ゴルフクラブ試打日記。          

フォーティーン UT-306 ユーティリティ

FOURTEEN UT-306 
今日はこのゴルフクラブ試打しました。
試打クラブは フォーティーン UT-306 ユーティリティ です。
FUJIKURA F-UT-90

シャフトは フジクラ F-UT-90 カーボンシャフト です。
ロフトは21度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は90g、トルクは2.4、クラブ総重量は372g です。
ソール正面

とても精悍な顔をした、フォーティーンのカッコいいユーティリティクラブです。
かなり男前です。
フォーティーン ユーティリティ

フォーティーンらしく、派手なデザインではありませんが、それがまた品質の高さを物語っているようです。
これまでたくさんの名器を生み出してきたメーカーが信用を勝ち取っている証拠ではないでしょうか?
品質や性能の高さに自信があるからこそ、敢えてこのようなシンプルなデザインになっているのだと思います。
いわゆる『通好み』といえるでしょうか?
私は構えた時に邪魔しなければ、どのような色づかいでもいいと思っているのですが、このようなシンプルなデザインのクラブには魅力を感じますし、つい手が伸びてしまいます。
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この丸いものは何なのでしょうか?
これまでよく見られてきた『ウェイト』の役目を果たすものなのでしょうか?
それとも単なるデザインなのでしょうか?
『フォーティーンのマーク』ともいえる、『葉っぱのデザイン』になっているのが、とてもセンスがいいと思いました。
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写真ではちょっと分かりづらいのですが、『クラウン部分』が少し凹んでいます。
『全体的に』というよりは、ヘッド後方に少し凹みがあります。
これは、重量配分などを計算されてのことなのでしょうか?
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かなりの『ロングネック』です。
ユーティリティで、これほどネックが長いのは、最近では殆ど記憶にありません。
かなり扱いやすそうな気がします。
それほど低重心過ぎない感じがしますし、これまでよく見られた『あがりやすさ』だけを追求したクラブではないような印象を受けました。
『ユーティリティ』=『あがりやすい』というイメージがつきまとうものですが、このユーティリティは何となくアイアンに近い感じがしました。
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素振りをしてみると、実にタイミングが合いやすくて、いい感じで振っていくことが出来ました。
かなり安定したシャフトだと思いますが、決して硬かったり重すぎる印象はありませんでした。
しっかり振っていけます。
もうちょっとヘッドが効いていてもいいかな・・・?と思ったのですが、これくらいでも全く不満はありません。
クラブに迎合することなく、こちらの感覚で振っていけました。
最近出会ってきたユーティリティの中では、ちょっと珍しいタイプだと思いました。
ロイヤルコレクション TRC』というユーティリティクラブが、最近出会った中ではとても好印象なのですが、それでも振っていて、少し気を使っている部分が正直言ってありました。
それはヘッドに対してではなく、シャフトに対してです。
ヘッドの高性能の割には、シャフトがやや『ソフトスペック』過ぎる感じがして、必ずしもヘッドとシャフトがベストマッチとはいえない部分を感じていたのですが、今回のこの『UT-306』と『フジクラ F-UT-90』は、かなり相性がいいようです。
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ボールを前にして構えてみると、やや『オフセット』な感じが目に付きました。
『アイアンのグースネック』 『ドライバーのフックフェース』など、こういった構えたときの『顔』には、私はとてもナーバスになるので、ほんのちょっと構えづらい感じがしましたが、それが大きくなりすぎることなく、まずまずの構えやすさだと思いました。
ちょっと左へ行っちゃうかな・・・?と思ったのですが、これまでの経験上、こういったクラブが『ストレート』でなくても、それほど引っかかり過ぎないことを理解しているつもりです。
『構え感』という点でいえば、私はやはり『ロイヤルコレクション TRC』のほうが、好感をもつことが出来ました。
しかし、この『UT-306』も、ヘッドが『小顔』ですし、他に変なクセがないので、かなり構えやすい部類のユーティリティだと思いました。
こうして構えたときに、あまりにも『フェース面』が見えすぎてしまうと、ついつい変な細工をしてしまう悪い癖が私にはあるのですが、今日はその癖が顔を出しそうにはありませんでした。
これくらいの『すっきり感』だと、自然な感じで振り切っていけそうな気がしました。
試打を開始しました。
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まず感じたのが、その『操作性の良さ』です。
見た目通りの、かなり扱いやすいタイプのユーティリティです。
構えたときに、少し左へ行きそうな気がしていたのですが、実際に打ってみると、全くそんな感じはしませんでした。
すごく『ライン』が出しやすいユーティリティクラブだと思いました。
球がつかまり過ぎないので、私のような『左恐怖症』を心にいつも抱えているゴルファーには、とても『優しさ』を感じさせてくれるクラブだと思いました。
クラブに『温かみ』を感じます。
いい感じで『球を逃がしていける』タイプのユーティリティだと思いました。
ヘッドがいつも『カット目』に入っている方は、かなり『スライス』が出てしまうかもしれません。
左右に曲げていくことも出来ましたが、今日はそれほど『インテンショナル』な球を打つ気がしませんでした。
勿論、『フック』や『スライス』を打とうと思えば、いくらでも打つことが出来ました。
特に大きなスライスを何発も打つことが出来ました。
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『安定性』という点でも、『ライン』が出しやすくて、好感を持つことが出来ました。
このヘッドの高性能もあると思うのですが、やはりシャフトによるところがとても大きい感じがしました。
これまで出会ってきた『ユーティリティ』の多くが、球はあがりやすいけど、ブレやすい印象を持っていました。
明らかに『ソフトスペック』な感じのユーティリティが多いような気がします。
勿論、それはそれで、とてもいい印象を持ってはいたのですが、 やや物足りない部分を感じていたのも事実です。
もっとしっかりしたスペックのユーティリティを私は探していました。
現在出回っている、多くのユーティリティは、『球のあがりやすさ』という点では、殆どのクラブがクリアされていると思うのですが、『適度な安定感』『振り切りやすさ』『ラインの出しやすさ』を感じさせる物が少ないような気がします。
特に私は『ラインの出しやすさ』に、すごくこだわっています。
それはドライバーからパターまで、変わることはありません。
ドライバーはともかく、ユーティリティくらいから『距離感』を出していきたいと思っているので、『ライン』が出しやすくなると、比較的早い段階で『距離感』をつかんでいける感じがします。
『200ヤード以上の距離感』というのは、とても『誤差』が大きくなるような気もしますが、少なくとも『飛ばしすぎない』『抑えていける』といった感じのするクラブにはとても好感をもてます。
結構しっかりとしたスペックですし、決して大きなミスを容認してくれるクラブではないと思います。
プレーヤーを鈍感にすることなく、ミスはミスと割とはっきりと気付かせてくれるタイプのクラブだと思います。
日頃、易しいユーティリティを使い慣れておられる方には、結構『シビア』に感じられる部分があるかもしれません。
しかし、決してシビア過ぎて手が出せない・・・。といったタイプではないと思いますし、むしろこれくらいがちょうどいい・・・。と感じられる方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
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『球のあがりやすさ』という点では、最近のユーティリティの中では、かなりしっかりしていますし、『自然と浮きやすい』タイプのクラブではないと思います。
ヘッドとボールが『接触』さえすれば、球が自然と上がっていく・・・。といった感じのクラブが多い中、この『UT-306』は、明らかに『異質』な感じがしました。
割としっかりと振っていかなければ、球は浮いてくれない感じがします。
かなり押さえ込んでいけますし、これくらいが『ナチュラル』な感じがしたので、いいフィーリングをつかむことが出来ました。
どのように打っても、球が高~く上がってしまうクラブには、却って『難しさ』を感じたり、コントロールしづらい感じがして、焦ってしまうこともあるのですが、このクラブはこちらの意向を汲み取ってくれるので、安心できます。
過度に『低重心』にするのではなく、適度な『高重心』が保たれているのかもしれません。
『スインガータイプ』の方には、やや難しく感じられるかもしれませんが、最近のユーティリティやフェアウェイウッドの『上がりすぎ』に、不満をもっておられた方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか?
この『UT-306』は、そういった方々の不満を解消してくれるユーティリティだと思います。
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『打感』には、とても好感をもてました。
『柔らかさ』がそれほど全面に出過ぎている感じでもないですし、適度な『しっかり感』を感じることが出来ました。
『方向性』をつかみとりやすい感触だと思いました。
こういったタイプのクラブは打った後の『自分の球の行方』が気になりにくいので、自然『ヘッドアップ』が抑制されますし、『体の正面』でボールをとらえていきやすくなる感じがします。
こういったフィーリングを感じているときは、あまり大きなスランプには陥りにくい・・・。ということを、これまでの経験から学んでいます。
『スランプの原因』というのは、人それぞれだとは思いますが、私の場合は、こういった『フィーリング面』から来ることが多いので、どうしてもこういったフィーリングにはこだわってしまいます。
フィーリング性能の優れたクラブを使っていて、仮にスランプになったとしても、すぐに『トンネルの出口』を迎えられますし、比較的重症にならずに済みます。
そういった点で考えてみると、この『UT-306』は、とてもいい感じがしましたし、永く付き合っていけるタイプのクラブだと思いました。
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『音』もいい感じでした。
程良く自然な感じの音が心地良く耳に届いてきました。
心の安定が保たれますし、ボールの行方を把握しやすい感じがしました。
こちらの邪魔を全くしません。
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『飛距離性能』という点では、比較的『ノーマル』な感じがしました。
勿論、よく飛んでくれるのですが、決して『飛距離最優先』という感じではありませんでした。
『ロフト通り』の距離だと思います。
勿論、これよりも、もっと飛ばそうと設計すれば出来たのだとは思うのですが、メーカーも敢えてそうしなかったような気がします。
飛ばし過ぎないので、そこが安心できるところだと思いますし、狙っていけるところだと思います。
ある程度の『ミート率』がないと、かなり『距離のバラつき』が出てしまうかもしれないですが、決して敷居は高すぎないクラブだと思いました。
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ドライバーなどもそうですが、ユーティリティクラブでは、優れたメーカーがたくさんあります。
『ロイヤルコレクション』や『プロギア』を筆頭に、『キャロウェイ』『テーラーメイド』『スリクソン』『ミズノ』『ツアーステージ』・・・・。数え上げたらきりがありません。
ドライバーやアイアンの高性能もかなり大きく貢献していますが、ユーティリティの性能アップが、現代のゴルフのスコアメイクにとても大きく貢献していると思います。
素晴らしいユーティリティがたくさん登場してきてくれたおかげで、ゴルフがすごくアグレッシブになり、面白くなりました。
私はやはり『プロギア ズーム』『や『リョービ ビガロスメディア』がとても印象深いのですが、それ意外にも素晴らしいクラブがたくさん登場しました。
それまでは『200ヤード』の距離は一番難しい距離でしたが、かなり『狙っていける』ようになりました。
『レイアップ』することも多かったのですが、一気にグリーンまで運んでいけるようになりました。
時には『守り』も大切ですが、やはり『攻める』というのは、とても楽しいものです。
あの独特のスリル感がたまりません。
実戦で『ギャンブルショット』は殆ど打ちませんが、いつもアグレッシブでいたいと思っています。
これからもユーティリティクラブの重要性はとても大きいと思いますし、まだまだ発展途上だと思います。
先ほども書きましたが、私の中ではかなり『TRC』が大きなウェイトを占めているのですが、久し振りにそれと肩を並べるほどの高性能なユーティリティに出会えた気がしました。
今度機会があれば、比較してみたいです。