今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ミズノ JPX AD FORGED アイアン の7番です。
シャフトは NS PRO 950GH HT です。
ロフトは31度、クラブ長さは37.75インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、キックポイントは中調子、バランスはD1です。
ミズノJPXシリーズの新しいアイアンです。
先日 ミズノ JPX ADマレージング アイアン に出会ったばかりですが、今日は同じシリーズの『フォージドモデル』です。
やはりアイアンには『フォージド』という言葉がピッタリくると思います。
先日の『JPX AD』も、カッコいいデザインだと思ったのですが、このような『ノーマル』といいますか、『軟らかさ』を感じさせる『艶消し』な感じが何ともいえない、いい雰囲気を醸し出しています。
私は普段、このようなアイアンに接する機会が多いせいか、このアイアンは初対面であるにもかかわらず、とても親近感を持ちました。
『彫りの深さ』は、かなり浅い感じがします。
この浅い感じを見ていると、『ハーフキャビティ』に近い感じだと思いました。
もし、『中空構造』にはなっていないのだとしたら、結構『シビア』なセッティングになっているのかもしれない・・・。と思いました。
何となく『易しさ』が伝わってくるアイアンではありますが、ただ端に『易しさ』だけを追い求めて作られているアイアンではないような気がします。
『ソール』部分に、なにやら『異材』のようなものが『コンポジット』されているのが、すぐに見て取れました。
こういった感じのものは、これまでも多く見受けられましたし、この『異材』も、これまで同様『タングステン』などの比重の大きいものなのでしょうか?
かなり『低重心化』が図られているような気がします。
これまでたくさん出会ってきた『フォージドアイアン』は、どちらかというと『ノーマルアイアン』が多かったように思うのですが、このアイアンはそれとはまたちょっと違う『ハイテクアイアン』なのだと思いました。
別にゴツゴツした感じもないですし、余計なものがたくさん付けられている感じではありませんが、かなりの『ハイテク』が注入されているような印象を持ちました。
『ソール幅』は、それほど広すぎる感じがしないので、好感をもてます。
この『異材」のおかげなのでしょうか?
それほど『ワイドソール』になっていないところがいいな・・・。と思いました。
こういった『心配り』は、やはりミズノらしいところだと思います。
同じミズノでも『JPX』は、ワイドソールアイアンもありましたが、このアイアンは『フォージド』ということで、少し『MP側』に近づいている感じなのでしょうか?
奇をてらったデザインではないですし、『打ちやすさ』の中にも、『フィーリング性能』を感じとることができました。
ホーゼル長さも程良い長さです。
アイアンの『低重心率』は、『ソール幅』『トップラインの厚さ』『フェース高さ』『ホーゼルの長さ』で、おおよそつかめるような感じもしますが、やはりこうしてホーゼルを見ていても、それほど極端な低重心にはこだわっていないような気もします。
低重心になればなるほど打ちやすくなる・・・・。と思っておられる方もいらっしゃるかもしれませんが、実際はそんなことはないですし、あまりにも低重心過ぎると却って難しくなることも多いと思います。
クラブ作りの難しさの一面が垣間見られるところだと思います。
ホーゼルはしっかりとありますが、それほど長すぎない感じがします。
むしろ、私の普段の感覚でいうと、やや短い感じもします。
しかし、打ちづらさを連想させる短さではないと思いました。
これくらいならば、全く『操作性』は犠牲になっていない感じがします。
素振りをしてみると、やはりこの『軽さ』を感じてしまいますが、今日は何だかいい感じで打っていけそうな気がしました。
以前も書きましたが、カーボンも含めて『軽量シャフト』を試打するときは、その日によって、ショットの成否にバラつきが出てしまうことも多いのですが、こうして振っているときに、今日は何だかいけそうだ・・・・。と思っていました。
やはり付き合いが永い『ミズノ』だからでしょうか?
試打をするときは、なるべく先入観を持たないように努めているつもりですが、少しミズノのアイアンということで意識が余計に働いているのかもしれません。
ボールを前にして構えた感じは、非常にクセがなくて構えやすい顔だと思いました。
最近よく見られる感じの『トップラインの厚さ』ではありますが、全くといっていいほど気になりません。
同じ『鍛造アイアン』でも、やはり『MP』とは、こういったところが違うような気がします。
この『トップラインの厚さ』は、『JPX』だからこそ許されるのかもしれません。
もし『MPアイアン』で、このトップラインの厚さがあると、少し『MP』というブランドに対してのイメージが変わってくるような気もします。
しかし、ここまでこだわりすぎているのは世の中で私だけかもしれません。
ヘッドも大きすぎないですし、『グース』も小さくて構えやすい感じがしました。
『打ちやすさ』と同時に、『扱いやすさ』も充分に感じ取ることができました。
『顔の良さ・美しさ』という点では、最近では昨日試打した プロギア GN502 TOUR FORGED アイアンをすぐに思い浮かべますが、このアイアンはそれには及ばないものの、それほど苦手意識を感じることはありませんでした。
『切る』というイメージはなかなかしづらいのですが、『運ぶ』といったイメージは充分にもつことができました。
『鋭さ』というよりは『大らかさ』を感じさせてくれるアイアンだと思いました。
試打を開始しました。
まず感じたのが、その『球のあがりやすさ』です。
やはりすごくいい感じで球を浮かせてくれるアイアンだと思いました。
球も拾いやすいですし、一球目からいい感じで球を運んでいくことができました。
打つ前に目にしていた、『異材』の効果もあるような気がします。
私は普段から、『異材』の組み込まれていない『無垢』なアイアンを使うことが多く、『ソール幅』も、それほど広めでないものを使うことが多いので、おそらくこのような工夫が施されていなくても、いい感じで球を上げていられたような気もします。
逆に『ワイドソール』過ぎるものには、時々上がりづらさを感じてしまうこともあります。
しかし、忘れていけないのが、やはりこの『ストロングロフト設計』です。
『31度』というのは、やはり私の感覚では明らかに『6番アイアン』です。
ロフトが立てば立つほど、球は上がりにくくなり難易度が高くなってしまうのは、『周知の事実』だと思いますが、それをこの『異材コンポジット』で補っているのではないでしょうか?
目に見えてはっきりと目立ちすぎるような工夫は、時として『余計な物』に見えてしまうことも多いですが、このアイアンに施されて『創意工夫』は、こちらの感覚を全く邪魔しない感じです。
『ハイテク』と『見た目性能』のバランスが上手くとれているアイアンといっていいのではないでしょうか?
先日試打した『JPX AD』に比べ、やや『タフ』に感じられる方もいらっしゃるかもしれませんが、見た目以上に『打ちやすさ』『あがりやすさ』を実感させてくれるアイアンといっていいような気がします。
『打感』も、すごくいい感じだと思いました。
日頃手に馴染んでいる『軟鉄鍛造』のあの何ともいえない『柔らかさ』とは、またちょっと違った感じもしましたが、どことなく『軽い』感じがしました。
『ライトフィーリング』とでもいったらいいでしょうか?
一球目を打って直ぐに、軽い打感のアイアンだな・・・・。と思いました。
程良い感触を味わえながらも、軽い感触が手に残り、嫌な衝撃は全く残りませんでした。
いつもとは、ちょっと違ったフィーリングを感じながらも、このアイアンの感触も、とても好感を持つことができました。
『安定性』という点でも、この『キャビティ構造』の特長が上手く活かされていると思います。
私にはやや軽いアイアンではありますが、全くシビアな感じはしませんでした。
自分にとって軽すぎるアイアンは、時として『安定性』を出しづらく感じることも多いですが、今日はなかなかいい感じでまとめていくことができました。
『打点』は、多少バラついてしまうこともあったのですが、これは私の修行不足なのだと思います。
この適度な低重心化も、高い安定性に一役買っている感じがします。
この『あがりやすさ』『直進性の強さ』が『ミスの許容範囲』を広めてくれているようです。
このような『控えめなデザイン』で、しかも『フォージドアイアン』ということで、敬遠される方もいらっしゃるかもしれませんが、その必要は全くないアイアンだと思います。
フォージドアイアン=難しい・・・。と、これまで手にされてこなかった方も、このアイアンを試してみられるのもいいのではないでしょうか?
今は、打ちやすくていいアイアンがたくさんあります。
『初・フォージド』を、このアイアンで経験されるのもいいのではないでしょうか?
『操作性』という点でも、なかなかいい感じでした。
『易しさ』が目立つアイアンなので、きめ細かな『操作性』は、多少犠牲になるかな・・・・?と思っていましたが、実際はそんなことはなく、すごくいい感じで左右に打ち分けることもできました。
やはり『構えやすさ』も大いに影響していると思いますし、このアイアンのもつ『バランスの良さ』が、それを支えているのではないでしょうか?
正直いいまして、私には『重量感』が足りませんし、『球のあがる感覚』がつかみづらいところもあります。
もっと自然な感じで抑えていきたい・・・。と感じることもありました。
それはシャフトなどにも関係してくるのかもしれません。
しかし、このシャフトは現在主流と呼ばれる物のひとつですし、多くのファンを獲得しているメーカーのシャフトです。
多くのアイアンメーカーが、このシャフトを装着しているのは、それだけの大きな理由があるからだと思います。
私にはやや難しさを感じてしまうシャフトではありますが、多くの方がこのシャフトを使っておられると思うので、そういった方々には、とても打ちやすくて、操作しやすいアイアンに仕上がっているのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点でも、やはりかなりの高性能です。
よく飛びます。
『飛距離性能の高さ』を『あがりやすさ』が上手くアシストしている感じです。
店員さんの説明によると、このアイアンも最近の他のメーカーの『飛びアイアン』同様、『高反発性能』がウリらしいのですが、それもこの飛距離性能につながっているのでしょうか?
私にはこの反発性能の凄さを実感することが出来なかったのですが、高い飛距離性能を持ったアイアンであることに違いないと思いました。
フォージドアイアンは使ってみたいけど、『ロフト』の寝たモデルは使いたくない・・・・。飛距離にもやはりこだわっていきたい・・・。と感じておられる方にも、このアイアンはとてもいい効果を発揮してくれるのではないでしょうか?
最近は『アイアンの長尺化』が少しずつ進んできているように思うのですが、このアイアンも『37.75インチ』ということで、スチールシャフトとしても、かなり長い感じがします。
それでいて、『ミート率の低下』などは感じませんでした。
そういったことも、このアイアンが持つ高い飛距離性能につながっているような気がします。
最近は、どのメーカーもハイテク化が進んでいますが、このアイアンもそういった『ハイテクアイアン』といっていいのだと思います。
決して『初めて見た工夫』というのではありませんが、様々な工夫が至る所に散りばめられている感じがします。
あまりにも技術に頼りすぎていたり、余計なものがたくさんあると、『プレーヤーの体温』といいますか、『指』や『掌』から伝えていく『イメージ』や『想い』などといったものをクラブ全体に伝えづらそうな感じがすることがあります。
そういった感覚は、『このアイアンの作り』くらいまでが限度かな?と思いました。
思っていた以上に打ちやすかったですし、かなりの高性能アイアンだと思いましたが、私はなかなか使いづらい部分も正直ありました。
同じミズノの『イージーフォージドアイアン』ということであれば、私は『MP-57』や『MP-62』『MP-52』などを選んでいきたいと、思いました。
しかし、先ほども書きましたが、これまで『フォージドアイアン』を使ったことがない方、難しそう・・・。と敬遠してこられた方、アイアンにも飛距離性能はこだわっていきたい方には、このアイアンはとても高いパフォーマンスを発揮してくれるのではないでしょうか?
このような易しいアイアンを使うことで、フォージドアイアンは難しい・・・・。という先入観を捨てることが出来れば、このアイアンの存在価値は益々あがるような気がします。
こういった易しいフォージドアイアンを使って、打感の良さを味わいながらも、高い飛距離性能を楽しまれるのもいいのではないでしょうか?
幅広いユーザーの声に耳を傾けた、アイアン先進メーカーであるミズノの、高い技術力が発揮されたアイアンです。
私はこれまで『JPX』は、どちらかというと、やや縁遠いブランドのような感じもしていましたが、このアイアンのおかげで、少しだけ近づいていけたような気がしました。
ミズノ JPX AD FORGED アイアン
- 2010年2月7日
- ミズノ