<左>TC-1000 <右>TC-770
今日は、この2本のドライバーを比較試打してみました。
試打クラブはフォーティーン TC-1000 と TC-770 アイアン です。
どちらも以前、試打したことがあり、とても気に入っているアイアンです。
『TC-1000』は、一昨年(2007年)に初めて試打をし、その年の私の中での『アイアン・オブ・ザ・イヤー』に、『ミズノ MP-57』と最後まで争った、とても好感度の高いアイアンです。
一方、『TC-770』は、今年の『アイアン・オブ・ザ・イヤー』の有力候補のひとつです。
『TC-1000』は発売から2年が経っていますが、道具の変遷が激しい中で、今でも店頭に並んでいるということは、それだけ根強い人気があり、ロングセラーを続けているからなのだと思います。
『フォーティーン』の底力のようなものを感じます。
<左>TC-1000 <右>TC-770
<左>TC-1000のスペック
シャフトはダイナミックゴールド です。
ロフトは34度、シャフトフレックスはS、バランスはD2、キックポイントは手元調子です。
<右>TC-770のスペック
シャフトはNS PRO950GHです。
ロフトは32度、シャフトフレックスはS、シャフト重量は98g、トルクは1.9、キックポイントは中調子です。
同じスペック(できればダイナミックゴールド)で試してみたかったのですが、あいにく試打クラブはこれしかなかったので、このクラブで比較をすることにしました。
ダイナミックゴールドが好きな私は、この時点でやや『TC-1000』の方が有利だな・・・・。などと考えていました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
どちらも『フォーティーン』らしい、高性能なアイアンです。
こうして見てみると、『彫りの深さ』は殆ど変わらない感じがします。
シャフトの違いはあるものの、それほど性能的に大きな違いはないような気がしました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『ソールの厚さ』もそれほど大きな違いはないように見えました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『ホーゼルの長さ』も殆ど変わりませんが、ほんの少しだけ『TC-1000』の方が長いようです。
シャフトの性能は抜きにして、ヘッドの性能だけで見ると、『TC-1000』の方が、ほんの少し『高重心設計』になっているような気がしました。
しかし、それはとても微差で、それほど大きな違いはないのではないかな・・・・?と思いました。
TC-770
TC-1000
ボールを前にして構えてみても、やはりこれまで感じてきた通り、どちらもすごく構えやすい『顔』です。
いいイメージが自然と湧いてきます。
ほんのちょっとだけ『TC-770』の方が『トップライン』が厚く見えたのですが、ほとんど気になりません。
『トップライン』が厚いアイアンは、どちらかというと苦手なのですが、この2つのアイアンはどちらもすごく親しみやすい感じがします。
<左>TC-1000 <右>TC-770
素振りをしてみると、やはり私は『TC-1000』の方が、いい感じで振っていけるのですが、これはやはり人それぞれの好みによるところも大きいのだと思います。
この適度な『重量感』『しっかり感』が私にはたまらないのですが、『NS PRO』の『軽量感』『しなやかさ』がたまらない・・・。と感じておられる方も多いと思います。
試打を開始しました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『打感』という点では、どちらも甲乙つけがたい、とてもハイレベルな感触です。
これまでの印象通り、すごくいい感じで打っていけます。
『アイアンの打感』とは、こうあるべきだ・・・・・。と思ってしまいます。
すごく洗練された感触・・・・。といいますか、昔のキャビティの打感の貧弱さのようなものは一切感じません。
『キャビティアイアン』ではありながら、その打感の良さは素晴らしいものがあります。
『軟鉄鍛造アイアン』の素晴らしさを感じます。
今度、『フォーティーン』の技術が凝縮された、完成度の高い『マッスルバック』も是非試打してみたい・・・。と思いました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『安定性』という点では、どちらも遜色なく、レベルの高さを感じることができました。
ただ、どちらかというとやはり私には『TC-1000』の方が振りやすく感じるというか、いつもの感じで振っていけるので、最初のうちは『TC-1000』の方がいい感じだな・・・・。と思いました。
しかし、『TC-770』にもすごくいい感じがしましたし、今度は是非『ダイナミックゴールド装着モデル』で試打してみたい・・・・。と思いました。
このアイアンはどちらも、かなりバランスのとれたアイアンですし、完成度も高いですが、決して大きなミスは容認してくれません。
ある程度の『ミート率』は要求されると思います。
しかし、『マッスルバック』のような『シビアさ』は全く感じませんでした。
この2つのアイアンの『慣性モーメント』はどれくらいの数値なのか、私は解りませんが、今日、こうやって比較して試打を繰り返してみると、どちらもそれほど大きな違いはないように感じられました。
『TC-770』は『TC-1000』に比べて、『慣性モーメント』がかなり大きく、ミスに対して優しい・・・・。とはいえない感じもしました。
『ソールの厚さ』や『ホーゼルの高さ』などの違いは多少あっても、それで大きくミスに対する許容量が変わってくるとは思えませんでした。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『球の上がりやすさ』という点では、やはりこの『ソールの厚さ』や『ホーゼルの高さ』などから、『TC-1000』の方がより『ダウンブロー』が要求される感じがしました。
『TC-770』も、勿論『ダウンブロー』で打っていくべきだと思うのですが、その『角度』は、より『TC-1000』の方が『急角度』な感じも少ししました。
しかし、これはやはりシャフトによるところも大きいと思うので、一慨には言えないところもあると思います。
どちらも『払い打つ』といった感じのアイアンではありませんし、しっかりと『ターフ』をとっていくべきアイアンだと思います。
最近よく見かける『超・低重心』『超ワイドソール』『慣性モーメント大』といったアイアンを使い慣れておられる方には、やはりちょっと使いづらい部分もあるのかな・・・・?と思いました。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『飛距離』という点では、比べようがない感じもしたのですが、やはりシャフトの違いからか、『TC-770』の方が、ほんの少しだけ前へ出ている感じもしました。
しかし、やはりどちらも『飛距離追求型アイアン』ではありませんし、『一発の飛び』よりも『安定した飛び』も重視して作られているのだと思いますし、『アイアンショットの命』ともいえる『距離感』を大切にしていきたい方の為のアイアンなのだと思います。
<左>TC-1000 <右>TC-770
『操作性』という点では、やはりどちらもすごくレベルの高さを感じますし、フォーティーンらしいアイアンだと思います。
どちらもすごく扱いやすいアイアンですが、やはり私は『TC-1000』の方が、少しいい感じがします。
2つとも、すぐにでもコースへ持って行きたいアイアンですが、敢えてどちらか『二者択一』だとすると、私は『TC-1000』を迷わず選びたいと思います。
しかし、やはりこれは『好み』や『慣れ』といった部分も大きいと思いますので、『ダイナミックゴールド』の『重さ』や『粘り感』などがどうしても合わず、『NS PRO』の方が安心して振れる・・・・。といった方は『TC-770』の方が扱いやすいだろうと思います。
<左>TC-1000 <右>TC-770
今日、こうして比較してみるまでは、『TC-1000』の方が、やや『シビアさ』が強くでているのかな・・・?と思っていましたが、実際にはそれほど『シビアさ』に差があるわけでもなく、かなり似た感じがした・・・・。という印象が強く残りました。
いずれにせよ、やはりフォーティーンらしい、高い『技術力』と『信頼性』が感じられたアイアンです。
高い実力を持ちながら、決して出しゃばらず、その時々に合わせて実力を発揮する、日本製アイアンの見本のような感じがしました。
これからもこういった『オーソドックス』でありながら、研究に研究を重ね技術者の熱い思いが伝わるようなクラブに出会いたいです。
日本の、そして世界のアイアンの『トップ2』といえば、私の中では昔から『ホンマ』と『ミズノ』なのですが、このような素晴らしいアイアンを発表し続けている『フォーティーン』は、これからもっともっと高い所に到達するような気がしました。
『ホンマ』や『ミズノ』に比べて、まだ歴史は浅いかもしれませんが、そのクラブ作りの確かさは流石だと思いました。
今年発表されるであろう、新製品にもすごく期待したいです。
フォーティーン TC-770とTC-1000
- 2009年7月24日
- フォーティーン
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今年上半期の印象深いアイアン 2009