今日は、このゴルフクラブを試打しました。
試打クラブは ダンロップ ゼクシオ7 アイアン の7番です。
シャフトは N.S.PRO920GH for XXIO です。
ロフトは30度、クラブ長さは37インチ、シャフトフレックスはS、シャフト重量は96g、バランスはD2、キックポイントは中調子、クラブ総重量は414gです。
ゼクシオ7という、新しい名前のアイアンです。
先日ドライバーを試打したときに、前のモデルよりも『男前』になったな・・・。という印象があったのですが、このアイアンはまた違った印象を受けましたし、ドライバーとは違った独自の路線を歩んでいるようです。
何と言いますか、かなり『大柄(おおがら)』になった感じがします。
この角度から見ても、これまでたくさん出会ってきたイージーアイアンと同等な感じです。
しかし、ダンロップが満を持して発表したゼクシオのニューアイアンなのだから、きっと素晴らしい技術が組み込まれているのだと思います。
ソール幅も広めではありますが、広すぎるというほどでもありません。
ネックも短めで太く、どっしりとした感じがあります。
『繊細さ』というよりは、『安定感』を感じさせる形状になっています。
ソール部分にウェイトが組み込まれていることが、『一目瞭然』で解りました。
ソール幅は広すぎることはありませんが、その分、このウェイトのおかげでかなり重心が下がっているのでしょうか?
これまでたくさん出会ってきた、かなり彫りの深いポケットキャビティといっていいと思います。
ゼクシオ7のコンセプトは、まず第一に『易しさ』なのでしょうか?
かなり大らかそうな印象を受けます。
フィーリングよりも、まずは『物理的な易しさ』を追求しているように思いました。
素振りをしてみても、これまでの軽量スチールアイアンと同等な感じがします。
特に真新しい感じはしませんでした。
これまで軽量スチールといえば、『N.S.PRO950GH』が定番だったと思いますし、歴代のゼクシオアイアンにも搭載されていたと思うのですが、このアイアンには違った名前のシャフトが挿さっていました。
『for XXIO』と表示されていたので、このゼクシオ7アイアンの為に開発されたシャフトなのでしょうか?
他のメーカーのアイアンには登場しないのでしょうか?
やはりそれくらい、今回はメーカーの『気合』が違うんだろうな・・・。と思いました。
素振りをしてみて、私はこのシャフトの違いを敏感に感じ取るほどの繊細さがないので、『N.S.PRO950GH』との大きな違いがよく解らなかったのですが、感性の鋭い方ならば明確に感じ取ることができるのかもしれません。
どちらにせよ、私には
「重量が足りないな。もっと重さと粘りが欲しいな・・・。」
と感じながら振っていました。
ボールを前にして構えてみると、かなり『大らかさ』のある顔だと思いました。
ヘッドは大きいですし、『角張った』というよりは、全体的に丸みを帯びています。
トップラインの厚さも充分にありますし、グースもしっかりと効いています。
シャープさとは真反対の顔をしたアイアンだと思いました。
正直、私はあまり構えやすいとは思わなかったのですが、こういったタイプの顔をしたアイアンに安心感をもたれる方はとても多いのではないでしょうか?
なかなかイメージが出せなかったので、『あまり規制を設けない』といいますか、まずは『なるようになれ』といった感じで振っていこうと思いました。
『ヘッドの大きさ』に安心感をもたれる方はたくさんいらっしゃると思うのですが、私は『大きさ』というよりは『イメージの出しやすさ』『イメージの鮮明さ・強さ』に安心感をもちます。
なので、今日は少し不安に感じながら構えていました。
本来ならば、きちんと頭にイメージを描いてからショットするのですが、今日はなかなかそれができなかったので、いつものルーティーンではないままテークバックをスタートしました。
試打を開始しました。
まずは、この独特な打感がとても印象的でした。
決して悪い打感だとは思わなかったのですが、何と言いますか、アイアンを打っている感じがしませんでした。
まるで『ユーティリティ』を打っているような打感だな・・・。と思いながら試打を繰り返しました。
『ジャストインパクト』といった言葉が何故か頭に浮かんできました。
あまりソフトな感じはしなかったですが、適度なしっかり感があって、それはそれでいいのだと思いました。
ただ、私はこのフィーリングではなかなか距離感をつかんでいくことができませんでした。
フェースの何処でヒットしているのかも、フィーリングだけでは感じ取ることができませんでした。
なかなか『溶け込んでいけない』感じがしました。
球はとてもよくあがります。
やはりこういった形状や、かなり多めのウェイトに加え、このゼクシオ7アイアンの為の軽量スチールシャフトが、かなり効いているような気がします。
アイアンは『ダウンブロー』が基本だと思うのですが、ダウンブローが苦手な方にも、かなり易しく感じられるのではないでしょうか?
それほどヘッドスピードも要さないと思いましたし、色々なところで当たっても、ボールを上げてくれるような感じがしました。
このアイアンのロフトは『30度』ということで、かなり立ってはいるのですが、それを全くといっていいほど感じさせないほどの『球の浮きやすさ』と『弾道の高さ』を感じました。
ただ、『スピンを効かせる』といった感じで打つことができませんでした。
『安定性』という点でも、今のアイアンの中でも『最高レベル』といっていいほど、高いと思いました。
極端にいえば、まるで『フェース面全体がスイートエリア』ではないか?と思えるほど、易しいですし、直進性も高いと思いました。
打点のブレによる、ミスショットはかなり軽減されるのではないでしょうか?
最初の5球ほどは、かなり乱れたインパクトを迎えてしまっていたのですが、それをあまり感じさせないほどの安定感を感じました。
細かいミスに敏感に反応するマッスルバックを『小型のモーターボート』に例えるならば、このアイアンはまるで『タンカー』や『大型フェリー』くらいの大きさに感じます。
少々の時化(しけ)にはビクともしません。
それくらい『でんと構えていられる』アイアンだと思います。
まさに『大船に乗った気分』といったらいいでしょうか?
今はアイアンに限らず、どのクラブにも『安定性』や『易しさ』といったところを一番に求めておられる方がとても多いと思うのですが、そういった方々には、このアイアンはすごく安心感が得られるのではないでしょうか?
『飛距離性能』という点では、『ストロングロフトアイアン』らしい、かなりの高性能です。
私は球を打っていて、いったいどこまで飛んでいくんだろう?と不安になるほどよく飛びます。
軽く振っても、すごくよく飛んでいきました。
距離感がつかめないので、全くの『ノーカン』で打っていったのですが、7番アイアンとは思えないほどボールは『遙か彼方』へ飛んで行ってしまっているように感じました。
ロフトが立っている・・・。ということもあるのですが、それ以外にもおそらくゼクシオらしいハイテクが組み込まれているのではないでしょうか?
ゼクシオは若い方からベテランゴルファーの方まで幅広く対応していますが、今回のこのゼクシオセブンというアイアンは、どちらかというとベテランゴルファーの方を対象としているのではないでしょうか?
『打ち手』が力をセーブしていても、より大きなパワーを発揮してくれるアイアンだと思いました。
昔に比べ、力が多少落ちてきたが、距離を落としたくない・・・。という方にマッチしているのではないでしょうか?
ゼクシオのアイアンは、これまでも敷居の低いアイアンが多かったですが、このゼクシオセブンはさらに敷居が低くなっているように思います。
『タフさ』とは全く無縁のアイアンだと思いました。
『操作性』という点では、これだけ『安定性』『直進性』が強いので、多少難しく感じる部分もあったのですが、何とか左右に曲げてみることもできました。
ただ、やはりなかなか思うようにはいかないので、もしコースでトライするのであれば、私にとってかなりの『ギャンブルショット』だと思いました。
曲がり幅は、かなり小さくて、なかなか大きなフックやスライスは打つことができませんでした。
私にはもっと修行が足りないのだと実感しました。
今回のゼクシオ7は、ドライバーもアイアンも、これまで以上にかなり『飛距離』にこだわって開発されているのではないでしょうか?
やはり『飛ぶクラブ』は売れる。ということは、ドライバーに限らず、アイアンなどにもいえることなのだと思います。
クラブには、色々な規制などがあって、これ以上飛ばしたりすることはまさに『至難の業』ですが、ゴルファー自身のポテンシャルを上げていくことに規制はありません(ドーピングなどはまた別問題ですが・・・)。
なので、これからはクラブの性能に頼り過ぎることなく、ゴルファー自身がトレーニングをすることが飛距離アップの上でも近道ではないか?と思うことがよくあるですが、こういった飛距離性能に長けたクラブに出会うと、いつものことながら、メーカー側の企業努力の凄さに感心せざるを得ません。
これだけロフトの立っているアイアンだから、各番手ごとの距離感やウェッジのコントロールショットなどの難易度が確実に上がってくると思いますが、こういったアイアンが売れ続けているということは、多くのゴルファーがそういったことに上手く対応できているからだと思います。
正直、私は全く自信がありません。
この高い飛距離性能や打感などから、私はこのクラブは『半分アイアンで半分ユーティリティ』だという印象をずっと持っていました。
『数ヤード刻みの距離感』というよりは、ドライバー同様『1ヤードでもグリーンの近くに』といったコンセプトのクラブだと思いました。
私はこのアイアンで球をずっと打っていて、なかなかコースで打っているイメージと重ね合わせることができずに、実戦に則した練習ができなかったように思います。
よく飛ぶのはありがたいのですが、やはりコースで使うには、今の私では技量が足りないと思いました。
ダンロップのクラブでは、私は圧倒的にスリクソンのほうが多く接してきていますが、ゼクシオのクラブ(特にアイアン)にはいいイメージを持っています。
中でも初代のゼクシオフォージドアイアンの、あの柔らかい打感は今でも強く心に刻まれています。
二代目のゼクシオフォージドもいいですが、私は初代の好印象が強く残っています。
そういったことを考えてみて、今回のこの『XXIO7』というアイアンは、私にはかなり難しいと言わざるを得ませんが、おそらく大ヒットするのではないでしょうか?
それくらい『ゼクシオブランド』はゴルファーから高い信頼を受けているように思います。
このアイアンの高性能を感じつつも、私はまた次に発売されるゼクシオのアイアンを楽しみに待ちたいです。
ダンロップ ゼクシオ7 アイアン
- 2011年11月27日
- ダンロップ
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