイレベルなクラブが多くなりました。
ネックは長めです。
こういったところは、いかにもMPという感じです。
操作性に優れているのでしょうか?
こうして見ても、結構ディープに見えるかもしれませんが、実際はそうでもありません。
やはりシャローな印象が強いです。
『9.5』はロフトだとすぐに解るのですが、『P』の意味がよく解りませんでした。
これまでも出会ってきた『洋梨型(Pear)』を意味する『P』なのか?と思っていたのですが、『POWER』の『P』ということを教えてもらいました。
パワーバージョンということで、叩けるモデルになっているのだそうです。
できればノーマルモデルと見比べてみたかったのですが、見当たらなかったので、今度改めて比較してみたいと思いました。
ヘッド後方に組み込まれている、この『H4』というアクセサリーのような物に目がいきました。
ウェイトの役目を果たしているのでしょうか?
もしウェイトだとしたら、最近は交換できるタイプが多いのですが、これはプレートのように貼りついている感じです。
今年のスリクソンのニュードライバーは、調整機能が搭載されていますが、このMPには見当たりません。
やはり、メーカーによっても、それぞれ考え方などが異なるようです。
ツアーステージのニューモデルはどうなっているのでしょうか?
今からとても楽しみです。
こうして見ても、結構厚みがあるように見えなくもないのですが、全体的な印象としては、やはりシャローな感じがします。
今のドライバーのなかでは、結構厚みがあるほうなのかもしれませんが、私の印象としては、シャローヘッドに近い感じです。
昨年のモデルの『MP THE CRAFT611 ドライバー』の印象が今でも強く残っているから、余計そう感じるのかもしれません。
顔を見ても、やはり『立体感』というよりは『薄さ』を感じます。
形自体は整っていて、変なクセがないのですが、正直見惚れてしまうようなことはありませんでした。
これまでのMPドライバーには見られなかった独特の光沢感が印象的です。
あくまでも私の好みとしては、これまでのモデルのほうが好きです。
このドライバーの光沢感も違和感を感じることはないのですが、何となく、これまでのヘッドに『一層だけ何か足している』感じがしてなりません。
『スキッ』とするよりは、何となく『もったり』した感じがします。
何となくなのですが、『コールタール』や『重油』を思い出しました。
クラウン中央部分が、少し盛り上がっています。
こういった形状は最近では珍しくなりましたが、クラウン部分の重量を軽量化することに、各メーカーがしのぎを削っていた頃、よく見かけたような気がします。
『カーボンコンポジット』に代表されるように、『たわみ』で飛ばしていた時代です。
プロギアが先駆者となった、この設計は瞬く間にブームとなりました。
素振りをしてみても、『パワーバージョン』という名前のわりには、それほど重量感を感じません。
これまで出会ってきた、たくさんのドライバーと大きな違いはないような気がします。
パワーバージョンでこれなんだから、ノーマルバージョンではどうなっているんだろう・・・?と思いました。
ボールを前にして構えてみても、少し独特な感じがします。
厚みをあまり感じません。
ただ、形自体は特に変わった感じはしません。
何故か、3年前に試打した MP-630 を思い出しました。
クラウンの光沢感は全く異なりますが、形状は似ているような気がします。
聞くところによると、このドライバーのヘッド体積は440cm3ということなのだそうですが、それほど小顔には見えませんでした。
言われなければ460cm3だと思ってしまいます。
シャローヘッドで投影面積が大きいので、大きく見えてしまったのかもしれません。
フェース面が見え過ぎだったところが、少しマイナスポイントでした。
9.5度であるならば、もっと『絶壁感』が欲しいです。
MPですし、『パワーバージョン』という名前がついていることなどからも、このドライバーが、いわゆる『アスリートモデル』といっていいと思うのですが、左右に曲げるイメージよりも、より真っ直ぐに近いイメージのほうが出しやすかったです。
ボールもあがりやすそうですし、ある程度の直進性も得られそうで、特に難しそうな印象は持ちませんでした。
惚れ惚れするほど美しい・・・。とは、正直思わなかったのですが、両肩に力が入ることもなく、楽に構えることができました。
試打を開始しました。
『打感』は少し『抜けた感じ』といいますか、ちょっと物足りない感じがしました。
大きな不満があるというのではないのですが、少しイメージと違っていました。
もう少し、しっかりとしたフィーリングを予想していました。
MPドライバーは、これまで初めて出会ったときから、グッドフィーリングを感じられる物が多かったのですが、このドライバーは少し違うように感じました。
『音』は、静かな感じで好感がもてました。
いくら叩いても周りを気にする心配は不要な音です。
『球のあがりやすさ』という点では、ヘッドの形状からある程度予想していた通りでした。
特にタフな感じはしませんでした。
『パワーバージョン』という名前が付いていますが、特別に大きなパワーが必要だとか、球があがりにくくなっている・・・。という感じはしませんでした。
『ノーマルバージョン』と、どれだけの差があるのかは解りませんが、このドライバーが特別な仕様になっているとは思いませんでした。
ただ、見た目の印象よりも、叩ける感じがしたところが好印象でした。
高~いキャリーで勢いの弱い球が出る・・・。ということでもなく、結構低スピン系で抑えた弾道で打っていけたところに魅力を感じました。
タフ過ぎないけれど、結構強い球が打ちやすい・・・。
そんなドライバーといえるのではないかな?と思いました。
『安定性』という点では、いい感じでした。
シビアな感じは全くしません。
昨年のモデルである『MP THE CRAFT611』よりも、明らかに寛容性が高まっています。
こういったところは、シャロー感を感じやすいヘッドの易しさなのかな?と思いました。
球があちこちに散らばるというよりは、ある程度まとめやすい感じがしました。
『飛距離性能』という点では、なかなかいい感じでしたが、特に驚くようなことはないと思いました。
ある程度予想していた通りの性能でした。
それは、このドライバーの飛び性能が低いというのではなく、最近のハイレベルなドライバーと比べても、見劣りはしない代わりに特別秀でた存在ではない・・・。というところです。
スインガータイプの方よりは、明らかにヒッタータイプの方に合いやすいドライバーだとは思いますが、特別速いヘッドスピードを要求しているドライバーではないと思いました。
適度なキャリーと、多すぎないスピンが、このドライバーから放たれる弾道の大きな特徴のような気がします。
『操作性』という点では、まずまずですが、どちらかといえば『安定性』で勝負していきたいドライバーです。
こういったところは、今の多くのドライバーと共通しているところだと思います。
ボールを大きく曲げて攻めていく・・・。というタイプではありません。
左右どちらにも、できるだけ小さい曲がり幅でボールを運んでいきたいドライバーです。
私は練習場で、ボールを左右に大きく曲げる練習が好きで、よくやるのですが、今日はそういった練習をやりたいとはあまり思いませんでした。
意図的に大きく曲げていくことは、少し不自然さが強くなり過ぎてしまっている感じがしました。
『440cm3の扱いやすさ』というよりは、『460cm3の安定感』を感じました。
先ほども書きましたが、『MP-630』のイメージとダブってしまったドライバーでした。
このドライバーはMP-630のような調整機能は付いていなくて、とてもシンプルなヘッドですが、形状などから、思い出す部分がたくさんありました。
この角度から見ていても、結構ディープに見えるかもしれませんが、実際に構えたりしてみても、それほど厚みを感じないですし、球も結構あがってくれます。
最初から最後まで『タフ』という言葉は出てきませんでした。
このドライバーが『パワーバージョン』ということであれば、『ノーマルバージョン』がどれだけシャローであるのかが、とても興味があります。
昨年の『611』は結構タフなドライバーで、今年もその流れでいくのかな?と思っていたのですが、実際はかなり違っていて『路線変更』しているように思います。
最近のMPの『艶消しドライバー』の中では、私は『T-1』が一番好きなのですが、今回のこのドライバーには、あまり胸躍るものがありませんでした。
勿論、このドライバーに大きな不満があるというのではないのですが、できれば違ったタイプのMPドライバーに出会いたい・・・。と思いました。
今回は購買意欲が刺激されることはなかったですし、早くも来年のモデルに期待していきたい・・・。と思っているのですが、もし機会があれば、また試打してみたいと思っています。
先日試打した、今年のスリクソンの『ドライバー三兄弟』は、あれだけの高性能でありながら、しかも調整機能が充実していて、なおかつ低価格なので、かなりコストパフォーマンスが優れています。
初めて値段を聞いたときは驚いてしまうほど、安いと思いました。
このドライバーの価格設定はどうなんだろう?と思っていたのですが、比較的『標準』といいますか、これまでのMPドライバーと同じような価格設定になっています。
コストパフォーマンスという点でも、私は今回はスリクソンに軍配を上げたいと思いました。
今度チャンスがあれば、同時に試打して比較してみたいです。
ミズノ MP クラフトH4 パワーバージョン ドライバー
- 2012年10月6日
- ミズノ
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ミズノ MP-H4 アイアン