今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ナイキ VR_S コバート アイアン の7番 です。
シャフトは VR_S 513 i です。
ロフトは31度、クラブ長さは37.25インチ、シャフトフレックスはR、シャフト重量は59g、トルクは3.8、バランスはC9、キックポイントは中調子 です。
ナイキらしいデザインのアイアンです。
もう、どういっていいのか解りません。
色々な機能が詰まっていそうなのですが、感覚的に合いづらそうな感じがしました。
人によって、好みが分かれるところだとは思いますが、『見た目のインパクト』という点では、群を抜いているような気がします。
私は一瞬手に取るのをためらったのですが、やはり手に取って試してみないと詳しいことは解らないので、試打してみることにしました。
少し勇気が必要でした。
私には敷居の高さを感じさせるアイアンです。
こういった思い切ったデザインは、ナイキ特有のものだと思います。
先月、同じシリーズのドライバーを試打したのですが、そのドライバーと同様の『キャビティバック』構造になっているように思います。
ナイキのアイアンは個性的なものが多いですが、中には親しみやすい感じがするものと、そうでないものとに私の中で分かれます。
このアイアンはどちらかというと後者のような気がしました。
彫りの深さもピカイチです。
やはりナイキのアイアンなんだな・・・。と思いました。
この中に色々なものが入れられそうです。
私はこの中に、高温で真っ赤になった鉄を流し込んで、マッスルバック形状にしたいな・・・。と、ふと思ってしまいました。
『アイアンは叩かれて強くなる』というのを昔から感じているので、このような『機能性重視』のアイアンには馴染みづらいところがあります。
こういった形状だと、『易しさ』を感じられる方もいらっしゃると思いますが、私はすっきりしたデザインのほうが好きなので、あまり馴染めません。
あとは実際に構えてみてどうか・・・。といったところが大切になってきます。
ナイキのアイアンらしい、ワイドソールです。
7番アイアンというよりは、ユーティリティアイアンに近い印象をもちました。
ソール幅が広いのを目で見てしまうと、私はダフってしまいやすくなる悪いクセがあるのですが、今日はそうならないように気をつけなければならない・・・。と思いました。
ネックの長さは、しっかりとありますが、それほど長いとは思いません。
ごくノーマルな長さだと思います。
私は、この角度から見るクラブに『美しさ』とか『艶っぽさ』を感じることがあるのですが、このクラブには感じませんでした。
『人の温もり』とか『アイアン職人さんの熱意』などは感じられず、『機械的な冷たさ』を感じてしまいました。
何と言いますか、『無機質』な感じがしました。
こちらが問いかけても、応答が無いように感じられました。
私は試打をしながら、そのクラブにフィーリングが合ったりすると、思わず笑みがこぼれたり、『スゴイ』とか『いいなあ』などと独り言をつぶやいてしまうことも多いのですが、今日はずっと無口だろうな・・・。と思いました。
素振りをしてみても、かなり軽く感じたので、苦手意識をもちました。
このアイアンには軽量スチールもラインアップされているのだそうで、できればそちらを試打してみたかったのですが、見つかりませんでした。
これだけ軽いと、なかなかコントロールするのは大変だと感じました。
ボールを前にして構えてみると、予想していたよりは構えづらくなかったので、安心しました。
グースは効いていますし、トップラインも厚めではありますが、手におえないほどの難しさは感じませんでした。
これまでも何度も出会ってきた構え感です。
見惚れてしまうような美顔ではないことは最初から想像できていましたし、気持ちもそれほど昂ることはないのですが、不安に感じることはありませんでした。
まあ、こんな感じだな・・・。と思いながら見つめていました。
いいイメージが鮮明に浮かんでくることはなかったのですが、無難にこなしていければいいかな・・・。と思いました。
試打を開始しました。
最初の1球目は、ちょっとトップしてしまいました。
ミスするとしたら、ダフリかな?と思っていたのですが、薄く当たってしまいました。
これだけ軽いと、クラブとボールとの距離感がとりづらいです。
手打ちにならないよう気を付けていたつもりですが、なかなか上手くいきません。
適度な重さのあるクラブだと重力を味方にできるので、トップからの切り返しがスムーズにいくのですが、今日はちょっと難しく感じました。
しかし、これは『慣れ』というものも大きく影響しているのだろうと思います。
気を取り直して、試打を続けることにしました。
『打感』は正直、もうひとつ・・・。でした。
あまり馴染めませんでした。
もちろん、このアイアンの打感に好感をもたれる方もたくさんいらっしゃるとは思うのですが、私は好感がもてませんでした。
このアイアンの打感は手に伝わるのですが、どこでヒットしているのかも、よく解りませんでした。
普段、手にし慣れている軟鉄アイアンだったら、その打感でボールがどの方向に向かっていったか?が把握できるのですが、今日はそういったことが上手くいきませんでした。
どこに飛んでいっているのかが打感だけでは、よく解りませんでした。
こういったことを続けていると、私のビギナーの頃からの悪いクセである、ヘッドアップが出てしまいそうです。
球はとてもあがりやすくて、イージーな感じがします。
見た目通り、タフなアイアンではありません。
ダウンブローが苦手な方、ボールを横から払って打ちたい方にも、ボールがあがりやすくて易しく感じられる方は多いのではないでしょうか?
『安定性』という点でも、かなり易しくなっていると思うのですが、私は少し難しく感じました。
それは主に『重量不足』からくるものでしたし、それ以外にも『イメージの出しづらさ』と『気持ちの伝わりづらさ』が大きな要因かもしれません。
構えたときにテンションが上がらなかったことも、関係しているような気がします。
日頃、色々なアイアンを試打していて、まるで初対面とは思えないような『意思の疎通』がとりやすいアイアンに出会うことがあります。
頭で描いたイメージが手からグリップ、そしてシャフトに伝わって、最後はヘッドにまで、電気が走っているような感じで伝達していくように感じられます。
そういったアイアンは間違いなく、いいショットを打たせてくれるのですが、今日は難しく感じてしまいました。
物理的な性能がきっと高いのだろうと思うのですが、それを上手く使いこなせていない私がいました。
『飛距離性能』という点では優れていますが、これまでもたくさん同じようなタイプのアイアンに出会っているので、特に驚くようなことはありませんでした。
『軽量』『球のあがりやすさ』『寛容性』『飛距離』の4つが大きな特徴だと思います。
『操作性』という点では、まずまずでしたが、今日はあまり色々な球にトライしてみたいとは思いませんでした。
どうもテンションがあがらず、気持ちがノッていきませんでした。
見た目通り、『鋭い操作性』というよりは、明らかに安定性のほうが長けているアイアンなのだと思います。
ボールを操るよりも、ミスをあまり感じさせないタイプの大らかなアイアンだと思います。
ナイキのクラブはドライバーやFWなどのウッドよりも、アイアンのほうが親しみやすい印象もあるのですが、正直このアイアンにはそれほど魅力を感じませんでした。
もちろん、このアイアンの性能や品質が良くないということではありません。
研究を幾度も重ねて生み出されたアイアンなのだと思います。
ただ、私が使いこなせていなかったり、興味が持てなかったに過ぎません。
ドライバーの印象も重ねてみて、今回のアイアンにもいえることですが、私にはナイキのコバートという名のクラブには少し距離感を感じてしまいました。
よく目にするクラブではあるのですが、あまりたくさん試打はしないだろうな・・・。と思いました。
といいますか、おそらく次のモデルが出るまで、このアイアンやドライバーは手にしないような気もします。
ちょっと表現は良くないかもしれませんが、あまりにもごちゃごちゃし過ぎてしまって、こちらのイメージが少し曇ってしまったような気がします。
テンションがあがらず、淡々と試打をしていました。
何とか、このアイアンのいいところを・・・。と思ったのですが、打感などもあまり好感がもてなかったですし、ナイキのこれまでの同様のタイプのアイアンとのイメージが被りました。
形状はやや斬新ではありますが、性能的にそれほど大きく変わった感じはしませんでした。
ナイキらしいといえばナイキらしいといえるアイアンです。
私はこのアイアンには馴染めなかったのですが、ナイキファンの方、軽量で飛びと寛容さをアイアンに求めておられる方は試してみられる価値があるのかもしれません。
このアイアンにはあまり好印象が残らなかったのですが、これからのモデルに期待していきたいです。
ナイキ VR_S コバート アイアン
- 2013年3月19日
- ナイキ
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