今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは フォーティーン FH1000 フォージド アイアン の7番 です。
シャフトは ダイナミックゴールド です。
ロフトは35度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS200、シャフト重量は129g、キックポイントは元調子、バランスはD3、クラブ総重量は442gです。
久しぶりに出会った、フォーティーンのマッスルバックアイアンです。
最近は本当に色々なメーカーからマッスルバックアイアンが発売されるようになりました。
ウッド系よりもアイアン系が好きで、特にマッスルバックにはいい思い出がたくさんある私としてはとても嬉しいことです。
フォーティーンはしばらく、マッスルバックを発売していなかったので、もう出会うことはないのかな?と思っていた矢先に出会うことができて嬉しく思いました。
以前、TB-1000 フォージドアイアンを試打したときに、ずっと試打していたいと思っていたアイアンだったので、とても嬉しかった記憶があるのですが、このアイアンは、その後継モデルということでいいのでしょうか?
それとも全く異なるシリーズなのでしょうか?
フォーティーンのマッスルバックアイアンの名前は『1000』で統一されているのでしょうか?
『1000』には、どのような意味があるのでしょうか?
とてもシャープでカッコいいです。
マッスルバックには、こういった贅肉のない研ぎ澄まされた形状であることが、大きなポイントだと思います。
物理的に寛容さがそれほど大きくないのであれば、『構えやすさ』や『フィーリングの出しやすさ』が秀でている必要があります。
そういった点でも、このアイアンはとてもいい印象をもつことができました。
ミラー仕上げではなくて、私の好きなサテン仕上げであるところも大きなポイントです。
こうして見ても、とても鋭利さが感じられます。
アイアンには、やはりこういった雰囲気をもっていて欲しいものです。
あまりにも厚ぼったいアイアンでは、どのように打っていいのかがよく解らないことが多いです。
このアイアンはゾクゾクするような美しさがあります。
このようなシンプルな形状がマッスルバックらしいところです。
今はマッスルバックでもハーフキャビティに近い物もありますが、このアイアンはかなり本格的なマッスルバックといった感じがします。
ソール幅は、やや狭い感じがしますが、難しさを感じるほどではありません。
先日試打した、ゾディアのウェッジのようにエッジが効いている感じはなく、丸みを帯びているので、それほど尖った感じはしません。
ごく普通のマッスルバックアイアンといったところだと思います。
『マシン製造感』といったらいいでしょうか?
『ハンドメイド感』は感じず、何となく『無機質』な感じがしました。
ネックの長さも、しっかりとキープされてはいますが、それほど長いとは思いません。
むしろ、今のアイアンに多い長さだと思います。
セミロングといったところでしょうか?
ボールを前にして構えてみても、とても構えやすいと思いました。
ヘッドの大きさも、適度なコンパクト感があって、親しみがもてます。
グースもきつくないので、私はとても楽な気分で構えることができますし、ラインも出しやすそうだと思いました。
左へ引っ掛けそうな感じはしなかったので、安心して振り切っていけそうな予感がしました。
試打を開始しました。
『打感』は軟鉄の柔らかさと、マッスルバックの厚み感が上手く調和がとれていて、とてもいい感じです。
『素材』と『形状』による『相乗効果』といったらいいでしょうか?
やはり、フィーリングにこだわるなら、こういったアイアンが欠かせません。
『球のあがりやすさ』という点では、本来のマッスルバックらしいところだと思いました。
今は他のメーカーの『アスリート系』アイアンでも、少しずつ『スタンディングロフト』が増えていますが、このアイアンはとてもノーマルです。
ストレートネックによる球の拾いやすさに加え、『ノーマルロフト』による球のあがりやすさがあります。
昔ながらの『スタンダードアイアン』といった感じがします。
今はロフトを立て気味にして、その分異材をコンポジットして、球があがりやすくなっているようなアイアンがたくさんありますが、このアイアンにはそういった工夫は施されていないようです。
ごくシンプルな『単一構造』アイアンのように見えます。
見えないところに、色々な工夫が組み込まれているのかもしれませんが、こうして打っている限り、すごく自然な感じのあがりやすさだと思いました。
『安定性』という点では、マッスルバックの特徴がよく出ていると思いますし、ミスヒットによる寛容さはそれほど大きくはないようです。
ある程度打点を揃えていく必要があると思いますし、そういった意味ではいわゆる『難しい』アイアンといえるのかもしれません。
このアイアンは今のマッスルバックの中では、それほどシビア過ぎる感じはしませんが、易しさ重視ではありません。
キャビティに慣れておられる方は、敬遠されるかもしれません。
しかし、私は一概にそうとは断言できないところがあるように思っています。
確かにヘッドの形状だけ見れば、あまり寛容さはないのかもしれませんが、『易しさ』とは、それ以外の要素が大きく絡み合っていると思うからです。
店頭に並んでいるクラブを『完成品』だと思っておられる方はたくさんいらっしゃると思いますが、私は『完成品』とは思っていなくて、あくまでも『試作品』くらいに考えています。
どういうことかといいますと、店頭に並んでいるクラブは、あくまでも『大まかに』組み立てられているものばかりだからです。
当然ながら、ゴルファーひとりひとりにマッチするようには作られていません。
以前も書きましたが、アイアンセットの中でも、厳密に調べてみれば、シャフトが何本か真っ直ぐでない物も多いですし、ロフトピッチやライ角ピッチはカタログ通りでないことが多いです。
特にOEMに頼っているメーカーのクラブはそういった傾向にあるそうです。
かなり正確で信頼がおける製造管理をしているのは、ほんの一握りのメーカーなのだそうです。
また、たとえカタログ通りであったとしても、その人に合うとは限りません。
人間の体格は身長の高低や手足の長さなど、たくさんの個性があるからです。
そういったなかで、たまたま店頭で見かけたクラブがその人にピッタリと合う確率はかなり低いと思います。
ピッタリと合わなくて当たり前なのだと思いますし、そういったクラブを何も調整しないで、そのまま使っておられる方が多いのだと思います。
その『試作品』のクラブを購入して、フィッティングを経て、自分に合うように調整されたクラブが『準完成品』なのだと私は思います。
あとは、それを使い込んでいって長い時間を共有し、意思の疎通ができるようになって、初めて『完成品』といえるのではないか?と私は思っております。
つまり、完成品にはある程度の時間が必要ということになりますし、最終調整はクラフトマンではなくてプレイヤー自身が行うものだと考えています。。
特に長い間付き合うことになるアイアンやウェッジは、『使い込んでいく時間』が必要だと感じています。
ごくたまにですが、練習場で面識の無い方(特に近くの打席で練習しておられる方)から、「真っ直ぐ飛ばないんですけど、どうしたらいいですか?」とか「飛距離を出すにはどうしたらいいんですか?」といった具合に、スイングの悩みなどを相談されることがあります。
私はその方のスイングを拝見して、スイングを修正されたほうがいいと思われる方には、私の師匠であるレッスンプロを紹介することがあります。
私は人様にスイングをアドバイスできるような人間ではないので、きちんとしたレッスンプロに診てもらったほうが上達の近道だと思うからです。
私自身の経験からも、たくさんの人に色々と習うよりは、一人の人にしっかりとレッスンしてもらったほうがいい結果が待っていると思います。
『いい師匠との出会い』がゴルファーにとって、とても大切だと思います。
これは私の実感です。
『自己流』もいいですが自分以外の人に、客観的に見てもらうことが重要だと思っています。
そして技術的なことよりも、使っておられるクラブが合っていない方がとても多いのも事実です。
その方のスイングを拝見して、明らかにクラブが合っていないと思われる方には、はっきりと
「クラブが合っていないかもしれませんね。一度正確なフィッティングを受けてみられてはいかがですか?」
とお勧めすることがあります。
その方が同意されれば、私が日頃お世話になっているクラフトマンの工房を紹介します。
先日も、ある方が某大手量販店でフィッティングを受けて購入されたそうなのですが、明らかにその方に合っていませんでした。
シャフトもそうですが、特にライ角が合っていないと思われました。
ある番手では真っ直ぐ打てるけれど、ある番手ではどうしても真っ直ぐ打ち出せない・・・。という感じで、手先で細工をして打っておられました。
これではかなり複雑になってしまうだろう・・・。と思いましたし、高い再現性は望めないだろう・・・。と思いました。
その方と一緒に工房に行き、計測すると、やはり全くのバラバラでした。
その方は、思っていた以上にクラブの設定に一貫性がとれていないことに驚いておられましたが、こういったことはよくあることなので、
「ミスショットが続く時は、一度クラブを疑ってみられることも大切ですよ・・・。」と申し上げました。
例えば『ライ角』は、80を切るレベルの方でも、これまで調整したことが無い・・・。とか、あまり関心が無かった・・・。という方が少なくありません。
シャフトの曲がりなどもそうですが、ライ角が合っていないと方向性を出すことがとても難しくなります。
厳密にいえば、ライ角は人によって様々なので、どうしても方向性が取れないクラブは一度正確に計測されるのがいいと私は思っています。
クラブの調整がレベルアップの近道です。
クラブフィッティングは100を切れないうちは関係ない・・・。もっと上手くなってからだ・・・。と言う方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそうは思いません。
これまで100を切れなかったけれど、クラブを自分に合わせることによって、すぐに結果が出て100を切れた・・・。という方を私はたくさん見てきたからです。
そして100どころか90台、80台・・・へとレベルアップされる方がとても多いです。
これまで自分自身に合っていない難しいクラブを使っていたので、ショットの精度が低く、スコアが出せなかったのだと思います。
そして一度自分にピッタリと合ったクラブを手にすると、それまでの反動からか上達速度が一気に早まっていかれた方をたくさん見てきました。
ゴルフはメンタルや体調・技術など、色々なことが大切ですが、『自分に合うクラブを使う』ということが見過ごされがちではありますが、とても大切なことだと私は思っています。
アイアンやウェッジなど、ライ角を例えば1度でも調整すると、かなり印象が変わってきますし、使いやすくなったりします。
番手毎の距離感にバラつきがあるという方は、ロフトピッチなども疑ってみられるのもいいのかもしれません。
ライ角同様、厳密に計測してみれば、かなりバラつきがあることが多いそうです。
今使っておられるアイアンが難しいな・・・。と思われる方も、ライ角を合わせることによって、時には『まるで別物』と思えるほど易しく感じられるものです。
新しいアイアンに買い替える・・・。というのもひとつの手段だとは思いますが、まずは今のクラブをもう一度見つめ直されるのがいいのではないでしょうか?
そういった微調整ができるのも、軟鉄アイアンのいいところだと思います。
『マッスルバック』『キャビティバック』という形状による違いもありますが、易しいクラブは『自分に合っているクラブ』といえるのではないでしょうか?
自分にピッタリと合っているのであれば、例えマッスルバックでも、それほど敷居が高いとは思えません。
特に最近のマッスルバックは見えないところに色々な工夫が施されているようで、かなり易しくなっているように思います。
ミスショットの原因はひょっとしたら、スイングなどプレイヤーによるものではなく、クラブによるところが大きいのではないでしょうか?
ちょっと長くなってしまいましたが、日頃そのようなことをよく考えているので、書かせていただきました。
『飛距離性能』という点では、最近のアイアンの中でも、はっきりと飛ばないほうだと思います。
距離をアイアンにも求めていきたい方には、やや物足りない部分があるかもしれません。
ダイナミックゴールドが挿してあるので、より距離を求めていけるアイアンではないように思います。
今はロフトが立ったアイアンで、少し楽に振って距離感をつかんでいく・・・。という考え方もあるのだそうですが、私はなかなか馴染めません。
力むというのではないのですが、しっかりと振っていきたいと思っています。
楽な気分で構えたいですが、楽に振りたいとはあまり考えたことがありません。
距離を少し落としたいときは、少し短く持って対応するようにしています。
なるべくシンプルに緩まず打っていきたいと考えています。
何球か打ってみて、距離感が合いやすく『落としどころ』が絞りやすいので、いい印象を持ちましたが、多くのユーザーの求めるところとは違うのかもしれません。
今はアスリートモデルでも『スタンディングロフト』が主流といえるのかもしれません。
そういった意味では、やや時代と合っていないのかもしれませんが、私は飛び過ぎて、その先が読めないアイアンよりは、このアイアンのように予想よりも飛び過ぎないアイアンに魅力を感じます。
『操作性』はとても良くて、色々な球を打つことができました。
やはり、こういったタイプのアイアンの最大の長所が、操作性の高さだと思います。
大きなミスをしても、それが解りづらい・・・。とか、少し曲げて打ちたいんだけど、どうしても曲げづらい・・・。といったアイアンを好まれない方には、とても魅力的なアイアンといえるのではないでしょうか?
ミスヒットすれば、それがすぐに伝わってきますが、いいところでヒットできたときの、弾道の力強さと操作性の高さはとても魅力的です。
マッスルバックの中では、それほど難し過ぎるタイプではないと思いますし、敷居が高いとは思いませんが、扱いやすさはマッスルバックならではというところがあるので好感がもてます。
グースネックを好まれる方には、やや扱いづらい部分あるかもしれませんが、クラブ全体には変なクセなどは全く無いので、フェード系の方はもちろん、ドロー系の方にも親しみやすいアイアンといえるのではないでしょうか?
フォーティーンは今、飛距離性能に非常に優れていてコストパフォーマンスが高い限定ドライバーが大人気のようですが、やはり本来はウェッジやアイアンのイメージが強いです。
あまりマッスルバックのイメージは無く、どちらかといえばフルキャビティのイメージが強いのですが、今日は久しぶりにマッスルバックのニューモデルに出会うことができて、とても楽しむことができました。
先ほども書きましたが、マッスルバックとはいっても、最近のモデルは色々なところに工夫が施されていて、見た目以上に易しくなっていたりすることが多いので、敬遠していただきたくはありません。
確かに『ミスヒットに対する寛容さ』がウリのクラブではありませんが、この『構えやすさ』『打感の良さ』『操作性の高さ』は秀逸です。
是非多くの方に試していただきたいと思いました。
ゴルフクラブに対しての『易しさ』『親しみやすさ』は、ヘッドの形状よりも『その人に合っているか』ということが大切なのだと思います。
ヘッドの調整もそうですし、プレイヤーに合ったシャフト、そしてそれも厳密に調整されたクラブというのは思っている以上に打ち易くなるものです。
見た目には大きな違いはないように思われますが、実際はかなり性格が変わってきます。
ひとりひとりにそれぞれ合っているクラブが違う・・・。というところが、ゴルフの奥深いところなのかもしれません。
それは『スイング理論』などにも通ずるところがあるように思います。
『万人向けのクラブ』が無いように、『万人向けの理論』は存在しないのではないか?と思っております。
色々な理論があっても、それが自分に合っているかどうかを見極めることが大切だと思います。
取捨選択が大切なのだと思います。
今日はフォーティーンの久々のマッスルバックアイアンに出会うことができて、楽しい時間を過ごすことができました。
やはり、マッスルバックはいいものだと思いました。
球を打つ前に目で楽しむことができました。
あまりゴチャゴチャと余計な機能が付いていないので、『無垢』な感じがしますし、自分のイメージを伝えやすい感じがします。
アイアンに限らずウェッジやドライバーなどでも、ここしばらくフォーティーンは海外製ヘッドにこだわっているようなので、このアイアンはどうなのかと尋ねてみたら、やはり海外で造られているとのことでした。
価格は日本製とそれほど大きく違わないようなので、かなりのこだわりをもって作られたクラブなのかもしれません。
見た目はとてもシンプルですが、ヘッドの内部などに色々な最新の技術が組み込まれているのかもしれません。
ただ、試打した感じではとてもシンプルでスタンダードな感じがしたのですが・・・。
ハイテクアイアンのような『腰の軽さ』といいますか、何となくフワッとした感じではなく、腰を落ち着けてしっかりと打つことができました。
気持ちを落ち着かせて、球を押し込んで打つことができました。
フォーティーンが久しぶりにマッスルバックを発表してきたことで、これからも他のメーカーが発表するかもしれません。
こういった美しいクラブにたくさん出会えると、幸せな気分になれます。
ミスに対する寛容さは、それほど大きくはないかもしれないですし、飛距離も出るほうではありません。
しかし、そういったことを含めて、こういった『スタンダード感』のあるアイアンを多くの方に試していただきたいと思いました。
フォーティーン FH1000 フォージド アイアン
- 2013年5月25日
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